「松嶋……会長?」
常夏先輩達は驚いた様子で雅さんを見ていた
「お久しぶりですね。 常村君、夏川君」
「か、会長が何故ここに?」
「何故? おかしな事を聞きますね。 私はここのOGですよ? 清涼祭に来ても別に変な事ではないでしょ。 後、私はもう会長ではありません」
「は、はい……」
そんなやりとりを後ろで見ていて気になることがあった
さっきまで我が物顔で回りに大きな声を上げていたあの二人が打って変わって今では緊張した面持ちで話をしている
あの二人をここまで変え、しかも会長と呼ばれている雅さん
一体何者なんだろ? この人……
「ところで……」
そういうと眼つきが少し鋭くなって二人を見る雅さん
「さっきのアレは一体何なんですか? あんな大声で下級生のクラスの出し物の非難する。 上級生がやることではないと思いますが?」
「で、でもホントの事でしょ!?」
「確かに店の一部に不具合があったのは確かですがそれはもう改善されています。 衛生面にしても元の教室の状況から考えて綺麗な内装に仕上がってると思います」
「そしてなにより来店した方々に満足して帰ってもらっているという事。 それはつまりどのようにすればお客様に満足してもらえるかということを考えて行動していること。貴方達が言っているのとはずいぶん違うような気がしますが?」
「俺らあそこの店のサンプル食って死に掛けたッスよ!!」 「そうだそうだ!!」
「では聞きますが貴方達は普段からレストランに飾ってある食品サンプルを食べるのですか?」
「そ、それは……」
相手の抗議にそれを上回る正論で相手を完全に論破する雅さん
凄いな~と思っていると
「ミヤビ~、何かあったの~?」
帰ってこないので様子を見にきたのかクリスさんが店にやってきた
「か、か、上城先輩!?」
坊主先輩がなにやらクリスさんを見つけると顔を真っ赤にさせてアタフタし始めた
この反応……坊主先輩……そういうことか
「あ! シュンペイにユウサクだ! 」
「上城先輩まで来てたんッスか!?」
お~い♪っと三人の下に駆け寄ろうとするクリスさんの頭上をビュン!!と何かが駆け抜け
べチャ!!っと坊主先輩の頭に不時着した
「な、なんだこれ!? は、離れねえぞ!?」
坊主先輩の頭にくっ付いたのは紫色の艶かしいブラだった. 恐らく瞬間接着剤付きの
中にパットでも入っているのかモミモミとブラを揉むブラジャーせんぱ、あ、じゃなかった坊主先輩
端から見ると変態的なその行為に雅さんともう片方の先輩は突然のことに呆然としていると
「きゃー、あの人私の胸揉んでます!!」
振り返るとメイド姿の女の子が叫んでいた
よく見るとそれは女装した吉井君の姿だった。 後ろには満足げなうちの弟が……
オマエノシワザカ……
いやいやしかしあれは揉んではいな、……いや? 揉んでるから合ってる?
んん?? どっちだ?
などと変なことに頭を悩ましていると吉井君の大きい声が周辺の来客の視線を坊主先輩のほうに向けられていた
「え!? あ、いや! これはその!!」
テンパる坊主先輩。 そんな所に
「あのね? シュンペイ? 女の子のブラをそうやって遊ぶのはどうかと思うヨ?」
「なっ!?」
いや~クリスさんこの場面でそれはないかと。 あーでもこの人たまに天然な所もあるし、まああながち間違いではないわな…端から見れば
そう言われると坊主先輩の顔がかぁぁと真っ赤になっていった
「つ、常村!! 逃げるぞ!! い、一時撤退だ!!」
「え!? ちょ、ちょっと待ってよ!! 夏川!!」
凄いスピードで教室を後にする坊主先輩にそれを追う常村先輩
逃げたくもなるよね……
「待て!! 変質者め!!」
「追うぞ! 明久!!」
先輩方を追う吉井君達。 ……君も十分変な人ですよ? 吉井君
Aクラスのそんな騒ぎを外から見つめる一つの視線があった
「ちっ、推薦状を餌に駒にしたのはいいが役にたたん奴らだ。 ……仕方ない、別のプランも動かせるようにしておくか」
そうしてその視線は人ごみの中に消えていった
感想お待ちしてます! ……あったらいいな。w。