転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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第49話

 

 

 

 

何故あの時、私はあんな事をしてしまったのか……

 

 

私は数分前の自分の判断に後悔していた

 

 

そう、清涼祭の開始の合図が鳴りいよいよ開店しようとしている時に突然それは言い出したのだ……

 

 

「そうだよ! にゃんだよ! にゃん!」

 

 

そう言って友人が訳の分からない事を言い出した

 

 

「なんなのよ? 愛子。 突然変なこと言い出して」

 

 

「せっかくその格好してるのに語尾に「にゃん」が付いてないのはおかしいよ!」

 

 

「…………」

 

 

何を言っているのだろうか、こいつは……。只でさえこんな格好をしてしまい私の黒歴史に新たな一ページが生まれてしまったというのに

 

 

私にまた新たな一ページ作れというのかアンタは!!

 

 

「えー絶対似合うって。 ねー?みんな」

 

 

愛子がそう皆に問うと、うんうんと首を縦に振るう人がいたり萌え~と言っていたりする奴まで現れた

 

 

「なっ!? そ、そんな事やらないわよ!?」

 

 

「そんな事言わずにやってよ~。 ね?」

 

 

「クラスの売り上げのためにそこをなんとか!!」

 

 

「絶対可愛いから♪ お願い!」

 

 

な、なんかやらないといけない空気になりつつある。 な、なんとか回避せねば……。 もう増やすわけには!!

 

 

「……優子、今更一ページ増えたところで大差ないと思う」

 

 

「それ慰めになってないよね!! というか心読まないで!!」

 

 

とそうこうしていると

 

 

「お客さん来たよー!」

 

 

店の前で見張りしていたクラスメイトが慌てて入ってきた

 

 

「さあ、いよいよ開店だよ! 頼んだよ優子」

 

 

「え!? ええ!? い、いや、ちょっと!?」

 

 

「いけ! ゆーにゃん!!」

 

 

「ああ!!もう!!」

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

 

 

 

 

 

「えーと、ここだよね? 2-Aの教室って」

 

 

「うん…。 ここのはずだけど」

 

 

2-Aの教室の前に二人の女子生徒が様子を伺っている

 

 

一人は小柄だが元気溢れる様子で、もう一人のほうは長身だがおとなしそうな目の女子生徒

 

 

「さっそく入ってみようか! 小町ちゃん!」

 

 

「う、うん……。 でも何も言わなくていきなり来ちゃったら木下先輩の迷惑にならないかな?」

 

 

「大丈夫♪大丈夫♪ 私達はお客としてきたんだからなんの問題もないよ。……それにライバルであるあの人の動向も監視しないと(ボソ)」

 

 

「永姫ちゃん? どうかしたの?」

 

 

「ううん! なんでも♪」 エヘッ

 

 

「?」

 

 

「じゃあいくよ?」

 

 

「うん」

 

 

「たのも~!!」

 

 

二人が教室の扉を開け、目の前に広がった光景は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お、お、お帰りなさいませにゃん♪ お嬢様方♪……!? ぴこぴこ

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

物凄く見覚えのある人物がメイド服に猫耳猫しっぽが付いた服装でしかも語尾ににゃんとつけて自分らを出迎える光景であった

 

 

今この場はなんと言っていいか分らない空気に包まれていた

 

 

 

「……こちらのお席にどうぞ……ですにゃん」ぴこぴこ

 

 

「「あ、は、はい……」」

 

 

「……こちらがメニューです、にゃん」ぴこぴこ

 

 

「「ど、どうも……」」

 

 

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

 

((く、空気が重い……))

 

 

(ど、どうする? 永姫ちゃん)

 

 

 

(ど、どうするって、もう適当に何か注文してこの場はどうにかするしかないよ)

 

 

 

(そ、そうだね)

 

 

 

「そ、それじゃあこの本日のおすすめケーキセットをお願いします!」

 

 

 

「わ、私もそれで」

 

 

 

「かしこまりました。しばらくお待ちください……にゃん」ぴこぴこ

 

 

 

そう言うととぼとぼとした足取りで猫耳メイドはオーダーを伝えるとスタッフの控え室に入っていった

 

 

 

「あのさ、注文取ってる間、木下先輩の表情見えた?」

 

 

 

「ううん。 なんか俯き加減だったからあまりよく見えなかったけど……」

 

 

 

「事前に来ること伝えておいたほうがよかったのかな? 私的にはちょっとしたドッキリのつもりだったんだけど……」

 

 

 

「なんだかメンタルな部分をおもいっきし削り落としちゃった感じだったよね……」

 

 

 

この後どうしようかと二人が悩んでいると

 

 

 

「……お嬢様方、オーダーはお決まりでしょうか?」

 

 

 

「あ、はい。 今さっき係りの人にオーダーを頼みまし……」

 

 

 

「「あっ……」」

 

 

 

永姫が顔を合わせた人物は優子のメイド服とは少し違ったデザインのメイド服を着た翔子であった

 

 

目が合った瞬間、二人の顔が笑顔になった

 

 

それはもう不気味なくらいに……

 

 

 

「……何しに来たの?」

 

 

「先輩達が可愛いメイドさんのお店をやると聞いたので一番に駆けつけてみたんですよ~♪」

 

 

「……そう」

 

 

ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……

 

 

(あ、あわわ!?二人とも笑顔なのになんなのこの地の底から聞こえてきそうな轟音は!?)

 

 

 

その時の光景を隣にいた秋山小町にはこう見えたという

 

 

にこやかに笑う二人の後ろで竜虎が相対する絵が見えたと……




久々の投稿でした。そろそろキャラの紹介もしておこうかとおもうのですが本文で書いていいのかな

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