「勝者!Aクラス 工藤愛子!」
おおおおおおおおお!!!!
高橋先生がそう宣言するとAクラスから歓声が上がった
「やったね!工藤さん!!」
「まさかあの点数差の上での劣勢から逆転するなんて凄いよ!」
「ナイスだよ!工藤さん!」
「愛してます!工藤さん!」
「あ、あはは。どうもどうも♪ まあちょっと運が良かっただけだよ」
クラスの下に戻るとクラスメイト一斉に送られる賞賛の声に少し照れながらこう答える愛子
「これでうちのクラスが大手だな! 次で決まりだぜ!」
「ああ! もう貰ったも同然だな!」
愛子の勝利に浮き足立つAクラスの面々、だが……
「う~ん。でもそう簡単には行かないかもしれないよ?」
「「え?」」
愛子が見ている方角にクラスの皆がその方角に目線を移すとそこには
真剣な面持ちでこちらを見ている姫路さんの姿がそこにあった
「姫路……。そうかFクラスにはまだ姫路がいたんだよな……」
そのことを再確認するとさっきまでの歓声はピタリとやんだ
そうなるのも仕方がないのかもしれない。なんせ入学して最初のテストで学年二位の成績を叩き出し尚且つ常に上位一桁台にいる常連のそんな彼女相手に勝つのはかなり難しい事を誰もが知っているからだ
「後うちのメンバーで残っているのは大将の霧島さんと後は……」
「木下さんだけだよな?」
「でも霧島さんは大将で出れないから実情出れるのは木下さん……」
クラスの中からそんな会話が出てクラスの面々が優子の姿を探してみると代表の霧島となにやら話し込んでいる優子の姿を見つけた
「代表、今どのくらいまで進んでる?」
「……今のところ八割位は終わってる。あと少し時間が欲しい」
「あと二割か……。わかった! 何とかして時間稼いで見るから代表はこのまま続けて」
「……わかった。何とか間に合うようやってみる」
「頼んだわよ! 代表!」
そう言うと優子はクラスの皆の下に戻り、翔子は静かに目を閉じた
「あ、お帰り優子。代表と何話してたの?」
「うん?ああ、ちょっと頼みことをね。ところでどうしたの? なんかクラスの雰囲気重いんだけど?」
「ああ、あれだよあれ」
クラスの一人にそう言われて視線を向けるとそこにはFクラス最高戦力はいる訳で
「……なるほど。まあ愛子の相手が土屋君と分かった時点で判りきったことだったから驚かなかったけどね」
「ところでさ。……現実、姫路さん相手に勝算あるの?」
クラスの女子が不安そうに聞いてきた
「そうだね、う~ん結構厳しいかもね」
「そう、やっぱり厳しいよね……」
「皆暗くなってるみたいだけど私が負けてもまだ負けた訳じゃないのよ? それに私の後に控えている人物忘れちゃったの?」
「「え?後って……」」
そう言って皆の視線が一点に集中した
「「代表!!!」」
「そういうこと。例え私が負けたとしても代表が勝てば問題なし。代表が負けるなんてこれぽっちも思ってないわ。みんなだってそうでしょ?」
「そうだよな! こっちにはまだ代表がいるもんな!」
「ええ!うちのクラスの勝利は確実よね!」
再び歓喜に沸き立つクラス一同。そんな中……
(皆にはああ言ったけどけど負けるつもりは更々ないわ。入学して初めてのテストで完膚なきに見せつけられたあの点数差、私の目標の中の一人。あれからかなり努力したつもりだけど果たして何処まで迫ることができたのか……。 試させてもらうわよ!姫路さん!!)
優子は一人静かに闘志を燃やしていた