転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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第27話

「それでは三回戦を行います。各代表前へ!!」

 

 

高橋先生がそう言うとFクラスからは土屋が出てきた。どうやら原作通りに事は動いているようだ

 

 

「さて、それじゃあそろそろボクの出番かな」

 

 

「ちょい待ち。愛子、もそっと」

 

 

そう言って私は手招きして前に出ようとする愛子を呼び止めた

 

 

「ん? どうしたの? 優子」

 

 

「ちょっとアドバイスがあるのよ」

 

 

「アドバイス?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では選択科目は保健体育で構いませんか?二人とも」

 

 

「……異議なし」

 

 

「ボクも問題ありません」

 

 

「それでは三回戦、対戦科目保健体育始め!!」

 

 

 

愛子Side

 

 

(全く、優子も無茶なこと言ってくれるよね。しばらく防戦に徹しろってこっちは直撃食らわないようにするのがやっとなのにさ)

 

 

三回戦が始まる前に優子が愛子にアドバイスしたのは一つは最初は防戦に徹し相手の召喚獣の動きを見ること。愛子は最初は土屋は自分と同じ位と警戒をしその考えには賛同していたのだが……

 

 

 

「「試獣召喚(サモン)!!」」

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 

Aクラス工藤愛子446点

 

VS

 

Fクラス土屋康太572点

 

 

これを表示された途端愛子に動揺が走ってしまった

 

 

そんな動揺している所を突かれる形で土屋の猛攻をうけた。土屋の召喚獣のスピードは自身の予測を大きく上回るもので苦戦強いられていた

 

 

愛子は何度か土屋の召喚獣の攻撃に合わせカウンターを試みてはみたが自身の武器が大きい斧がために動きが大振りになり回避されやすく、すぐ後ろに飛んで間合いを取られていた

 

 

(このままだとこっちの動きに慣れられて不味いことになるね……。しかも今まで一度も腕輪を使ってきてないし、相変わらず攻撃のスピード落ないしと状況は悪くなる一方なんだけど。えーと、確か優子の二つ目のアドバイスは確か……)

 

 

「いい? 防戦に徹していれば必ず向こうは腕輪を使って決着を着けようとしてくるはずよ」

 

 

「腕輪? ムッツリーニ君の保健体育の点数は高い点数とはボクも予想してたけどまさか腕輪が付く位なモノとはね。まあ当然か、Bクラスの代表倒す位なんだしそれくらいないとボクも張り合いないしね。それでどんな能力なの? ムッツリーニ君の」

 

 

「「加速」よ。とんでもないスピードで移動して敵を倒す、まあスピードに特化した召喚獣なら予想できるモノではあるけどね」

 

 

「ふ~んそんな能力なんだ。しかしよくそんな情報知ってたね優子」

 

 

「え!? そ、それはほら? あれよ。DクラスやBクラスの時にそんなの見たって言う目撃情報があったのよ!うん」

 

 

「そ、そうなの?」

 

 

「そうなの!!」

 

 

「わ、分かったよ。それでもう一つのアドバイスのほうは何なの?」

 

 

「もう一つは土屋君の召喚獣に付いている腕輪、その腕輪が光ったら即武器を盾代わりに前に構える事。上手く防ぐ事ができればその瞬間勝機が生まれるはずよ。まあ愛子ならその時になればどうすればいいか分かるはずだから」

 

 

(……な~んてなこと言ってたっけ。まるで事前にムッツリーニ君が腕輪使うところ見てるようなアドバイスだったけど優子も無茶言うよね~。相手の腕輪が光ったら即武器を盾として構えろってそれってあの早い攻撃を防ぎながら尚且つ腕輪の反応にも着目しておけって事でしょ?)

 

 

 

ガン!!ガガガガ!!

 

 

重なり合う刃、飛び交う斬撃音

 

 

 

「クッ!!」

 

 

(ホント無茶言ってくれるよね。……でもまあ防戦に徹していたおかげでこっちも向こうの動きに目が慣れてきたし、それにこのままだといずれジリ貧になってやられちゃうし……ならば!)

 

 

グッと武器の大斧を短く持ち直して構えを取る愛子の召喚獣

 

 

(一か八か賭けてみますか!!)

 

 

そして再び訪れる刃が交じ合う音のみが支配する刻

 

 

そんな中で放たれた愛子のとある一撃が事態を急速に展開させる

 

 

それは反撃で放たれた一撃であったがその一撃は今まで放ったものとは一回り大振りで相手につけ入れられるモノだった

 

 

そんな隙を土屋が見逃すはずも無く後ろに回避した瞬間、付けていた腕輪が光ると一瞬召喚獣の姿がブレたと思った次の瞬間には愛子の召喚獣の懐に迫らんとする鋭き刃と化していた

 

 

愛子との距離がゼロになった瞬間大きな衝撃音と共に強い突風が教室内を駆け回った

 

 

「ど、どうなったんだ!?決まったのか?」

 

「決まったに決まってるだろう!!俺達Fクラスの二連勝だ!!」

 

「おおおおおおおおおお!!!」

 

 

勝利を確信するFクラスの面々

 

 

 

 

 

 

 

 

だが……

 

 

 

 

「やだな~、まだ決め付けてもらっちゃ困るよ?」

 

 

!!!!!!!

 

 

 

その声を聞き視線を声がした方に向けるとその先にはぎりぎりのところで土屋の刃を大斧で防いでいる愛子の召喚獣の姿がそこにあった

 

 

「結構無茶な体勢からだったけど何とか間に合って良かったよ♪」

 

 

「クッ!」

 

 

土屋は奇襲を防がれてしまったので一度間合を開こうと召喚獣を動かそうとするが

 

 

「なっ!? う、動かない!?」

 

 

「あ~、そういえばまだ言ってなかったよね?ボクの腕輪の効果」

 

 

そう言われて愛子の召喚獣を見るといつの間にか腕輪が光を放っていた

 

 

「ボクの腕輪の効果は武器に電気属性を追加すること。勿論ボクの武器に触れた召喚獣にもその影響が出るよ、こんな風にね!」

 

 

よく見ると土屋の召喚獣は感電して大斧に張り付いた状態になっていた

 

 

「せーの!」

 

 

愛子はそう言うと土屋の召喚獣を貼り付けたまま大斧を天高く掲げると

 

 

「いっけぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 

地面に向け思い切り振りかぶり地面に叩きつけた

 

 

土屋の召喚獣は地面と大斧の間に挟まれる形で叩きつけられ、そして点数が0と表示されたと同時に消滅した

 

 

この勝負の勝者が決した瞬間だった


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