転生したら猫かぶりのあの子になっていた   作:秀吉組

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第18話

あの悪夢のお弁当事件から数日が経った。原作通りFクラスがBクラスに宣戦を布告した

 

 

恐らく展開としては姫路さんは根本君にラブレターを押さえられ動きが取れず、Fクラスは根本君の策略にハマリピンチを回避するために秀吉を私に化けさせCクラスを挑発させAクラスに当て付ける、とまあこういう流れになるんでしょうね

 

 

まあ正直言えば当てられたとしてもCクラス位なら問題なく勝てるはずだけど。でも……

 

 

 

あのバカきっとかなり苦しむ事になるでしょうね、他の事ならいざ知らず演劇に関してはあいつは常に誠実だったしね。それほど大切にしている演劇に対する想いをあんな事のために汚したくないでしょうに

 

 

……やれやれここはお姉ちゃんが一肌脱いでやるとしますかね♪ それじゃあまずは……

 

 

 

 

コンコン

 

 

「いいよ、入っておいで」

 

 

「失礼します」

 

 

ノックし部屋に入るとそこにいたのはコーヒーを飲んでいた長い白髪が特徴の藤堂カヲル学園長だ。この文月学園の売りの一つでもある試験召喚システムを開発した中心的人物でもある

 

 

「おや、誰かと思ったら二年Aクラスの木下じゃないか。 今日は一体どうしたんだい?」

 

 

「はい、今日は学園長先生に一つお願いがあってきました」

 

 

「お願い?」

 

 

「はい。 ぶっちゃけ単刀直入に言います。AクラスとCクラスを試召戦争するように仕向けてくれませんか?」

 

 

「ブッ!!!!」

 

 

いきなりの発言驚いたのか飲んでいたコーヒーを吹きそうになった学園長

 

 

「い、いきなりとんでもないことを言うんじゃないよ! 口からコーヒーを吹き出すところだったじゃないか!」

 

 

「そうですか?」

 

 

「そうですか?って当たり前じゃないか。 どこの誰が自分のクラスに戦争を仕掛けさせようとする奴がいるさね」

 

 

「ここにいますけど?」

 

 

「……言うじゃないか。まあ、まずはどうしてわざわざ自分のクラスを攻めさせようとするのかその理由を聞こうじゃないか」

 

 

私は今行われようとしている戦争について、根本君の策略、そしてあのバカの想いを守る為などを話した

 

 

「……なるほどね。しかし自分の弟の演劇に対する想いを守るためだけに自分から火の粉を被るような真似をするなんてアンタもFクラスに負けないくらいのバカだね」

 

 

「まあ小さい頃からアイツがどんな想いで演劇やってきたかそばで見てきましたからね。・・・それにたまにはバカな事をしてみたくなるんですよ」

 

 

「プッ、ハハハ♪ でもそんなバカは嫌いじゃないさね。……いいだろう! その話受けようじゃないか。 それに根本には少しお灸を据えてやろうとも思っていたところだからね」

 

 

「学園長先生、根本君に関して何かご存知で?」

 

 

私がそう聞くと学園長先生は顔を顰めた

 

 

「ああいうタイプの人間って奴は裏で悪さをすることに関しては証拠を残さないくらい丁寧にやるんだろうね。 アイツがテスト問題をカンニングしている事は掴めてはいるんだが証拠は一切なくてね、どうにかしてお灸を据えてやろうかと思っていた所だったのさ」

 

 

流石は喧嘩に刃物は当然装備と言わしめているほどの人物だ。カンニングくらいやっていても不思議じゃないか根本君は

 

 

「ところでCクラスの小山が根本と組んでいるのは確かなんだろうね?」

 

 

「はい。あの二人はどうやら付き合っているようですよ? それに根本君が頻繁にCクラスに顔を出していたのも確認済ですし」

 

 

「ほう~?小山があの根元を、ね。 頭は良くても男を見る目までは良くないらしいね。 その曇った目を覚まさせるのにも今回の件はうってつけと言う訳か」ニヤニヤ

 

 

な、なんか学園長先生凄く悪そうな顔している……

 

 

「戦わせる口実には召喚獣の動作の速さ向上の為のデータ集めの模擬戦としておくかね。 あと模擬戦なので負けても設備の降格はなし、でも三ヶ月間の宣戦布告の禁止の件は採用とする。こんな感じでいいかい?」

 

 

「でもそれだとCクラス嫌がりませんか?」

 

 

「そうだね……、よし! ならこの模擬戦で勝てば設備を交換するってのはどうだい?負けても何も失わず勝てばAクラスの設備。奴らにとっては願ってもない条件だろう?」

 

 

「そ、そうなると今度はうちのクラスが嫌がりませんか?」

 

 

「Aクラスには勝ったら今度開かれる清涼祭の出し物少しくらいなら多めに見てやるって事にしておけば大丈夫さね。 それにAクラスの中にはAクラスという事を誇りに思っている連中が多い。 Aクラスとしてのメンツにかけて負ける訳にはいかないと思う筈だから大丈夫さ」

 

 

「わかりました。 学園長先生、力を貸してくれてありがとう御座います!」

 

 

「おや? 勘違いするんじゃないよ。 これは貸しなんだからね? そのうち後できっちり返してもらうよ?」

 

 

「あ、あはは……、お、お手柔らかにお願いします……」

 

 

抜け目無いな~学園長先生は……

 

 

とりあえずこれで戦いの火種は用意できた

 

 

後はクラスの皆の説得か……難しいな~

 

 

クラスの皆に何と言って説得したらいいか考えながら自分のクラスへと足を向けるのだった


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