私は死んだ。それはもうアニメや漫画出てきそうな誰かを庇って死んだり、とんでもない怪物と戦ってしんだりとかではなくただ本屋で目に止まった小説を読みながら家に帰る途中小説を読むことに夢中になりすぎた余りに前方不注意で気がついた時には遅く車にはねられたという余りにも間抜けな死に方だった
しばらくし目覚めるとそこは真っ白ななにもない所だった。身体を見ると無傷だった
ここは天国?それとも地獄?などと考えていると誰かがこちらに向かって歩いてきた。私の所にやってきた人物は
白いスーツを着た何故か紙袋を被っている長身の変態 (?)だった
「ご気分はいかがですかな?」
「気分?まあ気持ち悪かったりとかもないし平常ってところかしら?ってここはどこ?」
「驚かないで頂きたいのですがここは天国です、って余り驚かれていませんね?」
「まあ車であれだけ派手にはねられて気がついたら見知らぬ所にいるんだものここは天国?とか考えたりもするわ。まあ超能力者が間一髪のところで救ってくれた!な~んてことだったらいいのになとは思ったけどね」
「は、はあ…そうなのですか」
「ところで貴方は誰?」
「ああ、申し遅れました私天使のクロイツと申します」
……え?今この人物なんて言った?天使?…これが?
「おや?どうかなされましたか?」
紙袋の男が心配そう(?)に空いた穴からこちらを見ていた。どうやら突然の事に意識がそっちにいっていたようだ
「え、ええゴメンナサイ。ちょっとイメージしてたのとはちょ、いやかなり違っていたものだったから驚いちゃって」
「それは無理もないですね。天使には色々なタイプがいますからね~。子供のようなのも入れば中年のようなのもいますし」
知りたくもなかったことを知ってしまったような気がする…
「と、ところで私は一体どうなるの?」
私がそう聞くと紙袋の天使(?)は気まずそうに話を切り出した
「実は本来なら貴方はまだ死ぬべき「運命」ではなかったのです」
「「運命」ではなかった?どういうこと?」
「はい、人の人生は神が書き示した「運命」に沿って生きており、私達天使は人の姿に変え人がその「運命」に沿っていけるようにサポートする役割なのですが今回私共の手違いにより貴方は本来の「運命」とは別の「運命」を辿ってしまったのです」
「と言うことは私は本来とは違う「運命」の為に死んでしまった、と?」
「はい・・。今回のことは私共の不手際によるものなので神に頼み貴方には第二の人生を歩んで貰うことになりこうしてここに来ていただいたと言うことなのです。今までの話の内容ご理解いただけましたか?」
「…話が余りにも突拍子すぎて頭がついていかないのが正直なところね・・・。ところでさっき言っていた第二の人生ってどういうこと?」
「第二の人生それは簡単いうと転生ですね。貴方がいた世界とは違う世界でもう一度生を受けそこの世界の住人として生きてもらうと言うことです」
「私がいた世界での転生はダメなの?」
「はい…。大変申し訳ないのですがそればかりは……。あ、で、でもそれ以外なら貴方の希望する所にできますので」
「そう、か」
心の何処かで生き返って本来の世界に帰れるとそんな有り得ないことを考えていたのだろうか悲しみに沈みそうになったがいくら泣いても状況が変わる訳もない、ならその第二の人生を楽しむのも有りだろうと気持ちを切り替えることにした
「その希望する世界なんだけどそれはどんなのでもいいの?例えば小説の世界でも?」
「はい!だいじょうぶですよ」
「なら私が死ぬ前に読んでいたやつの世界にお願い」
「はい、……「バカとテストと召喚獣」ですねわかりました、今すぐにでも転生なさいますか?」
「転生する前に二つ聞いておきたいことがあるんだけど?一つはその世界でもその言ってた神様の「運命」に沿って生きることになるわけ?それともう一つはその世界の住人を演じないといけないわけ?」
「普段ならそうなのですが今回は特例としてそれはありません。今回のは私共の不手際のために起こったことですから貴方の思うままに第二の人生を送ってくださって結構です。それとオマケも付けさせて貰う事になりました」
「おまけ?」
「はい、貴方が亡くなるまでの知識はそのままの状態で転生して貰います。簡単に言うと体は子供頭脳は大人みたいな感じです。強くてニューゲームですね!」
まるでどこかの漫画みたいな設定だな…
「他に何か質問はございますか?」
「いいえ、もういいわ」
「そうですか。では転生を開始しますね」
そういうと天使(?)は被っていた紙袋を掴むと
「フラーーーーシュ!!」
そう言って紙袋を取ると中から閃光が飛び出した
「えええ!?そんなやり方なの?!っていうかアンタ、ハ」
私が言い切る前に私の周りが閃光に包まれその眩しさから目を閉じた
目を閉じてしばらくすると閃光は止み目をあけようとするが目がなかなか開かない!というかあの前に身体もまるで自分の身体ではないかのように動かせなかった
しばらくそうやっていると突然光が差し込んで来てそして暖かい感触に包まれた
そしてようやく目を開けるとそこには優しげな顔をしている男性が現れ、自分はタオルのような物に巻かれていた。こ、これはもしや…
「おめでとうございます!元気な女の子と男の子の姉弟ですよ!」
「よく頑張ったな、ママ」
「フフフ、ありがとうパパ♪ところでお願いしてた名前考えてくれた?」
「ああ!もちろんだ!」
そう言うと私を抱いて
「この子は今日から木下優子、そして弟は木下秀吉だ!」
えええええええ!?
そうして私はこの世界で木下優子として生きることになったのだった