サスケの妹は生物の支配者   作:イェス

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波の国編final

「わかりました。僕は、君のために殺されましょう。」

 

私の幻術と毒の作用で白は催眠状態だ。

今なら、簡単には殺すことができる!

 

でも不安だ。

 

初めて人間を殺すんだから。

命はの価値は等しく、皆平等。

けれどそこに価値観や感情が入ってくる。

だから優先順位ができてくるし、特別ができる。

神様でさえ、平等を取れないでいる。っていってた。

別に、悪いことじゃない。仕方のないことって、割りきれって言われたけど、どうなんだろう?

結局、悩んだって同じなのかな?

転生ものの主人公は、「ハイハイ、ハイスペックでごめんね?カカシ先生は後ろで驚いててねプププwww」ってなかんじに余裕でやってるし、私だってそこそこチートだもん。大丈夫よ!

それに、すぐ後ろにサスケいるし!

 

「躊躇しなくていいんですよ?」

 

あぁ、わかってるとも!

ちょっと今までの“私”に区切りをつけてたのよ。

 

「知ってる。」

 

心臓の位置は、逆位置でない限り、真ん中から気持ち左め。

そこをクナイで指してやれば、ポンプである心臓から出てくる。

出血死かショック死。

空気中のチャクラを傷口から流し込んで、もう一度放出し、連結させて性質を雷に変える。

 

あと少し、あと少しで邪魔が入った。

 

「おーお、派手にやられて。がっかりだよ。ザブザ。」

 

いかにも闇の住人ですって感じのオッサン、ガトーが大勢の傭兵を引き連れて現れた。

まぁ、気がついてはいたけど。

 

ガトーは自分の企みをつらつら喋りだしていく。

すぐそばに来て、白を見上げて嘲笑ったり。

 

「はは、死にかけじゃないか。」

 

すぐ近くにガトーが来たから、サスケが私を庇うように前に現れた。

ヤベェ、サスケがマジイケメン。

白のクナイを抜き取ってガトーと距離を置く。

 

「カカシ、すまないな。裏切られた以上、お前と戦う理由はなくなった。」

「あぁ、そうだな。」

 

ガトーは倒れた白を蹴ったりと好き勝手言い出している。

どうせこのあと死ぬくせに。

 

ザブザにそれとなくいってみても、あいつは道具だったからと顔を背けてしまう。

 

「戦った張本人が言うのもなんだけど、本当にそれでいいの?

白はあなたのこと、本当に好きだったのよ?」

「殺しておいて、ずいぶん」

「平気そう?別に、今はどうでもいいでしょ?

あの子はあなたのために自を捨てた。夢を叶えられないまま。

あなたの願いを叶えるのが夢っていってた。おこってあげなきゃ、辛すぎるよ。」

「小娘。」

 

ザブザの足元に、涙がポロポロ落ちていく。

 

「それ以上はなにも言うな。

あいつは優しすぎた。忍も人間だ。人間に生まれた以上、道具にはなりきれない。」

 

ザブザは解毒してあげよう。白も解毒したし、間に合うさ。

 

「何をした?」

「解毒剤。多少体力を回復できる。」

「……そうか。」

 

ついでにクナイを投げ渡す。

それを口で加えてガトーの元に走っていく。

すごい。

クナイだけで、あそこまで殺るなんて。

人が束でうち上がったり、断末魔がひびきわたったり。

それも、傭兵の攻撃を一切受けずに。

そして、ザブザはガトーの首を撥ね飛ばした。

まぁ、ザブザ倒れちゃったけどね。

 

「お前たちの頭は倒れたが、まだやるのか?」

 

サスケがそういい、私に脅すように合図してくる。

私は傭兵の一人に向かって、豪火球を放って燃やす。

焼き殺された奴を見た他の傭兵がざわついて、カカシ先生が押しで影分身を行った。

 

そして、その後ろにはクロスボウを持った島民とナルトが。

 

「うー、終わってたってば?でも、まだ終わってない?まぁ、いいってば!多重影分身の術!」

 

ナルトの多重影分身により、傭兵が完全にびびっている。

でも、許さない。

近くのスズメバチを呼び出して傭兵たちを襲わせる。

スズメバチは何回もさせるからアナフィラキシーショックでバッタバダだ。

 

死屍累々となった端っこで、ザブザの声が聴こえる。

私が近づいて声に耳を傾ける。

 

「小娘。頼みがある。」

「なに?」

「あいつの、白の顔が見てぇんだ。」

「わかった。」

 

チャクラを使ってザブザを持って白の横に寝かせる。

 

「悪いな。」

「別に。ただこれのお返しなら、木ノ葉の里以外で仲良く暮らしなさい。」

「なにいってる、白はお前に――ッ!」

 

私は白を殺した訳じゃない。

殺すとか、殺さないとかやっぱり、私には無理だ。

まぁ、傭兵は殺したけどさ?

二人にはやっぱり幸せになってもらいたいよ。木ノ葉の里以外で。

 

「二人でゆっくり休んで、ここで街の用心棒でもしたら?名前を変えて、包帯とって。」

 

・・

 

それから二週間。

ザブザと白は町で自警団の団長、副団長として、町の人にも馴染んでいった。

二週間のうちに、今までのできていなかった海の方面の仕事ができるようになり、治安も回復していった。いまだ金は少ないままだが、うまく回るようになり、それなりに暮らせるようになってきているらしい。

橋がて来たため、さらによくなることに期待だ。

そして、今日私たちは任務終了となって里に変える。

ナルトに少し、貧血のことで文句を言われたが、うまくザブザを盾にしてやり過ごした。

ザブザは子どもに弱い。

 

あの大橋は【うちは大橋】となって、島側に石碑がたてられ、そこにあった出来事がサスケと私を主人公にかなり美化されて彫られていた。

こうやって伝説って広まるんだね。

 

「おかげでうちは大橋は完成したが、超寂しくなるのぅ。」

「お世話になりました。」

「まぁ、タズナさん。次は遊びに来るからね。」

 

そこに、イナリがうるうるした瞳のまま、絶対来てね。といってくる。

はじめと違ってかわいい。かわいいよイナリ。

 

「次遊びに来るときは、泣き虫直しとけよ。

ふん、寂しいんなら今は泣いてもいいんだぜ?」

 

サスケもここ二週間でイナリと仲良くなった。

 

「泣くもんか!サスケの兄ちゃんだってないてもいいんだぞ!」

 

「ミコさん。」

「白!ザブザ!」

 

白とザブザも見送りに来てくれたようで、ザブザはもう、顔を隠していない。

白も髪を短く切ったのか、一目で男の子だとわかるようになった。

 

「達者でな。」

 

は!ザブザがデレた!

私驚きだよ!

私の頭をわしゃわしゃと撫でてそういった。顔つきは近所のおじさんみたいになってる。

 

「うん。ザブザと白もね。」

「はい。」

 

「それでは。」

 

帰り際、イナリは泣き出してしまい、ザブザに励まされていたり、タズナに笑われていたり、していた。

無事、原作話の任務を終えられたと感じる。

帰ったらママかお兄ちゃんに甘えよう。


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