次の試合はカンクロウとシノで、一番私が楽しみにしている試合だ。
「ミコ、カンクロウとシノどっちが勝ちそうか?」
「……シノかな。」
「そうか。」
サスケと我愛羅は医務室で隣にいない。 ここぞとばかりにナルトが話しかけてきて正直うざったい。
私はシノの試合を観たいのにっ!
「ミコ。一つ……いや、少し話さないか?」
「……なんで?私は今から観戦するんだけど?」
「そんなもん影分身でやればいいだろ?」
っち。言い返せない。
影分身は解いたときにオリジナルに情報が行くのよね? 仕方ない。
私は影分身をしてから私が残って影分身がついていく。 私は片目を閉じて、瞑った方を影分身にリンクさせる。ペインの輪廻眼みたいな感じ。
影分身の私が連れてこられたのは会場のある一室。 ナルトが先に入って誰かに声をかける。
「入ってくれ。」
ん?この声どっかで聞いたな。
私が部屋に入るとヘットギアと仮面を着けた人物が椅子に座っていて、私を見ると立ち上がって最敬礼をした。
あ、ヤマト隊長じゃん。 はっやっ!登場はっや!
「ヤマト隊長だ。わかるだろ?」
「今はテンゾウって名前だけどね。」
「……たしか、柱間細胞の?」
「ほう?やっぱりな。」
「やっぱり生きてたんですか。よく生き残りましたね。実験のことは神様から聞いていますよ。」
「……神主長さま。本当に神様はいらっしゃるんですか?」
……なにを、何を言い出すの!この男は! あり得ないっ!これはオビトの再来? 大蛇丸の実験体には洗脳毒が仕込まれているはずよね? 許されないっ!オビトの二の舞を、先代の二の舞を踏まないために、洗脳しなくてはっ!
「神様は実在しますが?どうかされましたか?」
「いえ、ただ。自分の過去を振り替えると……その。すみません。」
「いえ。構いませんよ。常人ならば知覚することさえ出来ないお方ですから。」
ヤマト隊長に極々自然に近づいて手を握る。 後は簡単だ。まっすぐ目を見て言葉を投げ掛けるだけ。
「“私を信じて”くださいね?」
「あ……はい。そうですよね。いや、ありがとうございます。」 「おい!ミコ、いいか?」
……ん?ナルト?
「どうしたの?ナルト?」
「いや、はなしをだな。」
「……あぁ、そっか。いいよ。」
私忘れてたよ。
ナルトは近くの椅子を寄せて座る。 それをみたヤマトが一つ椅子をもって私の後ろに設置したので、私はそこに座った。
それからナルトと話した内容は長いから省いてまとめると、おんなじ転生者なんだから、木の葉崩しをくいとめようぜ。ってことだったわ。
ま、善処するわ!
すぐにカンクロウとシノの試合に戻ったんだけどギリギリアウト。
シノは王手を決めていて、降参という場面だった。
ナルト、一生恨むから!