奉仕部を退部した俺は、文芸部に入部した。あれから俺は、あの二人とは一切話していなかった。そうして月日は流れ、12月の半ば。
俺は、文芸部の部室で過ごすようになった。部室では本を読んだり、藤咲と話したりしている。たまに、材木座がやって来る。何故、材木座が来るのか?答えは簡単だ。自分の原稿を見せに奉仕部に行ったが、奉仕部の空気が最悪で見せれなかったそうだ。あと、俺がいないこともそこで知ったらしい。それで、俺がいる文芸部に泣きついてきた。仕方なく原稿を見ると、相変わらずめちゃくちゃだった。だが、藤咲は丁寧に直す箇所を教えていた。相変わらず優しいやつだと思った。
ある日。いつものように文芸部の部室にいると、ドアがノックされた。
「どうぞ」
藤咲は声をかける。ドアが開いた。
「せんぱーい……」
来客はこの学校の生徒会長の一色だった。一色の登場に俺達は驚いた。
「どうしたんだ?」
「助けて下さい……」
「とりあえず、話を聞きます。どうぞ座ってください」
そう言って藤咲は一色に座るようにすすめる。一色は椅子に座ると口を開いた。
「それがですね……生徒会の仕事のことなんですけど……その仕事が大変なんですよ」
「どんな仕事何だ?」
「もうすぐクリスマスじゃないですか。それで、近くの高校と合同でクリスマスイベントをやろうと話になりまして、地域のためのイベントっぽいんですけど……」
「そうなんですか。初めての仕事で大変そうですね」
「そうなんですよ。だから手伝ってくれませんか?」
「それは生徒会の問題だろ。それに初めての仕事を最初から人に頼るのは違うだろ」
「そこをなんとかお願いしますよー」
そう言って一色は上目遣いで見てくる。俺は少し考える。そして、結論を出した。
「はぁ、仕方がねぇな。手伝ってやるよ。藤咲もそれでいいか?」
「はい、それで構いません」
「ありがとうございます、先輩方。今日も話し合いがあるのでお願いしますね。別に暇そうなんで大丈夫ですよね」
「そうだな………ちょっと待て!今日あるのか。その話し合い?」
「えぇと、何か用事があるんですか?」
今日、用事があったことを完全に忘れていた。俺はある人物から呼び出されているのを思い出した。
「そのすまねぇ。今日、ちょっと用事があったんだ」
「そうですか………」
一色は困った顔をした。俺は本当に申し訳がなく思った。
「大丈夫ですよ。私が行きますから」
そう言って藤咲は笑った。それを見ているだけで、胸が高鳴るのを感じた。
「じゃあ、藤咲先輩行きましょう。あと、先輩次は手伝ってくださいね」
「では、比企谷君また明日」
そして二人は出ていった。俺も用事を済ませないといけないな。そう思い、俺は目的の場所に向かった。
今、俺は前に来たドーナツショップに来ている。ここで会う約束をしている。中に入り、その人物を探す。そして、見つける。相手も気づいたようだ。声をかけてくる。
「久し振り、比企谷君」
その人物は雪ノ下さんだった。
今回は短めになってしまいました。次は長くなりそうです。また、諸事情により二週間くらい投稿できなくなるかもしれません。なるべく速く投稿出来るように頑張りたいと思います。