ポケモンだいすきクラブの会長から、自転車(100万円)の引換券をいただけた。太っ腹とかそう言うレベルじゃない。もらっておいてアレだがあの人頭おかしい。
ま、まぁ、とりあえずもらえたのは確かなのだから、此処は素直に感謝しよう。
ありがとうございました。
さて、早速自転車をもらいに行きたいところだが、クチバシティ周辺の探索が終わっていない。其方を先に終わらせてしまおうか。
そう言えば、クチバシティにもポケモンジムはあった。けれども、木が邪魔で入ることができないようになっているため、きっと此処もトキワシティのジムと同じように中には人がいないのだろう。だからジムは無視で。元々入る予定もなかったが。
そんなことで次に行ったのは、クチバシティの東にある洞窟。
その洞窟の入口にあった看板にはディグダの穴と書いてあり、ディグダの穴へ入って直ぐの場所にいた男性が、この洞窟はディグダが掘ったものだと言っていた。
それらなら中はきっと狭いんだろうな。なんて思っていたが、そんなことはなくアカヘルでも余裕で通ることができる大きさ。ディグダってすごいんだな。お月見山もディグダに掘ってもらえば良いんじゃないだろうか。
そして洞窟の中だけど、出てくるポケモンは予想通りディグダのみ。本当ならデブチュウのレベルを上げたいところだったけれど、ディグダに電気技が効かないことは知っていたため、アカヘルのレベルを上げることに。デブチュウと他のポケモンの差がどんどん開いているが、今は我慢しよう。
そこで気づいたことだけど、どうやらアカヘルにディグダの“あなをほる”と言う技は効かないらしい。さらに、ハラマキにも“あなをほる”は効かなかった。デブチュウは急所に当たってやられかけた。効果は抜群だった。
多分だが、アカヘルとハラマキは浮いているから技が効かなかったのだと思う。ハラマキは地面に降りていた気もするけれど、浮いている時もあるから効かなかったのだろう。色々と腑に落ちないことはあるが、なるほど、浮いているポケモンは地面からの攻撃が効かないのだな。これは良いことを覚えたぞ。
この世界へ来てから“対応”と言うスキルが上がった気がする。人間歳をとっても成長するものだ。諦めているだけな気もするが前向きにいきたい。
この洞窟に出てくるディグダのレベルはなかなかに高く、レベルを上げるのには丁度良かった。さらに、まだ捕まえていなかったディグダとその進化系だと思われるダグトリオなんて言うポケモンも捕まえた。
ダグトリオの見た目は3つディグダと言う感じ。本当にディグダがただ3つに増えただけ。まぁ、アレだ。ようはディグダの3倍強くなったってことだろう。しかもレベルは最初から31もありかなり強い。迷わずパーティーへ入れることに。
名前は……クリボーにしよう。
よろしくな、クリボー。
それにしても、これでパーティーは5匹になったのか。おしょうはただ持ち運んでいるだけだから、実質的には4匹だが、それでも増えたものだ。最初はハラマキの1匹だけだったと言うのにねぇ。
アカヘルのレベル上げをしたり、新しいポケモンを探していたりしたせいで、それほど長くないはずの洞窟なのに、なかなか時間がかかってしまった。それでも、無事ディグダの穴を抜け外へ。
はて、此処はどこだろうか。なんて思いタウンマップで確認すると、なんとニビシティの南、2番道路だった。
こんな場所と繋がっていたのか。しまったなぁ、最初からこの道を通っていればもっと早かったのにな。どうしても誰も教えてくれなかったのだ。
まぁ、此処まで来たんだ。せっかくだしニビシティの博物館へ行こうか。
「……ああ、なるほどそう言うことか」
そう思ったのは良いが、細い木が邪魔してニビシティへ行けない。なんなんだよ、この細い木は。誰でも良いからちゃんと切っておきなさいよ。
この木さえなければもっと交通の便が良くなると思うんだがなぁ。
一応、民家があり寄ってみるとケーシィとバリヤードを交換しよう言われた。しかし残念ながら、ケーシィは捕まえていない。今度捕まえたらもう一度来ることにしよう。バリヤードと言うポケモンは手に入れておきたい。
そんなわけで、ニビシティの目と鼻の先まで来たのに戻ることに。まぁ、旅なんてこんなもんだ。
ディグダの穴の次はクチバシティからさらに東にある11番道路へ行くことに。
其処には多くのトレーナーと広大な草むらが広がっていた。一応、草むらを避けて通ることができるようにするためか、人間が歩く用の道も用意されている。しかし途中で途切れていたり、何故か真っ直ぐではなく曲がっていたりと、この世界の国土交通省の性格の悪さが伺えた。ディグダを見習え、ディグダを。
そんな11番道路で出会った新しいポケモンは、トレーナーの出してきた、ニョロモと言うオタマジャクシのようなポケモンのみ。あと、草むらでスリープが出てきたからそちらはちゃんと捕まえておいた。
また11番道路の先は、滅茶苦茶でかいポケモンが寝ているせいで通ることができない。
どうなってんだこの世界は。たった1匹のポケモンが寝るだけで、この世界の交通は麻痺するのか。平和と言えば平和だが、もう少しなんとかしてもらいたい。
さて、さてさて。これでできることが本当になくなってしまった。“いあいぎり”を覚えさせ、細い木を切ることができるようになればまた違う道を進むことができるようになるはず。
しかし、秘伝マシンの使い方は分からないし、“いあいぎり”を使えるようにするにはブルーバッジが必要らしい。
多分だが、ブルーバッジはハナダシティのジムでもらうことができるだろう。縹色って青だし。
うむ、仕方無い。次はハナダシティのジムへ行くとしようか。自転車ももらえるし丁度良かったと思うことにしよう。
そんなわけで、再びハナダシティへ。
もうハナダシティに用はないと思っていたんだがなぁ……
とりあえずミラクルサイクルへ向かい、店員に引換券を渡してみた。
「はい、ありがとうございます。それでは自転車をどうぞ」
すごい、普通にもらえた。
こんな高価なものをこんな普通に渡して良いのだろうか。手続きとか面倒になるだろうと覚悟していたのに驚きだ。
まぁ、楽だから良いけどさ。
「んで……自転車は?」
「バッグに入れておきましたよ」
ああ、そうか。バッグに入れておいてくれたのか。そりゃあ助か……うん?
「バッグに?」
「はい、バッグに」
……あれ? もしかして俺がおかしいのか?
俺の記憶が正しければ自転車はバッグに入れるものじゃないと思ったが……確かに俺のバッグには色々と物が入る。入るんだけど……いや、自転車は無理だろ。どう頑張っても無理だろ。
それでも一応、確認してみると本当にバッグの中には自転車が入っていた。滅茶苦茶驚いた。いつの間にこの店員は入れたよ。しかしなるほど、これが折りたたみ自転車の本気か。
うん、まぁ、あれだ。100万円もするような自転車なんだし、きっとバッグへ収納できるような機能がついているのだろう。それならあの値段にも納得だ。
それでも、このバッグの中にある自転車が乗れるものなのか怪しかったため、一度取り出してみることに。
すると――
「レッドよ! こういうものには つかいどきが あるのじゃ!」
なんてオーキドの爺さんの言葉が聞こえた。
ふむ……バッグに収納出来るだけではなく、オーキド博士のボイスつきか。なるほど、100万円するのにも納得だ。
さて、この自転車は売り飛ばすか。
「すみませんが、それを買い取ることはできません」
売れなかった。
バッグへ収納可能折り畳みオーキドボイスつき自転車が売れなかった。クソが。
絶対オーキドボイスのせいだ。これがオーキドボイスじゃなくて、可愛い女の子の声とかだったら売れた。なんでよりによってオーキドの声を選んだんだ。もっと良い選択肢はあっただろうに。爺さんの声が聞こえたところで誰も得しないでしょうが。
はぁ、なんだかなぁ……まぁ、売れないのなら仕方無い。俺が大事に使うとしよう。変な場所で使わなければオーキドの爺さんの声だって聞こえないはず。それにあって不便な物でもない。
そんじゃ、ま。さくっとハナダシティのジムへ行ってこようかね。
若干テンションは下がってしまったけれど、とにかく今は前へ進もう。