Fate/シロウ厨二戦争   作:赤石なちる

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いやーランキングに載ってますね。すごく嬉しいです。これからも頑張ります。

ジャスティス!


第16話

「――シロウ大丈夫でしたか?」

 

 言峰教会で邪悪極悪外道神父に戦いに出ると誓いを見せつけ外に出る。そしてスタンド達のいる教会の門に遠坂と共に歩く。

 

 そして俺のスタンド――『聖騎士の栄光(ホーリーナイト・グローリー)』は俺が心配だったんだろう。

 

 そんな言葉を投げ掛けてきた。俺はその言葉に嬉しくなり言葉を返す。

 

「あぁ。大丈夫だ。まかせてくれ。俺は最後までこの戦いを生き残ってみせる。共に戦おう」

 

「言われるまでもない。私は貴方の剣だ。共に聖杯を掴みましょう」

 

 俺は『聖騎士の栄光(ホーリーナイト・グローリー)』のその言葉を聞き嬉しくなる。

 そうか。共に正義の味方として闇と光の本当の戦いを互いに乗り越えていこう!

 

 なんだ? こいつといると涙が出てきた。

 

 俺は今まで正義の味方として『悪獄(インフェルノ)』や暗殺機関『魔業』や世界洗浄機関『白き鐘《ホワイトベル》』と戦ってきたが一部の者達以外には白い目で見られてきた。

 

 だが俺のスタンドはそれを何も言わずとも受け入れ共に戦うと言ってくれた。

 

 何なんだろうか? 俺と『聖騎士の栄光(ホーリーナイト・グローリー)』の間には深い縁でもあるのだろうか? 俺と彼女は心が繋がっているのかも知れない。

 

「ハイハイ。もう良いわ。いつまでも教会にいるとあれだしもう行くわよ。んでなんで……アーチャーの足元はヒビまみれなの?」

 

「ん? 何でもないが?」

 

 ん? 確かに遠坂のスタンドの『紅纏う(クリムゾン・)堕天せし暗黒(ダークフォール)の救世主(・アナザーセイヴァー)』の足元がヒビ割れている。白い石の道が台無しだ。

 

「アーチャーは中でシロウの歌声が聴こえた時に足を揺すり始めそのままこの有り様になったのです。注意したのですが……止まらずこの有り様なのです」

 

「いや、すまんな。いちいち余計な手間をとらされたりくだらん歌を聴かされるマスターを見て――つい何をやっているのだ? と思ってな(いや、なに恥を思い返したら……足が勝手に震えだしてな)」

 

「悪かったわね! 別に好きでこんなことしてる訳じゃあないんだから! 行くわよ!」

 

 あ! 遠坂が……一人で走り出した! 追わないと! しかし『紅纏う(クリムゾン・)堕天せし暗黒(ダークフォール)の救世主(・アナザーセイヴァー)』の奴め、余計な手間とくだらん歌とはなんだ!

 

 文句を! あ!?

 

「――?『紅纏う(クリムゾン・)堕天せし暗黒(ダークフォール)の救世主(・アナザーセイヴァー)』が消えた?」

 

「アーチャーです。シロウ。そして消えたのは霊体化ですね。私達にかけられた認識阻害魔術は教会に入った時に凛は解いていました。アーチャーはそれで霊体化して追ったのでしょう」

 

 そうか。スタンドなだけあってやっぱり消したり出したりできるのか。そしてなぜ認識阻害魔術をかけていた? 気付かなかったぞ。

 

 まぁ認識阻害魔術は別にいいさ。

 

 なら『聖騎士の栄光(ホーリーナイト・グローリー)』も普段は霊体化させて側におこう。

 

 『悪獄(インフェルノ)』の基地に先入するときも霊体化させておけば手札を隠せるし『聖騎士の栄光(ホーリーナイト・グローリー)』が近接型のスタンドだということも隠せるしな。

 

「よし、ならお前も霊体化してくれ……」

 

「すいません。私は霊体化できないのです…………」

 

 なに!? 俺のだけそういう仕様のスタンドなの!? あれか? 武器が透明な代わりに姿は消せないのか!?

 

「…………そうか。なら仕方ないな。このまま追おう。行くぞ! 我が相棒!!」

 

「はい! シロウ!」

 

 こうして俺は二人を追い掛けた――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけたぞ! 遠坂よ!」

 

「衛宮君か……何よ? もう私と貴方はここまでよ」

 

 遠坂を追い走り出した俺と『聖騎士の栄光(ホーリーナイト・グローリー)』は坂を下り外人墓地の辺りで立ち止まる遠坂を見つける。

 

「なにが?」

 

 意味がわからず俺は聞き返してしまう。

 

「聖杯戦争に参加するなら私と貴方は明日から敵よ。私は貴方が魔術師とは言え何も知らない奴だったから一時的に同盟として世話しただけよ」

 

「ならお前は俺にとって倒さなければならない敵なのか?」

 

「何よ。珍しくマトモに会話できてるわね。そのとおりよ」

 

 ――――困ったな。俺は負けるかもしれない。

 

「そうか。残念だ。なら俺は……」

 

「何? ここで戦いたい? 貴方が家に帰って夜をあかすまでは見逃すつもりだったのだけれど――――」

 

「いや、俺はお前みたいな奴と戦いたくないだけだ。遠坂は思ったより良い奴だ。俺は良い奴が大好きだ! つまり遠坂が好きだ! 好きな奴と戦うなんてできない!」

 

 そうだ。俺は正義の味方だ。俺は誰かの為に頑張る奴を傷つけることはできない。だって俺はジャスティスファンタズムだからだ!

 

「は!!??」

 

(わー、凛め。こんな厨二病、相手に赤面するとか恥だぞ?)

 

「何言ってるのよ! 貴方やっぱり何も理解してないでしょう!! セイバーも何か言いなさいよ!」

 

「「?????」」

 

「何、主従揃ってえ? 見たいな顔をしてるのよ!」

 

「シロウは戦いを理解しています。理解していなければ周りを警戒などしないでしょう」

 

(けっして君が思うような理由で警戒などしてないと思うぞ……セイバーよ)

 

「そのとおりだ。俺はジャスティスファンタズムだ。正義の味方として警戒を怠ることもない。俺にとって日々が戦場だからだ」

 

「シロウ。貴方は戦士としての心掛けができているようですね。見てみなさい凛。何か問題がありますか?」

 

「………………いや、もういいわ。疲れた。とりあえず戦うのは理解してるのは伝わったから…………」

 

(凛が疲れきった表情だ。帰ったら紅茶でもいれてやろう…………しかし衛宮士郎よ。お前は俺がこの手で殺した方が良さそうだ。貴様がこのままジャスティスファンタズムのままなら……俺はお前をこの手で……凛の為にも俺の為にもそして俺の為にもな!)

 

「そうか。なら……もう行くからな。ありがとう遠坂!」

 

 冬木のパトロールをしないとな。戦争は始まった。ここでパトロールを怠ったたら冬木の人々の安全を守るものがいなくなる。遠坂には悪いがもういかないと。

 

「シロウの為に重ね重ねすいませんでした。明日からは敵だ。互いに悔いの無い戦いを」

 

「そうね。負けないから…………」

 

 

 ゾクッ! 何だ? この悪寒は!

 

「ふせろ!! 遠坂ぁぁぁあ!!!」

 

 俺は遠坂を押し倒す!

 

「何よ! 何なのよ! 衛宮君!? どうしたの!?」

 

「なーんだ。気付いちゃったんだ。ならいいや」

 

「ん? 迷子か? 子どもがこんな夜に」

 

「あら? お兄ちゃん。レディを子供扱いだなんて…………失礼よ」

 

「どいて! 衛宮君! あれはアインツベルンのホムンクルスよ!」

 

「アインツベルン?」

 

 何だ? そりゃあ? 遠坂の奴。やたらと警戒して…………。

 

 俺には白い美しい髪をした紅い瞳の美少女にしかみえん。

 そう――――『悲劇なる銀雪の妖精(スノーフェアリーカタストロフィー)』にしかな。

 

「ふふっ――もう、何しにきたのかわかるんだね。――――凛」

 

 そう遠坂に無邪気に微笑む『悲劇なる銀雪の妖精(スノーフェアリーカタストロフィー)』は無邪気さの中に潜む残酷な色を全面に押し出しながら背中から殺意の衝動を形にした存在が現れた。

 

 ――――そう、巨人だ。鉛色の巨人。それが黒い石の剣――――いや、塊をもって『悲劇なる銀雪の妖精(スノーフェアリーカタストロフィー)』の後ろにひかえている。

 

 その姿は圧倒的な殺意と圧力をもってあの少女の前にゆっくりと立つ。わかる…………この巨人に理性などない。狂気しかない。だがなぜだろうか? この化物の中に高潔さを感じるのは…………この化物はそう……『破壊する守護超人(アルティメット・デトネイション)』だ!

 

「凛!」

 

「シロウ!」

 

「「さがれ!!(さがってください!)」」

 

 俺と遠坂の前に二人のスタンドが身構え守るように立ち塞がる!

 

「――――やっちゃえ……バーサーカー」

 

 !!!!!!!!!


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