ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情 作:ガンプラビルダー
千棘「突然で悪いんだけど…今からデートに行かない?」
ひきつった笑顔で俺にデートの誘いを誘う桐崎。もちろん俺たちは本気でデート行きたいわけではないが、桐崎の隣にはクロードもいるので断ろうにも断われない。
仕方なく俺はこいつとデートをするのであるのだ。
一条「そ…そうだな…ハニー…ちょっと待ってろ……すぐ行くからな。」
俺はすぐさま千尋に昨日の約束を断る為、電話をかけるのであった。
一条「もしもし千尋?悪いけど今日用事ができちまって買い物に行けなくなっちまった。
すまん……」
千尋「そうですか……なら他の人を誘います。なんかすみません……」
一条「いやいや、気にすんな。また今度誘ってくれ。」
千尋「はい!その時は楽しみに待ってますよ隊長。」プツッ
クソッ!せっかく千尋から買い物の誘いを受けていたのに……ヤクザの息子じゃなければあんな奴と恋人のふりなんてする必要もなかったのに……
一条「お待たせー!ハニー。じゃあ行こっか。」
そして俺たちは偽物のデートするがデートのプランが何もない俺たちはとりあえず三門市内をうろうろと回るのであった。
千棘「ねえ私思いついたんだけど、このまま二人別々の行動をすればいいんじゃないの?」
一条「残念だがそれは無理だ。周りを見てみろ。」
桐崎も周りを見てみると驚きの表情を隠せなかった。クロードがまるでストーカーのように俺たちを監視していたのだ。
千棘「何やってんのよ!あのばかクロード!!」
一条「俺たちの関係を疑ってるのかどうかは知らんが、俺たちが家を出た時からずっとあの調子で見ている。これじゃあ離れようにも離れれない。」
千棘「そんな……じゃあどうするのよ?
そういうのってあんたが考えとくもんでしょ?」
一条「うるせえな…ちょっと待ってろ……」
桐崎に急かされた俺は頭の中である場所が思い浮かんだ。
一条「あっ!そういえば見たい映画があったんだ。料金も払ってやるからどうだ?」
映画館は時間つぶしにもなるしデートスポットとしてもいい場所だ。それにあいつも監視することもないはずだ。
千棘「まあ、あんたにしてはまともなアイデアね。ならとっとと行きましょう。」
このイヤミ女はなんでちょくちょく俺のことをバカにしてくんだよ……頭にくるぜ……
そんなこんなで俺たちは映画館へ向かうのであった。
千棘「あっ、私「ダブルアーツ」みたい。」
おいおい!!こいつ…俺と見たいもの違うじゃねぇか……
確かにこれもリリエンタールと同じく週間少年チャンプで人気の漫画だがな…
一条「ちょっと待ておれが見たいのは「賢い犬リリエンタール」なんだが、」
千棘「え〜……私それ興味ないんだけど。」
一条「何だと!?お前リリエンタール知らないとは何事だ!!これを読んでると心があったまるんだぞ!!」
千棘「何よ!!ダブルアーツはアメリカでも人気の漫画なのよ!!そんなことも知らないのあんた!!!」
どちらの映画を見るかで言い争いを行なう俺たち、だがこれじゃあいつまでたっても決まらない。
一条「よし!なら恨みっこなしのじゃんけんで決めるぞ!!」
千棘「望むところよ!!絶対負けないからね!!!」
俺たちは一番合理的なじゃんけんでどちらの映画を見るのか決めるのである。
一条と千棘「「じゃんけん、ぽん!!」」
俺がグーを出し桐崎が出したのはパーであったのだった。
千棘「この勝負私の勝ちね。約束通り見る映画はダブルアーツね。」
俺は桐崎の言う通り劇場版ダブルアーツを見るのであった。仕方がない……リリエンタールを観るのはまた今度だな……
千棘「ねえ、映画みたらお腹すいた。」
お腹すいたって……こいつ後半の方は寝てたじゃないか……クソッ!こんなことならやっぱりリリエンタールを観ればよかった。
一条「そうだなぁ……近くにいいラーメン屋があるんだがどうだ?」
千棘「行く行く!私ラーメン大好き!!!
ならさっさと行きましょう!!」
俺はテンションが上がった桐崎を連れてラーメン屋へと向かう。だがそこにはある人物がいたのだった。
諏訪「おっ!イチじゃねぇか。」
一条「す…諏訪さん。」
客席でラーメンを食べていたのは諏訪隊の隊長の諏訪 洸太郎(すわ こうたろう)さんだ。
この人は散弾銃を使うガンナーで堤先輩とのコンビネーションは抜群だ。
諏訪「なんだイチ?可愛い嬢ちゃん連れてデートか?熱いね〜。」
一条「ちょっと待てくださいこれには……」
俺は誤解されないように本当のことを話そうとしたが、俺たちの関係を疑っているクロードが客席で監視していたのを確認した。
諏訪「なんだ、お前俺に見られたのが恥ずかしいのか?」
一条「そ……そうなんです。俺デートしてるのを誰かにに見られるのが恥ずかしくて…」
諏訪「心配すんな。このことは誰にも言わないでおくからよ。だからデート楽しめよ。」
よかった……諏訪さんのお陰でクロードに怪しまれずに済んだ……
千棘「ねえ、さっきあんたと話していた人誰?知り合い?」
一条「まぁそんなものか。それよりお前は何食う?」
そういえば俺がボーダー隊員だっていうことまだ教えてなかったな。あとで機会があった時にでも教えるか。
千棘「あっ!私このバケツもりラーメン食べたい。」
一条「まじかよ。これ多分見た目以上に山盛りだと思うがお前食えんのかよ……」
千棘「私こう見えてけっこう食べるのよ。」
一条「まじかよ?じゃあ俺は醤油ラーメンの並盛りで。」
俺は店員を呼んで注文をしたのであった。
バケツ盛りラーメンを頼むと聞いて店員さんも驚いていた。
こんなスタイルがいいのに大食いだなんて信じられないな。
店員「お待たせしました。バケツもりラーメンと醤油ラーメンの並盛りです。」
千棘「いただきます!!!」
ラーメンがやってくると桐崎は物凄い勢いで食らいつくのであった。
桐崎の食いっぷりは凄まじく俺どころか諏訪さんや他の客も驚いた表情をしていた。
ラーメンを食べ終わった後俺たちは特にやることもなく俺たちのことを誰かに見られたくないので人混みの少ない公園で散歩をするのであった。
一条「お前すげえ食いっぷりだったな。ホント、ゴリラみたいだな。」
千棘「誰がゴリラですって!?」
グハッ!!なんなんだよ。ちょっとからかっただけですぐムキになって…
クロード(お嬢があの小僧を殴った?さてはあのガキ、お嬢に何かしたのでは?よく監視しなくては……)
千棘「ねえ、私トイレ行ってくるから待ってて頂戴。」
一条「はいよ。」
桐崎は公衆トイレに向かい俺は近くのベンチで座ろうとした。すると
千尋「あれ一条隊長じゃないですか。こんにちは。」
ベンチに座っていたのはなんと千尋と小南先輩だったのだった。
小南「あんた千尋ちゃんの約束を断っておいて何してんのよ?」
一条「あの……その……」
桐崎と偽物のデートしてるなんてとてもじゃないが言えない。そしてこの状況をさらに追い討ちをかける人物が現れるのである。
小野寺「お待たせ。千尋ちゃんの分のジュース買ってきたよ。」
千尋「あっ。ありがとうございます。」
小野寺「気にしなくていいよ。私も丁度ジュース買おうとしてたし。あれ一条君?」
嘘だろ!?俺の元にやってきたのは、俺が好意を寄せている小野寺とその友人の宮本るり
であったのだ。
ちなみに宮本の家族は親を失った集の引き取り親でもあるのだ。
一条「お…小野寺!?どうしてここにいるんだ!?」
小野寺「私とるりちゃんは千尋ちゃんに誘われて買い物にね。一条君は?」
一条「えっ?お…俺はちょっと散歩してただけなんだ。」
千棘「お待たせ。ダーリン。」
おい!!!どうしてこのタイミングでやってくるんだよ!!!このゴリラ女は!!!!!
しかも俺のことをダーリンなんて言いやがって!!
千尋「えっ!?一条隊長どういうことですか?」
小南「もしかしてあんたたち付き合ってんの?」
一条「えっと…あの……その……」
最悪のタイミングでやってきた桐崎、俺はどうにか誤解されないようにしようと思ったが
クロードがラーメン屋の時よりも鋭い目つきで監視してるため本当のことが言えなかった。
千棘「そ…そうなんです……私たち昨日から付き合い始めて……」
ちょっと待て!!!小野寺だけには絶対に誤解されたくないのに!!!
小野寺「そうなんだ……お似合いだね二人とも。」
うわわわわわ!!!小野寺が完全に誤解してしまってる!!!でもクロードが近くにいるから何も言えない。
千棘「い…行きましょうダーリン、じゃあね小野寺さん。」
一条「そ…そうだなハニー…じゃあな。」
小野寺「うん。じゃあね一条君。」
諏訪さんと会った時みたいに俺たちの関係がクロードにばれることはなかったものの、このことを一番誤解されたくない小野寺に恋人だって誤解されてしまった。どうしよう!!
これじゃあもう小野寺に告白なんてできないよ!!!!
小野寺「ど…どうしよう!!一条君、桐崎さんにとられちゃったよ!!!」
俺たちが去った後、小野寺はビックリしていたのだ。パニックになってる小野寺に宮本は軽くチョップするのだった。
るり「落ち着きなさい。小咲、おかしいと思わない?一条君と桐崎さんは昨日まで話すたびケンカしていた関係なのよ。あれは絶対何かあるわね。」
宮本は俺たちの関係性に違和感を感じていたのだ。
千尋「何かって何があるんですか?」
るり「そこはまだわからないわ。月曜日学校で会った時直接聞いてみるのが手っ取り早いわね。」
小南「えっ?なんでそんなに疑ってるの?
さっき付き合ってるって言ってたじゃん。」
るり(小南さんってホント騙されやすいわね)
クロード「なるほど……今日の二人の行動を見る限り特に怪しい行動はなかったな。だがあの小僧がお嬢に何をするかわからない。
これからも厳重に監視しなくてはな。」
小野寺達と別れると桐崎は呆れながら俺にこう言ってきた。
千棘「はあ〜…やっぱりあんたといると疲れるわ。あとで小野寺さんに事情を話してよね。」
一条「お前に言われなくてもわかってるって。だいたいなんであの場所でダーリンなんていうんだよ?」
千棘「はあ!?じゃあ、あのままクロードにバレてもよかったというわけ?」
一条「そうは言ってないだろ。でも少しは誤解されないような言い方あるだろ?」
千棘「じゃああんたはどういうのよ?」
俺はいつものように桐崎とケンカを始めたその時だった。
「門発生!門発生!!住民の皆さんは直ちに避難してください。」
突然、警戒区域でしかほとんど発生しない異世界からのゲートだったのだった。
ゲートからはバムスターが三体現れ俺たちは危機的状況に迫られたのだ。
続く
いかがでしたか?今回は原作とかなり違う展開ですがそのままやっても面白くなかったのでついやってみました。
今週のワールドトリガーで那須さんかっこよかったですね。
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