ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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今回はいつもよりは長いです。


空閑 遊真① ブラックトリガー

 

人型近界民を探して修を探していた俺たちは警戒区域にある旧弓手町駅で空閑が近界民と断定した。

 

トリオン体に換装して戦闘態勢になったものの、奴は三輪さんの嘘をあっさりと見抜いたし威圧感も半端なかった。

 

本気で掛からないと勝てないのは間違いないと改めて思った。

 

一条「やっぱりこいつただもんじゃありませんね。ここは全員で取り掛かりましょう。」

 

米屋「だな。じゃあイチ先手はどうぞ………って譲るわけねぇだろ!!」

 

空閑に俺が先手を取ると見せかけ米屋さんは槍状の孤月で奴の首を狙った。

 

空閑も俺たちを警戒していたのか米屋さんの不意打ちを先読みしてあっさりとかわした。

 

空閑「不意打ちが見え見えだよ。」

 

米屋「………っと思うじゃん?」

 

米屋さんがニヤリとした笑みを浮かべると空閑の首に浅い傷が生じた。

 

槍の刃先を自在に曲げることができる幻踊孤月が見事に決まったのだ。

 

空閑「なんだ?今のは絶対かわしたはず。」

 

米屋「浅いな〜……いきなり首は欲張りすぎたかな〜?やっぱり狙うなら足からかな?」

 

空閑「どういう仕掛けだ?」

 

どういう原理で首がやられたのかわからない空閑。

 

さっきの攻撃で奴のトリオンは少しずつ露出している。このまま持久戦に持ち込めば確実に勝てるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修side

 

空閑が初めてダメージを受けたのを目の前で見ていた僕は黙っていなかった。ポケットに入れていたスマホを取り出し迅さんに連絡をした。

 

迅「はいはい。もしもし?こちら実力派エリート迅。どうしたメガネくん?」

 

修「迅さん!A級の部隊と一条先輩の隊が空閑を………」

 

迅「うん知ってる。三輪隊と一条隊だろ?っていうか見えてる。今ちょうどバトり出したところだな?」

 

修「なっ!?………それなら空閑を助けてください!!このままじゃあいつは!!」

 

迅「大丈夫。安心して見てなよ。確かに一条隊のメンバーも全員俺の弟子だし三輪隊も腕が立つ部隊だ。けど遊真には勝てないよ。あいつは特別だからな。」

 

空閑が特別?一体どういうことだ?

 

こんな状況のなか迅さんは焦ることもなく電話を切った。

 

迅さんのことを疑っているわけではないけど僕は彼の言葉を信じることに不安を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一条side

 

三輪「陽介と一条は同時に先制を仕掛けろ!!俺と舞子はその直後に同時攻撃だ!!」

 

一条と米屋と集「「「了解!!」」」

 

三輪「一撃を警戒しろよ。何せバムスターをバラバラにした相手だ。」

 

米屋「へっ!そんなでかいのくらわないって!!」

 

まず俺はグラスホッパーを二枚セットし米屋さんと一緒に接近して攻撃を仕掛けた。

 

空閑は機動力が高いため俺が振り下ろした孤月は避けられてしまっものの米屋さんが突き刺した槍状の孤月は二回のうち一回足首に当たってかすり傷を与えることができた。

 

俺達の反対側にいた集はアステロイドを威力重視にして奴の後ろから放ち不意打ちを仕掛ける。

 

しかし、集が放ったさっきの弾は『盾』と書かれたシールドでガードされてしまった。

 

その隙に三輪さんは空閑の右手に張ってあるシールドを孤月で破り、奴を壁へ追い込んだ。

 

米屋「挟み撃ちなら殺れる!!!」

 

そう考えた次の瞬間………

 

空閑「『弾』印(バウンド)!!!!」

 

空閑は『弾』と書かれたグラスホッパーで屋根を突き破り上空へ飛んだ。

 

………あいつが上空に飛んでくれたおかげであれを行う最適の距離まで離れた。

 

一条「旋空孤月!!!!」

 

俺は旋空と孤月を同時に使い上空にいる空閑に向かって瞬時に振り下ろした。

 

空閑はシールドで孤月をガードしたが、シールドごとぶった斬り空閑の腹部に大きな切り傷を与えることができた。

 

そして、ビルの屋上からスナイパーのどちらかが空閑を目掛け狙撃し奴の右腕に貫通させた。

 

一条「さっきの狙撃は一体どっちがやったんだ?」

 

千尋「あれは奈良坂隊員の狙撃です。」

 

一条「そうか………ならあれは外したな………」

 

普段の奈良坂先輩なら頭か胸を狙って即死させることができたはずだ。

 

やはりあいつは最初から2人が遠くから狙っていたことに気づいていたっていうのか?

 

空閑に奈良坂先輩の狙撃場所を見られた以上さっきの場所から近づかない限り当たらないはずだ。

 

けれど、俺の旋空孤月と奈良坂先輩の狙撃で右腕も使えないし腹部からもトリオンが漏れている。もう少しで奴の息の根を止めることができる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

修side

 

千佳「ああ……遊真くんの腕が……どうしよう……遊真くん死んじゃうよ………」

 

修「くっ………」

 

空閑がボロボロになり千佳が動揺しているなか僕も心の中で焦っていた。

 

あの空閑がA級と迅さんの弟子相手に手も足も出ないなんて………

 

けれど、空閑の行動には何か違和感を感じる。

 

米屋「……つまんねえな………なんか反撃してこないと弱いものイジメみたいじゃないか……」

 

そうだ。空閑にしてはおとなしすぎる。初めて見る近界民も倒せたんだ。こんなにやられるのはやっぱりおかしい。

 

修「レプリカ、空閑はなんで攻撃しないんだ?あいつの強さはあんなもんじゃないだろ?」

 

レプリカ『ふむ。私が考えるにその理由は二つある。』

 

修「二つ?」

 

レプリカ『まずひとつは単純に相手の位置取りがうまい。近付く時は絶えずどちらか2人がユーマの死角に回り込み、ユーマが一方を相手すれば他の2人がすぐに隙をつけるように動いている。』

 

………確かに1人で4人を相手にするとなると無理があるな………けど僕が加勢したところで相手にならない………

 

レプリカ『ユーマは広い場所に出て挟み撃ちを回避しようとしたがそれも読まれていて右腕と腹部をやられた。なかなか戦い慣れている戦術だ。』

 

修「じゃあ、普通に手も足も出ないってことなのか!?」

 

レプリカ『確かに手強いがユーマが勝てない相手じゃない。ユーマが反撃しない二つ目の理由はオサムの立場を考えているのだろう。」

 

修「僕の………?」

 

レプリカ『オサムがB級に上がれたのに自分を匿っていたせいでそれが無になるかもしれない。そう思って平和的に交渉しようと試みたが相手は聞く耳を持たなかった。だからユーマは「いかに穏便に相手を無力化するか」を考えているのだろう。』

 

修「穏便に!?そんなやり方で勝てるのか!?」

 

レプリカ『私は難しいと思うのだが、それを決めるのはユーマ自身だ。』

 

………空閑のやつあんな追い込まれていても僕のことを考えてくれてたなんて……

 

千佳「遊真くんって本当に近界民なの?」

 

こうなった以上千佳にも本当のことを知る必要がある。

 

修「……そうだ。でもあいつは人を襲う近界民とは違う。僕は何度も空閑に助けられたし、近界民だけど空閑は僕の友達だ。千佳はどう思うんだ?」

 

千佳「……うん。私も遊真くんは近界民でも怖くない。」

 

僕達は空閑が必ず勝つ。そう信じあいつのことを見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一条side

 

右腕は使えず腹部や首などあらゆる傷口からトリオンが露出してかなり追い込んだはずだが、空閑は一向に怯む気配はない。

 

あれ以降、奴に何度も攻撃を仕掛けようとも俺たちの攻撃でダメージどころかかすり傷も与えることはできなかった。

 

恐らくこいつの動きは相当戦い慣れしている動きに見えた。

 

米屋さんと三輪さんは攻撃が当たらないことにとうとう苛立ちを見せた。

 

米屋「あーーー!!もう!!!戦ってもつまんねえくせにちょこまかと逃げやがって!!!そういうのホント腹立つ!!」

 

三輪「ちっ………随分手こずらせるな近界民……そろそろおとなしく死ね。」

 

俺と米屋さんが仕掛けた攻撃をバックステップで避けた直後、三輪さんは鉛弾を装填し空閑の背後から発射した。

 

空閑はまたシールドでガードするも鉛弾はシールドを貫通する能力を持っているため空閑の左腕に四つ直撃した。

 

空閑「重っ……なんだこりゃ!?」

 

レプリカ『トリオンを重しに変えて相手を拘束するトリガーだ。直接的な破壊力がない代わりにシールドと干渉したい仕組みのようだ。』

 

これでトリオン供給器官を破壊すれば戦闘体を解除できる。

 

俺たち4人は近接用トリガーを持って奴の首と胸に向かって一斉攻撃を仕掛けた。

 

一条と三輪「「これで終わりだ近界民!!!!」」

 

しかし、空閑の表情に焦りは一切見えなかった。こいつは何を考えているんだ?

 

空閑「『錨』印(アンカー)+『射』印(ボルト)四重(クアドラ)!!!!!」

 

空閑は四方八方から黒い弾を発射し三輪さんと集の全身に貫通し鉛が生じた。

 

俺と米屋さんはグラスホッパーを踏んで黒い弾を回避したが俺も両脚と右腕に貫通した。

 

動けなくなってしまった俺は集に向けて内部通信を繋いだ。

 

米屋「もらったぜ!!その首!!!!」

 

空閑「『鎖』印(チェーン)二重(ダブル)!!!!」

 

幸い鉛弾を全て回避することができた米屋さんは再び空閑に接近し首を狙おうと試みたが空閑が放った鎖でぐるぐる巻きにされ動けなくなった。

 

空閑「さて、じゃあ話し合いをしようか?」

 

一条「………いや……それは無理な話だ……集!!」

 

集「準備はできてるぜ!トマホーク!!!」

 

さっきの内部通信で米屋さんが接近している間、集にメテオラとバイパーを合成するよう指示をしておいた。

 

トマホークは空閑が立っていたところに向けて集中的に上空から降ってきて奴に直接爆発した。

 

煙が晴れると俺は空閑の戦闘体が解除してあることを確認しハウンドを散りばめた。

 

一条「空閑、これでおしまいだ。トドメは俺が刺す!!」

 

空閑の心臓に狙いを定め発射しようとした刹那、空閑の目の前に突然シールドが発生した。

 

迅「そこまでだ一条少年!!」

 

一条「迅さん!?」

 

迅さんはスナイパーの奈良坂先輩と古寺を連れていつも通りぼんち揚を食べながらやってきた。

 

三輪「迅……貴様……此の期に及んで近界民を守るつもりか!?」

 

迅「ああ。そうとも。こいつがいないと後々困ることがあるからな。」

 

三輪「ふざけるな!!そんな理由で近界民を守るのか!?邪魔をするな迅。俺たちの任務は近界民を殺すことだ!!」

 

迅「仕方がない。どうしても遊真を倒すと言うのなら俺が相手になってやる。」

 

迅さんの表情から判断するに本当に鉛と鎖によって動けなくなった俺たちを本当に倒そうとしていたのだった。

 

それを悟った三輪さんも抵抗するのをやめた。

 

修「けど、どうしてここへ来たんですか?」

 

迅「一条少年達が思ったより遊真を追い詰めていたからな。心配になって来てみたんだ。それになんか近くに可愛い女の子もいるみたいだし。はじめまして。」

 

千佳「は……はじめまして………雨取 千佳です……」

 

迅さんに話しかけられた雨取と言う少女はオドオドしていた。

 

迅「遊真、結構やられてるな……油断したのか?」

 

空閑「いや。普通に手強かったよ。最後の攻撃は正直予想外だったし。」

 

古寺「派手にやられましたね先輩。」

 

米屋「やーばい!これ超恥ずかしい!!」

 

集「おい古寺、恥ずかしいから俺たちのことあんまジロジロ見んな。」

 

 

迅「一条少年、最後の攻撃を指示をしたのはお前だな?まさかお前らがここまで追い詰めるなんて思ってなかった。ホントスゲェな!!」

 

一条「……いえ。確かにあいつの戦闘体を解除させるまで追い詰めることはできましたが俺たちもボロボロにやられました。………あいつのトリガーはノーマルトリガーの桁違いです。三輪さんの鉛弾をコピーして何倍にも打ち返して来ました。」

 

迅「お前らが負けるのも無理はない。なにしろこいつのトリガーはブラックトリガーだからな。」

 

三輪「何……だと!?………」

 

米屋「マジで!?」

 

ということは俺たちはただの人型近界民じゃなくブラックトリガー使いの近界民を相手に戦っていたことになるのか!?

 

まさか迅さんや天羽の他にブラックトリガー使いがいたなんてな……

 

迅「むしろ少年たちは善戦したほうだな。遊真にお前らを殺す気が無かったとはいえ、さすがA級の三輪隊に俺の弟子だ!!」

 

修「レプリカ、ブラックトリガーってなんだ?」

 

レプリカ『ふむ。ブラックトリガーとは優れたトリオン能力を持った使い手が死後も己の力を世に残すため自分の命とトリオンを注ぎ込んで作った特別なトリガーだ。ブラックトリガーには作った人間の人格や感性が強く反映されるため使用者と相性が合わなければ起動できないという難点があるがその性能は桁違いだ。』

 

修(……空閑と初めて会った時あいつが言っていた親父の形見って言うのはそう言うことだったのか……)

 

迅「このところ新型のトリオン兵相手でもゴタゴタしてるのにブラックトリガーまで敵に回したらやばいことになるぞ。『こいつを追い回してもなんの得もない。』秀次達は城戸さんにそう伝えておけ。」

 

しかし、俺と集の中では一番の不安があった。

 

集「あの、遊真ってやつが街の人を襲うことは?」

 

迅「俺が保証するよ。クビでも全財産でもかけてやる。」

 

「未来を見る」サイドエフェクト。迅さんの言葉にはかなりの説得力があるはずだが未だ納得する様子はなかった。

 

三輪「……なんの得もない?……損か得かなど関係ない!!近界民は全て敵だ!!………ベイルアウト!!!」

 

負け惜しみた言葉を空閑に向けて残したら三輪はベイルアウトをして本部へ戻った。

 

奈良坂「行くぞ陽介。もうここに用はない。」

 

米屋「へいへい。じゃあな今度勝負する時は1vs1で勝負しようぜ!!」

 

米屋さんも戦闘体を自主的に解除してスナイパー組と一緒に旧弓手町駅から去って行った。

 

空閑「さて、そこの2人はどうするの?俺はまださっきの続きをやっても構わないけど。」

 

一条「………そうか……空閑のブラックトリガーはあのトリオン反応と一致したか。……ありがとよ。」

 

空閑のブラックトリガーのトリオン反応は一週間前にバムスターから検出されたトリオン反応と一致したと千尋が解析してくれた。

 

俺は一か八か空閑に質問を聞いて見ることにした。

 

一条「空閑、お前に聞きたいことがある。数日前に現れた爆撃用トリオン兵を川の方まで引っ張ったのはお前か?」

 

空閑「……………」

 

だが、空閑は表情を変えぬまま何も言わなかった。

 

黙っている空閑の代わりにと修は口を開いて真実を伝えた。

 

修「はい。そうです。新型の近界民が現れた時僕があなたと木虎を助けるようにと空閑に頼みました。」

 

一条「じゃあ第三中学校に現れたモールモッドを倒したのも空閑なのか?」

 

修「そうです。僕の実力では歯が立たずやられそうだったところに空閑が助けてくれました。」

 

ふふ……ははははは………あーあ……スッキリしたぜ……これで散々千尋と探していた謎が解明された。

 

一条「どうやら三門市民を助けてくれたヒーローは1人だけじゃ無かったみたいだな。」

 

俺は今まで空閑に向けていた殺意を向けるのを止め戦闘体を解除して頭を下げた。

 

一条「すまない俺は大事な人の命を救ってくれた恩人を危うく殺すところだった。許してくれとは言わねえ。けど俺に謝罪とお礼をさせてくれ。」

 

頭を下げいる俺に対し空閑は右手を差し出してきた。

 

空閑「イチジョー、俺としっかり握手してくれるなら許してやってもいいぞ。」

 

一条「わかった。」

 

集「ちょっと待てよ楽!相手はブラックトリガー使いだぞ!!また何をしてくるのか分からないぞ!!」

 

一条「集、お前がそう言うのも無理はないと思う。けどこいつは千尋の命を救ってくれた。俺はそんな空閑を信じたい。」

 

四年前に近界民の攻撃で家族を失った為未だに集は近界民に対する不信感を持っているはずだ。

 

集「……そうだな……いくら近界民とは言え大切な人を守ってくれたとなれば話は別だしな。」

 

集は納得様子を見せ鉛だらけの戦闘体を解除して空閑の右手を握った。

 

集「………舞子 集だ。さっきは酷いこと言って悪かったな遊真。」

 

空閑「そうかマイコか。お前意外とオサムにそっくりだな。」

 

集「そ…そうか?まぁとりあえずよろしくな。」

 

集が空閑の右手を離すと俺もその手を強く握った。

 

一条「改めて自己紹介する。俺は一条隊の隊長をやっている一条 楽だ。」

 

空閑「知ってる。けど、よろしくなイチジョー。」

 

近界民とはいえこいつも俺たちと変わらない人間なんだ。空閑の右手を握ってそう感じたのだった。

 

 

 

迅「さてと、三輪隊だけじゃ報告が偏るから俺も基地に行かなきゃな。少年達はどうする?どっちにしろメガネくんには呼び出しがかかると思うけどよ。」

 

修「僕も行きます。」

 

集「俺たちはパスします。報告の方は三輪隊の方に任せているんで。」

 

修「あの、それならお二人に空閑と千佳を警戒区域の外まで案内して欲しいのですがよろしいですか?」

 

一条「承知した。こいつらの安全は俺が保証する。」

 

修「千佳、空閑はまだ日本のことはまだよく知らない。面倒見てやってくれ。

 

千佳「うん。わかった。」

 

それにしても修って面倒見のいいやつなんだな。チームを作って隊長になればかなりいい指揮をとれそうだ。

 

迅「それじゃあ行こうかメガネくん………っと言いたいところだが俺の元に電話がかかってきた。悪いけどメガネくん先に本部へ向かってくれないか?俺もすぐに行く。」

 

修「は…はい………」

 

修は迅さんの言葉通り1人本部へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その間修の頼みで俺たちは空閑と雨取を警戒区域の外まで連れて行った。

 

空閑「なぁ今度は俺から2人に聞きたいことがあるんだけど?」

 

集「なんだよ?」

 

空閑「俺、ボーダーにいる親父の知り合いを探しているんだけど、モガミ ソウイチって知ってるか?」

 

モガミ ソウイチ?誰だそりゃ?そんな名前の人ボーダーでは聞いたことがない。

 

一条「すまない。そんな名前の人は俺たちにもわからない。」

 

集「悪いけど俺もだ。」

 

一条「なんか……期待に応えられなくて悪いな。」

 

空閑「……そうか……別にいいんだ。」

 

モガミ ソウイチって人に余程の縁があるのか空閑は何故か寂しそうな顔をしていた。

 

その名前の人物は四年前の大規模侵攻前からボーダーに所属している人物とボーダーをやめた2人の女性しか知らない名前であったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方迅さんは旧弓手町駅から離れ誰もいない場所で電話の相手と会話をしていた。

 

迅「もしもしこちら実力派エリート迅。…………おっ羽!?久しぶりだな。中国で頑張っているか?……そう。ならよかった…………えっ?ああ。夏休みのとき千棘ちゃん達の未来を見たけど4人ともボーダーに入隊するのは確実みたいだ…………………まぁな5年前に起きたこともあるだろうしお前の気持ちもわかる………………………無理にとは言わないがいつか日本に帰ってこい羽。………じゃあな。俺はいつでも待っているぜ!!」

 

 

 

 

電話を切ると迅さんは空を眺め大きく息を吐いたのだった。

 

続く

 

 

 

 




質問コーナー

Q今回の話で『一条隊のメンバーは全員迅さんの弟子』と書いておりましたがオペレーターの千尋も迅さんから戦い方を教わっていたのですか?

A はい。千尋も元々訓練生として志願しましたが一条隊を結成した直後にオペレーターにシフトしました。

Q 空閑と戦っているとき米屋さんもグラスホッパーを使っていましたが米屋さんはトリガーセットにグラスホッパーを装填しておいたのですか?

A 米屋さんが踏んだグラスホッパーは全て一条がセットしたものを使っていました。

感想、アンケート、お気に入り登録を募集しています。次回もトリガーオン!!!

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