ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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ついにワートリ本編に突入です。今回は原作一巻の6〜7話のストーリーとなります。



異世界から来た少年編
三雲 修① 未熟者のヒーロー


一条と集と烏丸「「「トリガーオン!!!!」」」

 

校舎を出てトリオン体に換装した俺と集ととりまるはグラスホッパーを使いながら直ちに門が現れた現場へと向かった。

 

俺らがさっきまでいた凡矢理高校から凡矢理モールと第三中学校からはおよそ3分くらいか……

 

凡矢理モールにはバムスターが5体、そして第三中学校にはモールモッドが2匹いるとのことだ。

 

烏丸「俺は他の隊員より先に凡矢理モールへ向かってトリオン兵を撃退する。第三中学校に現れたトリトン兵は任せるぞ。」

 

一条「わかった。お前も無理はするなよ。」

 

 

俺と集はとりまると別れようやく第三中学校へとたどり着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校舎の壁に大きな穴が空いていたからおそらくモールモッドが中に侵入したに違いない。

 

そう思って校舎の中へ入っててみたもののモールモッドは弱点である目を正確に切断され2匹共に倒されていた。

 

こんな狭い場所で弱点の目を正確に狙うなんてかなりのスキルがいるはずだ。

 

一条「どうなってるんだ?第三中学校にはボーダー隊員はいないはずなのに……」

 

集「ってことは俺たちよりも先に正規隊員が来てたんじゃねぇのか?」

 

一条「そういうことになるな。とりあえず避難している生徒達に聞いてみるか。何か知ってるかもしれない。」

 

俺たちはひとまず校舎から出てここの生徒の安否確認を行う為校庭にいた先生に声をかけた。

 

一条「あの、さっきの襲撃でケガをした生徒はいませんか?」

 

「今、確認できました。全員無事です。」

 

集「よかった……俺らメチャクチャ急ぐ心配はなかったみたいだな。」

 

一条「だな。俺たちより先にモールモッドを倒してくれた隊員には感謝しないとな。」

 

校庭に避難していた千尋は安心した表情を見せて俺に近づいて来た。

 

千尋「隊長!よかった。来てくれたんですね!!」

 

一条「あぁ。何とかな。それより2匹のモールモッドを倒したのは一体誰だ?」

 

千尋「クラスメイトの修君が私達を逃しながらトリオン兵を倒してくれました。」

 

集「修?誰だそれは?」

 

正規隊員にそんな名前のやつは聞いたことがない。もしかしたら新しくB級に昇格した隊員なのか?

 

あたりを見てみるとなにやらメガネをかけた少年の前に人だかりができていたので聞いてみることにした。

 

一条「修って言う奴はどこにいるかわかるか?」

 

修「僕がC級隊員の三雲修です。他の隊員を待っていたら間に合わないと思ったので自分の判断でやりました。」

 

一条「C級隊員!?それは本当か!?」

 

んな馬鹿な!?昇格したばかりのB級隊員でさえモールモッドを倒すのは難しいのにまさか、戦闘経験が少ない訓練生がやったって言うのか!?

 

空閑「ああ。オサムは俺たちの命を救ってくれた命の恩人だ。オサムがいなければ俺たちはきっと………モゴゴ……」

 

修「おい空閑!余計なことを言うな!!」

 

修の隣にいた空閑と言う少年は彼をフォローした。しかし、修本人は何やらためらった感じで空閑の口をふさいだ。

 

二人の会話からして何か怪しいと思ったが、今はそれ以上の情報がないから一応修と空閑の言葉を信じるとするか。

 

 

 

「あっ!嵐山隊だ!!」

 

「ホントだ!スゲェ!!」

 

避難した生徒達が指差した方向を振り向くと先ほどまで防衛任務を行なっていた嵐山さんと木虎と時枝がようやく現場に到着したみたいだ。

 

嵐山「モールモッドが死んでいる?これは一条君達が先に来て倒してくれたのか?」

 

一条「いえ。俺たちが到着した時には既にモールモッドは撃退されていました。こいつらを倒したのはC級隊員の三雲 修です。」

 

木虎「C級隊員!?」

 

嵐山さんと木虎はそれを聞いて驚いた表情を浮かべていた。まぁ、俺たちもまだ半信半疑だし無理もない。

 

嵐山さんは修の肩をポンと叩いた。

 

嵐山「そうか、君か。よくやってくれたな!」

 

修「えっ?」

 

規律違反を犯して咎められると思ったのは修は嵐山さんから褒められてキョトンとした。

 

嵐山「君がいなかったら犠牲者が出ていたかもしれない。うちの弟と妹もこの学校の生徒なんだ。」

 

嵐山さんはボーダーの規律違反に対してそこまで厳しく追及はしてこないからな。修もとりあえず一安心だろう。

 

嵐山「うぉーーー!!!福!!佐補!!心配したぞーーーーー!!!!」

 

「ギャーーーー!!」

 

「やめろーーーー!!!」

 

嵐山さんは涙を浮かべながら弟と妹に近づき二人の頬をスリスリした。年頃だからかふたりは恥ずかしくて顔を赤くしていた。

 

嵐山「いやすごいな。ほとんど一撃じゃないか。しかもC級隊員で……こんなの正規隊員てもなかなかできないぞ。」

 

木虎「ちょっと待ってください嵐山先輩。C級隊員は元々訓練生。彼が行なったのは明確なルール違反です。違反者を褒めるようなことはしないでください。」

 

嵐山さんが修をべた褒めする中、木虎は修がボーダーの規律違反を犯したことに対し首を突っ込んだ。

 

嵐山「確かにルール違反ではあるけど結果的に市民の命を救ったわけだし。」

 

千尋「そうですよ!修君は私達を助けてくれたんですよ!」

 

木虎「嵐山先輩や千尋ちゃんのいう通り人命を救ったことは評価します。けれど、ここで彼を許せば他の訓練生にも同じようなことをする人間が現れます。もし他の訓練生も彼と同じことをすればいずれ深刻なトラブルを招くのは明らかです。それを示しつけるため、ボーダーの規律を守るため彼はルールに則って処罰されるべきです!」

 

木虎は嵐山さんや千尋の言葉をあまり聞かずに話を進めた。こうなってしまった以上めんどくさいことになるのは目に見えていたな……

 

けれど、こいつの言っていることはあながち間違いじゃねえから余計腹立つ。

 

 

周りの人々がどよめいている中、修の隣にいた空閑が木虎の目の前に歩き出した。

 

空閑「お前、遅れてきたのになんでそんな偉そうなの?」

 

木虎「誰なのあなた?私達の話に勝手に入んないでくれる?」

 

空閑「俺は空閑 遊真(くが ゆうま)オサムに助けられた人間だよ。」

 

木虎「誰もあなたの名前なんて聞いてないんでけど、それよりボーダーの部外者が私達の話に入ってこないでって言ってるのよ!」

 

空閑「て言うかお前、オサムが褒められるのが気にくわないだけじゃないのか?」

 

木虎「えっ!?」

 

どうやら図星みたいだな。空閑の奴俺たちが言えなかったことをよく堂々と言えたな。スゲェ……

 

木虎「………べ…別に私はそんなつもりは………」

 

空閑「お前、つまんない嘘つくね……」

 

空閑の一言によってどよめいた周りの空気は一気に固まった。

 

なんなんだよあいつ……木虎だけじゃなく俺たちも空閑にビビってしまった。

 

そんな状況の中、さっきまで校舎の中にいた時枝が生徒を連れながら手をパンパンと二度鳴らした。

 

時枝「はいはいそこまで。現場調査と屋上に避難してた生徒の引率は終わったから回収班を呼んで撤収するよ。」

 

木虎「時枝先輩、でも……」

 

時枝「木虎の言い分もわかるけど、三雲君の処罰を決めるのは俺たちじゃないでしょ?ですよね嵐山さん?」

 

嵐山「確かに充のいう通りだな。今回のことはうちの隊から報告しておく。三雲君は今日中に本部へ出頭するように。」

 

修「わかりました。」

 

多分上層部からは何らかの処罰を受けるのは確実だろうな。

 

木虎は未だ尚修のことを睨み続けていた。あいつ一体何考えてるんだ?

 

木虎「嵐山先輩、私に三雲君の見張りをやらせてください。」

 

嵐山「別に構わないがなんでそんなことを?」

 

木虎「もしかしたら彼が本部に出頭しないで逃げ出すかもしれないからです。」

 

おいおい、いくらなんでもそれはねえだろ。木虎の奴どんだけ修のことを疑ってるんだよ?

 

このままじゃ色々面倒なことになりそうだと感じた俺は何とかしないとと思った。

 

一条「嵐山さん、俺も木虎に同伴します。こいつ一人よりも安心できるので。」

 

木虎「ちょっと!一条先輩!?」

 

嵐山「わかった。それじゃあお願いするよ。」

 

木虎は不満気な顔を見せていたが嵐山さんの言葉に逆らわず言う通りにした。

 

嵐山隊の3人が第三中学校から撤収した後俺と集はもう一度撃退されたモールモッドを調べた。

 

千尋「あの、二人は何をしているのですか?」

 

一条「千尋、このモールモッドおかしいと思わないか?何であいつはこんな正確に弱点を狙えたんだ?バムスターならともかく攻撃用のモールモッドの刃を掻い潜ってそんな攻撃ができるとは思えねえな。」

 

集「それに二人の会話のやり取りもなんか不自然だったんだよな……」

 

千尋「考えてみれば確かにそうですね……隊長、私あのモールモッドの残骸を調べてもらえるように見せます。何かあれば後で情報を教えます。」

 

一条「わかった。頼んだぞ。」

 

正直、C級隊員がモールモッドを倒したとは考えにくいからな………とりあえず俺も修に直接聞いてみるとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、今日の授業を全て終えた俺は生身の身体で再び第三中学校へとやってきた。

 

校庭に行くと木虎が多くの生徒の前でまるでモデル誌に出てる人のような表情と目線を見せつけていた。

 

一条「何してんだお前?」

 

俺が後ろから声をかけると木虎はビクッと背中を跳ね上げた。

 

木虎「い…一条先輩!?脅かさないでください!!」

 

一条「いや。別に脅かしたつもりねえし。あれ修は?」

 

木虎「どうやらたった今やってきたみたいですね。」

 

木虎が指差した方向を向いてみると校舎から修と空閑が現れ周りの生徒達は修に対し「スゲェ」とか言っていた。

 

木虎「三雲君、私達が本部基地まで同行するわ!」

 

修「は…はぁ………」

 

修本人は何故俺たちがやってきたのかさっぱりわからなかったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、しばらく歩いて人混みも大分少なくなってきたしそろそろこいつにモールモッドを倒した時の状況を聞いてみるとするか。

 

一条「修、お前に聞きたいことがあるんだがどうやってモールモッドを倒したんだ?」

 

修「えっ?えっと……その……」

 

修はうまく説明できないのかそれとも何か隠しているのか、ためらった口調を見せていた。

 

すると空閑は修の代わりに状況を説明してくれた。

 

空閑「オサムは凄かったんだぞ!近界民の攻撃をヒラリとかわすと素早く相手の背後を取って一刀両断!返す刀でもう1匹を串刺しにしたんだ!!」

 

修「空閑、だから余計なことを言うなって!……」

 

やっぱりこいつらの会話のやり取りがおかしい……それにもし本当にそんなことができていたら今頃B級にいても不思議じゃない。

 

修は何か隠し事を持っているのは確実だな。

 

木虎「三雲君、あなた学校に現れたトリオン兵を倒してヒーロー扱いされたからって調子に乗らないことね。」

 

空閑「お前、本当オサムに対して対抗心燃やしてるな。」

 

木虎「なっ!?バカ言わないで!!私がこんなC級隊員に対抗心なんか燃やしてないわよ!!と言うか何であんたが付いてきてるの?」

 

空閑「ついてきたのはお前だろ?俺の方が先にいたんだよ。言っとくけどお前とオサムじゃ全然勝負になんないんだよ。」

 

木虎「なんですって!?」

 

全くこいつらは……会話をすればすぐケンカだな……まぁ俺も人のことは言えねえが、このままじゃまた場の空気が固まっちまう……

 

そう思った俺は時枝がやってたのと同じようにパンパンと手を叩いてケンカをやめさせた。

 

修はこの場の雰囲気を変えたかったのか俺と木虎に話しかけてきた。

 

修「あの……一条先輩でしたっけ?質問なんですけど、今日の学校の近界民……あれは一体何だったんですか?何で警戒区域外に門が発生したんですか?」

 

空閑「そういやそんなこと言ってたな。本当なら基地の周りにしか出ないはずだろ?」

 

一条「悪い。俺にもよくわからねえんだ。木虎、そのことについて何か知っていることとかあるか?」

 

木虎「一応知っていますけど、部外者がいるから話せないわね。」

 

空閑「俺は部外者じゃない被害者だ。」

 

木虎「………そう。まぁ一条先輩も知らないようだし仕方ないから私が教えてあげるわ。」

 

随分偉そうな言い方だな……そう言うところがこいつの腹立つところなんだよな……

 

木虎「まだ詳しいことはわからないけどどうやらボーダーの誘導装置が効かないイレギュラーな門が発生しているみたいなの。あなたたちの学校以外にも6件の門が発生してると報告されているわ。」

 

修「イレギュラーな門!?」

 

木虎「今までの6件は偶然非番の隊員が駆けつけてくれたから犠牲者は出なかったけどこの先どうなるのかはわからない。今三門市はどこに近界民が出現してもおかしくない状態なのよ。」

 

マジか……第三中学校と凡矢理モールの他に5件も門が発生してたなんて………

 

非番のボーダー隊員が駆けつけてくれなかったら被害は拡大していただろうな。

 

修「なら早くどうにかしないと!このままじゃ街が!」

 

木虎「それは技術者が行うことよ。私達が騒いでもどうにもならないわ。」

 

するとその時だった。

 

『緊急警報!緊急警報!門が市街地に発生しました。市民の皆様は直ちに避難してください。繰り返します………』

 

俺たちの目の前には大きな門が現れ、バムスターやモールモッドとは形の異なった大型のトリオン兵が空を飛びながら現れた。

 

一条「何だよありゃ?」

 

木虎「あんなトリオン兵見たことないわ!」

 

大型のトリオン兵は人混みの多い市街地へ近づき空から爆弾を次々と落として行った。

 

一条「まずい!街がやられてる!!木虎!!」

 

木虎「はい!私達がやらないと被害が拡大しますからね!」

 

 

修「あの、僕も手伝います。」

 

一条「何言ってやがるんだテメエは!?ベイルアウトもできないトリガーで何ができるんだ!!」

 

修「でも……」

 

一条「心配すんな。あのトリオン兵は俺たちが必ず仕留める。お前は空閑を連れてシェルターへ避難するんだ。いいな!?」

 

ベイルアウトができないと敵の攻撃で変身が解けたら為すすべも無く死んでしまうのは確実だ。それだけは何としても避けたい。

 

 

木虎「行きましょう一条先輩、モタモタしている暇はありません。」

 

一条「わかってる。トリガーオン!!」

 

俺と木虎だけでは無く修もトリガーを起動して戦闘体へと換装した。しかし、修はトリオンがなくなったのか武器を出せずにいた。

 

一条「さぁ行くぞ!!」

 

空を飛ぶトリオン兵なんて今まで戦ったことがないうえ多くの人命がかかってるから緊張するな……けどそんなこと言ってられないな。

 

三門市民の命を守るため何としてもあのトリオン兵を倒す!!

 

続く

 

 




質問コーナー

Q ガンプラビルダーさんはラブライブは好きですか?

A はい。大好きです。どちらかといえばμ'sの方がすきで南 ことりちゃん推しです。

Q どうして名前をガンプラビルダーと名付けているのですか?

A この作品を書く以前、pixivでビルドファイターズの二次創作を書いていたためです。

感想、アンケート、お気に入り登録を募集中です。次回もトリガーオン!!


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