ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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みなさんお久しぶりです。

前にも書きましたがとりまるの学力を若干変更しております。


橘 万里花⑤ 教えて下さい!楽様!!

季節が変わり段々肌寒い日が続くようになった12月、俺たちは11月に受けた中間考査の成績順が発表されると言うので自分たちの順位を探していた。

 

千棘「何位かなー?何位かなー?」

 

一条「おい、あんまソワソワすんなよ。」

 

しばらく貼り出されたれた順位表を見ていると俺はようやく自分の順位を見つけることができた。

 

一条(……くそ…63位か……なかなか50位の圏内に入るのは難しいな……)

 

今回は勉強のやり方を変えて見たんだけどな……なかなか思うように成績が良くなんないな……

 

隣にいた千棘は点数が俺よりもいいのにもかかわらず不満げな表情を浮かべていた。

 

それでも千棘の順位は学年5位で鶫が隣に並んで6位とかなり高い順位だ。

 

千棘「チェー……5位かぁ〜……手応えあったんだけどな〜〜……」

 

一条「いやいやいや。5位でも十分スゲェぞ!」

 

鶫「何を言うのだ一条 楽。烏丸さんの順位を見てみろ。」

 

一条「えっ?」

 

鶫の言う通り「烏丸京介」と言う名前を探してみると何ととりまるは千棘達よりも高い学年1位を取っていた。

 

あいつバイトも何個も掛け持ちしてて学年1位取るとか化け物かよ………

 

 

小野寺「どうだった一条君?」

 

一条「俺は63位だった。小野寺は?」

 

小野寺「私も88位でいつも通りだった……」

 

一条「やっぱ俺ら凡人は辛いな〜……千棘や鶫やとりまるなんかトップ10の圏内だし集や宮本も20位台に並んでいるし。」

 

小野寺「烏丸君が頭良いのは知ってたけど舞子君も成績いいなんて知らなかった。」

 

一条「あいつ、ああ見えて結構できるやつだからな。」

 

その集はと言うと恐ろしい顔をした宮本にボコボコにされていた。

 

どうやら宮本は集が一つ上の順位にいることが気に入らず八つ当たりしたみたいだ。

 

小野寺と話していると突然万里花が横から抱きついてきた。

 

万里花「楽様!私の順位をご覧になってください!」

 

一条「わかったわかった。どれどれ………って…えっ!?」

 

あまりに驚いてつい声を出してしまった俺。万里花の順位は186位と下には20人程しかいないかなり低い順位であったのだ。

 

それでも万里花は完璧なドヤ顔を俺に見せてきたのだ。

 

一条「いやいやいや!!何でドヤ顔を決めるんだよ!?」

 

なぜ万里花がドヤ顔を決めてるのかわからず俺は無意識のうちに突っ込みを入れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後俺たちはいつものメンバーで集まって万里花成績をどうにかするためみんなで話し合うことにした。

 

一条「さてと、最下位では無いもののここまで低い順位だとヤバイな。万里花は勉強が苦手なのか?」

 

万里花「正直に申し上げますとやる気が無いのですわ。何せ昔から楽様のお嫁さんになる為だけにならいごとや女性の魅力を磨くことばかりに力を注いできたものですから。」

 

一条「………さらっと空気の固まるようなこと言うなよ。」

 

さっきの発言のせいで千棘と鶫がいかにも襲いかかってきそうな目でこっちを見てるんですけど……

 

万里花「それにちゃんと出席日数が足りて入れば進級できるはずですわ。」

 

集「でもいいの?このままじゃ冬休みとか春休みに補修ばかりになっちゃうよ。」

 

烏丸「俺らが知る先輩もテストで赤点ばかり取って春休みに補習地獄が続いたらしいぞ。」

 

そういえば米屋さんもテストでひどい成績を取って春休みは補修ばっかりだったって言ってたな。

 

その時は出水さんや三輪隊のメンバーが教えてくれたおかげで何とか進級できたものの万里花にも同じような目にあって欲しく無い。

 

 

 

るり「一人で勉強しようとするからやる気が起きないのかも。誰かに教えてもらえれば自然とやる気が出るんじゃない?」

 

万里花「そうですわね!と言うわけで楽様!今日の放課後私の家で勉強を教えてくださいませんか?」

 

一条「えっ!?ちょっと待てよ!!」

 

あまりに突然すぎて俺は困惑した。

 

千棘「何言ってんのよ!勉強なんて一人でできるでしょ!?」

 

万里花「私の要領の悪さを甘く見ないでください。誰かの指導無しに成績の向上は不可能ですわ。」

 

何でそんな偉そうに言ってるんだよ?全然誇れることじゃねえぞ。

 

千棘「あーそう。なら、私が教えて差し上げましょうか?学年5位の私なら申し分ないでしょ?」

 

万里花「冗談がお上手ですわね。桐崎さんはどう考えても人に教えるのが上手なタイプじゃありませんのに………」

 

千棘「何ですって!?」ゴゴゴゴゴゴ……

 

千棘は骨の音を立てながら万里花に殴りかかろうとした。小野寺と鶫と宮本は拳を向ける千棘のことを必死に抑えこんだ。

 

だが、万里花はそんな状況の中でも俺にアピールを続ける。

 

万里花「ねぇ楽様構いませんでしょう?今日は父も帰ってこないので朝まで存分に勉強に勤しむことが出来ると思うのですが。」

 

一条「朝まで!?いやいや勉強を教えるのは構わねえが泊まり込んでやることじゃないだろ!」

 

万里花「いえ、そのことに関してはですね……実は明日数学の単元テストがありますので。」

 

一条「えーーーー!!??そうだっけーー!?なら今日でどうにかしないと!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、俺は万里花の家で勉強を教えることになった。今回は万里花の補習が掛かっているため千棘も一緒に教えてくれることになった。

 

万里花「何で桐崎さんまで付いてくるのですか?」

 

千棘「あら、家に友達が来てテスト勉強だけをするのに私がいて何か問題があるのかしら?」

 

 

万里花「別に問題はありませんがハッキリ申し上げるとお邪魔と言いますが………」

 

千棘「そんなことハッキリ言わなくていいわよ!!」

 

けど、さすがに男一人で泊まり込む訳にもいかないし、俺的には千棘がいてくれて助かった。

 

すると、万里花は数学の教科書を取り出して早速おれに抱きついて来た。

 

万里花「楽様ーーーー!!!!この問題がわからないのですがーーー!!!」

 

一条「のわぁーーーーー!!!!!」

 

物凄い勢いで抱きついて来た万里花を千棘は左手で掴み、俺から離れた場所にやった。

 

 

千棘「真面目にやれ!!!くっつかなくても教えてもらえるでしょ!?」

 

万里花「隣の方が教えて貰いやすいのでつい。」

 

仮に万里花が暴走した時も千棘が止めてくれるだろうからやっぱりこいつがいて助かった。

 

一条「それでどこがわからないんだ?」

 

万里花「えっと……まずは因数分解ですわ。」

 

一条「どれどれ……(a²x²−b²x²を答えよ。)か……なるほどな。いいか?この式はどっちにも(x²)があるだろ?その部分をまず取り除いてから(a²−b²)を(a−b)(a+b)とやるんだ。」

 

万里花「なるほど!つまり、(a)が私で(b)が楽様、そして(x)が桐崎さんとして(x)の桐崎さんを外へ追い出せば正解を導き出せるということですね。」

 

一条「まぁ………間違っちゃいないな。」

 

千棘「その覚え方やめろ!!!腹立たしい!!」

 

その覚え方で万里花がしっかり覚えたのならいいんだか、あからさまに千棘を毛嫌いしてるのが見え見えであるため本人からは酷評を受けた。

 

万里花「では楽様、次は必要十分条件を教えてください!!」

 

一条「えっと……これはちょっと俺もよくわかんねえんだよな……

 

千棘「ちょっと!教える側のあんたがそんなんでいいの?」

 

一条「うるさいな!俺はお前みたいに秀才じゃねえんだからワカンねぇとこくらいはあるんだよ!!」

 

千棘「はぁ……仕方ないわね。どれ、私に見せて?」

 

千棘はため息をつきながらも俺に丁寧に問題の解き方を教えてくれた。

 

あいつの教え方は万里花が言っていたのとは異なりしっかりわかりやすかった。

 

ホント……ゴリラみたいな握力と短気な性格さえなければパーフェクトな女の子だと思うのにな………

 

ふと思っていたその時、万里花は千棘の目の前でニヤニヤとした笑みを浮かべながらただじーーーっと見つめていたのだ。

 

千棘「なっ!?ちょっ……邪魔しないでくれる!?」

 

万里花「まぁ邪魔だなんて……それは勉強の邪魔ですか?それとも二人っきりの世界をですか?後者なら断固邪魔させていただきます!」

 

万里花の様子に呆れ返った千棘は再びため息をついた。

 

千棘「あんたねぇさっきからやる気あんの?………このままじゃ本当に補習だらけになっちゃうよ?いいの?」

 

万里花「いえ。やる気の方はあるのですが、苦手なものはどうしても苦手で……」

 

一条「お前そんなんでどうやって凡矢理高校に入ったんだよ?まさか裏口入学じゃないだろうな?」

 

万里花「実はその……お父様がお金を使って私を入学させてくれて……」

 

一条「ええええええええ!!??」

 

親のコネを使ってA級隊員になったやつは知っているがまさか学校でもやる奴がいるなんて………

 

万里花「というのは冗談で試験の前日に一夜漬けをしましてね。それでギリギリ合格できたと言うわけでして。」

 

一条「なんだよ。ビックリさせること言うな。………でもさ、お前の場合勉強が出来ないんじゃなくて単純にやらないだけなんじゃないのか?」

 

万里花「そうでしょうか?」

 

一条「お前ならちゃんと勉強すればできるようになるはずだ。なぁに俺たちもちゃんと手伝ってやるからよ。」

 

俺の言葉が余程嬉しかったのか万里花はキラキラと目を輝かせた。

 

万里花「まぁ楽様!私と共に二年生になれないのが淋しいと言ってくださるのですね。私頑張りますわ!!」

 

一条「お…おう。」

 

しかし、随分ポジティブな受け取り方だな……俺はそんなつもりで言ったつもりはなかったんだけどな………

 

万里花「それにしてもこうして楽様に何かを教わっていると10年前の日々を思い出します。」

 

千棘「あんた、10年前から勉強なんか教えてたの?」

 

一条「いや、俺はその頃はまだ幼稚園だし……」

 

万里花「いえ、10年前楽様が教えて下さったのは一人でも楽しく遊べる遊びとか、幼稚園での事や歌や友達の話などですわ。こうして思い出すと懐かしいです…………」

 

そういえばそんなこともあったっけ?俺はすっかり忘れちまったけど万里花はそんなこともしっかり覚えてるんだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も俺は千棘と協力しながら万里花に勉強を教えて続けたもののさすがに夜遅くと言うこともあり3人共にウトウトし始めた。

 

 

一条「イカンイカン。集中力が続かなくなってきてる。」

 

まぁこんな夜遅くになると集中力も続かなくなるよな。

 

俺は万里花の部屋から毛布を二枚取り出してまずは眠っている千棘の背中にかぶせた。

 

すると、万里花が小さな声で寝言を言っているのが聞こえた。

 

万里花「らっくん……好いとーとよ………」

 

女子から「好き」と言われるのは素直に嬉しいけど今までそんなこと言われたことがないからなんか複雑な気持ちだ……

 

万里花の背中に毛布をかぶせようとすると、今度は彼女の色気付いた声が俺の近くで聞こえた。

 

万里花「んあぁ……らっくん……そがん所はダメばい!……

 

こいつ………まさか………

 

一条「お前絶対起きてるだろ?」

 

万里花「テヘペロ♡」

 

一条「下らねえことしてるくらいならちゃんと寝ろ!!!!」

 

ったく………寝ながらあんな色気付いた声を出すのはおかしいと思ったんだよな………

 

夜遅くと言うことであまり時間がないと感じた俺は最後に出そうなページを一枚の紙にまとめ近所のコンビニでおにぎりとお茶を買ってきた。

 

そして遂に体力の限界がきてしまった俺は万里花と一緒に眠りについてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

万里花「楽様ーーーー!!昨日の単元テストが返って来ましたわーー!!」

 

万里花の家で勉強を教えてから二日後、前日に行った単元テストが早速返って来た。

 

しかし、彼女の点数は赤点回避には一歩及ばず38点であったのだ。

 

一条「惜しいな。あと2点で赤点回避できたぞ。」

 

千棘「テストの前日にあれだけ頑張ったのに思ったより取れなかったわね。」

 

集「でも、そのテスト結構難しかったらしいよ。隣のクラスの佐鳥や太一は10点台だったらしいし。」

 

マジかよ!?そいつらと比べたら万里花は結構頑張った方か。

 

万里花「と言うわけで楽様、また勉強教えて下さいね。」

 

一条「わかったよ。お前が補習だらけにならないよう俺も協力してやる。」

 

実際万里花が第二の米屋さんになったら俺たちが困るから彼女にはまだまだ頑張って欲しい。

 

そんな時、俺と集ととりまるのスマホから緊急着信を受け取った。

 

内容はなんと凡矢理モールと三門第三中学校で門が発生したとのことだった。

 

烏丸「おい、第三中学校ってたしかお前の隊のオペレーターがいる学校だったよな?」

 

一条「ああ。凡矢理モールと第三中学校から本部はかなり遠い。このまま待っていたら確実に被害が出るぞ。」

 

集「じゃあ俺たちはどうする?防衛任務を行なっている部隊と合流してから現場に向かうのか?」

 

一条「いや。ここから凡矢理モールと第三中学校は遠くはない。俺と集で第三中学校へ向かう。とりまるは凡矢理モールに現れたトリトン兵の討伐に向かってくれ。」

 

烏丸「わかった。」

 

集「こうなったらモタモタしてられないな!」

 

俺と集ととりまるはダッシュで校舎を出て制服のポケットからトリガーを取り出した。

 

一条と烏丸と集「「「トリガーオン!!!!」」」

 

トリオン体へ換装した俺は集ととりまるの分も含めグラスホッパーを2枚ずつだしてできるだけ早く現場へ向かった。

 

この出来事がきっかけで平穏な日常が再び戦場へと化したのだった。

 

次章へ続く

 

 

 

 




質問コーナー

Q現在は12月となっておりますが、10月〜12月に行なっているB級ランク戦に一条隊の二人は参加していないのですか?

A一応参加していますが、ストーリーの進行の都合上カットしております。

Q 「一条 楽③守るべきもの」で警戒区域外に門が発生していますがあれはイレギュラーゲートなのですか?

A いえ。一条達がいた場所は警戒区域からかなり近い場所だった為イレギュラーゲートではありません。またそのとき発生したゲートも予想より多かった為に多少の被害が出てしまいました。


感想、アンケート、お気に入り登録を募集しています。次回もトリガーオン!!


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