ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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こんにちは!最近は前よりも忙しくなくなったので、更新ペースが少しは上がるかもしれません。


第4話 一条楽② 女の子の約束と迅さんの約束

 

ゴリラ女が来てから二日目俺は現代文の時間に桐崎が苦労しているのが気になった。こいつのことは好きじゃないが困ってる人を見るとついついなんとかしたくなるのが俺の癖だ。

 

一条「ほらよ桐崎お前がとり損ねていた現代文のノートだ。」

 

千棘「話しかけんなって言ったでしょ?

余計なことしないでくれる。」

 

クソ〜……なんなんだよあいつ!人がせっかく親切したっていうのに…本当可愛くない。

 

でもこの程度で怒鳴るほど俺は短気じゃない。どんなことでも怒鳴ったりしなかったら迅さんが言う最悪の未来は起きないはず。

 

 

キーンコーンカーンコーン……

 

放課後になり俺は昨日と同じく無くしたペンダントを探しに校庭へ向かう。教室を出るとき小野寺ととりまるが声をかけてくれた。

 

烏丸「一条、今日もペンダントを探しているのか?」

 

一条「えっ?ああ。迅さんもちゃんと探せば見つかるって言ってたし。」

 

烏丸「なあ俺も手伝おうか?」

 

一条「えっ?お前いいのかよ?お前防衛任務とかあんじゃないのか?」

 

烏丸「今週はもう防衛任務もバイトも入ってないし大丈夫だ。ちょっと待ってろ今もう一人頼りになる助っ人を夜んでくるから先に行ってろ。」

 

小野寺「一条君、私もペンダント探すの手伝うよ。今日は委員会の活動はないし」

 

一条「お…小野寺も!?あ……ありがとう。」

 

よっしゃ〜!!!まさか小野寺が手伝ってくれるなんて!!なんてついてるんだ俺!!!

とりまるも手伝ってくれてるし二人で探すよりずっといい。

でもとりまるの言う助っ人って一体誰のことだろう……

 

千棘「遅かったじゃないの。人がせっかく探してあげるって言ってるのに。」

 

一条「うるせえ。今日はクラスメイトの小野寺も探すの手伝ってくれるぞ。」

 

小野寺「よろしくね桐崎さん。」

 

千棘「よ…よろしく。」

 

二人は互いにためらいながらも握手を交わした。なんか見てて微笑ましい。

それにしてもとりまるの奴遅いな。すると俺の前に猛ダッシュしてくる人がやってきた。

 

小南「一条!!!あんたの命は大丈夫なの!?」

 

一条「えっ!?小南先輩何のことですか?」

 

猛ダッシュをして俺のところへ駆けつけてきたのは小南 桐絵(こなみ きりえ)先輩だ。

この人はとりまると同じく玉狛支部にいて、俺の師匠の迅さんよりも前にボーダーに所属してる先輩だ。

でも小南先輩どうして俺の命を心配したんだろう……

 

小南「隠しても無駄よ!とりまるから聞いたわ。あんたの無くしたペンダントには心臓が

入っていて一週間首からつけておかないと死んじゃうって!!」

 

はっ!?まさかとりまるの野郎また小南先輩にくだらない嘘を……本当にそうだったら多分、俺すでに死んでるよ。

 

千棘「えっ?そうだったの!?」

 

おいおい桐崎も騙されてんじゃねえよ。だがここで嘘だって言ったら絶対二人からぶん殴られる。

 

烏丸「小南先輩何言ってるんでか?さっき言ったことは全部嘘ですよ。」

 

おい!!!!こいつなんでこのタイミングでバラすんだよ!?

 

小南「キイイイイイイ!!!!!よくも騙したわね一条!!!!!!」

 

千棘「くだらない嘘つくんじゃないわよ!!このバカもやし!!!!」

 

一条「違う……嘘をついたのは…グハッ!!」

 

小南先輩とゴリラ女は俺の言葉を一切聞かず

二人から強力なパンチを食らうのであった。

なんで俺二人からぶん殴られなきゃいけないの?

とりまるの野郎俺の殴られるところを見て笑ってやがる……しかも小野寺も俺のことをみてクスッと笑っている。とりまる!!後で覚えとけ!!

 

烏丸「でも小南先輩、彼にとって大事なものらしいですよ。10年前に誰かから渡されたみたいで」

 

小野寺(10年前……それって……)

 

小南「……全くしょうがないわね。今日は暇だし手伝ってもいいわ。」

 

一条「ありがとうございます。」

 

とりまるの説得もあり小南先輩も俺のペンダント探しに付き合ってくれることになった。

5人で探すのならきっと見つかるはずと思っていたが俺たちがいくら探してもペンダントは見つからなかった。

 

 

 

 

 

 

それから一週間が過ぎようとした日の放課後俺にとって思いもよらぬ出来事が起きてしまったのだ。とりまると小南先輩は今日は防衛任務がありそして小野寺は委員会の活動があり初日のように二人で探すことになる。

 

小野寺(今日は委員早く終わったし、一条君のペンダント探すの手伝ってあげよう!)

 

千棘「あー……もう!全然見つからないじゃない!!」

 

一条「文句言ってんじゃねえ。お前のせいでこうなったんだから。」

 

千棘「あんたいい加減あきらめなさいよ!もう一週間経つのよ。

 

一条「そんなの分かんねえだろ。」

 

そうだ。迅さんのサイドエフェクトでも探してれば見つかるって言ってたし。でももう一週間経つのにまだ見つからない。でもあのペンダントは俺にとって大事なものなんだ。

 

小野寺(どうしよう…こんな喧嘩している中 入りづらい……)

 

千棘「何よ!大の男がペンダント一つ無くしたくらいで、あんたお気に入りのクマさん無くしたら夜も眠れないタイプ?」

 

………お前にそれの何がわかんだよ……

俺はそう思いながらも怒りを声には出さず心の中でこらえていた。

 

 

千棘「どーせ昔好きだった子に貰ったものとかなんでしょーうけど!…あーやだやだ、昔の事引きずって女々しいったら無いわ!!」

 

一条「……!!」

 

落ち着け……落ち着け俺……迅さんにも言われただろ何があっても怒るなって……

俺は心の中でそう思っていたが正直今にでも堪忍袋の尾が切れそうだ。

 

千棘「どーせその相手だって、あんたにそんなもんあげた事なんて忘れてるに決まってんのに…ホンットダサ!!バッカみたい!!」

 

その言葉を聞いた瞬間我慢していた感情がついに限界を越してしまい……

 

一条「うるっせぇな!!!!何もわかんないくせに……だったらもう探さなくていいからどっか行けよ!!」

 

千棘「わかった……」

 

………俺は最低な男だ…………

 

我に返った瞬間俺はそう思った。あんな風に女に本気で怒鳴ってしかも迅さんとの約束まで破るなんて……

 

今から謝るにしてもあいつが素直に受け入れるかわかんねえ……

 

クソ!何が約束の女の子だ……迅さんとの約束も守れず女に怒鳴る男に約束もクソもあるもんか……

俺は情けない自分が悔しくこの降り始めた雨のような涙を流したのであった。

 

翌日の放課後俺は一人で大切なペンダントを探すのであった。昨日まで桐崎と一緒に探していたが一人で探すと心細く感じる。そんな中、小野寺が俺に声を掛けてきた。

 

小野寺「一条君!!……桐崎さんが来て欲しいって……」

 

一体何なんだろう……でもあいつに会えるなら謝りたい。そう思ってた時だった。

 

一条「ぎゃあああああ!!!!!」

 

小野寺「大丈夫?一条君……」

 

一条「ああ…何とかな。全くなんなんだよあいつは……ん?」

 

桐崎が遠くから俺に投げつけてきたのは、なんと俺がずっとなくしていたペンダントだったのだ。

もしかしてあいつ……

 

小野寺「桐崎さんね、あの後私と一緒に探していたんだよ。本人からは内緒にしてって言われたんだけど。」

 

えっ?マジかよ……ペンダントを見てみると桐崎からのメッセージが結びつけられていた。英語で書いていてなんて書いてるかわからないけど。あいつにも少しはいいところあるみたいだな。

 

一条「……それなのに俺あんなことひどいこと言っちまって……相手を傷つけるくらいならこんな約束忘れてしまった方がいいんじゃないかな……」

 

それに迅さんとの約束のまで破ってしまったし。俺の頭の中で再び自分の情けなさを感じてボソッとつぶやいた。すると、

 

小野寺「そんなことないよ!!!」

 

一条「えっ?」

 

小野寺「一条君、誰かと約束したんでしょ?

もしもその人が一条君と同じように覚えていたらきっとその人も悲しむよ。

たとえそれが10年前の約束だったとしてもその人にとって大切かもしれないよ」

 

……なんだ?錯覚かもしれんが一瞬小野寺が約束の女の子に……もし約束の女の子が小野寺だったら……まさかな。そんな都合のいいような話があるわけがない。

 

 

小野寺「……その……ゴメン!変なこと言って……」

 

小野寺は顔を真っ赤にして俺に謝ってきた。

その表情は約束の女の子ではなくいつもの小野寺に戻っていた。

 

一条「いいよ、気にすんな。ありがとな。か少しは元気出たわ。」

 

そうだよな……その人が覚えていなくても俺にとっては迅さんと同じくらいに大切な人なんだ。心の中のモヤモヤが少し晴れた気がした。

 

一条「じゃあな小野寺。また明日。」

 

小野寺「うん。また明日。」

(はあ……また…聞けなかったな……一条君のペンダントについて……)

 

いやあ〜まさか小野寺があんな風に励ましてくれるなんて……それにしても迅さんのいう最悪の未来ってなんだったんだろう……

 

一条「ただいま!」

 

一征「おお帰ってきたか楽。ちょいと俺の部屋に来な。」

 

家に帰ると親父は真剣そうな眼差しで見つめてきて俺は親の部屋へと呼ばれたのであった。

 

 

一征「お前もうちとギャングが戦ってるのを見かけると思う。」

 

一条「あ…ああ。」

 

そういえば桐崎が来たあたりからうちの仲間とギャングが戦っているのをよく見かける。

でもそれが一体なんの関係があるんだ?

 

一征「あいつらはトリガーを開発や研究に参加するためにやってきたんだ。だがうちも島を荒らされちゃ奴らを黙って見ちゃいない。」

 

なるほどそれでうちとギャングが戦っているのか……くっ……ますます面倒臭くなりそうだ。

 

一征「警察側はギャングがボーダーと協力してるってんで手は出さないつもりだがうちはそうもいかない。最悪ヤクザとギャングの全面戦争になるかもしれない。」

 

冗談じゃねえ!こっちは近界民と戦っているってのに勝手に話進めてんじゃねえよ。

もしそうなったら多くの人が巻き添い食らうかもしれないのに。

 

一征「この戦争を回避する方法が一つだけある。それも、てめえにしかできない方法だ。」

 

一条「なんだよ?おれもギャングと戦えとでもいうのか?やだね。俺は無駄な争い事が嫌いでね。」

 

一征「まあ聞け。実は向こうのボスとは古い仲でな。奴にも同い年の娘がいるらしいんだが…。そこで楽、おめえその子と恋人同士になってくんねえか?」

 

 

一条「はあ!?恋い人って…なんでおれがそんなことしなきゃいけないんだよ!?」

 

何を言い出すかと思いきや、あまりのバカらしさに俺はあきれてしまう。

 

一征「なーに、振りをするだけでいいんだ。互いの組の二代目が恋人となりゃ、水差すわけにゃいかんだろ。悪いが、こっちも命がかかってっからな。泣き言言っても、どっちかにはやってもらうぜ!」

 

なんだよ!誰のおかげでこんな生活が出来てると思ってるんだ。俺だって近界民からここを守ってんだよって言いたいが今受け入れなかったら全面戦争になる。ここは素直に受け入れるしかないな。

 

一征「さあこの子がお前の恋人になる……」

 

親父はカーテンを開けて俺の恋人相手を見せるのである。

 

一条と千棘「「えっ!?」」

 

俺たちは互いの顔を見た瞬間二人の時が止まったかのように凍りついた。

 

一征「……桐崎 千棘ちゃんだ!!!お前ら二人には明日から三年間恋人になってもらう。」

 

一条と千棘「「えええええええええ!?」」

 

 

俺は理解した。迅さんは俺がこうなることを知ってて桐崎とはいい関係でいてと言ったんだ。

そして俺と桐崎の最悪な状態の人間関係からニセコイが始まるのであった。

 

続く。

 

 




いかがでしたか?今回はニセコイの本編の1話が完結して小南さんが登場しました。
千棘と小南さんからぶん殴られる一条も散々な目にあってますね笑。
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