ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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B級暫定順位 (現時点)

今回の試合は6位〜9位のチームの試合となっています。

1位片桐隊
2位影浦隊
3位生駒隊
4位弓場隊
5位王子隊
6位一条隊
7位東隊
8位二宮隊
9位鈴鳴第一
10位香取隊
11位柿崎隊
12位諏訪隊
13位荒船隊
14位那須隊
15位漆間隊
16位松代隊
17位早川隊
18位常盤隊
19位海老名隊
20位茶野隊
21位吉里隊
22位間宮隊




東 春秋① 正確無比

 

8月になり6月からやっていたB級ランク戦も終盤に近づいていた。

 

この時期になると大まかな順位は固まっていくため順位を上げるのは難しくなってくる頃だ。

 

今日もランク戦室ではいつものように多くの隊員が席に座っていたのであった。

 

武富「みなさんこんにちは!B級ランク戦上位の部3日目の始まりとなります。司会を務めさせて頂く武富 桜子です。そして今回の解説は嵐山隊の頼れるサポーター、時枝 充隊員と「ポンチ揚げ食う?」でおなじみの迅 悠一隊員隊員なります。」

 

時枝「よろしくお願いします。」

 

迅「よろしく。」

 

武富「今回の試合は中位から上位に進出した一条隊と鈴鳴第一、そして今回B級に降格した二宮隊と現在7位をキープしている東隊です。お二人はこの試合はどうなると思いますか?」

 

時枝「今回の試合は二宮隊に警戒するチームが多いだろうね。まぁ警戒しないとやられるから当然だけど。」

 

迅「けれど、上位に進出したばかりの一条隊と鈴鳴第一にとっては落としたくない試合になるのは間違いないな。」

 

武富「それでは拡大の準備が整い次第ランク戦を開始しますのでもうしばらくお待ちください。」

 

 

一条隊side

 

初めて上位に進出して3つの隊と戦うことになった俺たち。

 

特に今年の5月にB級に落とされた二宮隊は全員がマスタークラスでかなりの実力を持つ。

 

けれどこの試合は俺たちがA級に昇格するために外せない試合だ。弱音を吐いている場合じゃないな。

 

俺はいつも通り集と千尋に作戦を話すのであった。

 

一条「今回の試合、集は俺と合流したら俺の援護に回ってもらう。いつもの通り弾丸をセットしておくんだ。」

 

集「わかった。」

 

一条「千尋は近くに相手が近づいて来たらすぐにしらせてくれ。単独でいる時に攻撃される可能性もある。」

 

千尋「了解しました。」

 

一条「俺たちは隊員が二人しかいないぶん他の隊より不利だ。けどその不利な状況にも屈せずに勝利するぞ!!」

 

 

 

 

鈴鳴第一side

 

鈴鳴第一は俺たちに敗れたものの9位であったため再び上位進出のチャンスを獲得できた。

 

今回戦う隊の中で一番順位が低い彼らにステージの選択権が与えられたのだ。

 

二試合連続で彼らと戦うことになったが油断は禁物だな。

 

来馬「太一と鋼は転送されたらすぐに僕のところまで来てちょうだい。今日の試合は単独で行動するのは危険だ。」

 

太一「来馬先輩を軸に集団で行動するのですね。」

 

来馬「まぁそうかな。合流するときは必ずバックワームをつけるようにね。」

 

太一と村上「「はい。」」

 

来馬(さて、普通のステージを選択しても東隊や二宮隊を攻略はできない。ステージ選択権が僕らにあるのならステージに何かしらの仕掛けをしよう。)

 

 

 

東隊side

 

かつてA級最強部隊の隊長をやっていた東さん。

 

彼の指導方法はチームメイトの奥寺と小荒井に意見を出させ東さんがチームの駒として支えるという独自のスタイルをもっている。

 

東さんの指導を受けた隊員はボーダーの中でも数多く存在するはずだ。

 

東「さて今回の相手はかなり手強いチームばかりだ。二人はどのチームを仕留める?」

 

小荒井「やっぱ二宮隊のメンバーに警戒した方がいいんじゃねぇの?間違いなく一番強いし仕留めれたら試合を制したのと同然じゃん!」

 

奥寺「いや、ここは慎重に一条隊か鈴鳴第一に攻撃を仕掛けるのがいいと思う。」

 

小荒井「ええ〜……その間に二宮隊に狙われる可能性もあるだろ?」

 

奥寺「そのリスクは二宮隊だけじゃないだろ?だったら先に点の取れそうなチームを攻撃するべきだと思う。」

 

東「なるほど。お前らの言いたいことは大体わかった。なら次に聞くが最初に攻撃するときはこっちが先に仕掛けるかそれとも戦ってる時に奇襲を仕掛けるのかどっちだ?」

 

奥寺と小荒井「「相手と戦ってる時に奇襲を仕掛ける。」」

 

東「ははは。その考えは二人とも一緒みたいだな。なら見つからないように合流するんだぞ。」

 

奥寺と小荒井「「了解!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武富「先ほど鈴鳴第一がステージを選択し準備が整いました。さぁいよいよ試合開始です!!」

 

武富はボタンを押すと俺たちは仮装フィールドへ転送された。

 

フィールド全体には霧がかかっており視界が見えづらい状況になっていた。

 

いち早く集と合流しなければならないのによりによって視界が悪いステージになるとはな……

 

転送されると同時に東隊と鈴鳴第一の3人はバックワームでレーダーから反応を消した。

 

この状況から見るに奥寺と小荒井が奇襲を仕掛けるのは間違いないな。

 

東「奥寺、小荒井、お互いどのくらい離れている?」

 

奥寺「そうですね……小荒井とはだいたい1000メートル先にいます。」

 

小荒井「奥寺と合流するのには少し時間がかかりそうですね。」

 

東「そうか。なら一番お前らの近くにいる人は誰かいるか?」

 

小荒井「ここからだと二宮さんが一番近いです。ひとまず奥寺と合流することを最優先にします。」

 

東「わかった。俺もすぐにそっちに行く。」

 

 

 

 

 

俺はバックワームをつけてない隊員と近くにある建物を確認したのち集に通信回線をつないだ。

 

一条「聞こえるか集?俺は今お前から見て東へ800メートル先にいる。お前らの500メートル先にある学校で合流する。それまで見つかるんじゃねえぞ!」

 

集「わかってるって。」

 

俺たちも敵に見つからないようバックワームで姿を消して学校まで向かった。

 

俺たちの近くに転送された犬飼先輩はすでに辻先輩と合流していた。

 

犬飼「あれ?一条君と舞子君のレーダー反応が消えちゃった。ひゃみさん、二人が合流しそうな場所を予測してちょうだい。」

 

氷見「了解。」

 

氷見さんは支持を受けると俺たちが合流するつもりでいる学校の校舎をしめした。

 

 

辻「どうします?二人が合流する前に仕留めますか?」

 

犬飼「いや。この霧の中じゃそれは難しい。あいつらが合流してから襲撃するぞ。とりあえずいつでも攻撃できるようにしておいて。」

 

 

犬飼先輩と辻先輩はお互い武器を構え俺たちと同じく学校へ向かった。

 

千尋「隊長、犬飼隊員と辻隊員がこっちに来ています。できるだけ早く合流を。」

 

一条「わかった。」

 

学校へ向かっている時、千尋の伝言を受けた俺は彼らが近づいていることに気づき警戒を強化した。

 

集「おーい楽!こっちだ。」

 

一条「もう来ていたのか。」

 

幸いにも集はすでに学校の校舎の玄関先で俺のことを待っていた。

 

これでなんとか俺たちも合流することができたな。

 

一条「集、犬飼先輩と辻先輩がこっちに来ている。このまま乗り切るのは無理だからこっちから攻めに行くぞ!」

 

集「マジかよ……こりゃしんどいな……」

 

俺たちも武器を構え犬飼先輩と辻先輩のところへ向かった。

 

犬飼「まさかこっちから来てくれるとはね。辻ちゃん、一条君の足止めは任せた。俺は舞子君を仕留める!!」

 

辻「了解。」

 

辻先輩は孤月を俺に向けて振り下ろし俺の足止めをした。

 

そして犬飼先輩はハウンドで集を牽制したのち突撃銃を発射した。

 

武富「一条隊、合流すると同時に辻隊員と犬飼隊員の二人と交戦に入りました。」

 

 

時枝「二宮隊の隊員は全員マスタークラスのランクを持っている。一条隊の二人はどう対処して来るかな。」

 

武富「一方、先ほど全員合流した鈴鳴第一もバックワームで身を潜めながら一条隊のところへ向かっています。」

 

迅「鈴鳴第一は幸いにも転送位置が全員近かったこともあり他の隊より合流が早かった。三人のチームワークと選択したステージをどう活かすかが勝利のカギだな。」

 

今回は集団で行動することに決めた鈴鳴第一。彼らの近くには二宮さんがいたため遠回りをしながら俺たちのところへ移動していた。

 

来馬「結花ちゃん、二宮さんは僕たちの後を追っかけて来てない?」

 

結花「今のところは来ていません。」

 

来馬「そうか。このまま見つからずに乗り越えれることができればいいんだが……ひとまず先を急ぐよ。」

 

あたりを警戒しながら走っていると上空から雨のような数のハウンドが三人に襲いかかって来た。

 

結花「ハウンドが来ます。気をつけてください!」

 

太一「な……なんだよあの球数!?」

 

来馬「二人とも、僕の近くに来てシールドを展開して!硬度を三倍にすればこの数の弾丸くらい。」

 

太一と村上先輩は来馬さんの指示通り近くに密集してシールドを張りハウンドを防いだ。

 

その間に二宮さんは屋根の上を渡りながら三人のところへ現れるのであった。

 

二宮「まずは三人。ここで仕留める。」

 

来馬「くっ……もう見つかったか……」

 

来馬さんは突撃銃を屋根に向けて放ち二宮さんを地面に下ろした。

 

来馬「鋼、二宮さんに接近してちょうだい。太一はアイビスを構えて僕の指示で彼に撃つんだ。」

 

村上「了解。」

 

結花「太一は間違っても村上くんに当てないようにね。」

 

太一「任せてください!」

 

今回のステージはいつもより視界が悪い分誤射する可能性が高い。太一は細心の注意を払うよう心掛けた。

 

また村上先輩は身につけてたバックワームを解除し地面に下りた二宮さんに接近した。

 

武富「村上隊員、孤月とレイガストを構えたぞ!これは二宮隊員に接近戦を仕掛けるのでしょうか?」

 

迅「いや。村上隊員は長中距離からの攻撃に弱い。今、彼が近接戦を仕掛けると返り討ちにされることは自分でも気づいてるはずだ。」

 

武富「では何か違う考えがあるのですか?」

 

迅「詳しいことはわからないが多分そういうことだ。」

 

 

 

 

二宮「アステロイド。」

 

二宮さんはキューブ状から三角形に分割された高出力の弾丸を村上先輩に向けて発射した。

 

そのアステロイドはかなり強力で村上先輩のレイガストの耐久力を少しずつ削っていく。

 

そしてレイガストにヒビが入ってるのを確認すると二宮さんは再び大きなキューブを三角形に分割した。

 

来馬「今だ太一!!」

 

太一「行けええええ!!!」

 

来馬さんの合図と共に太一は銃の引き金を引いた。

 

彼が放ったアイビスの弾は霧のかかる中至近距離で見事に二宮さんの心臓部に当てることができた。

 

二宮「……どうした?その程度か?……」

 

だがしかし、ボーダーでも屈指のトリオン量を誇る二宮さんはそれを生かしてイーグレットの弾を余裕でガードしていた。

 

太一「そんな……」

 

二宮「メテオラ。」

 

二宮さんはさっき展開していたメテオラを地面に向けて爆発させあたりをを黒い煙に包んだ。

 

小荒井「いくぜ奥寺!一点取ってやるぞ!!」

 

奥寺「いいけど、あんまり出しゃばり過ぎないようにね。」

 

小荒井「わかってるって。」

 

その時であった。合流して爆発を確認した奥寺と小荒井は煙の中を突っ込み村上先輩に向け孤月を振り下ろした。

 

二宮「ちっ……邪魔が入ったか………」

 

 

武富「奥寺隊員、小荒井隊員、奇襲を仕掛け村上隊員の左腕に切り傷を与えたぞ!!」

 

迅「二人は単体ではそこまで強くないがチームワークはかなり高い。接近戦を挑めばA級にも劣らなはずだ。」

 

村上先輩はさっきの奇襲を受け左腕を斬られた為攻撃をガードできなくなっていた。

 

こうなれば撃破するのに有利な状況にはたらくだろう。

 

奥寺「東さん、こちら奥寺。狙撃をお願いいたします。」

 

東「了解した。匡貴の放つ弾丸には注意しとけ。」

 

小荒井「了解!」

 

奥寺と小荒井はバックワームを解除してダメージを負っている村上先輩に向け刃を向けた。

 

村上先輩は二人の攻撃に翻弄されるも焦らずにかわし孤月で攻撃を仕掛けほぼ互角の勝負を行なっていた。

 

来馬「くらえ!!!」

 

来馬さんと太一も二宮さんの足止めをするため前方にシールドを張って突撃銃とライトニングを発射したが彼には通用しない。

 

二宮「アステロイド。」

 

二宮さんはさっきよりも速いスピードのアステロイドを五人に向けて放ち隙を作った。

 

奥寺と小荒井はグラスホッパーを持っていたため弾丸をかわすことができたが回避に遅れた村上先輩は右足に直撃し来馬さんと太一の前方においていたシールドも破壊した。

 

東「もらった!」

 

東さんは奥寺と小荒井から600メートルほど離れてる団地からアイビスを砲撃し密集していた来馬さんと太一に当てた。

 

 

「戦闘体活動限界!ベイルアウト。」

 

二人を撃破した東さんに2ポイントが加算され一番最初にポイントを取ることができた。

 

武富「何と!東隊員、濃い霧がかかる中来馬隊員と別役隊員に当てました!!これはすごい!!」

 

時枝「東さんの狙撃能力はボーダーでもかなりの腕前だからね。この霧程度じゃ外さないだろうね。」

 

武富「さぁ残るは村上隊員のみとなった鈴鳴第一。ここから逆転となるのか!?」

 

村上先輩は二宮さんの弾丸で足にダメージを負って動きが鈍くなっていた。

 

そのため奥寺と小荒井にとって撃破しやすい状況となった。

 

二宮「東さんに先を越されたが次は俺が点を獲得してやる。」

 

二宮さんは東隊に追加点の獲得を阻止するためバックステップで二歩ほど下がりハウンドを細切れにした。

 

彼の考えることをいち早く察知した東さんは奥寺と小荒井に通信回路をつないだ。

 

東「お前ら、今すぐ村上に攻撃するのをやめてここから離れるんだ。」

 

奥寺「えっ?一体どういうことですか?」

 

東「匡貴はおそらくここら全体にハウンドの雨を降らせるつもりだ。早く逃げないとあいつの的になるぞ。」

 

小荒井「えええ!?マジかよ!?それなら早く逃げるぞ奥寺!」

 

二人は村上先輩に攻撃するのをやめてセットしているグラスホッパーを使って村上先輩と二宮さんから離れた。

 

東さんも村上先輩に向けてアイビスを発射して追加点を獲得しようとしたものの二宮さんは村上先輩にシールドを張って追加点の獲得を阻止した。

 

二宮「ハウンド。」

 

東さんの予想どおり二宮さんは高火力のハウンドを雨のように降らせた。

 

完全に彼の弾丸に捕まってしまった村上先輩は徐々にトリオン体を破壊され続けていた。

 

そしてその隙を見た二宮さんは動けなくなっている村上先輩の腹部にアステロイドを当てた。

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

村上先輩を撃破できた二宮さんにも念願の得点を獲得することができた。

 

武富「決まった!!二宮隊員の放つ弾丸に村上隊員はなす術もありませんでした。」

 

迅「二宮さんのハウンドに捕まったら逃げ切るのは難しい。奥寺隊員と小荒井隊員はよく逃げたもんだ。」

 

武富「さぁ!これで鈴鳴第一が無得点のまま全滅。東隊と二宮隊が得点を獲得しています。現在犬飼隊員と辻隊員と戦ってる一条隊は得点を獲得できるのでしょうか!?」

 

 

 

 

 

集は犬飼先輩の放つ突撃銃の弾を避けつつバイパーを発射して俺は孤月とレイガストの二刀流で攻撃をしている。

 

だが、彼らは相当な実力者。そう簡単には倒せない。

 

そんな時、奥寺と小荒井、そして村上先輩を撃破した二宮さんが近づいているのを確認した。

 

なんてこった……こんな時に限って……この試合、乱戦になるのは間違いないな。

 

 

続く

 




最近ジャンプの新連載に面白いのが多くていいな。

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次回もトリガーオン!!

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