ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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オリジナルストーリーに難儀して投稿がかなり遅れてしまった。

とりまるの学力設定を若干変更しています。

模試なんて知らない!!(現実逃避)


鶫 誠士郎⑤ 誰か助けて。

縁日から一夜明けた翌日、俺は午前中から集、笹森、半崎、太一、時枝、佐鳥をショッピングモールのフードコートに集め勉強会を開いた。

 

うちの高校は夏休み課外が少ない分先生から出される宿題の量がものすごく多い。

 

できるだけ早めに終わらせて夏休み最後に焦らず過ごしたいもんだ。

 

太一「ねぇイチ、ここの答えってなんだっけ?」

 

一条「ピラミッドを建てたのは古代エジプト人だから正解は「ウ」だな。」

 

太一「なるほど。じゃあここの答えも教えて。」

 

一条「えっ?えっと……悪いな俺もわかんねえ。なぁ誰かここわかる奴いないか?」

 

時枝「ここの答えはハンムラビ法典が正しいね。」

 

一条「ありがとよ時枝。」

 

わからない問題は誰かに聞いては答え聞いては答えを繰り返して地道に問題を削っていった。

 

集「さてと、世界史のワークもそろそろ終わりそうだな。次はなんの宿題にするのか?」

 

笹森「そういえば英語で過去5年分の進研模試の宿題があったよな?次はそれをやらない?」

 

半崎「うわっ、マジかよ……ダルいな……」

 

一条「そうやって後回しにしようとするといつまでたっても終わんねぇぞ。」

 

太一「イチの言う通りだな。折角みんないるんだしやろうか。」

 

俺たちは覚悟を決め一番厄介な進研模試の過去問に取り組むことにした。

 

佐鳥「なぁ時枝、ここ教えてくれ。」

 

時枝「うーん……ここはわからないな。舞子君はわかる?」

 

集「悪いけど俺、そことは違うとこやってるからちょっと答えらねぇな。」

 

しかし、進研模試の過去問はやはり難しくさっきまでやっていた世界史のワークのようには進まない。

 

太一「どうする?菊地原とか歌川とか古寺とか呼んでみる?」

 

笹森「進学校組の人は夏休み中はずっと課外があるんだって。」

 

半崎「えぇ〜……どうすんだよ?これじゃあいつまでたっても終わんないぞ。」

 

一条「うーん……」

 

小南先輩もとりまるも今日は防衛任務でいないし他に呼んで来れそうな人はいなそうだな………

 

俺たちが頭を抱えこんでいる間、目の前に千棘と鶫がやってきた。

 

しめた。確かこいつらは英語が得意なはずだ。もしかしたら教えてくれるかもしれない。

 

一条「おーい、千棘、鶫!」

 

千棘「ダーリン?こんなところで何やってんの?」

 

一条「見ての通り勉強会を開いてるんだ。それよりもお前達に頼みがあるんだが。」

 

千棘「頼みって何よ?」

 

時枝「実は俺たち英語の宿題で出されている進研模試の過去問をやってるんだけどなかなか手が進まなくてね。桐崎さんと鶫さんに手伝って欲しいんだけどいいかな?」

 

千棘「うーん……」

 

千棘はじっとしてどうしようか考えていた。この様子だとやっぱダメか……

 

千棘「わかったわ。英語なら私得意だしその宿題ならとっくに終わったから教えてあげる。」

 

鶫「私もできる範囲なら皆様の力になります。」

 

集「やったーーー!!!桐崎さんと誠士郎ちゃんがいてくれればどんな問題もとけそつだな。」

 

笹森「そうだな。俺たちだけじゃ終わりそうもなかったもんな。」

 

千棘「でも、私お腹空いちゃった。」

 

佐鳥「俺も腹減った。」

 

俺のスマホで時刻を見てみると正午を過ぎていた。

 

鶫「では、先に昼食を済ませましょう。私達が教えるのはその後からでも遅くないでしょう。」

 

一条「そうだな。お前ら、貴重品盗まれねぇように注意しろよ。」

 

太一「わかってるって。イチは心配しすぎ。」

 

おいおいわかってないからそう言ってるんだろ太一。こいつこの間サイフ落としたとか言って大騒ぎしてたくせに……まぁなんとか見つかったから良かったけど。

 

なんやかんやで俺たちは貴重品をしっかり持って行きメシを買うことにした。

 

俺は偶々かけそばのクーポンを持っていたためそれを買った。それに対し千棘は山のようなボリュームがあるチャーシュー麺を頼んでいた。

 

集「ねぇ桐崎さん、もしかしてこの量のラーメン一人で食うの?」

 

千棘「えっ?うん。そうだよ。」

 

半崎「マジかよ……どんだけ食うんだよ……」

 

千棘の食う量にここにいるほとんどの人は驚いていた。ホント千棘の胃袋ってどうなってるんだろうな……カービィみたいになってんのかな?

 

時枝「それに比べて一条君は随分少ないんだね。」

 

一条「そうか?別に普通だと思うが。」

 

鶫「ふん!そんな量しか食べないから貴様はモヤシみたいな身体つきになるのだ。」

 

集「確かに。」ニヤニヤ……

 

一条「おい!それはどういう意味だよ!?」

 

クソ〜……バカにしやがって……俺だって好きでこんな身体つきしてるわけじゃないんだぞ。

 

千棘「美味しかった。」

 

太一「えええ!?もう食べ終わったの!?」

 

何と千棘は俺たちが話している間に特盛りラーメンを完食していたのだった。

 

こ……こいつ………化け物か!?

 

俺たち男子共はみんなそう思ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全員がメシを食い終わり俺たちは再び進研模試の過去問を開いた。これを見てると頭が痛くなりそうだ……

 

千棘「ねぇ、聞きたいんだけど、みんなはどこを教えて欲しいの?」

 

集「俺は長文を教えて欲しい。文自体が長くて読み取れない。」

 

笹森「俺も長文だな。」

 

太一「おれも。」

 

時枝「同じく。」

 

一条「俺は文法の方を教えて欲しい。そっちの方が点を取りやすいしな。」

 

半崎「長文は読むのがめんどくさいし俺も文法で。」

 

佐鳥「俺はどっちも教えて欲しい。」

 

太一「俺も。」

 

長文教えて欲しい奴と文法教えて欲しい奴でで見事に割れたな。まぁ考え方は人それぞれ違うから割るのも当たり前か。

 

鶫「ならお嬢が長文を教えて私が文法を教えるというのはどうでしょうか?そうすれば効率もいいはずです。」

 

集「なるほど〜。じゃあ誠士郎ちゃんの言う通りそうするか。」

 

鶫から文法を教えてもらう俺と佐鳥と半崎と太一は千棘達とテーブルを分けて教えてもらうことにした。

 

一条「鶫早速だけどさ、ここの問題教えてくれ。」

 

鶫「なんだもうか。貴様、少しは自分で考えようとはしないのか?」

 

一条「別にいいだろ。模試は問題自体難しいんだからよ。」

 

俺だって鶫と千棘がやって来る前は考えてたんだよ。

 

鶫「……仕方ないな。見せてみろ。」

 

鶫はためらいながらもペンを持って俺の席の近くまでやって来た。

 

鶫「まずはじめに聞くが(whatever )の意味はわかるか?」

 

一条「まぁ参考書にも載ってたしな。」

 

鶫「(whatever )は(no matter what )と置き換えることができるんだ。つまり空欄の部分に………」

 

やっぱりこいつの教え方はホント上手いよな………

 

改めて考えてみると鶫頭も良くて戦闘力もそこそこあって見た目もスタイルもかなりいいしほぼ完璧に近い女だよな……

 

いかんつい意識してるとドキドキしてきた……ちゃんと説明を聞かねえと。

 

鶫「………以上で説明を終わりにするぞ。大体わかったか?」

 

一条「ああ。なぁ鶫、良かったら俺の専属家庭教師になってくれないか?………なんちゃって。」

 

ホントにこいつが家庭教師になってくれれば大分頭が良くなりそうなんだけどな。

 

もしかしたらとりまるより頭良くなるかも。まぁあいつは学年1位、2位を争うほど頭いいから無理かな。

 

鶫「だ……誰が貴様の専属家庭教師になんかなるもんか!!」

 

鶫は顔を赤くしながらも断られてしまった。

 

こいつの赤くなった時の表情も可愛いな。

 

鶫(私が一条 楽の専属家庭教師……もし本当にそうなったら……って何を考えてるんだ私は!)

 

鶫が色々妄想を浮かべてボーッとしている間半崎は彼女の肩を叩いた。

 

半崎「ねぇ鶫さん、ここ教えてちょうだい。」

 

鶫「わ…わかりました。」

 

鶫の教え方は他の奴にも好評ですんなりと問題が解けていく。

 

そして俺たちは全部とはいかなかったがある程度の問題を終わらせることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐鳥「いや〜。全部とまではいかなかったがある程度終わったな。」

 

太一「桐崎さんと鶫さんのおかげだよ。ホント助かった。」

 

千棘「気にしなくていいわ。困った時はお互いさまだし。」

 

鶫「私も皆様の力になれたなら嬉しいです。」

 

時枝「二人には何かお礼をしないとね。」

 

集「じゃあファミレスを奢ってやろうか。代金は楽が出してくれるってさ。」

 

一条「おい!何でそうなるんだよ!?」

 

千棘「ヘェ〜……ダーリン、ファミレス奢ってくれるんだ〜……」

 

鶫「一条 楽、お嬢がこんなに期待してるのだ。ちゃんと奢ってくれるのだろうな?」

 

お前らまでそんなこと言いやがって……て言うかA級の時枝や佐鳥は俺よりもらってるじゃねぇかよ……

 

一条「わかったよ……俺もこいつらにはお世話になったしな。」

 

佐鳥「よっしゃ!!ゴチになりますイチ!!」

 

一条「はっ!?俺はお前らのメシ代を出すなんて言ってねえぞ!!」

 

結局お前らが食いたいだけだったじゃねぇかよ……こいつらには呆れたもんだ……

 

集「ねぇ折角、桐崎さんと誠士郎ちゃんがいるわけだし二人のこと色々教えてよ。」

 

佐鳥「おっ!面白そうじゃねぇか。俺も二人のこともっと知りたい!いいでしょ?」

 

千棘「ま…まぁ答えれる範囲ならいいけど。」

 

なんだそりゃ。めんどくさいと思った俺と半崎と時枝はダルそうな目をした。

 

まさかとは思うがこいつら変なこと聞くんじゃねぇよな?

 

佐鳥「じゃあ最初は桐崎さんに聞くけどイチとはどこまで進んでるわけ?キスとか済ませてるの?」

 

千棘「えっと………キスはまだかな?」

 

佐鳥「なーんだ……てっきりそれ以上の関係かと思ってたのに……」

 

こいつ一発殴っていいか?一体何を浮かべていたんだよ佐鳥のやつは!

 

笹森「俺も1つ聞いていいかな?桐崎さんの親って何やってるの?」

 

千棘「えっ?えっと…………」

 

こいつらに自分がギャングの娘なんて言えねぇよな。いや待てよ。そう言えばビーハイブってボーダーのスポンサーだったよな?

 

一条「こいつの親はボーダーのスポンサーでな。トリガーの開発や研究をやってるみたいなんだ。」

 

笹森「ヘェ〜。すごいな。それじゃあ相当エリートじゃないか。」

 

太一「じゃあ今度は鶫さんに質問いいかな?鶫さんの好きな男の人って誰がいるの?」

 

鶫「わ…私!?私は別に好きな男の人はいません……」

 

鶫は恋愛とかまだ詳しく知らないんだよな。こいつにとって答えづらい質問だよな。

 

太一「じゃあさこの中で気になってる男子は誰?」

 

鶫「そ……それも……む……難しい質問です………」

 

佐鳥「え〜。教えてくれよ〜鶫さーん。」

 

一条「おいおい、お前らいい加減やめた方がいいんじゃねぇのか?」

 

佐鳥「いいから、いいから。ねぇねぇ鶫さん、教えてよ。」

 

鶫「い…言いたくないです。」

 

ダメだこいつら。俺の話を聞こうとしない。

 

鶫も困ってるじゃねえかよ……

 

こうなったら少し強引な手段だがもうこれしかない。そう思った俺は自分のお茶をわざとテーブルに向けて倒した。

 

一条「ああああああ!!!!テーブルが!!!」

 

千棘「もーう。何やってんのよダーリン!テーブルがびしょ濡れじゃない。」

 

俺の思惑どおりお茶はテーブル全体に広がりみんなの視線は自然とそっちに向かれた。

 

集「とりあえずハンカチ。これでテーブルを拭くぞ。」

 

俺たちはびしょ濡れになったテーブルをハンカチで拭いた。そのおかげで鶫は好きな人をこいつらに話すことはなくなった。

 

 

笹森「全く……イチのせいでノートが濡れちまったよ……」

 

千棘「ねぇダーリン?この責任はとってくれるんでしょうね?」

 

一条「うっ……し…仕方ない……お詫びだ。ドリンクバーも追加していいぞ。」

 

集「よっしゃー!!ドリンクも飲み放題になったぞ!!」

 

笹森「ありがとうなイチ。」

 

佐鳥「そうと決まれば早速ファミレスに行くぞ!!」

 

一条「おい!お前ら先に行くんじゃねぇ!!」

 

俺と鶫以外の奴らはすぐに荷物をまとめテンションが上がりながらファミレスへと向かった。

 

おいおい、こいつら幾ら何でもはしゃすぎだろ……

 

鶫「一条 楽、もう少し周りを注意したらどうなのだ?そそっかしくて見てられなかったぞ。」

 

一条「悪かったなそそっかしくて。後さ、言いたくないことがあったら別に言わなくてもいいんだぞ。

 

鶫「そんなの貴様に言われんでもわかってる。」

 

鶫はそっぽを向いてそういった。しかし彼女はそう言いつつも心臓の音は今にも俺に聞こえそうなくらいになっていた。

 

一条「ならよかった。それじゃあお前もファミレスに行くぞ。」

 

鶫「お…おい。貴様私の手を引っ張るな!!」

 

俺は鶫の手を握ってみんなと一緒に近くのファミレスへと向かった。

 

その後、そこにに着くと俺の財布の中身はひもじい思いをすることになったのだった。

 

続く

 

 

 




最後の締め方少し強引になってしまった……

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次回もトリガーオン!!

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