ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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ジャンプで始まったレッドスプライトが結構面白い。


荒船隊① 狙われる一条隊

絢辻「みなさんこんばんは。今回の実況はわたくし嵐山隊のオペレーターの絢辻 遥(あやつじ はるか)となります。そして解説には三輪隊の米屋 陽介さんと東隊隊長の東 春秋さんが務めます。」

 

米屋「どーもよろしく!」

 

東「よろしくお願いします。」

 

絢辻「今回は長距離戦が有利な荒船隊と近接戦が有利な一条隊と香取隊の試合となりますがお二人はこの試合をどうなると予想していますか?」

 

東「そうだな。今回のステージの選択権は荒船隊にある。荒船隊は間違いなく狙撃しやすいステージを選択するはずだからそこのところで荒船隊が有利になるな。」

 

米屋「けど一条隊と香取隊もそこらへんは対策してるはずだからな。うまくフィールドを攻略できれば2つの隊にもワンチャンあるかもしれないな。」

 

絢辻「なるほど、ありがとうございます。それではまもなく試合開始となります。それまで少々お待ちください。」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちの二戦目の相手は13位の荒船隊と現在絶好調の7位の香取隊になった。

 

特に荒船隊は荒船さんを囮にして残りの二人で狙撃するという攻撃は接近戦をメインにしている俺たちや香取隊にとって厄介な相手だ。

 

 

一条隊side

 

 

一条「今回の試合は間違いなく荒船隊が有利になる。相手の狙撃はかなり厄介だぞ。」

 

千尋「やはり荒船隊は二人しかいない私たちの隊を全滅させるのでしょうか?」

 

一条「いや、荒船隊はおそらく長距離からの相手が苦手な香取隊をはじめに仕留めると思う。」

 

もし、香取隊を全員撃破されたら俺たちがこの試合に勝利する可能性がほぼなくなる。

 

それにスナイパーの穂刈さんと半崎を探し出して仕留めるのも極めて難しい。

 

一条「そこで、今回は俺たちが香取隊を全滅させて先制点を取る。荒船隊にポイントを取らせないようにするんだ。」

 

集「けどよ、荒船隊がもし俺たちに弾を撃ってきたらどうすんだよ?」

 

一条「心配はない。二人が必ず狙撃してこない場所が1つだけある。」

 

集「えっ?どこなんだよそれは?」

 

一条「じゃあ教えるぞ。それは………」

 

 

荒船隊side

 

荒船「お前ら、俺が言った通りあのトリガーはセットしておいたな?」

 

穂刈「あぁ。」

 

半崎「ちゃんとセットしておきましたよ。」

 

荒船「じゃあ、今回の作戦について説明する。今回は俺を囮にして香取隊の奴らをおびき寄せる。そのあとから二人は狙撃を開始しろ。」

 

穂刈と半崎「「了解。」」

 

加賀美「今回のステージ選択権は私たちにあるわ。このチャンスを生かして確実に勝利しましょう!」

 

荒船隊は試合直前に作戦をしっかりと確認している。とりあえず荒船隊の流れに捕まらないようにしないとな。

 

 

 

 

香取隊side

 

麓郎「今回は俺たちが全試合負けている荒船隊だ。ちゃんと作戦を考えないとな。」

 

染井「はい。」

 

香取「ふん!作戦なんて考えるだけ時間の無駄よ。」

 

麓郎「おい葉子!どうしてそんなことを言うんだ!?ちゃんと作戦を考えておかないと後で後悔するかもしれないんだぞ!」

 

香取「はぁ?それでも勝ててるんだからいいじゃん。私がいないとタダの雑魚のくせに何調子乗っちゃってるわけ?」

 

麓郎「お前!!!」

 

雄太「まぁまぁ二人とも、もうすぐ試合が始まるんだしケンカはやめて。」

 

染井「葉子。いくらなんでも言い過ぎよ。」

 

香取「私はタダ本当のことを言っただけよ。今回も私一人の力でなんとかするわ。」

 

試合直前になってもチームとして分断してる香取隊。こんな状況で試合は大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢辻「さぁ全ての隊の準備が整いました。まもなく転送開始です!!」

 

絢辻さんが転送ボタンを押して俺たちはトリオンでできている仮想フィールドへ転送された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転送されたのは市街地C。高低差が激しく道も複雑なためスナイパーにとってかなり有利なステージだ。

 

しかも時間は夜に設定されてるためスナイパーを把握するのも難しくなっている。

 

 

けれど、幸いにも俺と集が転送された場所は相当近く、香取隊の奴らもバックワームを見にまとってなかった。

 

俺は集を呼び出して作戦行動を指示した。

 

一条「集、お前は最初にトマホークを全弾撃って香取達をけん制しろ。そのあとから俺が奇襲を仕掛ける。」

 

集「はいよ。」

 

一条「千尋は俺たち以外からトリオン反応を確認したらすぐに知らせてくれ。おそらく荒船隊の奴らだ。」

 

千尋「了解。」

 

一条「よし!じゃあ行くぞ!!」

 

集はバイパーとメテオラの合成を始め、俺は狙い撃ちされないようバックワームを見にまとい香取隊のところへ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、荒船隊の二人のスナイパーは早速バックワームを見にまとい夜の街の中に姿を消した。

 

荒船「お前ら、バックワームは身につけたか?今から俺が香取隊をおびき寄せる。お前らは俺の指示に従って香取隊を狙撃しろ。いいな?」

 

穂刈と半崎「「了解!!!」」

 

穂刈さんと半崎はイーグレットの弾丸を装填して狙撃態勢が完了し、いつでも狙撃できる状態になった。

 

そして俺たちがターゲットにしている香取隊の連中もすぐさま合流してバックワームをつけてない荒船さんのところへ向かった。

 

香取「いい?雄太は荒船隊のスナイパーを撃破して。相手が狙撃した時が一番の狙い目よ。私と麓郎で残りの三人を仕留めるわ。」

 

 

麓郎と雄太「「了解!!」」

 

香取「私たちより順位の低いザコ共なんて簡単に仕留めてみせるんだから。」

 

香取は自分達より順位の低い俺たち一条隊をかなり過小評価している。全く失礼なもんだ……

 

すると、オペレーターの染井 華(そめい はな)が香取と麓郎さんに通信をつないだ。

 

染井「二人とも気をつけて!上空からメテオラが来るわ。」

 

集が放ったトマホークが香取達に雨のように降ってきて二人の動きが止まった。

 

一条「旋空孤月!!!」

 

その隙を見て俺は旋空孤月を香取に向けて振り下ろした。

 

いち早くそれに気づいた香取はシールドを張っていた為ガードし麓郎さんもカメレオンで姿を消した。

 

一条「よう香取。早速で悪いがここでベイルアウトしてポイントになってもらうぜ!」

 

 

香取「はぁ?あんた何調子乗ってるわけ?……いいわ。その生意気な口を切り刻んでやるわ!」

 

 

俺の挑発にマンマと乗せられた香取はスコーピオンを両手に握りながら突っ込んで斬りかかってきた。

 

香取の剣さばきもなかなかいいが俺がついていけないほどではない。

 

俺は孤月一本で香取の攻撃を全て太刀打ちし、攻撃を全て無効化した。

 

雄太(今だ!葉子ちゃんが戦っている間に一条の背中を狙えば。)

 

すると、俺と香取が刃の火花を散らしているてる間、雄太さんが俺の後ろに回り込んできた。

 

雄太「もらった!!」

 

そう言って俺に孤月をむける雄太さん。

 

すると、カメレオンで姿を消してた集はレイガストで彼の右腕を斬りつけた。

 

一条「サンキュー集。助かった。」

 

集「なぁに、気にすんなよ隊長。さてとこれでトドメとするか。」

 

集はメテオラを最大限に向けて集中砲火しようとした。

 

これほどのメテオラを近くで発射すればシールドを張っていても撃破できるはずだ。だが、

 

パァァァン!!!!!

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

大きな銃声が聞こえた直後、弾丸が麓郎さんの頭部を撃ち抜いた。

 

荒船「よくやった半崎。その場から移動した後、ターゲットを舞子に変更だ。間違っても俺に当てんなよ。」

 

半崎「了解!」

 

荒船「穂刈はターゲットをイチ向けろ。最初のうちに一条隊を全滅させる!」

 

穂刈「はいよ。」

 

 

 

 

 

 

 

絢辻「半崎隊員が三浦隊員をベイルアウト!これで荒船隊に1ポイントを獲得しました!!」

 

東「荒船隊は作戦を変えて2つの隊に突っ込んできたな。一条隊と香取隊は囲まれたみたいだな。」

 

米屋「イチ達もヨーコちゃん達も長距離からの攻撃はあまり得意じゃないからな。スナイパーに狙われたら回避は難しい状況になったな。」

 

絢辻「さぁ!荒船隊が介入して戦いはさらに激しくなりました。果たしてこの勝負を制するのはどの隊なのか!?」

 

 

俺が思ったよりも早く狙撃してきた荒船隊。早くなんとかしないと俺たちもターゲットにされてしまう。

 

一刻も早くスナイパーを見つけて撃破してやる。

 

一条「千尋、さっき狙撃してきた場所をマーカーしといてくれ。スナイパーはそこの近くにいるはずだ。」

 

千尋「了解しました。……!?……気をつけてください!荒船さんが物凄い勢いで近づいてきます!!」

 

荒船さんはレイガストのスラスターで助走しながら集のところへ接近し、右腕に握ってた孤月をそのまま振り下ろした。

 

集もレイガストで攻撃をガードできた。

 

一条「集、荒船さんの方は任せた。俺は香取を仕留める!」

 

集「けどよその間に穂刈さんと半崎が狙撃してきたらどうすんだよ?」

 

一条「大丈夫だ。相手は荒船さんだ。試合直前に言ったことを思い出せば平気だ!」

 

集「……そうだったな。もし違ってたらアイスおごれよ!」

 

集はしぶしぶながらも俺の依頼を受け入れ荒船さんの攻撃にレイガストで対抗した。

 

けれど、荒船さんの剣さばきなかなか凄まじく集はついていくだけでも精一杯だ。すると荒船さんは人差し指を動かし半崎に合図をした。

 

荒船(今だ二人とも!イチと舞子の頭に向けて撃て!!)

 

荒船さんの合図を受けた穂刈さんと半崎は後ろ側から集の頭を目掛けて弾丸を当てた。

 

そして穂刈さんも香取と戦っている俺の頭を狙撃してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢辻「半崎隊員と穂刈隊員が一条隊の二人の頭に弾を命中させたました!これは決まったのでしょうか!?」

 

 

東「いや。これは………どうやらベイルアウトしてないみたいだな。」

 

絢辻「えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東さんの言う通り俺たちは頭部全面にシールドを張って弾丸をガードしていた。

 

二人の銃がイーグレットであったからガードできたがもしあの銃がアイビスだったらこうはいかなかったはずだ。

 

一条「ほら言ったろ。俺の予想が当たっただろ?」

 

集「あぁ。そうみたいだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絢辻「なんと!一条隊員と舞子隊員は命中する直前にシールドでガードしていた!けど一体なぜ二人はガードできたのでしょうか?」

 

東「このステージは高低差が激しい。一条隊員達がいる場所は低い場所にあるから、おそらく高い場所から狙いやすい頭部を狙撃してくると想定したのだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

一条「けど、スナイパーをそのままにしておくのは厄介だ。俺がスナイパーを仕留めるからお前は荒船さんと香取を俺に近づけさせるな。」

 

集「あぁわかったぜ!」

 

集は狙撃されないように建物の影に隠れ、メテオラで香取と荒船さんの動きを封じた。

 

荒船(ちっ……イチのやつ、俺の動きを封じている間にスナイパーを倒すつもりか……)

 

荒船さんはレイガストでメテオラを防ぎながら軽く舌打ちをして険しい表情を浮かべた。

 

荒船「穂刈、半崎、イチが近くに接近してきている。周りに気をつけながらターゲットを香取に変更だ!」

 

半崎「えっ?マジすか?……まぁ香取の方が狙いやすいからいいけどさ。」

 

狙いを俺たちから香取に変更した半崎の目の前にカメレオンで姿を消していた麓郎さんが銃を半崎に向けた。

 

麓郎「もらった!!」

 

スナイパーは接近された敵に関してはとても弱くベイルアウトされる可能性が高い。

 

半崎「レッドバレット!!!」

 

しかし、半崎はイーグレットをしまいレッドバレットを麓郎さんに向けて発射した。

 

絢辻「何と!!半崎隊員が若村隊員に向けてレッドバレットを仕掛けました!!これは予想外の出来事です!!」

 

東「荒船隊は前回の試合で半崎隊員が見つかってベイルアウトしたからな。今回はおそらく見つかった時のための対策をしてきたのだろうな。」

 

全身に鉛状態になった麓郎さんに向けて半崎はイーグレットでトドメを刺した。

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

ここにきて予想な攻撃をくらった麓郎さんはベイルアウトして荒船隊にもう1ポイント追加された。

 

絢辻「若村隊員ここでベイルアウト!これで荒船隊は2ポイントになりました。」

 

東「半崎隊員は近距離からの攻撃をしてきたな。レッドバレットだとシールドも貫くから接近する相手にかなり有効だ。」

 

米屋「これは香取隊にとってはかなり痛手になったな。そして一条隊にとっても逆転するのがさらに難しくなってきたぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はグラスホッパーでさっき千尋がマークした場所したまで移動している。

 

けれど、時間帯が夜であるため見つけるのはいつもより難しい。そんな時千尋が俺に通信をつないできた。

 

千尋「さっき半崎隊員がレッドバレットを発射した場所をマークしておきました。おそらく半崎隊員はそこにいます。」

 

千尋はそう言って丁寧にもさっきとは別の色でレッドバレットを発射した場所をマークしてくれた。

 

一条「サンキュー。これである程度正確な場所がわかった。」

 

半崎はあと100メートル先の一番高いビルにいる。俺は見つからないように階段を登ってそのビルの屋上まで向かった。

 

一条「旋空孤月!!!」

 

屋上までたどり着き半崎の後ろから旋空孤月で斬りつけるも、シールドでガードされてさっきのようにレッドバレットを発射した。

 

だが、俺はサイドエフェクトでレッドバレットの弾丸をすべてかわした後、半崎の後ろに回り込んで首を斬りつけた。

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

半崎は首から一気にトリオンが露出してベイルアウトになった。

 

これでやっと俺たちに1ポイント獲得となった。

 

 

 

 

 

 

絢辻「半崎隊員ここでベイルアウト!」

 

東「これで一条隊にも1ポイント獲得して荒船隊はスナイパーを一人失った。ここに来て試合の流れが一条隊の方に傾いたかもな。

 

米屋「それに比べて香取隊は今だに無得点だ。いくら香取隊が長距離からの攻撃が苦手とはいえもう二人もベイルアウトしたからな……ヨーコちゃんとしては無得点のまま終わるのだけは避けたいだろうな。」

 

絢辻「さぁ!スナイパーを一人失い一気に試合の流れが変わったこの試合。果たしてこの試合を制するのはどのチームなのか!?」

 

荒船隊の有利な状況から始まったこの試合。ここに来て試合はさらに激化することになった。

 

続く

 

 




荒船さんのトリガーセット

メイントリガー
孤月、旋空、シールド、バックワーム

サブトリガー
レイガスト、スラスター、シールド、バックワーム

アタッカー時代の荒船さんのトリガーセットが記載されてないので自分の予想で書いています。

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次回、激しいバトル、決着!!トリガーオン!!!!

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