ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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オリジナルストーリーの方は時間がかかっているので今回はマリーの親父さんのストーリーにしました。ご了承ください。


橘 万里花④ 覚悟を決めて

俺と千棘が日直の作業を行っている間万里花は少し息を切らしながら現れた。

 

万里花「あっ、楽様。ちょっと頼みがあるのですがよろしいですか?」

 

一条「なんだ万里花?」

 

どうせまたデートして欲しいとかだと思うけど……

 

万里花「よかった。突然で申し訳ないのですが、明日お父様にあっていただけますか?」

 

一条「へっ?なんだって?」

 

あまりに唐突で意味不明な発言に俺と千棘は一瞬フリーズしてしまった。

 

とりあえずもう一度なんて言ったか聞いてみるか。

 

万里花「ですから、明日お父様にあって私と楽様の今後の結婚式について話し合わないといけません。」

 

一条「イヤイヤ!!!なんでそうなる!?

 

万里花「だからと言って許嫁の約束が取り消しになった訳ではありません。」

 

俺と万里花のやり取りにイラつきを感じた千棘は口を出してきた。

 

千棘「ちょっとあんた、さっきから図々しいんじゃないの?私のダーリンにたいして。」

 

万里花「あら、気づきませんでした桐崎さん。いつも主人がお世話になっていますわ。」

 

一条と千棘「「だれが主人だ!?」」

 

息が合って万里花にツッコむ俺たち。

 

千棘「だいたいダーリンはその婚約を了承してないんでしょ?だったらそんなの無効に決まってるじゃない!!」

 

万里花「あら、そんなに不服なのであればお父様に直接申し立てるしかありませんね。」

 

すると、千棘は俺の方をにらみつけながらこう言った。

 

千棘「いい?万里花のお父さんに許嫁の話を取り消してもらいなさい!!」

 

一条「はぁ!?なんでそうなるんだ!?そんなの無理に決まってるだろ!!」

 

千棘「あっ……そう……なら覚悟はいい?……」ゴゴゴゴゴ……

 

千棘はポキポキと手首を鳴らしながら殴りかかろうとしている。

 

こいつをこのままにしてたら死ぬわ。

 

一条「わかった……ちゃんと説得してくるから落ち着け。」

 

俺は千棘を納得させ気持ちを落ち着かせた。危うくぶん殴られるところだった……

 

こうなったら仕方ない………今は命の危機だし一か八か万里花の親父さんを納得させるしかねぇな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、俺は学校が終わると万里花と一緒に万里花の家へ向かい彼女の親父と対面することになった。

 

千棘は許嫁の話を止めさせろとか言ってるがやっぱそんな上手くいくもんなのかよ……

 

万里花「さぁ着きました。ここが私の家です。」

 

万里花が指さした方を見てみると何十階もある高層ビルであった。

 

おいおいマジかよ……これってボーダーの本部よりは小さいが千棘の家くらいはあんじゃねぇのか?

 

一条「ところで万里花、お前の親父ってやっぱ怖え人なのか?」

 

万里花「嫌ですわ楽様!父はいつも優しくお方ですよ。私のことをマリーと呼んでいつも心配してくださるんです。」

 

ふーん……なら良かった。城戸司令みたいに怖い人かと思ったんだがどうやら大丈夫そうみたいだな。

 

俺は早速建物の中に入り親父さんと対面しようとした。だが、

 

厳「おう!帰ったかマリー。」

 

俺の目の前に現れた親父さんはとてつもなく顔の怖い人物であった。

 

あれ?でも、この人よく見たらこの間俺ん家に来てたあの警察官じゃねぇかよ……

 

もしかしたら人の性格は見かけによらないからな。もしかしたら中身は優しい人なんじゃ……

 

万里花「お父様、こちらが私がお呼びした一条 楽様ですわ。」

 

厳「ほう……君が集英組の息子か……せがれが大きくなって君の父親に似てきたんじゃないか?……」ゴゴゴゴゴ……

 

ヒイイイイイ!!!!

 

親父さんは鋭い目つきで俺のことを睨みつけてきた。やっぱ顔に限らずこの人怖えぞ!!

 

厳「まぁ座りなさい。ゆっくり話すか。親父さんは元気かい?」

 

一条「は……はい……」

 

親父さんに連れてかれ俺はソファに座った。すると彼の額についている傷跡に目がいった。あれってもしかして……

 

一条「あの……橘さんの額についている傷ってもしかして近界民の攻撃でついたものなんですか?」

 

個人的なことを聞くのはちょっとためらうが聞いてみることにした。

 

厳「ああこれか…こいつは昔君の親父につけられてな……親父に似てきた傷を見てるとつい疼いてしまってね………」ゴゴゴゴゴ!!!

 

親父!!!!!!!!あんたは一体何をしたんだ!!!!!!?????

 

見たことは無いがヤクザが本気をだしたら相当やばいんだろうな……

 

厳「あの時は忘れない……まぁその時に私達はお互い力を認め合って立場は違えど男の盃を交わす仲になったんだが、私のゆめは今でもあいつをムショにぶち込むことなんだよ……」

 

な……なんだ?……どこぞの少年マンガみたいな展開になってきたぞ……

 

厳「しかし、マリーももう結婚できる歳になったか……君も彼女のことを大切に思ってくれたと思うが……」

 

万里花「楽様は私のことは忘れてしまっていましたけど。」

 

ちょっと待て万里花ーーーーー!!!!

 

すると親父さんの表情も一気に豹変した。

 

厳「ほう……そいつはどがん言う事と?……」ゴゴゴゴゴ!!!

 

ヤベェよ……どうにかして親父さんを落ち着かせないと……

 

厳「まさか、君には彼女がいるんじゃないんだろうな?……」

 

一条「いえ…まさか……そんなことは………」

 

万里花「楽様には彼女がいますわ。」

 

だからなんで万里花は馬鹿正直になんでも話すんだよ!?

 

厳「……彼女?わいは彼女ばおる身でこげん所挨拶に来よっとか?………」

 

落ち着いてるどころかさらにとんでもない表情になったぞ……

 

万里花「落ち着いてくださいお父様。私は楽様に彼女がいても構いませんわ。私は彼女から楽様も奪ってみせますもの。そうしなければ私に許嫁の資格などありませんこと。」

 

厳「……ふん!ところで君はいつもマリーとくっついているのかね?」

 

一条「ま…まあそうですが………けどご安心ください。俺たちはとても清廉潔白な関係なので………」

 

あぶねぇ、あぶねぇ……あいつとファーストキスをしたなんてとてもじゃ言えねぇよ。

 

万里花「まぁ、楽様ったら照れなくてもよろしいのに。せっかくファーストキスまで済ませた仲ですのに。」

 

厳「君ぃ………そげんことはもう少しお互いば理解してからすっべきなんじゃなかとか?……」

 

あぁ……もうダメだ……これ以上何も言ってもダメみたいだ……こんなことになるならいっそのことトリオン体で来れば良かった……

 

 

万里花「あら、私としたことがお茶も出さずにすぐにご用意いたしますわ。」

 

待ってくれーーー万里花!!!!頼む。俺を独りにするなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

 

だが、万里花は俺の言葉を一切聞かずそのまま去っていった。

 

なんとかこの場をしのぐ方法はないのか?俺は必死になって打開策を考えた。

 

すると、親父さんはこんなことを言ってきた。

 

厳「さて、今日は君に聞きたいことがあるんだ。」

 

一条「えっ?」

 

なんだよ聞きたいことって………返答次第ではやばい状況になるかもしれん。慎重に答えないと……

 

厳「あの子は10年経った今でも君の自慢話をする。昔、君からもらったガラクタでさえも大事に取っているんだ。」

 

あいつは親父さんに対しても俺の話をよくするのか。

 

厳「私は本当に君が許嫁として任せられるかどうか気になってね。正直に答えて欲しい。君は許嫁として万里花を幸せにさせる覚悟はあるか?」

 

………覚悟か………そんなこと全然考えたこともなかった……

 

今まで親父さんを納得させることしか考えてなかったが親父さんもここまで本気になって考えてたとは思ってなかった。

 

俺は覚悟を決めて親父さんに正直な考えを話すことにした。

 

一条「いえ。俺には万里花を幸せにさせる覚悟はまだありません。ましては万里花の他に好きな人がいて許嫁として最低な男です。ですが、もし万里花に何かあった時は必ず彼女をことを俺が守ってみせます!!」

 

や…やべぇ……めっちゃ緊張した………

 

自分の今の気持ちを誤魔化すことなく正直に伝えた俺に対し親父さんは表情を変えてこう言った。

 

厳「……よか。ようやっと腹ば割りよったか。まだ若いとにそう割り切れるもんでもなかやろうし……私はお前の本音を聞けて清正したばい。」

 

よかった………やっぱその場しのぎの嘘より正直に話した方がいいみたいだな。

 

厳「しかし、約束は約束。いずれは娘を幸せにして貰うけん。覚悟ばしとけ。」

 

一条「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……一時はどうなるかと思ったが話のわかる人で本当によかった。万里花がさっき言ってたことは正しかったみたいだな。

 

万里花「どうでしたか楽様?お父様と話してみた感想は?」

 

一条「いい親父さんみたいだな。ちょっと顔は怖えけどな。」

 

万里花「ふふ。気に入ってくださったようで嬉しいですわ。いずれ楽様のお父様に

 

一条「お前よくそんな先のこと考えれるな。

 

万里花「まぁ、そんなの当然ではありませんか。自分から動かないで手に入る様なものなどありませんから。」

 

うっ……なんか自分のことを言われてる様だな……

 

万里花「私にできるのは変わることそれだけです。さぁ楽様、教えてください。楽様はどのような人がタイプなのですか?」

 

万里花の笑顔にドキッとしてしまう俺。けど万里花には悪いが俺の気持ちを正直に伝えるぞ。

 

一条「いや、俺は今のままでも十分可愛いと思うけど。」

 

すると、万里花はキョトンとしたまままるで時間が静止したように動かなくなった。

 

一条「お前が色々努力してくれんのはすげーと思うがそのまんまの万里花がすげぇ可愛いけどな。」

 

無理に可愛くしようとせずに素顔のまんまの方が基本的には可愛いからな。

 

それに万里花は普通にモテるだろうからなおさらだ。

 

すると、万里花は顔をものすごく赤らめてしまった。

 

万里花「………急にそがん事言われたら困るばい……」

 

あまりに恥ずかしかったのか、普段は使わない九州弁まで口に出てしまった。

 

こいつの赤くなるところなんて見る事なかったがその状態も可愛いな。

 

万里花「見んでくんねーーーー!!!!!」

 

一条「お、おい!ちょっと……もしかして照れてんのか?」

 

万里花「照れてないけん!こっちば来んといてーーーー!!!!!」

 

自分の考えを正直に言った途端恥ずかしくなって俺から逃げ出した万里花。

 

やっぱり女の子は素のままの姿が一番可愛いと改めて思った俺だった。

 

続く

 

 




本誌のニセコイが終わったので原作のタグをワールドトリガーに変更するかもしれません。

そうなれば近いウチにまた知らせます。

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次回こそオリジナルストーリーです。

トリガーオン!!

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