ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

4 / 71
両方のストーリーに合わせるためにセリフなど原作と違う点があるのでご了承ください。


第2話 桐崎千棘① 約束の門(ゲート)

「ザクシャ イン ラブ」

 

俺がまだ小さい頃の話だ。俺は同い年くらいの女の子と親しい仲になり別れる直前に彼女はペンダントを渡してくれた。

 

「あなたは<錠>を。私は<鍵>を。肌身離さず、ずっと大切に持っていよう。」

 

「いつか私たちが大きくなって、再会したら…。この<鍵>でその中の物を取り出すから。そしたら……」

 

一条「……うん……」

 

俺とその少女は口を開けて同時にこういう。

 

「「結婚しよう!!!!」」

 

 

 

 

 

その瞬間俺は10年間開かずにいる約束のペンダントを強く握りしめながら夢から覚めるのであった。

 

一条「……夢か……昨日の迅さんの言葉はどう意味だったんだ?……」

 

昨日の迅さんの言葉が気になった俺は久々に10年前の約束を夢で見た。

だがその約束は三門市に門が開くよりも前のことでその女の子が誰なのか思い出そうとしても思い出せない。

 

そんなモヤモヤした気持ちの中、俺はキッチンで家族の朝ごはんを作るのであった。

 

一条「おーーーいお前ら飯だぞ!!」

 

「「「あっ!!!おはようごぜぇやす!坊ちゃん」」」

 

俺の呼び声と共に悪人面をした俺の家族?が

大勢現れる。

俺の親父は凡矢理区に拠点を置くヤクザ

「集英組」の組長で俺はその一人息子なのだ。

 

「うめえーー!!!やっぱり坊ちゃんの料理は最高だぜ!!!」

 

まぁ暇なときに玉狛支部へ行ってレイジさんから料理のコツを教わってるからな。俺もある程度美味しく作れる。

 

竜「流石集英組二代目の坊ちゃんだ!!」

 

一条「誰が二代目だ!!!」

 

一番の困りものは俺が家族から二代目と呼ばれることであり当然ここを次ぐ気はなく高校を卒業したらここを出るつもりだ。

 

一条「いいか?俺はボーダー提携の大学に進学し、迅さんみたいな立派な隊員になるんだ!!」

 

「「「おおおーーー!!!よくわかんないですけど流石は二代目!!!」」」

 

一条「だから二代目じゃないっての!!!」

 

親父「全く朝から騒がしいなお前達……」

 

「「「く…組長!!おはようございます!!!!」」」

 

俺たちの騒がしい声に気付いた集英組の組長一条 一征(いちじょう いっせい)が顔を出し家族達は頭を下げて挨拶をする。

 

親父「楽、近いうちにおめーに大事な話がある。覚えときな。」

 

一条「大事な話?なんだよそれ?……っていけねえ!!もう行かないと遅刻する。」

 

竜「何!?おいオメェら!!坊ちゃんの為にリムジンを用意しろ!!!」

 

一条「わあああ!!!やめろ!!!一人で行った方が早いから大丈夫だ。」

 

それに学校まで見送られると周りの目が痛いからな。

 

竜「そ…そうですか…なら行ってらっしゃいやせ!!!」

 

「「「行ってらっしゃいやせ!!!!」」」

 

俺の家族達は声を合わせて俺のことを見送るのであった。気持ちは嬉しいが正直声がでかい……

 

竜「あっそうだ言い忘れてました。最近見慣れねえギャング共がうろついてるみたいなんで気をつけてくだせえ。」

 

「俺たち昨日ギャングと遭遇してドンパチやったばっかりで

 

は?そういえば昨日警戒区域へ向かう途中、ヤクザたちが誰かと戦ってたな。でもギャングなんて所詮はチンピラだ。トリオン兵に比べればギャングなんて全然怖くない。

 

一条「さてと、トリガー起動!!!」

 

家から出ると俺はトリガーを起動させサイドエフェクトの「俊足」を使い歩いている人や走る車を追い越し学校へと向かう。

このサイドエフェクト、トリガーを起動させないと使えないのが面倒くさいんだよな……

 

そんなことを考えつつも俺は家から結構離れてる凡矢理高校へわずか1分で着いた。

普段はリムジンで送られたり歩いて学校へ行くが遅刻しそうな時や早く行かなきゃない時はいつもこんな風に登校している。

 

一条「やっぱりサイドエフェクトを使うと便利だ。トリガーオフ。」

 

俺は校門へ入って通常の体に戻してトリガーをポケットにしまったとしたそのとき、学校の塀の上から突然女の子が現れたのだ。

 

一条「えっ?……」

 

千棘「げっ……」

 

トリガーを解除したばかりの俺は避けることが出来ずその少女の飛び膝蹴りをもろにくらうことになったのだった。

 

千棘「いたた…あっごめん。急いでたから」

 

一条「な……何なんだよ一体……」

 

けど、さっきのはたまたまあの少女の着地点にいた俺が悪いよな。俺も防衛任務の時にハウンドをトリオン体になった集に当てたことがあったしな。

 

一条「ああああ!!!!俺のスマホがーーー!!!!」

 

前言撤回だ!!俺のスマホはさっきの衝撃で画面にもう使えないくらいにヒビが入っていたのだ。クソあの暴力女許せねえ!!!!

幸い使っていたトリガーが無事だったのが良かった。

 

俺は鼻から血を出し不機嫌な顔をしていつも通り教室へと入る。あいつのことを思い出すだけでイライラする…

 

集「うーす楽……ってうわっ!!」

 

小野寺「一条君!?どうしたのそのケガ!?」

 

集と小野寺が鼻から血が出てるのに気付き心配して俺のところへ寄ってきた。

 

一条「おはよう集、小野寺。実はこれなは訳があってな………」

 

俺は今朝の登校時間に起きたことそしてスマホが壊されたことも全て話すのであった。

 

集「はっ?女の子通り魔にやられた?しかもお前はスマホを壊されたという訳か。でもまあトリガーが壊されなくて良かったじゃないか。」

 

俺の話を聞いた集は笑いながらそう言うのである。なんだよスマホを壊されたこっちの身にもなってみろよ。

 

小野寺「待ってて一条君。今ばんそうこう持ってきたから。」

 

一条「だ……大丈夫だって。こんなもんツバつけとけば治るし。」

 

小野寺「ダメだよ。ばい菌入って悪くなったらどうするの?それに昨日のお礼まだしてなかったし。」

 

一条「き……昨日のお礼だというならお言葉に甘えるよ。」

 

小野寺は俺に近づいて傷口にばんそうこうを張ってくれた。やっぱり小野寺は優しいな。俺の嫁にしたい。

 

集「良かったな楽。」

 

一条「うるせえ!」

 

集はニヤニヤしながら俺のことをからかう。

本当あいつは人をからかったりイタズラするのが好きなやつだな……

 

キーンコーンカーンコーン

 

ショートホームルーム開始のチャイムが鳴りそれと同時に担任のキョーコ先生が教室へ来て出席を確認する。

 

キョーコ先生「今来ていないのは烏丸だけか……他は全員いるな?」

 

「「「はい。」」」

 

とりまる?そういえばあいつ今日は防衛任務で休みだったな。ボーダー提携校のここは防衛任務で学校にいないことはよくあることだ。

 

キョーコ先生「早速だが今日は転校生を紹介する。入って桐崎さん」

 

ガヤガヤガヤガヤ……

 

どうしてこんな時に転校生が?俺たちはそう思いつつも転校生は教室に入ってくるのであった。

 

千棘「初めまして。アメリカから来ました

桐崎 千棘です。母が日本人で父がアメリカ人のハーフですが、日本語はこの通りばっちりなので、気さくに接してくださいね!」

 

「「「うおおおおお!!!!!」」」

 

キョーコ先生「なら桐崎、一条の隣に席が空いているからそこに座ってくれ。」

 

千棘「はい。」

 

クラスの男達はその満遍の笑みに惚れていた。だが俺はこいつを見た瞬間スマホを壊された怒りが込み上げてきたのだ。

 

一条と千棘「「あーーーーー!!!!」」

 

俺とその転校生は互いを見た途端声を合わせて声をあげた。

 

千棘「あなたはさっきの……」

 

一条「暴力女!!!!!」

 

千棘「な…何よ暴力女ってそのことなら誤ったじゃない!!!」

 

一条「うるせえ!お前のせいでスマホが壊れたじゃないかどうしてくれんだ!?」

 

千棘「何よ!!たかがスマホが壊れただけでそんな強く言うことないでしょ?」

 

一条「たかがってなんだ!?スマホいくらすると思ってるんだ?」

 

千棘「あんたそれでも男なの?細かいことをうじうじ言ってどんだけ女々しいのよ。」

 

 

一条「女々しい?それが謝る人の態度かよ!?このサル女!!!!」

 

俺はそいつに対して言ってはいけないことを言ってしまった。

 

千棘「誰が猿女よ!!!!!!!!」

 

頭に来た桐崎はグーパンを繰り出して俺は避けることが出来ずにもろに喰らってそのまま吹っ飛んでしまった。

桐崎は我に戻ったのか俺にグーパンを出した後に顔を赤くした。

 

千棘「全くどうしてくれるよ!恥かいたじゃない!!!」

 

一条「は?なんで俺が怒られなきゃいけないんだよ?こっちのセリフだっての。」

 

千棘「あんたがいなければ日本で華々しい高校生活を送れるはずだったのに……」

 

一条「知るか。俺と出会ってなくてもそんな生活が送れるとは思えないがな。」

 

千棘「なんですって!!!」

 

俺と桐崎は話をする度にケンカになる。クラスの人達はあきれたり面白そうにしていた。

 

クソ…この人が迅さんが言ってたように10年前の約束と歓迎してるのか?俺は首にかけてあるペンダントを確認しようとしたが見当たらない。

 

もしやあの時……間違いない俺が飛び膝蹴りを受けてそれでペンダントがどこかに行ったんだ。

俺は桐崎にペンダントを探すのを手伝うように言った。

 

千棘「どうして私がこんなアホモヤシの落し物を探さないといけないわけ?」

 

当然こんな奴が素直に分かったというはずがない。

 

一条「何言ってんだ!お前の膝蹴りを喰らった時以外あり得ねえ!てめーにも責任あんだろ!」

 

千棘「……わかったわ。それじゃあ探す代わりに今後学校で二度と話しかけないって約束してくれる?」

 

一条「分かったよ。望むところだ!!」

 

 

ふん!こんな奴話しかけたくもない。

そう思いながら放課後俺たちは大事なペンダントを探すのであった。

だが俺が桐崎の飛び膝蹴りを喰らった校庭にはペンダントがなかった。

 

千棘「あーーもう……どこにもないじゃない。」

 

一条「グチグチ言うんじゃねぇ。お前のせいでこうなったんだから。

 

千棘「……別に……親の都合よ。なんか文句でもある?」

 

 

 

集「おーい楽。今日は俺と個人戦やる約束だったろ?さっさと行くぞ。」

 

いけねぇ。集と個人戦やる約束してたの忘れてた。

 

一条「じ…じゃあな…俺これから用事があるから。さっさと帰っていいぞ。」

 

 

千棘「ふん!言われなくてもそうするわ。」

 

あーー!!こいつ本当可愛くない性格してるな。黙ってりゃ結構可愛いと思うのに……

それにしてもこいつが迅さんの言う通り10年前の約束と関係してるのか?

俺は半信半疑になりながら集と一緒にボーダーの本部へ向かうのであった。

 

 

続く

 

 




とりまるを一条達のクラスメイトに出してみたんですがどうですかね?今困ってることはるりちゃんのキャラの使い方を悩んでいます。
まあまだ鶫もマリーも出てないので気楽に考えたいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。