ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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ジャンプ本誌のニセコイが終わりましたがこの作品はまだまだ続きます。
これからもよろしくお願いします。


一条隊② 反撃の一手

武富「さぁ、東側では一条隊員がいない間、熊谷隊員と諏訪隊員の戦いは更に激しさを増しています!!!」

 

 

 

 

一条side

 

 

諏訪「オラオラ!!!逃がすかよ!!!」

 

未だに無得点の諏訪さんは二丁の一瞬の隙を見せることなく散弾銃を発射し続けている。

 

日浦がベイルアウトして味方の援護がない熊谷さんは必死に走って散弾から逃げている。

 

熊谷さんもここで諏訪隊に一点を取らせないと思ったのだろう。

 

だが彼女の逃げた先は行き止まりであったのだ。

 

諏訪「さぁ追い詰めたぜ!覚悟しろ!!」

 

熊谷さんの目の前まで追い詰めた諏訪さんは二丁の散弾銃を向けた。

 

彼女にとってまさに危機的状況であった。

 

熊谷「………こうなったらあれをやってみるしかないわね………」

 

諏訪「もらったぜーー!!!」

 

諏訪さんがトリガーを押そうとした時、突如目の前で爆発が起きた。

 

熊谷さんはトリガーにセットしてあるメテオラを諏訪さんの足元向けて発射した。

 

弾丸自体はあまり攻撃力が少ないものの、相手にけん制できるし結構役立つ。

 

 

武富「おーーーー!!!熊谷隊員がこの土壇場で反撃したぞ!!!」

 

わずかな隙であるが、熊谷さんにとってはそれで充分であった。

 

諏訪さんがひるんでる間に熊谷さんは彼の左腕を斬り落とし、走って逃げていった。

 

諏訪「やろー……逃すかよ!!」

 

熊谷さんの後を走って追っかけて散弾銃を発射して行く諏訪さん。

 

けれど走った先にはもう熊谷さんの姿はなく諏訪さんは狙いを定めながら辺りを見回した。

 

すると、熊谷さんはブロック塀の上から現れ再びメテオラでけん制をした。

 

熊谷「もらった!!!」

 

熊谷さんは後ろから諏訪さんの首を斬ろうとしたがシールドでダイレクトにガードされ銃口を向けられた。

 

それでも、彼女は体制を立て直して弾丸をかわし、メテオラを諏訪さんの目の前で発射したのだ。

 

武富「な…なんと!!熊谷隊員は一か八かゼロ距離でメテオラを発射したぞ!!これは大丈夫なのか!?」

 

捨て身の一撃でメテオラを爆発させた熊谷さんは全身傷だらけになりベイルアウト寸前になった。

 

もしこれが効いていれば自分だけではなく相手にも致命傷を与えることができる。

 

熊谷さんは煙が消えると同時に諏訪さんの状態を確認した。

 

だがしかし、諏訪さんは間一髪全身にシールドを張っていた為無傷であったのだ。

 

熊谷「そんな……」

 

諏訪「あぶね〜……さぁこれでしまいにするぜ!!」

 

こうなってしまった以上熊谷さんになす術はもはやなかった。

 

諏訪「くらえーーー!!!!!」

 

諏訪さんは弾丸を装填して最大出力で散弾銃を発射した。

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

散弾銃を腹部に撃ち抜かれトドメを刺された熊谷さんは悔しそうな顔をしながら戦場を離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武富「ここで諏訪隊員が熊谷隊員を撃破して1ポイントを獲得しました。これで全隊に1ポイントが渡ったぞ!!」

 

烏丸「熊谷隊員は諏訪隊員を結構追い詰めましたね。諏訪隊員がシールドを張るのがもう少し遅れていたら確実にベイルアウトしていましたね。」

 

出水「そうだな。あそこ土壇場の場面でメテオラをうまく使ったのはなかなか面白かったぜ!」

 

烏丸けど、熊谷隊員の攻撃はあと一歩足りなかったですね。」

 

武富「さぁ、東側にいる隊員は諏訪隊員と一条隊員の二人。先に撃破してもう1ポイント獲得するのは一体どっちだ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千尋が渡してくれたマップを見ながら走っていきなんとか諏訪さんのことを見つけた。

 

ここで接近して攻撃するのもありだが、いきなり孤月で攻撃するのはリスクが高すぎる。

 

もし攻撃をかわされてゼロ距離から弾を発射されたらひとたまりもない。

 

ここはハウンドでけん制したあとから孤月で攻撃して致命傷を与えるのがいいな。そうするか。

 

一条「ハウンド!!」

 

早速行動に移した俺はグラスホッパーであちこち移動しつつハウンドを発射して諏訪さんは怯んだ。

 

よしここまでは考え通りだ。あとはうまく致命傷を与えれれば1ポイント獲得だ!!

 

俺は諏訪さんに何度もハウンドを発射し、彼の後ろに回り込んで孤月で首を斬り裂こうとした。

 

しかし、俺の攻撃は諏訪さんには届いておらず孤月振り下ろした場所にダイレクトでガードされていた。

 

諏訪「バカめ!!テメェの攻撃パターンなんかまるわかりなんだよ!!」

 

さっきの攻撃を完全によんでいた諏訪さんは散弾銃を構えたが俺は銃口に蹴りを入れそのまま離れた。

 

クソッ!さっきの攻撃効いていると思ったのに……

 

すると、千尋がさっきの諏訪さんと熊谷さんの戦闘を映しながら通信回路をつないできた。

 

千尋「隊長、さっきの戦闘で熊谷さんもメテオラでけん制する攻撃をしたみたいです。なのでさっきのような攻撃は効果が薄いかと………」

 

マジかよ……となると使えるのは剣類だけだな。これじゃあ俺の得意技ができない……

 

となると、相手はガンナーだしあれだな。ランク戦前に自力考えたたあの技をやってみるしかねぇな!

 

俺はグラスホッパーを諏訪さんの周りに囲み、散弾銃をかわすのと同時に近づいて孤月を何度も振りかました。

 

やはり俺の予想通りかわされたりシールドでガードされ致命傷は与えられない。

 

諏訪「何度やっても無駄だぞ!!そんな攻撃じゃ、俺に致命傷なんて与えれねぇんだよ!!」

 

でも、何度も攻撃しているうちにかすり傷はついている。

 

散弾銃が体のあちこちにかすってトリオンが露出してしまうが俺は気にせずに諏訪さんに切り傷を与え続けた。

 

諏訪さんも大分切り傷が増えたみたいだしそろそろケリをつけてもいいところだな。

 

一条「これで決める!!」

 

俺は散弾銃が発射された直後、諏訪さんの前方から縦に振り下ろした。

 

諏訪「来た。この時を待っていたぜ!!」

 

諏訪さんは接近する俺に向けて散弾銃を向けた。

 

この場合、俺が孤月で斬りつける速さより諏訪さんが弾を撃つ方が速い。

 

この勝負諏訪さんの勝ちだ。観覧席にいた多くの人がそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、諏訪さんがレバーを何度も引いても弾は出てこなかった。

 

よし!俺の作戦が上手くいったぞ!!

 

諏訪さんがレバーを引いている間、俺は彼の右腕を斬り落とした。

 

これで諏訪さんは散弾銃を使えず攻撃はできなくなるはずだ。

 

諏訪「おい!なんで弾が出ねぇんだよ!?」

 

一条「なら自分の体をよく見てみたらどうですか?」

 

諏訪「はっ?………ってなんだよこれ!?」

 

俺が少しずつ増やしていった切り傷から多量のトリオンが露出していた。

 

諏訪さんのトリオンはほとんど露出してるからいくらレバーを引いても弾丸は発射しない。

 

やっぱ1つの攻撃で大きな攻撃を与えられなくてもさっきみたいに正確にかつ少しずつ攻撃すればチャンスはやって来るもんだな。

 

一条「これでおしまいです諏訪さん!!」

 

 

諏訪「クソがーーーーー!!!!!」

 

俺はトドメを刺すため再び孤月を振り下ろし諏訪さんの首を斬り落とした。

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

さてと、なんとか東側の敵はいなくなったが俺の残りトリオンはほとんどねぇな……

 

俺はトリオンをあまり消費しないようグラスホッパーを使わず走って西側のほうへ向かった。

 

 

武富「決まったーーーー!!!!一条隊員が諏訪隊員を撃破してもう1ポイントを獲得したぞ!!」

 

烏丸「諏訪隊員に悟られないように意図的に少しずつ攻撃を与えたのは好ポイントだな。この手の攻撃はやろうとしてできるものじゃないからな。」

 

出水「あと、一条隊員の相手はたまたまガンナーだったから太刀打ちされることもないから上手く攻撃できたんだろうな。」

 

武富「なるほど、一条隊員は相手がガンナーだからと思って傷を与えていたというわけですね。さて、東側の試合がひと段落ついたが西側での戦いはどうなっているのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集side

 

楽たちが戦っていた間、西側では俺と堤さんは弾の合成を行っている那須さんに向けて中距離攻撃を行っていた。

 

ここでトマホークを完成させると二人にとって不利な状況になってしまう。

 

なんとかして俺たちは合成を妨害してトマホークの完成を阻止しようとした。だが、

 

那須「完成したわ。トマホーク!!!」

 

合成弾が完成すると同時に那須さんは弾丸を周りに囲み再びトマホークを俺たちに向けて発射した。

 

弾を囲んでる相手にむやみに接近して攻撃を仕掛けるのは危険みたいだな。

 

 

集「バイパー!!」

 

俺はレイガストで弾丸を防ぎつつ那須さんから一旦距離を置いてトマホークより弾速の速いバイパーで攻撃を仕掛けた。

 

だが那須さんの攻撃は途切れることがなく彼女自身もあちこちと移動するため思うように狙いを定めれない……すると、

 

堤「うおおおおお!!!!」

 

俺と那須さんの撃ち合いをしてる間、強行突撃を決意した堤さんは那須さんの背後から接近しゼロ距離から散弾銃を発射しようとした。だが、

 

那須「まずは一人。逃がさないわよ!!」

 

那須さんは俺がかわしたトマホークを軌道修正し、堤さんに集中砲火を喰らわせた。

 

堤さんもシールドを展開するも時すでに遅く、那須さんのトマホークをもろに直撃した。

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

トリオンが露出して戦闘が不可能になった堤さんはそのまま戦場から離脱し、那須隊に1ポイントが加点された。

 

那須「これであなただけになったみたいね。舞子君……」

 

俺も弾丸を周りに囲み那須さんの弾丸に備えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

烏丸「これで諏訪隊は全滅。諏訪隊がトップを飾ることはできなくなったな。」

 

武富「出水さん、聞きたいのですがなぜバイパーを操作するのが難しいのですか?」

 

出水「バイパーを操作するのは自分の周囲の状況を上手く把握する視点と攻撃対象を捉える空間認識が必要になるからな。だからシューターでもバイパーを使う奴が少ないんだよ。」

 

武富「出水さん説明ありがとうございます。さて西側も残り二人となりました。果たして勝利をつかむのはどちらか!?」

 

 

 

 

堤さんがいなくなり那須さんの狙いは確実に俺に向けられたわけだが、なかなか攻撃を当てられない。

 

那須さんの周りにトマホークがなくなってもまだトリオンが無くならずバイパーとメテオラの攻撃が続く。

 

スラスターを補助にして逃げても那須さんは建物や電柱をグラスホッパーのように踏み台して追っかけてくる。

 

なんとかして彼女の足止めをしないと……

 

俺はバイパーで那須さんの弾を相殺しつつメテオラで周りの建物や電柱を爆発させ彼女の周りに建物のガレキを落とした。

 

那須「そんなガレキ、私には通用しないわよ。」

 

那須さんはメテオラを使って彼女に降ってくるガレキをこっぱ微塵に粉々にした。

 

集「アステロイド!!!」

 

そのタイミングを見計らった俺はアステロイドを集中砲火を浴びせ那須さんにくらわせた。

 

那須さんはシールドを張ってた為、急所は当てられなかったものの、那須さんの腹部からトリオンが露出し始めた。

 

 

 

小夜子「那須さん、腹部からトリオンが露出し出しています。このままじゃ……」

 

那須「わかってるわ。次の攻撃で仕留めてみせるわ!」

 

那須さんは極力少ないトリオンでメテオラを発射して俺はレイガストを構えたまま身動きが取れなくなった。

 

 

那須「これでトドメよ!!!!」

 

那須さんがそう言うと地面からバイパーを俺に向けて当ててきた。

 

集「スラスターオン!!!」

 

トリオンをほとんど失いベイルアウト寸前の俺は那須さんに向けてレイガストを

 

那須「しまった。」

 

シールドを張るのが遅れた那須さんは胸部にレイガストが突き刺さった。

 

集「俺だってタダでやられる訳にはいかないんでね。」

 

「戦闘体活動限界。ベイルアウト!」

 

俺と那須さんは自分のトリオンが完全に失ってベイルアウトしてついに勝負に決着が着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一条side

 

 

武富「舞子隊員と那須隊員がここでベイルアウト。試合終了!!!最終スコアは計5ポイントを獲得した一条隊の勝利です!!」

 

集と那須さんの相打ちで俺たちと那須隊の両方に1ポイントが与えられ俺がフィールドに残っていた為、最終的に5ポイントを獲得することができた。

 

武富「前回は14位まで順位を落としていた一条隊ですが順調なスタートダッシュを飾ることができたぞ!!二人はこの試合の方はどう思いましたか?」

 

出水「今回の試合で俺が面白いと思ったのは熊谷隊員のメテオラ攻撃だな。あの場面は個人的にかなり燃えたわ。」

 

烏丸「俺的に良かったと思うのはやはり一条隊員の孤月の使い方ですね。あの剣さばきは俺もすごいと思いました。」

 

出水「けど、気になったのは笹森隊員がベイルアウトした後の堤隊員の攻撃だな。」

 

烏丸「あれは那須さんの攻撃の対策をしておく必要がありましたね。」

 

出水「それと、全体的に攻撃の避け方が粗かったな。さっきのようなガードの仕方だとA級じゃ通用しないと思うな。」

 

烏丸「確かに敵の攻撃を喰らってトリオンが露出し始めたら持久戦に持っていけませんね。」

 

出水「今後はうまく攻撃を防ぐことが課題になるな。」

 

武富「烏丸さん、出水さん、本日は解説ありがとうございます。

 

烏丸「ありがとうございます。」

 

出水「時間があったらいつでも来るぜ!」

 

烏丸(一条、早く俺と同じよう土俵にたてよ。俺はいつでもお前のことを待ってるからな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合が終わって作戦室に戻ると俺は集と千尋に謝った。

 

一条「すまない。俺、トリオンがほとんどなくて集と合流できなかった。」

 

すると、集は俺の肩を強く叩いてこう言った。

 

集「気にすんなよ。俺たち勝てたんだからそれでいいじゃないか。」

 

千尋「そうですよ。

 

二人は俺を責めたりすることなく明るく接してくれたのだ。二人の優しさにはホント助かる。

 

一条「ありがとう二人とも……よし!次も俺たちがトップを狙うぞ!!」

 

千尋「はい!」

 

集「あったりまえよ!!」

 

 

この初戦でいいスタートダッシュを飾り、B級11位まで昇格することができた俺たち一条隊。

 

この流れならA級昇格も不可能じゃないと思っていたがA級昇格に迫り来る大きな壁を俺たちはまだ知らなかった。

 

続く

 

 




ランク戦の総合成績

得点 生存点 計
一条隊 3 2 5
那須隊 2 0 2
諏訪隊 1 0 1

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次回はオリジナルストーリーのつもりです。

トリガーオン!!!

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