ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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「左門君はサモナー」のコミックが3、4巻だけ本屋からない。


橘 万里花③ 3本の鍵の謎

 

一条「お…おまえ……マリーか?」

 

万里花の喋り方を聞いておれは10年前の記憶を少し思い出したのだ。

 

すると万里花は恥ずかしくなり顔を口を手で塞ぎ赤らめてしまった。

 

万里花「……楽様の前では絶対にこの喋り方はしないつもりでおりましたのに。でもそれで思い出して貰えるとは皮肉な物です……お久しぶりですわ……楽っくん」

 

そうだ。確かマリーは昔俺の事をらっくんって呼んでいたな。

 

一条「お前、そういえば昔から身体弱かったもんな。」

 

万里花「そうですわ。私はお父様に連れてこられた山奥の診療所に来ていました。身体が弱い私はそこで退屈にしていました。そんな時、私の目の前に現れたのが楽様でした。」

 

診療所………俺もマリーと遊んだ事を段々と思い出してきた。

 

 

万里花「その日以降、毎日私のいる病室に足を運び、山にある物を土産にして私を楽しませてくれました。私は楽様のそんな優しさが嬉しかった。」

 

確かにあの頃のマリーはあの時嬉しそうだったな……

 

て言うかなんで俺、なんで今まで思い出せなかったんだろう……

 

万里花「そんな時に父が許婚の約束を楽様の父にしてくれるとおっしゃいました。」

 

なるほど許嫁の約束はその時点から決めていたというわけだな。

 

万里花「それからの私はがんばりました。いままで嫌がっていた習い事やお稽古も進んで受けふさわしい言葉遣いと教養を身に着け。楽様の求める理想の女性にならんがために邁進したのです」

 

まさか、万里花がそこまで俺の事を思っていたなんてな……それも知らずに忘れちまったなんてなんかカッコ悪いな……

 

一条「悪いな万里花。お前の気持ちに応える事が出来なくて………」

 

万里花「無理に私の事を思い出そうとしなくても結構ですよ。」

 

それでも俺は必死に頭を使って思い出そうとした。

 

すると、万里花は俺の目の前で笑顔を浮かべてきた。

 

万里花「お気持ちは嬉しいのですが本当にいいんですよ?その代り今のこれからの私をたくさん覚えてほしいのですこれからの私をもう忘れさせませんよ。」

 

なんだ……ならいいんだが……

 

万里花「と言う訳でまずは...あ、ほっぺにご飯粒がついてますよ?」

 

一条「えっ?どこだ?」

 

俺は自分の頬を触り探してみるも米粒はどこにもない。すると、万里花は俺の手をどいて頬にキスをしてきた。

 

万里花「忘れられない思い出一つ目です」

 

えっ?ええええ!!??

 

な……なんだよ万里花のやつ……大胆な行動を取りやがって………

 

俺はただ顔を赤くして照れるしかなかったのであった。

 

万里花「それでは楽様、また学校で。」

 

万里花はにっこりとした笑顔で俺の前から去って行った。

 

楽様か………

 

 

 

 

 

翌日、俺と千棘と小野寺は万里花に呼ばれて屋上に集まった。そこで万里花は千棘と小野寺に10年前の約束の真実を話した。

 

千棘と小野寺「「えぇ!?10年前に私達が出会ってる!?」」

 

千棘と小野寺は声をハモらせその事実に驚いた。

 

彼女達の反応からするにおそらく二人とも忘れていたのだろうな。

 

 

一条「ああ。お前の親父と万里花がそう言ってた。やっぱり覚えてねぇか?」

 

千棘「いや。」

 

小野寺「全く。」

 

やっぱりな……俺も万里花と千棘の親父から聞かされるまでその事を忘れていたしな。

 

まぁ10年前に少ししか出会っていない人なんてそうそう思い出せるもんじゃねぇしな。

 

千棘「それで、なんであんたは顔をそんなに赤くしてんのよ?」

 

一条「いや……なんでもねぇよ。」

 

デートの最後に万里花にキスされたなんてとてもじゃねぇけど言えねぇしな。

 

小野寺「でも、私は初めて千棘ちゃんを見た時から仲良くなれそうだなって思ってた。」

 

千棘「本当!?実は私もなんだ!!……ところでなんであんたはその事を黙っていたのよ?」

 

一条「いやー……なんというか……タイミングが合わなくて……」

 

すると、三人はポケットの中からそれぞれ持っている鍵を取り出した。

 

千棘「で、これが問題の約束の鍵というわけね。まさか、小咲ちゃんも鍵を持ってるなんて思ってなかったわ。」

 

小野寺「私も……いったいどういうことなんだろう……」

 

千棘「みんな10年前にダーリンと出会ってなんかの約束をしててもう何がなんなのよ?」

 

千棘はムシャクシャして頭をこすり始めた。

 

一条「俺が知るかよ!俺が約束した女の子は確か一人だったはずだし……」

 

いや…………もしかしたら二人?……いや、三人?なんだかそれすらも忘れちまった……

 

千棘「そもそも、約束ってなんなのよ?私それすらも忘れちゃったんだけど。」

 

万里花「覚えていらっしゃないのですか?勿論結婚の約束に決まってるではありませんか?」

 

結婚………ずいぶんと大胆な約束をしたもんだな……

 

もし、約束の女の子が見つかって本当に結婚ってことになれば奇跡的な出来事になるよな。

 

小野寺「でも、なんで橘さんは鍵が三本あるってことを知ってるの?」

 

確かに10年前の約束で最大の疑問点である三本もある鍵の謎だ。だが、万里花の反応は予想とは違っていた。

 

万里花「ごめんなさい。私が覚えているのは約束についてだけですのでなぜ鍵が三本もあるのかまでは覚えていません。」

 

そうか……俺的にはそっちの方が気になったんだけどな……

 

けどまぁ、詳しいことが聞けたしそこまで欲張るのもなんか癪だな。

 

約束の話の続きはまた今度万里花から聞くとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、俺はボーダーの本部へ向かった。

 

集「おっ来たか楽!俺たち一条隊の初戦の相手が決まったぞ!!」

 

おっ!もう来ていたのか。いきなり鈴鳴第一とか当たるのは嫌だな……

 

千尋「私達の初戦の相手は那須隊と諏訪隊、みたいです。ステージの決定権は那須隊が決めるみたいです。」

 

那須隊はB級15位で諏訪隊はB級12位、俺たちとほぼ同じくらいの順位だ。

 

だから俺たちにとってこの試合は負けられないな。

 

一条「集、お前に指示をだす。」

 

集「なんだよ隊長?」

 

一条「ランク戦でお前はできるだけ早く俺と合流しろ。そして俺のことを援護してくれ。」

 

もし俺が相手と近接戦をしてる時、集が弾丸を発射してくれればこっちが有利になる。

 

集「じゃあさ、もし俺が楽と合流できない時はどうすんだよ?」

 

一条「そこで、千尋が俺と集の位置を特定してできるだけ早く合流できるようにする。」

 

千尋「つまり三人が協力をしてランク戦を乗り切るというわけですね。」

 

一条「ああ。そういうことだ。」

 

俺たちは隊の人数が少ないから人数で対抗するのは不可能だ。

 

けれど隊員全員が協力すればなんとか乗り切れるはずだ。

 

一条「さぁ、二人とも今から動きの確認をする。しっかり俺の指示についてこいよ!」

 

集と千尋「「はい!!!」」

 

俺たちは決意を固め、シュミレーションルールで動きを確認した。

 

俺たちの今後を大きく左右するB級ランク戦がいよいよ明日から始まろうとしていた。

 

待ってろよとりまる!!今回のランク戦で必ずA級に昇格してみせるからな!!

 

次章へ続く

 




今回はちょっと短めの話でした。

さて次回から「6月B級ランク戦編」が始まりますがビルドファイターズの新作小説も考えているので更新はだいぶ遅くなるかもしれません。

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