ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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化学が全然わかんないよ!!ダレカタスケテ!!!


一条 楽と桐崎 千棘③ ドキドキの放課後

一条「千棘でも小野寺でもない………」

 

親父の言っていた箱を開け写真を開けてみたが小さい俺の隣に写っていた女の子は千棘でも小野寺もなくオレンジ色のした髪の女の子だった。

 

しかもその子はペンダントの穴に合いそうな鍵もちゃんと持っていた。

 

一条「親父、写真に写っている女の子は一体誰なんだ?」

 

俺は家の中へ向かい親父に女の子のことについて尋ねようとしたが親父の姿はなかった。

 

一条「なぁ竜、親父どこに行ったか知らないか?」

 

竜「へっ?組長ならさっきお出かけになられたぜ。警察のドンと話つけるみてぇで。」

 

クソ!よりによってこんな時に限って親父がいないなんて………

 

結局俺は女の子のことについてわからずじまいとなり、謎が謎を呼ぶ結果となった。

 

 

キョーコ先生「おーい。林間学校の写真が出来だぞー!」

 

千棘「キタキターー!!!」

 

翌日、この間頼んだ林間学校の写真が届き千棘は大いに喜んでいる。

 

写真が来てここまで喜んでいる人を見たのは初めてだ。

 

………やっぱり10年前に俺が約束した女の子が気になるな……

 

ここは一か八かもう一度千棘と小野寺に聞いてみるのがいいかもしれないな。

 

いや、ここは無難に親父に聞いてみるのが一番だな。

 

集「おーい楽、お前、どんな写真買ったんだよ?」

 

一条「なんだ集か……あっ……雨。」

 

俺が靴を履き替え玄関を出ようとすると、突如にわか雨が降り始めたのだ。

 

全く……早く家に帰りたいっていうのについてねぇな俺は。

 

振り返ってみると玄関の中で立ち尽くしている千棘の姿があった。

 

一条「よう千棘、傘忘れたのか?」

 

千棘「まぁね……はあ……五時から嵐山隊がテレビに出るってのに……録画しとけばよかった……」

 

マジかよ!?そんなん知らなかった。あぁ……俺も録画しときゃよかった……

 

 

一条「入れよ。見たいんだろ?テレビ。」

 

俺は千棘にぶっきらぼうに傘を差し出した。

 

しかし、千棘は素直になれず俺の誘いを断った。

 

千棘「いいわよ。あんたの傘に入るくらいなら濡れた方がマシよ。」

 

一条「ああそうかよ。」

 

千棘はそのままカバンを頭の上に乗せて走り去った。

 

雨に濡れながら走っていく千棘の姿を俺は見てられず、彼女の目の前に傘を差し出した。

 

一条「……風邪引くだろ………」

 

千棘「…………」

 

千棘は頰を赤くしてムッとした顔をしたけれどおとなしく俺の傘に入ることにしたのだ。

 

一応恋人とは言え、一つの傘に一緒に入るのは結構恥ずかしい。

 

そんな中、俺は笹森と半崎、そして太一が歩いてるのを見た。

 

笹森「おっ!イチのやつ女子と相合傘じゃないか!」

 

太一「ヒューヒュー!!」

 

半崎「この調子なら次のB級ランク戦で一条隊と当たっても余裕だな。」

 

一条「うるさいぞお前ら!俺はお前らなんかに絶対負けないからな!!」

 

あいつら……完全に俺のことを舐めてんな……今に見てろよ………

 

そんな中、千棘は自分が全く濡れてないのに対し俺の左肩が濡れているのが気になっていた。

 

千棘「…………………」

 

ドン!!

 

ムシャクシャした彼女は黙ったまま俺を強く突き放したのだ。

 

一条「痛ぇ……何すんだよ!?」

 

千棘「………別に……」

 

俺のためなんて言えず千棘は再び顔を赤くした。

 

なんなんだ……最近千棘の様子が

 

千棘「何よその顔は?まさかいやらしいこと考えてるんじゃないんでしょうね?」

 

一条「はぁ!?考えてねぇよ!!」

 

千棘「ふん!私はあんたのためにこうしてやってるっていうのにこの変態!!」

 

一条「考えてねぇって言ってるだろ!大体俺はそんなこと頼んだ覚えなんてねぇし。」

 

普通ならありがとうで済むような話にもかかわらず俺たちはまたくだらないケンカを始めるのであった。

 

 

千棘「何よこのアホもやし!!」

 

一条「黙れこのゴリラ女!!」

 

千棘「誰がゴリラですってーーーー!!!!」

 

ゴロゴロ!!!

 

千棘が俺にパンチを下そうとした瞬間、突如近くに落雷が落ちたのであった。

 

その音を聞いた千棘もパンチを打つのを止めた。

 

一条「さっきのは近かったな……って千棘?」

 

千棘「うぅ………」

 

雷が激しくなると千棘はブルブルと震えていて歩けない状態であった。

 

マジかよこいつ雷の音にも弱いのかよ。ホントこいつって弱点多いよな。なんかどこぞの超生物教師みたい。

 

一条「………仕方ねぇな……」

 

 

 

俺は震えている千棘を連れ近くにあった公園で雨宿りするのであった。

 

一条「さてと、しばらく雨やみそうにないしどうやって時間を潰すか………」

 

千棘「じゃあ何か話題振ってよ。黙ってると怖いじゃない。」

 

一条「お前またそれかよ?じゃあ、今日買った写真の見せ合いっこでもするか。」

 

千棘「おっ!見せ合いっこする?言っとくけど私の手札は協力よ!!」

 

一条「カードゲームじゃないんだから……」

 

そういえば俺も昔、遊◯王とかやってたもんだな。すると、千棘は山のような写真をドサッと置いた。

 

一条「おいおい、多すぎるだろ!何枚買ったんだよ?」

 

千棘「えっと……80枚くらい?」

 

多いな!!やっぱ金持ちはお金の使い方が違うな………

 

千棘「で、あんたの写真も見せてよ。」

 

ふふーん!こんなこともあろうかと集やとりまると一緒に写ってる写真や小野寺の写真はチェックしといたんだ。

 

一条「ほら、ざっとこんな感じか。」

 

俺は千棘に買ってきた写真をみせるのであった。すると彼女は

 

千棘「………何これ?」

 

そう言って俺に見せてきたのは千棘がだらしない格好で寝ている姿であった。だが俺はこんな写真買った覚えがない。

 

もしかして集の野郎………あの時に……

 

千棘は怒っているのか、体を震えさせていた。ヤバいぞこの状況………

 

一条「待て待て!!話せばわかる!これは集の奴が………」

 

千棘「まぁわかってるけどね。どうせあんたにそんな写真かう度胸なんてなさそうだし。」

 

一条「えっ?」

 

千棘が返した答えは俺の予想とは違っていた。てっきり怒りの鉄槌が来るのかと思った。

 

千棘「それより見てよこの写真!!私たち全員写ってる!!」

 

なんだろう……不思議な感じだ……

 

この前まで友達ノートを作っていたのが嘘みたいに彼女の顔が輝いている。

 

一条「しかし、お前も転校してきた時より大分変わったもんだよな。」

 

千棘「そりゃ色々あったからね。成長だってするわよ。」

 

時が経つにつれて彼女が笑って当たる顔が増えている気がする。

 

こいつはやっぱ笑ってる方が可愛いからな。

 

千棘「けど、一番の問題は私の高校生活をあんたみたいなアホもやしと過ごすことだけど……」

 

一条「はぁ!?それはこっちのセリフ………」

 

千棘「でも最近はこのニセコイも案外悪くないかもって気もしてるけど。」

 

な……なんだよこいつ……急に素直になりやがって………

 

こんな風に言われると俺も………

 

一条「いや……まぁ……俺だって……」

 

千棘「なーんてね。」

 

はっ?

 

千棘「何その顔?もしかして本気にしてた?とりまる君の真似してみただけなのにバッカみたい!!」

 

一条「お前ーーーーー!!!!」

 

いつもとりまるに騙されている小南先輩の気持ちが少しくらいわかるかもしれない。

 

すると、再び雷がなって怖くなった千棘は俺の胸元に飛びついてきた。

 

このままラブラブの感じになろうとしたそんな時、

 

 

 

一征「おやおやお二人さん。白昼堂々おアツイネ〜。」

 

一条「お…親父!?」

 

いい感じになっている俺たちの前にリムジンに乗った親父がやってきた。

 

出てくるタイミング悪すぎだろ!!もう少しこっちのことを考えてくれよ……

 

一征「恋人のフリをしてくれって頼んだが、まさかホンモノの恋人になっちまったのかい?」

 

一条と千棘「「誰がこんな奴と!!!」」

 

俺たちは息ぴったりに否定をした。

 

一征「まぁいいや。ちょうどおめーに話があってな。さっき警察のボスと話をしてきたんだがあることが決まったんだ。」

 

千棘「一体なんなのですか?」

 

一征「実は明日からおめーがよく知ってるあいつがやってくるんだ。」

 

一条「あいつって言われてもわかんねぇよ。」

 

一征「ほらほら、あいつだよ。おめーの許嫁。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はあああああああ!!!!!?????

 

許嫁ってなんのことだよ!?

 

あまりの突如の発言に俺は驚きを隠せなかった。

 

 

 

 

その後、俺は家に戻って親父からそのことを詳しく尋ねるのであった。

 

一条「それで、許嫁ってなんでいきなりそんなことになったんだよ?」

 

一征「実は一ヶ月前、ボーダー隊員の鳩原って奴が民間人にトリガーを渡して異世界に渡って行った事件があってな。トリガーの裏取引を防ぐため警察の活動が活発化しちまったんだよ。」

 

鳩原先輩って二宮隊の隊員じゃないか。

 

そうか大体わかったぞ。

 

なんで昨日俺ん家に警察が上がりこんできたのか、なぜ二宮隊がB級へ降格したのか、そしてあの写真に写っていた女の子の正体が。

 

一征「だがらおめーと警察のボスの娘を結婚させて警察との全面戦争を防ぐことに決めたんだ。」

 

一条「いやいや!!だからって俺を巻き込むんじゃねぇよ!!」

 

こっちはギャングの娘とニセモノの恋人をしてるっていうのにこれ以上どうしろって言うんだよ!?

 

一征「んなこと言っても相手は警察だ。わりぃがこれも三門市民を守るためなんだ。頼むぞ。」

 

親父の要望により俺は許嫁をもらうことになったのだが……本当に大丈夫なのか?この先の俺の生活は……

 

 

 

続く

 

 




ニセコイ本編で約束の女の子がついにわかりましたね。この作品はエンディングを原作とは違う風にしたいな。

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次回はついにマリーが登場、トリガーオン!!!

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