ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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すみません。リニューアルバージョンを作るって言ってたのですが、なかなかうまくいかず断念しました。
詳しくは活動報告に記載していますのでどうか見てください。


桐崎 千棘④ 鍵とペンダントの謎

 

鶫からもらった地図を使って路地の方を走って千棘の家に向かう俺と小野寺。

 

俺たちは地図を使ってなんとかたどり着いたけどその家はボーダー本部並に大きい建物であった。

 

これには俺もびっくりした。どんだけ金持ってるんだよ?

 

すると、千棘も驚いた表情をしながらこっちにやってきた。

 

千棘「な……なんでみんなここに?」

 

鶫「実は本日はお嬢の誕生日だということで

恐れながら私お嬢に内緒でご招待させて頂いたのです。」

 

すると、千棘は門を開け、おれの手を引っ張ったのだ。

 

あまりにも突然のことだったので俺の頭の中でうまく処理できていない。

 

千棘「ど…どうしよう!!私、まだ家族がギャングだっていうこと伝えてないのに……」

 

やっぱりな……こいつ、まだそんなこと気にしてたのか。

 

俺だって家族がヤクザでも友達できてるのに……

 

一条「なんだよ…お前まだそんなこと言ってたのか?」

 

 

千棘「そんなことじゃないわよ!!私そのせいで今まで友達出来なかったのよ。気にして当然じゃない!!」

 

一条「はぁー……」

 

俺は呆れちまい溜め息が出てしまった。そして小野寺達に千棘の家族のことを伝える。

 

一条「おーい小野寺〜。実はこいつ家はな〜ギャングなんだよ〜。」

 

千棘「ヒャアアア!」

 

俺の行動に千棘は大声を出しながら止めようとした。

 

しかし小野寺と宮本の反応は千棘の予想していた反応とは全く異なっていた。

 

小野寺「ギャング?えっと……烏丸君からそのことは聞いたけど、なんだっけ?」

 

マジかよ?とりまるの奴いつの間に千棘の家がギャングだって伝えたんだ?

 

一条「えっと……まぁ日本で言うヤクザみたいなもんかな?」

 

小野寺「ヘェ〜…だから、千棘ちゃんってお金持ちだったんだね。」

 

小野寺の反応を見て千棘はただ、黙っていたのであった。

 

一条「ほらな。別に心配することなかっだろ?」

 

千棘「……バカ……」

 

千棘は顔を赤くしてそう言ってきた。

 

そんなこんなで俺たちは鶫について行きパーティー会場に向かうのであった。すると、

 

 

 

 

 

「「「ハッピーバースデー!!!お嬢!!!」」」

 

「いやー!!お嬢も今日で16歳ですか〜……」

 

「ではではみんなで祝いましょう!!!」

 

鶫がドアを開けると怖そうな顔をしたギャング達がクラッカーや銃を鳴らしながら盛り上がっていた。

 

クロード「もしかしたらお嬢のご友人ですか?本日はようこそいらっしゃいました。」

 

クロードは小野寺と宮本を見て紳士な態度で振る舞った。

 

しかし、こいつは俺のことを見ると表情をガラリと変えた。

 

クロード「おや?おやおや〜〜?これは集英組の二代目ではございませんかぁ〜。ということはさぞ素晴らしいプレゼントを持ってきたのでしょうね〜……」

 

こいつ……地味に嫌味を言ってくるな……腹がたつぜ……

 

小野寺「あの、これ大したものじゃないけど、一条君と烏丸君と一緒に選んだペンのセット。」

 

るり「私はお気に入りの小説をプレゼントするわ。」

 

千棘「ありがとう二人とも!!すっごく嬉しい!!」

 

千棘は涙を見せながら喜んでいた。

 

どんなプレゼントであれ、仲のいい友達からもらったプレゼントはお金じゃ買えない特別なものがあるからな。

 

クロード「それでは集英組のクソガキ……いえ、坊ちゃんもお嬢のために素敵なプレゼントを見せてください。」

 

こ…こいつ……俺にプレッシャーかけてるんじゃねぇよ!

 

……こうなったら一か八かプレゼントを見せるしかないな!

 

一条「ほらよ、ハニー。お前へのプレゼントだ!」

 

俺はそう言ってトンキホーテでこっそりと買ってきた千棘そっくりの金髪ゴリラのぬいぐるみだ。

 

「オイ!!ゴラァ!!てめぇ、お嬢をゴリラとでも言いてぇのかぁ!?」

 

ギャング達は怖い顔をしながら俺に銃を向けてきた。

 

やばいな……さすがに銃を向けられると小野寺と宮本もビビっている……

 

一条「ち…違うって。俺は真剣に考えたんだ!!」

 

実際、俺の中でこいつは結構気に入ってんだよな。

 

すると、千棘は予想外にも笑顔を見せていた。

 

千棘「ふふっ……ありがとう。大事にするわね。」

 

こいつの笑顔がニセモノなのかホンモノなのかわかんなかったが、その時の彼女の表情は輝いて見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小野寺や鶫そしてギャング達がパーティーで盛り上がってる中、疲れちまった俺は窓ほ外に出て一休みをしていた。

 

千棘「あれ?あんた、どうしてこんなところにいるのよ?」

 

そんな中、俺のところに千棘がやってきたのだった。

 

一条「いや、ちょっと一休みしててな。」

 

千棘「ふーん。それにしてもあんたのセンスって最悪ね。思わず笑うところだったじゃない。」

 

一条「なんだよ……やっぱり芝居だったのか……別にいらなかったら俺に返してもいいんだぞ。」

 

千棘「バーカ。私達一応表向きは恋人同士でしょ?だから大事にするわよ……仕方なくね。」

 

一条「なぁお前も結構気に入ってんだな?」

 

千棘「んなわけないでしょ!?」

 

え〜……俺の中ではお気に入りなんだけどな……好みって人それぞれ違うんだな。

 

ぬいぐるみをもらった時のあいつの表情を見る限りだと芝居には見えなかったんだよな……

 

すると、千棘は突然こんなことを言ってきた。

 

千棘「ねぇ楽、あんたに聞きたいことがあるんだけど、」

 

一条「なんだよ?急に?」

 

千棘「あんたってさ、今でも約束の

 

千棘の言葉を聞いて俺はびっくりしてしまった。

 

彼女の言葉からそんなことを言うなんて初めてだ。

 

一条「……ああ。好きだよ。」

 

けれど、俺は迷うことなく千棘にそう告げた。

 

千棘「じゃあさあんた……ザクシャインラブって言葉知ってる?」

 

一条「えっ?」

 

千棘「……やっぱりあるのね聞いたこと。」

 

イヤイヤイヤイヤ!!!!なんであいつがザクシャインラブの言葉を知ってるんだよ!?

 

俺の約束の女の子は小野寺のはずじゃないのか!?

 

俺の頭の中は混乱してしまった。すると、千棘はこの前見つけた小さな鍵を俺に見せるのであった。

 

千棘「10年前、私はある男の子と約束を約束をしたの。詳しいことは覚えてないけど、たった一つ覚えてるのはその子はあんたと同じペンダントをしていたこと。」

 

おいおい……それって俺や小野寺の約束と同じじゃないか。

 

なんか俺の心臓の音がドンドン激しく鳴り始めてきた。

 

俺たちは真剣に鍵とペンダントの謎について考えた。

 

だが俺たちは考えることが面倒くさくなってしまい……

 

 

千棘「………ってやっぱりないわよね!!そんなこと!!!!」

 

一条「そそ……そうだよな!!!んんんな訳ないよな!?」

 

俺たちはそんなわけないと言って考えるのをやめてしまった。

 

千棘「だって、私、あんたにあったことなんて覚えてないし!!」

 

一条「はぁ!?あの女の子もお前なんかと全然イメージ違うし!!!」

 

俺たちは互いに認めることをできず喧嘩になってしまった。

 

これではいつまでたっても話に収拾がつかない。そこで俺はあることを言った。

 

一条「じゃあもしこのペンダントが開いたらどうすんだよ?」

 

千棘「はぁ!?ならなんでもしてやるわよ!!!キスだろうがなんだろうが!!!」

 

一条「えっ!?」

 

彼女のキスと言う言葉に一瞬戸惑ってしまった。

 

とにかく俺たちは覚悟を決めて千棘の持ってる鍵を俺が持っているペンダントに入れようとした。

 

だが、彼女の手はガクガクに震えていた。

 

一条「おい、そんなんで大丈夫か?」

 

千棘「うるさいわね!!い…行くわよ!!!」

 

一条「お…おう!!」

 

千棘は鍵を入れ込むと、信じられないことに俺のペンダントにぴったりとはまったのであった。

 

そしてそのまま回そうとした。だが……

 

ポキッ!!!!!

 

一条「折れたああああ!!!!!!!」

 

その鈍い音とともに千棘の鍵は根元から折れてしまったのだ。

 

一条「どうしてくれんだよ!?この馬鹿力!!」

 

千棘「だって、緊張して力が入っちゃたんだもん!!」

 

一条「あー……これとれねぇじゃねぇかよ!!どうすんだ!!!」

 

千棘「知らない!知らない!!」

 

なんてこったぁ!!!これじゃあ小野寺の鍵と俺のペンダントを確かめることもできねぇ!!

 

俺は只々落ち込むしかなかったのだった。

 

すると、千棘は諦めきった顔でこう言った。

 

千棘「……まぁいいんじゃない?どうせ私たちが約束の相手じゃないってわかったんだから。」

 

一条「あっ!逃げんな!!どこに行くんだよ?」

 

 

千棘「みんなのところよ。」

 

なんだよ………あんなに動揺していたのに鍵が折れた瞬間あっさりした態度になりやがって……

 

 

それにしても俺が約束した女の子は千棘なのか小野寺なのかワカンねぇ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千棘が去った後俺も千棘の家の中へ入った。すると、

 

アーデルト「やぁ!誕生日を祝いに来てくれたのかい?どうもありがとう。」

 

その人は千棘の父のアーデルトさんであった。

 

俺とアーデルトさんはソファに座ってゆっくりと話を始めた。

 

アーデルト「日本に来てから彼女は笑うようになったよ。ありがとう君のおかげだ。」

 

確かにあいつも転校したばかりの頃よりはだいぶ笑うようになったなぁ……

 

でも俺のおかげではないと思うんだが……

 

アーデルト「楽君とあの子は相性がいいからね。上手くやっていけると思っていたが…」

 

一条「相性!?良くないっすよ!あいつとは顔合わせりゃケンカばっかで!!」

 

アーデルト「ははは。そんなことないよ。だって君たちは子供の頃もとても仲良かったから。」

 

一条「子供の頃!?」

 

俺はアーデルトさんの言葉に驚いてしまった。

 

アーデルト「君のお父さんと話し合いをしていた時、君と千棘が遊んでいたのをよく目に映ったものだよ。」

 

マジかよ?千棘と俺がそんなに仲が良かったなんて……

 

俺はとてもじゃないが信じられなかった。

 

アーデルト「でも、不思議なこともあるもんだね。まさか君だけでなく、あの子までこの歳で再開することになるなんてね…」

 

一条「あの子っていうのは?」

 

アーデルト「あれ、覚えてないのかい?当時はよく三人で遊んでいたんだけど。ほら、今日君と一緒に来た眼鏡をかけてない方の女の子だよ。」

 

小野寺なのか!?じゃあ一体、俺の約束した女の子は千棘なのか?それとも小野寺なのか?

 

なんかわけわかんなくなってきた!!

 

 

一条「あの……そのことについて詳しく教えてください。」

 

アーデルト「……すまない。私は今から大事な用事があるんだ。この話はまた今度だ。」

 

 

アーデルト「言い忘れてた。最近、ボーダーの城戸司令の指示で警察の動きが活発になっている。気をつけてくれ。では。」

 

アーデルトさんのお陰で10年前の約束について詳しく聞けたので俺は満足した。

 

それにしても城戸司令は警察を動かして一体何を考えてるんだ?

 

家に帰ったら一刻も早く親父に報告しないとな!!

 

続く

 

 




久々の投稿でした。

原作だと舞子も千棘の誕生日パーティーに来ているのですが、この作品では参加しておりません。

次回は舞子は千棘の誕生日の日に何をやっていたのかを書きたいと思います。

感想やアンケート、またお気に入り登録も募集しています。

次回もトリガーオン!!!

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