ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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ニセコイの無料配信で読み返したのですが、今と昔で古味直志先生の絵の書き方全然違いますよね。
1巻あたりの絵の一条で太刀川隊の服着せれば完全にキリトにしか見えない。笑

反面、葦原大介先生の作画は連載当初からあまり変わってませんね。


第25話 小野寺 小咲④ 秘密の場所

 

千棘「楽ーー!!この日誌どこに持ってけばいいの?」

 

 

俺が廊下で小野寺と宮本に話しかけようとしたとき千棘は大声で俺のことを呼んだ。

 

こいつ、現れるタイミング悪すぎだろ……

 

一条「先生が準備室に持ってけって言ってたぞ。」

 

千棘「あー。そうかそうか。ありがとう楽。」

 

一条「あっ、言い忘れてた千棘。理科準備室の方だからな。間違えんなよ!」

 

千棘「りょーかい」

 

千棘はそのまま走って理科準備室へ向かっていった。全く、慌ただしい奴だな千棘は。

 

小野寺「一条君、千棘ちゃんのこと名前で呼んでたね。」

 

一条「ああ。林間学校を機にお互いしたの名前で呼び合うことにしたんだ。あいつとは長い付き合いになるしな。」

 

小野寺「ふーん。」

 

けどあいつを下の名前で呼ぶのはまだ慣れていない。まぁしばらく千棘って読んでればそのうち慣れるだろうな。

 

すると鶫が教室から出てきた。

 

鶫「おい一条 楽、お嬢を見ていないか?」

 

一条「ハニーならさっき理科準備室へ走ってったぞ。」

 

鶫「そうか。なら都合がいい。」

 

るり「都合がいいって一体どういうことなの鶫ちゃん?」

 

鶫「実は今日はお嬢の誕生日なのです。ですので私はサプライズパーティーを計画中で皆さんを招待したいのです。」

 

小野寺「えっ?ホントに?」

 

小野寺は鶫に誘われて嬉しそうな顔をしていた。

 

まぁ小野寺も千棘と仲がいいからな。友達の誕生日パーティーとなれば参加したいだろうよ。

 

鶫「ま…まぁ貴様も来たいというのなら来てもよいが……なんせ貴様はお嬢の恋人なのだからな……」

 

鶫は俺の方を向かず顔を赤くしてそう言ってきた。

 

その口調は俺のことを誘ってるのか誘ってないのか全くわからない。

 

一条「なんだよ。そんなに誘うのが嫌なら行かねえぞ。」

 

すると鶫はためらいながらも俺の顔を向いて改めてこう言った。

 

鶫「……来いよ……」

 

一条「お…おう………」

 

どうやら俺のことを誘ってるみたいだな。まぁ今日は防衛任務もないし行くとするか。

 

小野寺「ねぇ、千棘ちゃんのためにプレゼントと買わないと。」

 

るり「じゃあ一条君と小咲で行ってきてちょうだい。」

 

小野寺「る……るりちゃん!?」

 

一条「宮本は来ねぇのかよ?」

 

宮本の発言に俺と小野寺はドキドキしながら驚いた。

 

そういうのって大勢で決めた方がいいと思うんだが。

 

るり「あー、ごめんね。私ちょっとお腹痛くてさぁ〜。」

 

小野寺「お昼に定食二つも食べてたでしょ?」

 

マジかよ!?宮本の食欲半端ないな。

 

るり「いいから!とっとと着替えて行く!!!」

 

一条と小野寺「「ええええええ!!??」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てな訳で俺は私服に着替えて、喫茶店でコーヒーを飲みながら小野寺のことを待っていた。

 

周りにカップルで来ている大勢の客がいちゃいちゃしていのを目に浮かぶ。

 

一条「(なんか、ここで待っているとデートに見えてきた……もしそうなれば千棘とのニセデートを抜かせば初のデートとなるけど、一体どうなんだよ!!!)」

 

俺はコーヒーを飲みながら深く深く考えていた。

 

心の声をモロに出しているため周りの人たちもびっくりしていた。

 

俺は気持ちを落ち着かせるためもういっぱいコーヒーを頼み、しばらく待っていると私服の小野寺が喫茶店方へ駆け込むところを見えた。

 

やばい!!小野寺の私服姿久々に見るがめっちゃ可愛い!!

 

すると俺は髪を整えてる小野寺と目が合って俺は顔を赤くした。

 

小野寺も顔を真っ赤にしながら喫茶店の中へ入った。

 

だがさっきのことが恥ずかしかったのか彼女はテーブルに伏せてしまった。

 

小野寺「じ…じゃあ……千棘ちゃんへのプレゼント探しに行こうか………」

 

さっきのことは黙ってたほうがよさそうだな……

 

俺が変に励ますとかえって彼女の傷をえぐる。

 

小野寺はメニューを注文するため店員のとりまるを呼んだ。

 

小野寺「あの、私もコーヒー1つお願いします。」

 

店員「かしこまりました。」

 

店員は去って行く時に耐え切れず小野寺のことをプッと笑ったのだ。

 

客を笑うとか結構ひでぇなあの店員……

 

あっ、そういえば小野寺の誕生日っていつなんだろう。俺も小野寺の誕生日を祝ってやらないとな。

 

一条「あ…あのさ……」

 

小野寺「じゃあ、コーヒー飲みおわっから行こうか。」

 

一条「そ……そうだな。」

 

クソッ!せっかく小野寺の誕生日を聞こうとしたのに……けど、まだ誕生日を聞けるチャンスはある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コーヒーを飲み終えた俺たちは喫茶店を出てトン・キホーテへ向って千棘の誕生日プレゼントを探し始めた。

 

 

小野寺「ねぇ一条君、千棘ちゃんが好きなものって知ってる?」

 

一条「うーん……あいつそういうの教えてくれねぇからな……」

 

なんせ誕生日すら俺に教えてくれなかったからな。あいつが何が好きなのかなんてわかんねぇ……すると、

 

烏丸「お客様、なにかお探しですか?」

 

小野寺「あっ、烏丸君。」

 

一条「と…とりまる!?どうしてここに?」

 

 

店の制服を着たとりまるが俺たちにそう尋ねてきた。

 

こいつ現れ方もスタイリッシュだなオイ!!

 

烏丸「どうしてって今月からここでアルバイトを始めたからだ。お前らこそなんか探してたんじゃないのか?」

 

マジかよ?ボーダーでも働いて小野寺の家でも働いてこいつどんだけバイトを掛け持ちしてんだよ……

 

小野寺「実はね、今日千棘ちゃんの誕生日があってプレゼントを探していたんだけどなかなかいいのが見つからなくて……」

 

烏丸「なるほどな……それなら店員お勧めのプレゼントがございます。どうぞこちらへ。」

 

小野寺「う…うん……」

 

小野寺はとりまるは紳士な態度に惚れたのか顔を再び赤くした。

 

クソッ!!あいつの接客態度はホントにイケメンだな……

 

烏丸「私がお勧めしますのは、こちらのインクが消えるボールペンセットなんてどうでしょう?」

 

とりまるは俺たちに消えるボールペンの8色セット、そして消える蛍光ペンセットも差し出してきた。

 

 

小野寺「で…でもこのセット結構お値段高くない?」

 

烏丸「ご心配なく。代金の方はそちらのボーダー隊員が全額お支払いしてくるはずです。」

 

小野寺「えっ?いいの一条君?」

 

一条「あ…ああ。もちろん俺が全額支払ってやる!!」

 

とりまるの野郎ーーーー!!!!ふざけたことを言いやがってーーーーー!!!!!!

 

とはいえ、小野寺の前であいつにフザケンナとか言えないからな………

 

俺は仕方なくボールペンと蛍光ペンのセットの代金を全額支払った。

 

小野寺「烏丸君のおかげでいい買い物ができたね。」

 

一条「そ…そうだな………」

 

とりまるのせい……いや、お陰で俺たちは千棘へのプレゼントを見つけたのであった。

 

だがしかし、結局小野寺にいいところ見せれなかったし、彼女の誕生日も聞けなかったな……

 

小野寺「そうだ、まだ時間あるから寄り道していかない?」

 

一条「えっ?」

 

小野寺「私、一条君に見せたい場所があるんだ。ついて来て。」

 

小野寺は俺の手を握り住宅地が密集している狭い道を進んでいった。

 

すると、俺の目に浮かんだのは三門市の綺麗な街並みだった。

 

一条「すげぇ……三門市にこんな綺麗な景色が見られる場所があったなんて……」

 

小野寺「昔、偶然見つけたの。誰にも教えてない私の秘密の場所なんだ。」

 

秘密の場所か……小野寺が俺にそんなことを教えてくれるなんて優しいんだな。

 

一条「けどいいのかよ?秘密の場所なのに俺になんか教えて?」

 

小野寺「大丈夫だよ。一条君と買い物できて楽しかったし何となくそのお礼。」

 

うひょーーーー!!!!今日はなんて日なんだーーー!!!!

 

さっきはとりまるのせいでかっこいいところを見せれなかったが今度こそ彼女にいいところを見せないと!!

 

一条「小野寺、この場所は誰にも言わないって約束するぜ!!」

 

俺は親指を小野寺に向けてそういった。

 

小野寺「うん。約束だよ楽君。」

 

小野寺は俺に最高の笑顔を見せてくれた。けど彼女は恥ずかしくなって俺から顔をすぐにそらした。

 

小野寺「アハハ……照れるな。やっぱり私は一条君のほうが言いやすいや。」

 

 

なんだろう……小野寺の笑った顔が一瞬、10年前に出会った約束の女の子に見えた。

 

いや。さっきのは約束と言う言葉に反応しただけだ。けど、もし小野寺が約束の女の子だったら……

 

小野寺「ごめん一条君。名前で呼ばれるのそんなに嫌だった?」

 

一条「全然。………あのさ……」

 

俺は勇気を振り絞って小野寺にこう尋ねるのであった。

 

一条「10年前約束した女の子って小野寺?」

 

小野寺「えっ?」

 

彼女はキョトンとした顔で俺の方を見てきた。

 

まぁ無理もないか……そんなこといきなり聞かれたって何のことかわかるはずがない。

 

しかし小野寺の口から信じられない言葉を発するのであった。

 

小野寺「うん……そうだよ。多分なんだけどね……」

 

彼女はカバンの中からあるものを取り出した。

 

何とそれは俺のペンダントにはまりそうなサイズの鍵であった。

 

小野寺「…一条君、前に言ってたよね?10年前に何か約束した人がいるって。私にもいるんだそういう人。」

 

約束した人?一体誰なのかめっちゃ気になる……

 

小野寺「私が5歳の時の夏、私はある男の子と出会って仲良くなったの。

小さい頃だからあんまり覚えてないんだけど1つだけ覚えているのは、その男の子は一条君と同じペンダントをつけてたこと。」

 

 

俺と同じペンダント?それって小野寺が約束の女の子ってことなんじゃ……

 

小野寺「その子と遊んだのは10年前の一夏で当時人見知りだった私を外へ連れでしてくれて何だか頼もしく見えて……」

 

なるほど……彼女にとってその男の子は自分自身を変えるきっかけになったというわけだな。

 

小野寺「今思えばあれが私の初恋……だったような気がするの……初めてペンダントを見たときはびっくりしちゃった。」

 

すると小野寺は恥ずかしくなり顔を赤くしてこういった。

 

小野寺「いや…少し違うかも……私は一条君がその子だったらいいなって……」

 

えっ?それってどういう意味だ?

 

俺と小野寺の心臓の音は今にでも聞こえそうなくらい高まった。ここまでドキドキしたことは今までにない。

 

その時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピリリリリリ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話がちょうどいいところで俺のスマホがなったのであった。

 

鶫「何をやっているのだ一条 楽!!!戻ってこい!!!」

 

スマホを取り出すと鶫が大きな声を出したため俺は耳が痛くなった。

 

一条「悪いこの話はまた今度な。急がないと。」

 

小野寺「うん。急がなきゃ。」

 

俺たちは急いで路地を走っていき千棘の家へ向かうのであった。

 

小野寺の約束について詳しく聞けなかったのは残念だったけど、もし彼女が持っていた鍵が俺のペンダントにはまれば……

 

俺はそんなことを頭に浮かべていたのであった。

 

 

 

続く

 

 




皆さんはワートリキャラで誰が一番好きですか?俺は小南先輩ととりまるですね。あとは千佳ちゃんや迅さんも。

感想やアンケート、お気に入りを募集しています。よろしくお願いします。

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