ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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アニメのヒーローアカデミアの出来が素晴らしいと思う今日この頃です。


第23話 桐崎 千棘③ 私のダーリン

温泉でのトラブルから一夜明けた朝、俺はご飯を取りに行くと桐崎と目があい俺は昨日のことを思い出してドキドキしてしまった。

 

一条「おはようハニー。昨日はすまんな。」

 

千棘「……何よ…言いたいことはそれだけ?」

 

桐崎は目をそらして俺の元から去っていった。なんだよあいつ!感じ悪いな……

 

それにしても林間学校で桐崎が行方不明になるって迅さんは言っていたけど今のところそんな感じはない。

 

このまま何事もなく林間学校が終わればいいけどな。

 

 

席に戻ると集がまたしても気持ち悪いくらいニヤついていてこう言った。

 

集「なぁ二人共。今夜、肝試しがあるの知ってるか?」

 

烏丸「肝試し?お前、高校になってもまだそんなものに張り切っているのか?」

 

集「とりまる君。それが今日のは特別な肝試しじゃないんだ!」

 

烏丸「何が特別なんだ?」

 

集「男子と女子がクジを引いてペアを組むんだ。しかも肝試し中は手をつながないといけないというルールがあるんだ!!!どうだ萌えるだろ!?」

 

烏丸「くだらんな。俺は別に萌えないけどな。一条もそうだろ?」

 

一条「えっ?あ…ああ……」

 

……もし小野寺とペアに慣れたら最高なんだが、まぁそんな都合いいようにはなんないよな。

 

すると集はこう言ってきた。

 

集「なぁおれが小野寺さんと一緒のペアになれるようにクジを売ってやるぞ。1000ポイントをおれによこせばな。」

 

一条「はっ!?誰がやるかよ!!そういうことなら話は別だ!!」

 

やばいやばい。危うく集の作戦にまんまと乗っかるところだった。

 

仕方がない。ここは俺の運に賭けるしかないな。すると俺は歩いてくる小野寺と目があった。

 

小野寺「おはよう一条君。昨日はよく眠れた?」

 

一条「あ…ああ……よく眠れたぜ。」

 

小野寺のことを見ていると全裸姿の小野寺が目に浮かんだ。って何考えてるんだ俺は!!!

 

一条「じ…じゃあな。集合時間に遅れんなよ。」

 

小野寺「うん。わかった。」

(あれっ?今一条君に避けられたような?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前中は班行動で俺たちの班は山登りを行い桐崎も行方不明になることはなかった。

 

そしてあっという間に夜になりいよいよ林間学校最大のイベント、肝試しが始まったのであった。

 

キョーコ先生「よーし!これより林間学校恒例の肝試しを行う!!!」

 

「「「イエーーーーイ!!!」」」

 

キョーコ先生「その前にお化け役の佐鳥が腹痛で出られなくなってな。誰か佐鳥の代わりにお化けの役やってくれないか?」

 

マジかよ。林間学校最大のイベントに出られないとか佐鳥のやって気の毒だな。

 

すると桐崎が手を上げてお化け役に立候補した。

 

千棘「はい!私やります。」

 

キョーコ先生「わかった。じゃあ桐崎は太一達と一緒に行動してくれ。」

 

千棘「わかりました。」

 

おいおい、確かあいつ暗いところ苦手だったよな?

 

もし一人になって動けなくなったら行方不明になるんじゃないか?

 

 

一条「おい桐崎、今日の肝試しで何かあった時にこれを持ってけ。」

 

そう思った俺はホイッスルに防犯ブザー、そして蛍光テープを付けたヘルメットなどを渡した。だが、

 

千棘「別にあんたの助けなんていらないわよ!!ホントあんたは心配性ね!!」

 

一条「はぁ!?お前にもしものことがあったら大変だろ?」

 

千棘「何よ!?私は変態もやしに心配されるほどヤワな体じゃないのよ!!」

 

桐崎は俺が心配しているのになかなか受け取ってくれない。こいつの態度がマジでイライラする……

 

俺はついムキになってこう言った。

 

一条「あぁそうかよ!?ならお前のことを助けてやんないからな!!」

 

千棘「ふん!こっちだってあんたの助けなんかいらないわよ!!そういうのホント迷惑なんだから!!」

 

 

ったく……なんなんだよ!!こっちはお前が行方不明にならないように必死に頑張ってるのに……

 

すると笹森達が手を振りながら桐崎のところへやってきた。

 

笹森「おーい!桐崎さーん。」

 

半崎「そろそろ俺たちも準備しないといけないから行こうか。」

 

千棘「わかった。ちょっと待ってて!!」

 

桐崎は鈴鳴第一の別役 太一(べつやく たいち)を始め、半崎や笹森と一緒に俺の元から去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐崎が去っていくと女子達がが全員クジを引き終わりいよいよ男子がクジを引く番になった。

 

るり「へー小咲は12番だったんだ!!12番!!」

 

小野寺「ちょっと、るりちゃん!?」

 

宮本は小野寺の番号をまるでみんなに言いふらすように大声で言ってきた。

 

なんか知らんけど小野寺の番号が聞けてラッキーだ。

 

ようやく俺がクジを引く番になって番号が書いてある箱に手を伸ばす。

 

何としても12番を当てなくては……考えれば考えるほど緊張してくる。

 

俺は決意を固め、クジを引いた。

 

手に取った番号はなんと12番であったのだ。

 

一条「うおおおおおおお!!!!!!」

 

小野寺「ひゃああああああ!!!!!」

 

俺だけじゃなく小野寺も宮本のことを激しく揺さぶりながら驚いた。

 

まさか本当に小野寺とペアになれるなんて……

 

小野寺「よろしくね。一条君。」

 

一条「お…おう!よろしくな小野寺。」

 

ヤバイ。嬉しすぎて小野寺の顔を合わせられねえ。

 

 

 

 

 

そして俺たち以外のペアも次々と決まっていく。

 

集「るりちゃーん!どうやら俺とペアみたいだね。」

 

るり「なんで、あんたがペアなのよ?」

 

集「まぁまぁ。そんな嫌そうな顔をしないでくれよ〜。」

 

宮本は集と同じペアになり彼女は不機嫌そうな顔をした。

 

鶫「烏丸さん、よろしくお願いします。」

 

烏丸「ああ。よろしくな。」

(できれば小南先輩と一緒に肝試ししたかったな。)

 

鶫のペアは怖いものが苦手ではないとりまるであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千棘side

 

お化けの役になった私は笹森くんや半崎くん、そして太一くんと一緒に森の奥へと進んでいった。

 

笹森「じゃあ、俺と半崎は反対側で待ち伏せしてるから桐崎さんと太一は二人で脅かしてちょうだい。」

 

桐崎「わかったわ。」

 

笹森くんと半崎くんは別の方向で脅かすことになり、二人は私の元からいなくなった。

 

私と二人っきりになった太一くんは私に懐中電灯を渡す。

 

太一「桐崎さん、はい。これ懐中電灯。」

 

千棘「ありがとう。ってこれ電気つかないわよ。」

 

私がいくらスイッチをつけても懐中電灯に電気はつかない。すると、

 

太一「あーーー!!!電池入れるの忘れてた!!ゴメン、今新しいものと変えてくるから待ってて。」

 

千棘「あっ、ちょっと待って!!」

 

太一くんは私の言葉を聞かずそのまま電池を取りに行って一人きりになってしまった。

 

すると私の近くでカサッという物音がした。

 

千棘「ひいいいいい!!!!!」

 

物音に怖くなった私はおもわず声を出して我を忘れながら走った。

 

走って行った方向が分かんなくなり、私は怖くなって震えが止まらい。

 

懐中電灯も太一くんが電池を入れ忘れてるためスイッチは付かず私の周りは真っ暗になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一条side

 

「12番のペアの人は準備してくださーい!」

 

一条「おっ!そろそろ準備をしないとな。」

 

小野寺「確か手をつなぐんだったよね?」

 

俺たちの番になり俺は小野寺を手をつないだ。彼女の手は柔らかくてあったかい。

 

俺の緊張がMaxになって小野寺と一緒に歩こうとしたその時、お化け役の太一が息を切らしながらこっちに来た。

 

太一「ねぇ桐崎さんこっちに来てない?」

 

一条「あいつがどうしたんだ?」

 

太一「それが俺が桐崎さんの懐中電灯を取りに行く時にいなくなったんだ。」

 

そのことを聞いた生徒達はざわつき始めた。ここに来て迅さんのサイドエフェクトが的中したのだ。

 

 

だが、桐崎から助ける必要ないと言われた俺は、彼女を探しに行くのをためらった。

 

「ねぇ桐崎さん大丈夫なの?」

 

「もしかしたら行方不明になるんじゃないの?」

 

「誰か探しに行った方いいんじゃない?」

 

多くの生徒が桐崎のことを心配し始めた。

桐崎の護衛である鶫も既にとりまると一緒に出発しているためここにはいない。

 

俺も桐崎のことが心配になってきたが、なかなか行動にできない。

 

一条「じゃあ行こうか小野寺。」

 

小野寺「う…うん……」

 

俺は気持ちを誤魔化しつつ小野寺と一緒に歩こうとした。だが、

 

 

 

太一「ゴメンなさい!!俺のせいで桐崎さんが!!」

 

違う!悪いのはあの時ムキになってあいつを止めなかった俺だ。

 

くそっ!!このまま見て見ぬふりをしてるなんて情けないぞ俺!

 

小野寺と一緒に手をつないで肝試しをしたかったが大切な友達である桐崎を見捨てるなんてやっぱり俺にはできない。

 

そう思った俺は桐崎を探しに行く決意をした。

 

一条「悪い小野寺。俺、あいつのことを探しに行くわ。」

 

小野寺「えっ?ちょっと一条君!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は小野寺の元から去り蛍光テープを貼ったヘルメットとホイッスルと防犯ブザーを持って森の奥深くへと走って行った。

 

とは言え、がむしゃらに森の中を走っても彼女を見つけれるはずがない。

 

そう思った俺は防犯ブザーを鳴らし手がかりを作る。

 

するとはっきりとは見えなかったが俺の目に人影が見えた。もしかしたら桐崎かもしれない。

 

俺はいっぺん立ち止まりホイッスルを鳴らした。すると、桐崎が走って逃げていく姿が見えた。

 

桐崎に警戒されていると思った俺は自分の声を使って彼女のことを呼ぶことにした。

 

 

 

 

 

千棘side

 

暗闇の中一人ぼっちになった私は、しゃがみ込みながら震えていた。楽しいことを考えて気持ちを落ち着かせようとするが、怖いものは怖い。

 

ああ私のバカ!!どうしてあの時アホもやしの優しさを受けとんなかったのよ……

 

そう思っていると、奇妙な音が聞こえながら黄色い不気味な光が私のところへ近づいてくる。

 

怖くなって震えていると今度はなぜか笛の音がした。

 

千棘「いゃあああああ!!!!」

 

私は恐怖を感じて不気味な音のする方から必死に逃げる。すると、

 

一条「おーーい!!桐崎!!どこだ!?」

 

その時笛の音が聞こえなくなってもやしが大声で私のことを呼んでいるのが聞こえてきた。

 

千棘「お…おーーい!!!私はここよ!!」

 

私は怖いという感情を捨て、アホもやしに居場所を教えるため声を出した。

 

すると、草むらがカサッと揺れてもやしがやってきたのだった。

 

一条「よう!無事か桐崎?」ハァハァ……

 

千棘「……も…もやし!?………」

 

アホもやしは息を切らした様子であった。そして私に手を差し出してきた。

 

一条「ほら、お前一人じゃ立てないだろ?」

 

千棘「あ…ありがとう……」

 

私はもやしの優しさを受け取り彼の手を握った。

 

もやしの手はそこまで柔らかくはないもののものすごくあったかい。

 

 

 

 

一条side

 

桐崎をなんとか見つけた俺は桐崎の手を握り小野寺やキョーコちゃんがいるところへ戻る。

 

俺はできるだけ明るい話をして桐崎に恐怖を忘れさせようとした。

 

 

一条「……それでさ、桐崎が俺のスマホを壊したのを覚えてるか?……」

 

千棘「……あのさ、ちょっといい?」

 

一条「どうした桐崎?やっぱり暗いのは怖いか?」

 

千棘「いや、そうじゃないの。……私のこと、千棘って呼んでいいわよ。」

 

一条「えっ?おいおいどうしたお前!?熱でもあるんじゃないか?」

 

千棘「そんなわけないでしょ!!ほら………この先、私たちの関係を怪しまれないように……その……」

 

桐崎の言わんとすることは理解できるのだが彼女自身はうまく

 

千棘「とにかく、私もあんたの事を下の名前で呼ぶからあんたも統一してよね?わかった?」

 

こいつがあまり似合わないことを言うからついびっくりしちまったが、

 

一条「よ…よろしくな……千棘……

 

千棘「うん…楽。」

 

千棘は俺を下の名前で呼び満面の笑みを俺に見せてきた。俺は可愛いと思い

 

千棘「ちょっと!何いやらしい顔で見てんのよ?」

 

一条「はっ!?そんな風に見てねぇぞ!!」

 

千棘「嘘ね!」

 

一条「嘘じゃねぇよ!!」

 

結局俺は千棘ともめながら歩いて、俺たちがみんなのところへ着いた時には肝試しが終わっていた。

 

けどこれを機に俺たちはニセコイの関係からホンコイの関係へほんの少し近づいた。

 

次章へ続く

 

 





ここで第1章の約束の女の子編は完結となります。

ここまで一条と千棘の恋愛関係は原作よりもかなり近い関係にしてみました。

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