ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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更新が遅くなってしまいました。今回は鶫sideと千棘sideの話です。


第18話 鶫 誠士郎④私の気持ち

鶫side

 

一条 楽と買い物をした私はまたも奴に振り回されるのであった。全く奴の行動の趣旨がさっぱりわからない。

 

その日の夜、私はクロード様の監修のもといつものように手先のみで銃を組み立てる訓練を行っていた。

 

クロード「準備はいいか?」

 

鶫「はい。」

 

クロード「では始め!!」

 

クロード様の合図により私は平常心を保ちながら銃を組み立てていく。この訓練は慣れている為簡単に行える。

 

クロード「ところで、集英組二代目のことだが……」

 

一条 楽のことを聞いた途端、私は気持ちが不安定になり銃を吹き飛ばしてしまった。

 

クロード「どうした?集中が乱れてるぞ。それで一条 楽の方はお嬢に怪しいことはしてなかったか?」

 

鶫「いえ……何もありません……」

 

私はクロード様に何もないと報告した。だが、私の心は奴によって乱れ始めたのは確かであった。

 

最近の私は何かおかしいと感じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日私はいつものように平常心を保ったままお嬢の護衛に向かっている。お嬢に何かあっては困るからな。

 

千棘「だからずっとついてこなくていいってば。」

 

鶫「そういうわけにはいきません。お嬢を護衛するのが私の任務ですから。」

 

それにお嬢のそばにいるだけで私は幸せですし。

 

そう思ってた時、お嬢の彼氏である一条 楽がやってきたのだった。

 

一条「二人ともうっす。」

 

千棘「おはようダーリン。」

 

一条 楽が近づき動揺した私は奴にばれないよう頭を壁にぶつけて平常心を保った。

 

千棘「ちょっと!どうしたのよ?」

 

鶫「いえ…なんでもありません……」

 

一条「おいおい、大丈夫かよ?」

 

心配した一条 楽は私に近づいてきた。奴の顔をみると私はまた顔が赤くなり、心拍数が一気に上がってしまった。

 

鶫「私に寄るな、触るな、話しかけるなああああ!!!!!」

 

一条「グハッ!!」

 

私は無理やり心を落ち着かせてこの顔を一条 楽に気づかれないよう奴を殴り飛ばした。

 

 

一条「いたた……な…なんなんだよ……俺、かなりの嫌われようだな……」

 

どうやら私は一条 楽のことになるとおかしくなるみたいだ……

 

おのれ…奴は私に一体何をしたというのだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ショートホームルームが終わって私はお嬢が教科書を重たそうに運んでいるのを見てお嬢に手を差し出した。

 

鶫「お嬢、教科書をお持ちします。」

 

千棘「ありがとう鶫。」

 

私はお嬢の手に持っている教科書を半分持った。

 

お嬢が困ってる時にお助けするのが私の肩をだから当然だ。

 

するとまたしても一条 楽が私の前にやってきて私の肩をたたいてきた。

 

一条「なぁ、肩にホコリが付いているぞ。俺が取ってやる。」

 

鶫「ホアアアアアア!!!!!」

 

奴の手の感覚を感じた私はグルグルと回転しながら廊下を歩いた。

 

一条「どうしたんだよ?そんなに俺に触られるのが嫌だったのか?」

 

正直自分でも何をやっているのか分からない。これは私の頭に何かしら問題が生じたのだろう……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近私の心で起きているこの症状が一体なんなのか知りたい私はお嬢にこの症状のことを話すことにした。

 

 

千棘「一体なんなのよ?相談って?」

 

鶫「実は最近、身体の調子がおかしいのです。ある条件下のみに体に変調が現れるという今まで経験にないもので……

 

 

千棘「ふーん…どんなのなの?」

 

鶫「それが…特定の人物の前でのみ動悸が激しくなって…胸が苦しくなって顔が熱くなり、その人物の前では会話もまともにできない有様でして……」

 

千棘「あんた…それって……」

 

お嬢は言葉を溜めてそういった。もしかして何か手がかりが!?

 

千棘「大きな病気とかじゃないでしょーね?病院とか行った方が良いんじゃない?」

 

 

鶫「はぁ…いえ…自分の感覚としてはそういう類の物には思えないのですが……」

 

お嬢は何か知っているかと思ったけどわからなかったのか……

 

それなら他の人にも聞いてみるか。何か手がかりがあるかもしれない。

 

私はスマホでボーダーの本部でトリガーの研究を行っているクロード様を呼び、この症状を話した。

 

クロード「ホォウ!!それは初めて聞く症状ではないか。」

 

鶫「そうですか。何か対処方はご存知ではないですか?」

 

クロード「すまんな。私では対処しかねる。一度専門機関で診てもらうことを進めるぞ。しかし、体調管理は任務の一環なのだぞ。以後十分に注意しろ。」

 

うーん……クロード様に聞いてもよくわからないとは……

 

 

 

 

 

 

すると防衛任務の為遅れて登校してきた烏丸さんがやってきたのだった。

 

烏丸「鶫じゃないか。どうしたんだそんな顔を真っ赤にして?」

 

そうだ!烏丸さんならこの症状について何か知っているかもしれない。

 

鶫「実は、この症状についてあなたに聞きたいことがありまして……」

 

そう思った私は烏丸さんにも未だ謎の症状を説明したのであった。すると烏丸さんは一回頷いて概ね理解してくれた。

 

烏丸「なるほどな…お前の症状は大体わかった。けどこの相談については俺よりも舞子の方がいいかもしれないな。」

(恋愛感情についてはあいつの方が詳しいからな。)

 

鶫「……わかりました。協力していただいてありがとうございます。」

 

烏丸さんのアドバイスのもと、私は舞子 集にこの症状を話してみた。すると予想とは違う反応をしてきた。

 

集「えっ?誠士郎ちゃんそいつはもちろん……ってそれ楽のことじゃない?」

 

鶫「な…なぜわかったんだ?その症状について詳しく教えてくれないか。」

 

集「プッ!!症状って……マジ受けんだけど誠士郎ちゃん……」

 

鶫「なっ!?貴様何がおかしい!?笑うな!!!」

 

真剣に悩んでいる私を笑った舞子 集に私は銃を向けて脅してやった。烏丸さんから聞いてみて期待していたが全く当てにならないなこいつは……

 

その後も担任の先生やクラスメイトに相談してみるがその症状について全く手がかりが見つからない。

 

教室にたまたまいた小野寺さんと宮本さんに

 

小野寺「それって…」

 

るり「ねぇ…」

 

鶫「お心あたりがあるのですか小野寺さん!」

 

小野寺さんたちのおかげで今まで私が悩んでいたこの症状がついにわかるのかもしれない。

 

小野寺「えーと、それは多分…鶫さんは恋をなされてるのではないでしょうか。」

 

鶫「なっ!それは絶対違います!!私がなぜあのような男に恋なんてありえません!それだけは絶対に!!」

 

小野寺さんが診断した症状は私の思っていた症状とは違うもので全く信じられなかった。

 

るり「でもそれ以外考えられないわよ。」

 

ば…バカな!!私が一条 楽に恋をしているなんて絶対にありえない。なんせ奴にはお嬢と言う恋人がいるんだ。

 

もし私がお嬢から奴を奪って恋人になるなんてことになったら……

 

うああああああ!!!!!!

 

何を考えてるんだ私は!!!そんなことは絶対に許されない!!!

 

私は壁に頭を何度もぶつけ平常心を保とうとした。それを見ていた人たちもびっくりしていた。

 

すると私の心を乱す奴がまたも近づいてきた。

 

一条「何やってんだよ。そんなに頭を打ったらダメだろ?」

 

一条 楽はそう言って私の頭を撫でた。すると私の心拍数は最大限までに上昇して顔が真っ赤になった。

 

鶫「違うんだああああ!!!!!」

 

わたしは恥ずかしくなって一条 楽を殴り奴の前から走って去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はベンチに座り頭を抱え込んでしまった。私は本当に奴に恋をしてしまったのだろうか……

 

うわああ!!考えれば考えるほど疲れてしまう……

 

 

千棘「あ、いた。鶫〜。どう?なんかわかった?」

 

 

鶫「お嬢?…それは恋だと言われました。」

 

千棘「えっ?恋!?」

 

恋だと聞いてお嬢も驚いた表情をわたしに見せていた。

 

千棘「あ〜〜なるほど〜〜‼︎それなら合点がいくじゃない!!」

 

お嬢は恋と聞いて納得した表情を浮かべていた。

 

鶫「お嬢まで…」

 

千棘「だって…その人の前だとドキドキして上手く話せないんでしょ?…その症状ともぴったりじゃない?」

 

鶫「もう……!そんなんじゃありませんよ」

 

千棘「うーん違うか……まぁ私には経験ないから分かんないけどさ…」

 

鶫「何をおっしゃるのですかお嬢には一条 楽と言う恋人がいるじゃないですか。」

 

千棘「そ…そうでしたね!!アハハ!!アハハハハハ!!!」

(しまった!!つい本音が出てしまった!!)

 

鶫「それにお嬢の恋愛経験はそれだけではないでしょう?初恋があるじゃないですか。あの10年前の。」

 

千棘「へっ?」

 

お嬢は10年前の約束と聞いてビックリした声を出していた。

 

鶫「やっぱりお忘れでしたか…無理もありません。」

 

千棘「……あーーーーー!!!!!」

(そっか。10年前の初恋…きっと私が何か約束した男の子ってその子の事だ。何約束したんだっけ。何かとても大事な事だったような気が……)

 

お嬢は大きな声をかけだしてその約束について思い出したみたいだ。

 

 

千棘「ねぇ鶫、その約束について何か覚えてる?その子の名前とかさ。」

 

 

鶫「さぁ…私もそこまでは……でも、とても素敵な恋をされているようでしたよ。あんなに一途に誰かを思えるなんて素敵だなと思ってました。」

 

私はその時のことを懐かしながらお嬢に話をした。私もよくお嬢に連れてかれてその子と遊んだものです……

 

千棘「そ…そんな事よりあんたの話でしょ?

恋じゃなかったらその症状は一体なんなのよ?」

 

鶫「は…はい!そうでしたね。」

 

話がずれてしまった為、お嬢は話を元に戻した。

 

千棘「それで、もう一回その症状聞かせて?」

 

お嬢はその症状についてもう一度私に問いかけた。もう一度話せば何か詳しいことがわかるかもしれない。

 

鶫「えーと…まずその特定の人物の前では動悸がですね…」

 

すると私たちの前に一条 楽が近くをとおった。私たちの話を聞いていた奴はこう言った。

 

一条「あのさ、それって恋じゃないか?」

 

一条 楽にも図星を指された私は銃を発砲して威嚇してやった。

 

鶫「違うわ!!バカ者!!!!!」

 

一条「うわああ!!!」

 

全く…奴のせいで本当に散々な目にあうな……けどなぜなんだろう……

 

けと少しも不快な感じがしないのはなぜなんだろう……一条 楽は本当に不思議な奴だ……

 

 

 

 

 

 

千棘side

 

鶫に約束の男の子について聞いたわたしは家に帰り早速押入れの中を確認した。

 

すると押入れの中から昔私が書いた絵日記が見つかったのだ。

 

絵日記の文字は日本語で書いてある。と言うことは私、昔は日本にいたっていうことなのか。

 

日記の内容を詳しく読んでみるとその男の子の額には動物にひっかかれてできた傷跡があるみたいだ。

 

その子の手がかりを探すためさらにページをめくると小さな鍵が見つかったのだ。

 

鍵って言えばあのモヤシもペンダントを持っていたわね……もしかして私が探している約束の男の子って……

 

千棘「いやいやいや!!そんなはずはない!!」

 

私はそんなはずはないと自分に言い聞かせた。でももし約束の男の子があいつだったら……なんて考えると気持ちがモヤモヤしてしまった。

 

 

続く

 

 

 




次の話を書いていたので投稿が遅れてしまいました。次回の原稿はできているので近いうちに投稿したいと思います。

今週やっとワールドトリガーの公式本が買えました。

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