ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情 作:ガンプラビルダー
村上先輩から直々に勝負を挑まれた俺は迷わずOKと言い、ボーダーの本部へと向かった。
俺は村上先輩と戦う前に自分の隊室へと向かい自分のトリガーセットの設定を変更したいと思う。
数ヶ月間、左手のサブトリガーも孤月にしてみたがやっぱり盾として使えてスラスターで細やかな動きができるレイガストの方が俺は使いやすい。
それと米屋さんから勧められた幻踊も思ったより使いずらかったな。俺には孤月のオプションは旋空だけで充分だったな…
あとそれからアステロイドを変えてシールドもセットしよう。シールドをセットしないとスナイパーに狙われた時対応できないからな。
そんなこんなで俺のトリガーセットの変更は完了した。
数ヶ月の間左腕は孤月を使ってきたが果たしてどのくらい剣さばきが上手くなったのか……
村上先輩がいると思われる個人ランク戦のブースへと向かう途中、防衛任務から帰ってきたとりまると小南先輩に遭遇した。
小南「一条じゃないの。今日は珍しく一人なのね。」
一条「はい。村上先輩から勝負を挑まれたんで今、さっきトリガーセットを変えてランク戦のブースへ向かおうとしてました。」
小南「えっ?あんた鋼さんから勝負を受けたの?あんた鶫と言いよく勝負を挑まれるわよね。」
小南先輩は同情したような口調でそう言った。
小南先輩の言う通り俺、最近割と勝負挑まれるんだな……
烏丸「村上さんはかなり強いぞ。俺でも負け越しているからな。俺に勝てたことがないお前が勝てるのか?」
実際、村上先輩に勝ち越しているのはカゲさん、風間さん、太刀川さん、そして小南先輩と、とりまるですら倒せない俺に勝ち目があるのか微妙だ。
小南「て言うか一条って、見た目からしてモヤシみたいだし鋼さんに勝てそうにないのよね……」
小南先輩の言葉に俺はカチンときてしまった。このまま弱いと思われたくない俺は小南先輩にあることを提案した。
一条「言ってくれますね小南先輩。なら賭けをしましょう。
もし、俺が負けたら小南先輩の言うことを1日だけなんでも聞きます。でも俺が勝った場合アイスを奢るっていうのはどうですか?」
小南「ふふーん!面白いわね。その約束忘れんじゃないわよ!!さっ行くわよ、とりまる!」
烏丸「ちょっと小南先輩。走ると危ないですよ。」
小南先輩はとりまるの手を掴んでまるで子供のようにはしゃぎながら個人ランク戦のブースまで向かった。
俺も歩いてランク戦のブースに向かった。
荒船「おっ。久しぶりじゃないか一条。元気してたか?」
一条「荒船さん。お久しぶりです。」
ランク戦のブースに着くと荒船隊の隊長で隊の中で唯一のアタッカーである荒船 哲次(あらふね てつじ)さんが出迎えてくれた。
この人はレイジさんのようにパーフェクトオールラウンダーを目指しており最近はスナイパーの基本訓練にも参加している。
また親父や竜達は荒船さんの実家のお店の常連客であるため俺も彼とは縁がある。
荒船「おーい鋼、一条が来たぞ。」
荒船さんがそう呼ぶと村上先輩がやってきたのだ。
村上「来たか一条。すまないなこんな時に呼んでしまって。」
一条「別にいいですよ。おれもあなたと戦いたかったですし。」
村上「そうか。なら早速試合を始めるぞ。」
一条「はい。」
俺たちはランク戦のブースの中に入ってバトルフィールドに転送された。
バトルフィールドは警戒区域外の市街地でまぁどこともない場所であった。
「一本勝負、個人ランク戦開始!!」
俺と村上先輩はバトルフィールドの市街地Cに転送され電子アナウンスの合図で試合が始まったのであった。
まずは村上先輩の居場所を突き止める為、ハウンドを発射した。
ハウンドが示した場所は学校の校庭でおそらく村上先輩は近接戦を挑む気なのだろう。まぁ俺も近接戦を望んでたし丁度いい。
俺はグラスホッパーを使って学校へ向かったが村上先輩の姿はどこにもいない。
辺りを警戒すると、村上先輩は孤月とレイガストを構え、校舎の3階から俺に襲いかかって来た。
一条「スラスターオン!!」
村上先輩の奇襲にすぐ気づいた俺はスラスターを移動の補助にして紙一重で攻撃をかわしてレイガストを村上先輩に向けて振り下ろした。
だが、レイガストをもっぱら盾として使う村上先輩は俺のレイガストを防ぎ、盾を向けたまま右回転して右手に装備している孤月を俺に向けて振り下ろした。
俺は攻撃をかわした後、レイガストを収納してグラスホッパーをセットして村上先輩の周りを跳ね回りながら孤月で攻める。
これは緑川とかよく使う戦法で機動力がそこまでない出水さんと戦う時は俺も使っている。
一条「旋空孤月!!!」
俺はグラスホッパーとサイドエフェクトを使って村上先輩の後ろに回り込んで旋空で奇襲を仕掛けた。
だがしかし、村上先輩は俺の奇襲にいち早く反応し擦りはしたものの、ほぼ紙一重でかわし孤月を持つ俺の右手を斬り落とされた。
一気に劣勢に立たされた俺はグラスホッパーを使って校舎の中へ逃げるのであった。
荒船「一条のやつ一旦立て直すつもりだな。このまま戦っても多分負けるし妥当な戦法だ。」
小南「でも左手のレイガストだけで対抗するなんてムリよ。なんか切り札みたいなものがないと。」
烏丸「小南先輩知らないのですか?一条はトリガーセットを変えた時、禁断のトリガーをセットしたそうですよ。」
小南「えっ?何なのよその禁断のトリガーって?」
とりまるはまた小南先輩にくだらない嘘を言おうとしたのだ。
て言うか禁断のトリガーってなんだよ?お前らだって特殊なトリガー持ってるくせに。
烏丸「禁断のトリガーは自分の命と引き替えに3分だけ身長50メートルの大きさになれるんです。」
なんだよソレ……3分だけ戦えるってそれじゃあ某光の戦士のまんまじゃないか。しかも命と引き替えってそんなトリガーを開発するのかよ……
小南「待って一条ーーー!!あんた自分の命を無駄にしちゃダメーーー!!!」
小南先輩は大声で俺にそう言ってきた。正直見てるこっちが恥ずかしい……するととりまるは……
烏丸「嘘ですよ。本当はそんなトリガーはありません。」
すると小南先輩の目は点になった。
小南「キイイイイイイ!!あんた騙したわね!!!」
小南先輩はからかったとりまるのことをポカポカと叩きそのまま泣き崩れてしまった。
小南「酷いわよ……私のことを騙すなんて……」
烏丸「すみません小南先輩。あとでアイスおごってあげますから落ち着いて見ましょう。」
小南「……わかったわよ……絶対忘れるんじゃないわよ……」
小南先輩はとりまるが慰めてくれたおかげで落ち着いたのだ。まあ元凶はこいつだけどな。
一方右腕を斬られ、一気に劣勢になった俺は三階の教室に隠れ込んだ。
だが、俺の右腕からは少しずつトリオンが漏れている。このままじゃいずれトリオンがなくなって負けてしまう。
そう思った俺は村上先輩に向けてハウンドを発射し彼をおびき寄せる作戦を考えた。
俺はバックワームも使用していないため村上先輩が教室に向かってくるのも早いはずだ。
そう考えた俺は教室のドアのところにメテオラをセットしてトラップを仕掛けた。
小南「なかなかやるわねあいつ。」
烏丸「そうですね。弾丸をつかいおびき寄せると見せつつ罠を仕掛けるとは一条も考えたものだな。」
荒船「全くぶっ倒したくなる後輩だな!!」
村上先輩は俺の誘導により教室にまで近づいたがその隙に俺はハウンドを撃つ準備をした。
俺はハウンドを発射しつつスラスターを使い村上先輩にレイガストを振り下ろすもかわされて孤月を向けられた。
だが俺は一切の隙も見せずにハウンドを発射する。ここで隙を見せたらまずやられると思った。
村上先輩はその後も隙を見せず孤月を俺に振り下ろしてきた。俺はレイガストでなんとか太刀打ちするがこうなるとなかなか攻撃できない。
残りのトリオン量的にサイドエフェクトが使えるのはほんの一瞬だけだ。一か八か勝負してみるか!!!
村上先輩は俺の首を目掛けて孤月を振る。その一瞬を見た俺はサイドエフェクトを使ってかわし、村上先輩の後ろへ回り込んだ。
一条「もらいましたよ!!」
俺は村上先輩の胸部に向けてレイガストを突き刺そうとした。
だが村上先輩はそれに気づき攻撃を避けて孤月で俺の首を斬り落とした。
「トリオン体活動限界、ベイルアウト。」
ベイルアウトした俺は村上先輩に負けてしまったのだ。勝負に負けるとなると悔しいという気持ちが出てくる。
荒船「お疲れ。二人とも。面白い試合だったぞ。」
烏丸「お前、だいぶ強くなったんだな。」
とりまると荒船さんが試合に負けた俺のことを褒めてくれた。やっぱり試合に負けても褒めてくれる人がいるのは嬉しい。
小南「ねえ一条、さっきあんたが言った賭けのことは忘れてないわよね?」
一条「うっ……こ…小南先輩……」
小南「あんたにはあとで私の言うことを聞いてもらうから覚悟しててよね。」
一条「は…はい………」
賭けにも負けた俺は逆らえず小南先輩の言うことに従うことになったのだ……クソ……あんな賭けなんかするんじゃなかった……
続く
一条 楽のトリガーセット
メイントリガー
孤月、旋空、ハウンド、バックワーム
サブトリガー
レイガスト、スラスター、シールド、グラスホッパー
防御 援護は4でありましたがレイガストを使用してるため6になりました。
おそ松さんの最終回がどうなるのか気になって仕方がありません。
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