ワールドトリガー 一条隊隊長のニセコイ事情   作:ガンプラビルダー

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今回の話は小野寺が語り手となります。
やっぱりニセコイのヒロインは可愛いですけど王道の小野寺は可愛いですね。


第13話小野寺 小咲③彼女の勇気

私が一条君のことを知ったのは中学二年生の時同じクラスになったのがきっかけだった。

最初は挨拶を交わす程度しか関心を持たなかったけど徐々に彼の優しさに気づいた私は好意を抱くようになった。

 

この気持ちを早く一条君に伝えようと思っているが告白する勇気がない。

 

告白したいでも嫌われたくない。でも早くしないと誰かに一条君が取られちゃう私の頭の中にモヤモヤとした気持ちが葛藤を繰り返す。

 

そんなことを繰り返しているうちに2年の時が過ぎ私たちは高校生になったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みになり多くの生徒が弁当を食べている時私とるりちゃんは千棘ちゃんの弁当の中身に驚いた。

 

るり「キャビアにフォアグラ、トリュフ、オマール海老にフカヒレの春巻き、ウニの素揚げにフィレ肉のステーキ…」

 

千棘ちゃんの弁当の食材は全部高級食材でとても私たちが帰るような食材ではない。

 

千棘「どうしたの二人とも……」

 

小野寺「いや…千棘ちゃんのお弁当がすごく豪華だったから……やっぱりお金持ちの家はすごいな……」

 

千棘ちゃんの家はギャングではあるがボーダーのスポンサーでトリガーの開発など行っている。彼らがここに来た理由もしっかりとしている。

 

千棘「いやいやそんなことないよ。

(私の弁当そんなに豪華だったんだ……)

 

千棘ちゃんも私たちの発言に対して驚いた表情をしていた。

 

千棘「…昨日はゴメンね、せっかく助っ人で出たのに失格になっちゃって…」

 

るり「…なんだそんなこと、いいのよこっちこそ無理に誘っちゃって…千棘ちゃんに大事がなくてホッとしてるんだから」

 

千棘「まぁるりちゃんが気にすることなんてないわよ、どうせ私が溺れたのだってきっとあのもやしが全部悪いんだわ」

 

千棘ちゃんは一条君が溺れさせたと誤解したままであったのだ。

 

小野寺「千棘ちゃん何も聞いてないの…?」

 

千棘「何が?」

 

小野寺「プールで千棘ちゃんを助けたのは一条君だよ…?」

 

千棘「えっ!?嘘でしょ!!??」

 

千棘ちゃんは私たちの言葉を全く信じきれなかったのだ。彼女は一条君がキスをしたのだと勘違いしていたのだ。

 

るり「本当よ。一条君があなたのことを陸に上がらせたのよ。」

 

小野寺「すごかったんだよ一条君、プールに飛び込んで一生懸命に頑張ってたんだから…それなのに千棘ちゃんがそんな風に言われたら、一条君かわいそうだよ」

 

千棘「そ…そうだったんだ…」

 

小野寺「千棘ちゃん。一条君にお礼言ったほういいんじゃない?」

 

千棘「そっ、そんなの無理…!!今更だし…だいたいあんな奴に礼なんか…」

 

千棘ちゃんは一条君に対してなかなか素直になれずお礼を言うのをすごくためらっていた。

 

小野寺「言っといた方がいいよきっと、何か出来ることがあるなら私も手伝うからさ」

 

千棘「…そうね、小咲ちゃんがそういうならやるわ。しかも借りでも作るみたいで気持ち悪いしね。」

 

放課後、千棘ちゃんは溺れた時、一条君に助けてもらったことのお礼を言う為彼のところに行って挑戦する。

 

けど一条君にはうまく伝わらず千棘ちゃんはムキになってつい彼のことを殴ってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千棘「も~信じらんない!あんな今世紀最大のあほにお礼なんてありえないわよ!ほんっとバカ!いっぺん死ね!」

 

千棘ちゃんは誰もいない教室で大声で叫ぶ。うまく伝えられないことにかなりストレスが溜まってるみたいだった……

 

るり「ねぇ千棘ちゃん、あなたたちが付き合ってないことは烏丸君から聞いたけど一条君のことを本当はどう思ってるの?」

(全くこの二人は仲がいいんだか悪いんだか……)

 

千棘「はっ!?あんな奴、恋人なんて解消よ解消!こんな事情さえなければ誰があんな奴と!」

 

千棘ちゃんはきっぱりと言い切りいつものように振る舞うラブラブな様子とは全然違った。

 

るり「じゃあ、もし一条君に好きな人が居たらどうするの?」

 

千棘「そんなもんすぐ渡すわよ!!まああのもやしが好きな人なんていないと思うけどね!!」

 

ドキッ!!千棘ちゃん……ここにいるよ……一条君のこと好きな人……

でもこのことをるりちゃん以外の人になんてとてもじゃないけど言えない………

 

 

千棘「じゃあ私あのもやしと飼育係りの仕事があるから行くね。今度こそあのもやしに伝えて見せるわ!!」

 

小野寺「じゃあね千棘ちゃん。」

 

千棘ちゃんは私たちに手を振って教室から去って行った。千棘ちゃんがいなくなった途端るりちゃんはあることを言ってきた。

 

るり「ねぇ小咲もそろそろ一条君に伝えたら。自分の本当の気持ちを。」

 

小野寺「えっ!?」

 

突然の言葉に私はおもわず声を出してしまった。

 

小野寺「む……無理だよ……いきなり告白だなんて……まだ心の準備ができてないもん……」

 

るり「もう小咲ったら……そんなこと言ってたら一条君他の女の子に取られちゃうかもよ。」

 

 

 

小野寺「がんばるよ、るりちゃん、私…この気持ち伝えてみる…!!」

 

私は決意を固めそういったが頭の中には不安がよぎり私の頭は爆発してしまった。

 

小野寺「ど…どどどどうしよう、想像したら急に恥ずかしくなってきた…」

 

るり「あんたね……シャキッとしなさいよ。決めたんでしょ?告白するって」

 

小野寺「だ…だって………」

 

るり「……ねぇ、小咲は一条君のどこが好きなの?」

 

小野寺「…え?」

 

るり「ずっとあんた達を見てきたけど私にはさっぱり分からん、確かにボーダー隊員で悪いやつじゃないと思うけど小咲はそれだけじゃ好きにならないでしょう。」

 

小野寺「……それは…」

 

なぜ一条君が好きなのか。私の頭で考えるもうまく言葉にできない。

 

 

小野寺「う~~~ん、優しい所というか困っていたらいつも助けてくれる所とか…分かっているんだけど多すぎてなんて表現すればいいのかな…?」

 

るり「……私が知るか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラガラガラ………

 

一条「ういーす。なんだ二人ともまだいたのか……」

 

教室のドアが開いて一条君がやってきたのだった。それを見たるりちゃんは猛ダッシュで教室から去っていった。

 

るり「じゃあね小咲、私用事を思い出したから行かなきゃ!!バイビー!!」

 

ちょっ………るりちゃん!?

 

 

私たち教室は私と一条君の二人だけの空間になった。

 

どうしよう……告白なんてまだ先だと思っていたのに…どうしよう、いつもみたいに振るまえない…心臓が壊れそう…

 

るり(逃げるなよ……小咲………)

 

小野寺「ヒイッ!!!!」

 

教室を去ったるりちゃんはこっそりと無言の圧力をかけてくる。どうしようこれじゃあ逃げようにも逃げられないよ……私の顔もどんどん赤くなってゆく。

 

 

一条「おい小野寺大丈夫か顔が真っ赤だぞ!」

 

小野寺「えっ?大丈夫だよ……ホントに……」

 

バタッ!!

 

私の顔を見て心配する一条君。私は大丈夫だっていうが胸のドキドキが止まらずつい倒れこんでしまった。

 

一条「おい!しっかりしろ!!やっぱり大丈夫じゃないな。俺が小野寺ことを守ってやるからな!!」

 

一条君は私のことを思ってものすごく心配してくれる。

 

……ふふっ……るりちゃんこういうところなの。私が一条君が好きなところは……

 

一条「待ってろ今救急車を呼んでくるからそこに……」

 

小野寺「待って!!!」

 

一条「えっ?」

 

私は心配してくれる一条君の手を強く掴んだ。

 

今なら言えるかもしれない。私はそう決意した。

 

小野寺「あのね一条君。聞いて欲しいことがあるんだけど……私……今まで一条君のことが……」

 

一条君の前で恥ずかしさを捨てて私の思いを伝えようとする。好きという言葉を言おうとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッシャン!!!!

 

しかし窓ガラスが割れ私の目の前に硬式の野球ボールが飛んでくる。私は気付くのが遅くこのままじゃあボールに当たってしまう。その時、

 

パシッ!!!

 

 

一条君はすぐに気づいて私のところにボールが飛んでくる前にキャッチしてくれたのだった。

 

一条「ケガないか?小野寺?」

 

小野寺「う…うん……ありがとうねいつも私を守ってくれて。」

 

一条「気にすんな。みんなのことを守るのがボーダーの役目だからな。」

 

一条君は私の前でニコッと笑顔を見せてくれた。やっぱりこの笑顔に私はドキドキしてしまう。

 

 

「すみませーん、そっちの方にボールが飛んじゃったのですが……」

 

一条「悪い。ほら返すぞ!!」

 

一条君はボールを下にいる野球部に返した。

 

「そうですか……割れたガラスはこっちが片付けて置くのでそのままで大丈夫です。」

 

一条「分かった。すまないな俺これから防衛任務行かなきゃいけないからまた明日な。」

 

小野寺「うん。また明日。」

 

一条君も手を振って教室から去っていった。

そして誰もいなくなった教室で私は力を抜いて大きなため息をするのであった。

 

小野寺「どうして……ひどいよ神様…せっかく告白しようと思ってたのに……」

 

私も教室から出ると校門でるりちゃんが待っていてくれたのだった。

 

小野寺「ごめん…るりちゃん……私言えなかったよ……」

 

るり「やっぱり小咲はいつものようにヘタレなままなんだね……まあこうなるとは思ってた……」

 

るりちゃんの容赦ない言葉に私の心にグサッと突き刺さる。

 

るり「…でも、私も急かし過ぎた気もするしね。小咲は頑張ったと思うよ」

 

小野寺「るりちゃん……ありがとね。」

 

私の思いを一条君に伝えたい。でも今伝えたらこの関係は壊れるかもしれない。それでもいつかこの気持ちを一条君に伝えよう。そう思ったのであった。

 

続く

 

 

 




いかがでしたか?次回ついに鶫が登場しますので楽しみにしててください。
あとでメインキャラクターのステータスを書くのでそちらもよろしくお願いします。
感想やアンケートを募集しています。よろしくお願いします。

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