――――それは、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアを司令官とするポリネシア制圧軍がブリタニアを進発して1日が経過した時点のこと。
ブリタニア国内がEU本土への上陸作戦の開始で湧いていた頃、世間の喧騒から隔離されたような静かな場所に彼女はいた。
ナイトオブラウンズの6番、アーニャ・アールストレイム。
彼女は今、ロイヤルガーデンの一角にある城館の中にいる。
鐘楼のある高い塔を中心に四角く並ぶゴシック建築、小川に沿うように建つ館。
ただその城館には人がいない、無人なのだ、8年前のある時から。
「ここが、皇女殿下が子供の頃に過ごしていた場所?」
「はい、今では定期的な整備以外は人は来ませんが……」
一緒にいるのは、アーニャの護衛対象であるナナリーだった。
車椅子の少女は見えない瞳で周囲を見渡し、かつて自分が使っていた寝室の空気を懐かしげに吸い込んでいる。
目には見えないが、記憶の中にある場所と同じままに保たれているだろうことはわかった。
ここはアリエス宮、皇族の離宮の一つであり、かつてナナリーの母后マリアンヌの所有物だった城館だ。
そして、そのマリアンヌ后妃がテロリストの凶弾に倒れた場所でもある。
ナナリーの希望で決まった訪問だが、居住者がいない無人の城館では寂しいものがあった。
だからこの訪問は、ナナリーの郷愁から来た何事かでしかない……と、アーニャは思っていた。
「……クマ」
「え?」
「机の上、クマのぬいぐるみがある」
「ああ、それは私が昔使っていたぬいぐるみで……」
だけど、それはそれで構わないとアーニャは思う。
記憶は曖昧なもの、そこから生まれる郷愁も曖昧なもの。
人は、そうした曖昧なものに縋る生き物。
記録に頼るアーニャにとっては、あまりよくわからないが。
「失礼致します、ナナリー殿下、アールストレイム卿」
その時だった、2人きりだった空間に別の声が響いたのは。
振り向けば、寝室の入り口の外で控えていた2人のメイド――ナナリーの世話係だとかで、ついてきていた――がそこにいて、ナナリーとアーニャに対して礼をしていた。
静かに振り向くアーニャに、メイドの1人が視線を向けた。
薄紫色の長い髪のメイドで、確かもう1人のメイドの妹だったか。
「さ……んっ、ファリンさん、何か?」
「お話中失礼致します、皇宮ペンドラゴンからアールストレイム卿にご連絡が入っております」
「……私?」
「はい」
訝しげな表情を浮かべるアーニャに対して、ファリンと言う名のメイドが頷く。
アーニャとしては護衛対象から離れたくは無いが、皇宮からの連絡となれば無視は出来ない。
そんなアーニャの気持ちを察したのか、ナナリーが。
「大丈夫です、アーニャさん。ノエルさんもいますし……」
その言葉に視線を動かすと、薄紫色のショートヘアのメイドが静かに目礼した。
元々アリエス宮にいたメイド、館のことには精通しているだろう。
それに、無人のこのアリエス宮でナナリーに危険が及ぶ可能性も低い。
電気や水道は止まっているが、何故か保安システムは生きているのだから。
「……行く」
「はい、ご案内致します」
「何かあったら、通信機で」
「はい」
頷いて、しかし不意にナナリーが表情を翳らせる。
「……あ、あの、アーニャさん……」
理由がわからず首を傾げながら歩いていると、扉が閉まる直前、言葉が降ってきた。
「……ごめんなさい」
言葉の意味は、この時点ではわからなかった。
◆ ◆ ◆
当然ではあるが、アーニャはアリエス宮に来たのは今日が初めてである。
と言うより、無人の離宮に来る人間などほとんどいないだろう。
だが、同時にアーニャはふとした違和感を感じるのだ。
例えば壁にかけられた絵、例えば床のカーペット、例えば家財の位置。
(私、ここ……知ってる?)
記憶には無い、記録を探せばあるのかもしれない。
だが一歩を進む度に、何かが自分の中で蠢くのを感じるのだ。
まるで、アーニャの無表情の下に別の顔があるかのように。
しかし、それは究極的にはどうでも良いとアーニャは考える。
記憶と記録の齟齬など昔から馴染みのもので、今さら気にすることでも無い。
アーニャが気にするべきことは、他にあった。
例えば、自分を案内するメイドのファリンがいつまで経っても歩みを止める気配が無いこととか。
「……ねぇ」
「はい、何でございましょうか、アールストレイム卿」
「通信機って、どこにあるの?」
「申し訳ございません、現在、アリエス宮には電気が通ってございません。ですので、独立端末のあるお部屋までのご案内となります」
「そう」
それに対して頷いて、アーニャは視線を下に落とす。
静かな目の向こうには、歩みを進める度にロングスカートから除くファリンの靴がある。
「……このお城は、もう何年も前に閉鎖されてる」
「はい、左様でございます」
「どうして、独立した端末があるの? 私達が乗ってきた車には無かった」
沈黙するファリンの背中に視線を動かして、アーニャは首を傾げる。
可愛らしさすら感じるその仕草は、しかしどうしてか可愛らしさとは別のものを宿していた。
それは、アーニャの視線を背に受けるファリンが最も感じているだろうことだった。
「…………」
「それに」
沈黙するメイドに、帝国最強の騎士が問う。
「……貴女、どうして足音をさせないの?」
次の瞬間、アーニャの視界に剣閃が煌いた。
いや、剣では無い。
それは東洋でクナイと呼ばれる短剣だった、ブリタニアには存在しない武器。
仰向けに倒れ、胸を逸らしてアーニャがそれをかわす。
騎士服の胸元が微かに破れ、僅かに薄い胸元が露出する。
そのまま床に手を突き、片手でバク転するように後ろに飛ぶ。
着地のタイミングでさらに三本のクナイが飛んでくるが、アーニャは片手を床についた状態で身体を持ち上げ、そのまま蹴り弾いた。
鋼板の仕込まれた靴先が鉄の刃を弾き飛ばし、一本が通路に置かれていた古い花瓶を割って落とした。
「……!」
花瓶が割れると同時に、アーニャは駆けた。
その際床に落ちていたクナイを拾う、一瞬の出来事だった。
ロングスカートを翻し、瑞々しい太腿に巻いたバンドから新たなクナイを抜いたファリンと切り結ぶ。
けたたましい金属音が同時に3度聞こえた、それ程のスピードで交錯が発生したのである。
ナイトオブラウンズとまともに斬り合えるメイドなど、いるはずが無い。
「……貴女、誰? ただのメイドじゃない」
「いいえ、私はただの……メイドでございます」
相手の返答に眉を顰めるアーニャ、何故なら相手の声が前半と後半で変化したからだ。
理由は、ファリンと名乗っていたメイドが仮面を外すように顔を外したためだ。
仮面のようなマスクの向こうに、非白人系……東洋系の女の顔が僅かに見える。
固定液の塗られた白い顔は、その右眼の部分だけが外に出ている状態だった。
少なくとも、ブリタニア人のメイドでは無い。
「それでは、無作法ながら……失礼させて頂きます」
その女が懐から何かを取り出し床に投げる、直後、白い煙が通路を覆った。
煙幕、目晦ましである。
同時にガラスが割れる音が響いた、そして外へと何かが落ちる音。
――逃げられたと判断するのに、不都合が無い状況だった。
「…………」
煙が晴れるのを待ち、案の定割られていた窓ガラスから下の庭園を覗き込む。
そこに先程のメイドの姿はもちろん無い、嘆息することもなくアーニャはそれを認めた。
そして程なくして、正門の方から車が走り去るタイヤ音が聞こえた。
もしかしなくとも、何か関係があるのだろう。
しかしアーニャはそちらを追わなかった、代わりに歩いてきた道を全速力で駆ける。
向かった先はもちろん、護衛対象であるナナリーはいるはずの寝室だ。
5分もしない内に到着し、緊急時のためかノックもせずに扉を開ける。
すると……。
「……皇女殿下?」
……答える声は、何も無い。
ただ、ナナリーが子供の頃に使っていたと言うクマのぬいぐるみだけが、寂しげに床に転がっているだけだった。
それの意味するところは明らかで、流石のアーニャも少し焦りの色を見せた。
争った形跡は無く、さっきのメイドもいない。
ならばメイド自身がナナリーを攫ったか、あるいは共に連れ去られたのか。
いずれにしても、アーニャとしてはまず皇宮に連絡を取る必要が……。
『ああ、それは困っちゃうのよねぇ』
「……! な、何……?」
心臓が脈打つような、そんな不自然な鼓動が身体の中で響いた。
アーニャは表情を歪めて頭を押さえ、僅かに膝を折る。
身体の中に何かがいる、その認識が表情を歪めさせていた。
『身体、借りるわね』
ズキン、一瞬の頭痛に目を閉ざして呻く。
熱に浮かされるように閉ざされた瞳が、次に開かれた時には――――。
――――真紅。
◆ ◆ ◆
ナナリーは、極度の緊張状態にあった。
元は離宮に住む皇族の脱出用だったルートを使い、ファリン――に変装した咲世子――が遠回りをしてアーニャを遠ざけている間に正門まで出る。
そしてそこで送迎のリムジンを強奪した集団と合流し、そのまま逃走へと移行したわけである。
しかし、目が見えず足も動かないナナリーにとっては過度の負担を強いるものだった。
いくら抜け道のルートを知るノエルに背負われてのこととは言え、どこへ向かうのかもわからないと言うのは恐怖だ。
しかもナナリーの場合、それを己の意思で行うことが出来ない。
「ナナリーお嬢様、こちらへ」
「は、はい……」
身体が揺らされる感覚に縮こまりつつ、車に乗せられるナナリー。
自分が乗ってきたリムジンとは言え、状況が状況だ、緊張するのも無理は無いだろう。
諸事情により運転手は正門にもたれかかるようにして気絶している、運転席に乗り込んでハンドルを握ったのはノエルだ。
一声かけた後、ノエルはリムジンのアクセルを踏み込んだ。
逃走するにしては緩やかで、ナナリーに対しての配慮が窺える。
とは言え、ナナリーは緊張のためか胸に手を当てて息を吐いていたが。
若干だが顔色も悪く、元々の白さと相まって余計に儚く見える。
「大丈夫? ナナリー」
「え……」
その時、不意に声をかけられてナナリーは顔を上げた。
ノエルでは無い、咲世子は別ルートで後ほど合流することになっているから違う、となると第三者と言うことになるのだが。
記憶力の良いナナリーは、その声の主を知っていた。
「その声、もしかして……カレンさんですか!」
「うん、久しぶりね、ナナリー」
「は、はいっ、あの、どうしてカレンさんが、あのあの、えっと、私、お兄様……あ、もしかしてお兄様も、あのっ」
「お、落ち着いて、ちゃんと説明するから」
そこにいたのは、カレンである。
髪は下ろし、アッシュフォード学園の制服では無く薄い赤を基調としたロングワンピースなど着ているが、間違いが無かった。
所謂お嬢様モードの格好、皇女専用のリムジンに乗っていても違和感の無い服装だ。
どことなく座り心地が悪そうなのは、肌に合わないからなのだろう。
そして生徒会の先輩であるカレンの登場に興奮したのか、意味の無い言葉の羅列を並べるナナリー。
流石のカレンも、これには苦笑せざるを得ない。
ただ、どうして彼女がここにいるのか、と言う質問には明確な答えを返すことが出来る。
「ゼ……じゃない、ルルーシュに頼まれてね。迎えの来たの」
「お兄様に? お兄様はあの、今……! あれ、でもここはペンドラゴンで、どうしてカレンさんが本国に……?」
「あー、えっと……まぁ、いろいろ混乱するのもわかるけど、説明は後でも良い? 何と言うか、本当にいろいろ面倒で……」
どうせ、ルルーシュが説明するだろうし。
そんな微妙に黒いことを考えつつそんなことを言えば、素直なナナリーは「わかりました、ごめんなさい」と言葉を返してくる。
この素直さ、あのルルーシュが溺愛するわけだとカレンは思った。
カレンとしては、一応、ルルーシュの頼みでナナリー救出に協力する形になっている。
ゼロとしての命令では無いが、しかしゼロとしての活動に影響することでもある。
何しろルルーシュは、皇帝の手中にナナリーがいると非常にやりにくいだろうから。
それに個人的にも、生徒会の後輩であるナナリーの救出に否やは無い。
まぁ、多少の言い分もあるにはあるのだが。
「まぁ、今はそれより……ノエルさん、このままあえて民間道路に出て空港へ。シュタットフェルト家の名前でチャーター機が用意してありますから」
「畏まりました」
カレンの言葉に頷き、ハンドルを回してノエルがリムジンをロイヤルガーデンの外へと向かわせる。
シュタットフェルト家の名であれば、ある程度のことは可能だ。
まぁ、事が露見すればシュタットフェルトの家名ごと地上から消滅するだろうが……それはそれで、問題は無かった。
そして意外と言うか、少しは覚悟していたのだが……彼女達のリムジンは、ロイヤルガーデンを抜けて民間道路に入った。
あのラウンズの護衛が即座の連絡をしていれば検問の一つもあるはずなのだが、その様子は無い。
不気味なほどに順調に、ロイヤルガーデンから抜け出せてしまった。
「好都合だわ、このまま空港まで辿り着ければ」
「……おかしいです」
「え?」
運転席に繋がるガラス窓を開けて、ノエルが疑問をぶつけてくる。
後部座席の窓はスモークがかかっているためか外が見えにくいが、運転席は無論そんなことは無い。
そしてそこには、民間道路から空港へ繋がるハイウェイ方面へと伸びる道路が見えるのだが。
「他の車両の姿が見えません」
「…………まさか!」
いくらロイヤルガーデンの付近とは言え、民間道路に車が走っていないわけが無い。
ここはブリタニア屈指の大都市ペンドラゴン、常ならば大渋滞が起こっていてもおかしくない。
だと言うのに、ノエルの眼前に広がる広大な道路には他の車両の姿が全く無かった。
ペンドラゴンにおいてこれ程のことは、それこそ軍の規制でも無ければあり得ない。
だからカレンは走行中にも関わらず、後部座席の扉を開いてリムジンの後ろを確認したのである。
車内に風が入り込み、ナナリーがスカートを押さえるようにしながら小さな悲鳴を上げる。
だがカレンはそれには構わなかった、軍の追撃部隊がいるだろうリムジン後方を鋭く睨んで……次の瞬間、目を丸くした。
何故ならそこにいたのは、軍の部隊などではなかったからだ。
「バイク……サイドカー、しかも一台だけ!?」
カレンの驚愕の声の向こうに、彼らはいた。
紫色に塗装されたそれはブリタニア軍仕様のサイドカーだ、である以上、乗っている人間は2人。
1人は光の当たり具合で茶色にも見える金色の髪の男、鋭い目つきと190センチ近い長身が特徴だ。
そしてもう1人は、金髪碧眼の小さな少年だった。
(何、あの子……)
しかし、カレンはその少年に予感じみた何かを感じていた。
それは直感に近いものだったが、しかし不幸にも的中していた。
すぐに、それがわかる。
◆ ◆ ◆
「お、見えた見えた……流石は姉御、見事な計算だ」
サイドカーを運転している長身の男が、携帯電話を片手に何かを話している。
姉御と言う単語からわかるのは、相手が女性であると言うだけ。
その相手に対して、彼は口元に笑みを浮かべながら告げる。
「軍を抜け出すの大変だったんだぜぇ、姉御」
『知らない、文句はV.V.に言え』
「コイツは手厳しい、で、別に殺しても良いよなぁ?」
『好きにしろ、ただし、皇女だけは傷をつけるな』
「へいへい、わかりましたよっと……けっ、ロード・マクシミリアンは潔癖でいらっしゃる」
携帯電話をそのまま後方に投げ捨てる、するとそれと入れ替わりに側道から4台のバイクが出現した。
サイドカーを中心に広がるバイク兵が、カレン達の乗るリムジンを追走している。
「アデス隊長! 道路の封鎖は完了済みでさぁ!」
「今日の獲物は何です!?」
「おぅ、お前ら」
正規のブリタニア兵の装備を身に着けたバイク兵は、どうやら彼の部下のようだった。
アデスと呼ばれた男は部下達の声に応じるように指先をリムジンに向けた、そして。
「皆殺しだ! 女しか乗ってねぇ、好きにしな!」
「「「HYAAAAAAAAAAAAAAA!!」」」
歓声を上げる部下達の声に笑みを浮かべるアデス、30代に入ったばかりと若い彼だが、しかしその笑みはどこか老獪じみていた。
そして正規兵とは思えない彼らは、所謂囚人兵である。
全員が殺人以上の罪を犯した囚人兵、腕を買われ、免罪のために戦場に出されている者達だ。
実力主義のブリタニアでは、罪すらも実力で拭うことが出来る。
「つーかアデス隊長、そのガキ何ですか?」
「あ、コイツか? コイツはまぁ、保険だよ」
「保険?」
首を傾げる部下に、アデスは笑みの種類を変える。
それは彼が部下にも告げていない、ブリタニアの裏に関わるからこその笑みだった。
実際、彼のサイドカーの座席にはピエロの衣装とメイクの施された小柄な少年が1人座っている。
彼は怯えたような視線を自分を運ぶ男に向けたのだが、しかし何も言わなかった。
アデスはそれに対して鼻で笑う――――モルモットの少年などに興味は無い。
必要なのは、彼の能力なのだから。
「隊長! 車の上に女が!」
「ああん?」
顔を上げる、すると流石のアデスもぎょっとした表情を浮かべた。
何故なら自分達が追走しているリムジンの屋根、その上に、ドレスのスカートを破った赤い髪の女性が身を乗り出していたのだから。
その手に、細長い銃を手にして。
◆ ◆ ◆
時速80キロで走る自動車の屋根に身を晒すのは、はっきり言って自殺行為だ。
いかにアンカーを命綱に繋いでいるとは言え、あまりにも無謀な行為。
しかしカレンは天性のバランス感覚によってそれを行った、邪魔っ気に割かれたドレスのスカートからは、太腿の際どい部分まで晒された白い脚が覗いている。
「おいおい、何だあの女は!」
「お生憎さま。紅蓮はリムジンより、ずっと激しいのよ!」
リムジンの屋根の上で身を低くして、カレンは銃を構えた。
このまま空港までエスコートしてもらうつもりは無い、だから躊躇無く引き金を引いた。
皇女護衛のため、リムジン内に収納されていた7.62ミリ口径のアサルトライフルの引き金を。
箱型弾倉から空薬莢が散り、後続のバイク兵へと火線を飛ばした。
「ぐぉっ……どわああぁあっ!?」
「っと、ほぉ……女だてらにやるじゃねぇか」
立て続けに4発放たれた弾丸はリムジンの揺れで狙いが荒れている、だがその内の1発がバイクの前輪を破裂させ、バランスを崩したバイク兵が転倒したのだ。
車体を大きく揺らせて回避したアデスは、軽く口笛を吹きながらカレンの度胸を称賛した。
部下が後方で悲鳴を上げているのだが、それに対して何かを気にした様子は無い。
「とは言え、この状況じゃ適当に撃たれるだけでも面倒だな。さて……」
チラリ、と座席に座る少年を見るアデス。
その顔は新しい玩具を貰ったばかりの子供のようで、つまり新しい兵器を受け取った兵士のそれだった。
「保険の出番だ。やれ、アルフレッド!」
「…………」
アルフレッドと呼ばれた少年は、声を発さず、色黒の顔を頷かせただけだ。
しかしその意思は、彼の右の瞳に宿る。
赤く輝く、飛翔する鳥のような紋様が。
「アレは……まさか!」
その赤い毒々しい輝きに、ルルーシュのギアスを知るカレンが気付かないわけは無かった。
しかし次の瞬間、彼女の視界からその輝きは消える。
一瞬、カレンには何が起こったのかわからなかった。
だが、視界から消えたと言うのは実は正しくない。
今、カレンの目の前には遮蔽物の無い道路が見えていた。
だが、不自然なのだ。
どう言うわけか周囲の景色が後方へ流れていくのだ、まるで高速でバックしている時のように。
そして不自然は続く、ノエルが運転するリムジンが急激にバランスを崩したのだ。
「きゃあ……っ」
車内でナナリーが悲鳴を上げる、それを聞いてノエルが顔を顰める。
しかし彼女にも言いたいことがあった、目の前にベイク兵達がいるのだ。
しかもどう言うわけか周囲の景色の流れがおかしい、近付いてくるのではなく、どんどん遠ざかっているように見えるのだ。
「これは、いったい……!」
リムジンが左右に大きく触れる、操縦が定まらない。
視界に映る道の通りに走っているのに、何故か上手く運転できない。
計画都市のおかげかストレートが多いのが幸いではある、しかしそれも長くは続かない。
「お、
『イエス・マイ・ロード、オートパイロットに移行します』
たまらずリムジンを自動走行に切り替える、万が一、運転手に何かあっても要人を目的地まで運ぶためのシステムだ。
しかし欠陥もある、特別なコマンド・ワードが無い限り法定速度以上の速度では走行できないのだ。
すると当然、バイク兵に追いつかれる。
「く……視界が、おかしい……!」
迫ってくるバイクの音は聞こえるのに、視界には映らない。
近くにいるのに、見えない。
それに苛立つかのようにアサルトライフルの引き金を引くのだが、それすら見えない。
自分が撃ったはずの銃すら、感じはしても見えないのだ。
そしてその様子を、変わらずリムジンの後方からアデスは見ていた。
残りの部下を引き連れる彼の口元はニヤニヤと歪められており、その隣では放心状態のまま右眼を赤く輝かせる少年がいるだけだ。
男は、その右眼の効果を知っている。
「ぎゃぁ――はははははははぁっ! ギアス『ザ・シャッフル』は、範囲内にいる人間の感覚を入れ替える!」
アルフレッドが入れ替えた感覚は視覚。
つまり今カレンの目にはノエルの視界が、ノエルの目にはカレンの視界が見えていることになる。
そんな状態では、銃を撃つことも運転することも出来ないだろう。
「良し、今の内だ! 野郎共、リムジンを囲んで……って、おお?」
アデスが間の抜けた声を上げたのは、彼の隣で嫌な水音がしたからだ。
それはアルフレッドが嘔吐している音で、それを見たアデスは舌打ちする。
少年の右眼から、赤い輝きが消えている。
「ちぃ、そういや効果は一分きりだったな。遊んでる場合じゃ無かったか……行け、野郎共!」
「「おお!」」
2台のバイクが急加速する、速度の落ちたリムジンを両側から挟み込んだ。
しかし、不意にリムジンが大きく車体を左右に振った。
車体が左右のバイク兵を押しのけ、転倒させる。
火花と悲鳴を散らせながら、道路上に落ちた兵とバイクが壊れながら後方へと消える。
「視界さえ戻れば……」
「……こちらの!」
ノエルの声を繋ぐように、カレンがアサルトライフルの弾倉を入れ替える。
そして次の瞬間、立て続けに7発射撃、最後のバイク兵のタイヤを破裂させた。
それに対して、アデスはサイドカーを大きく曲げながら射撃をかわしつつ、舌打ちした。
「ちっ、面倒な力だぜギアスってのはよぉ!」
足元のスペースから手榴弾を掴み取り、サイドカーの速度を上げる。
そして手榴弾の先端で蹲っている少年の頭を殴りつけると、怒鳴った。
「おら、もう一度やんだよガキ!」
「…………」
頷く少年、その視界に再びカレンを収める。
そして右眼にギアスの輝きが宿った。
それに対してアデスは笑みを深くする、エンジンを噴かせて一気に加速した。
「……う!?」
ぞわり、嫌な感触がアデスの背筋を走る。
囚人兵としての彼の直感がそうさせたのだ、その躊躇が、彼の命を救うことになっていたのかもしれない。
反射的にハンドルを切ることで、脳天を貫くはずだった銃弾が左肩を掠める程度で済んだのだから。
カレンの朱色の瞳が真っ直ぐに後方、つまりアデス達を見つめているのが見えた。
しかしカレンの視界はノエルと入れ替わっている、アデスが見えているはずは無い。
そのはずなのに、アデスの左肩に9ミリ弾が擦過していったのだ。
「馬鹿な、見えてるはずが……ッ!」
「見えてるわよ――――屑の顔がねッ!!」
たまらず停車したアデスが毒吐くと、カレンの高らかな声が響いてきた。
少年の嘔吐する音を聞きながら、左肩を押さえつつアデスが遠ざかるリムジンを睨む。
視界を入れ替えて見えている、どういうことだと歯軋りしながら。
すると、そこに答えがあった。
運転席、オートパイロットに切り替えたままのリムジン。
すなわち手が1つ空いている、ノエルだ。
運転席から身を乗り出したノエルの手には拳銃が一つ、カレンの視界を借りて銃弾を放ったのだ。
(んなっ……ザ・シャッフルの効果に、一度で気付いただとぉ!?)
カレンがギアスに関する知識を持っていなければ、不可能だっただろう。
ノエルとカレンの視覚に異常が出ていたのはわかっていたので、互いの視覚情報を交換すれば異常の正体に気付くことは難しくない。
ならば、後は度胸の問題だ。
「あの
アデスの叫びと共に、バラバラと言う独特の音が空から響いてきた。
それにアデスは笑みを浮かべる、何故ならそれは彼の部下達が乗っているヘリの来援を告げる音だったからだ。
「来たか……ようし、やっちまえ! 皆殺しだ!!」
声を張り上げるアデスに応えるように、ハリが機体を振るようにして加速に入った。
機体を前に傾け、その脇に抱えているミサイルポッドからミサイルを放とうと射口を開く。
だが、そのミサイルが放たれることは無かった。
「な!?」
アデスの驚愕の声が響いたと同時に、ヘリは爆発粉砕されていた。
どこからともなく放たれた太く赤黒い光線が、ヘリを飲み込んでしまったためだ。
一瞬、何が起こったかわからなかった。
彼が正気に戻ったのは、ヘリの残骸が自分の上に墜落してくるのを認識した時だ。
右腕一本でバイクのエンジンを噴かし、慌てて退避する。
次の瞬間、ペンドラゴンの民間道路に攻撃ヘリが墜落した。
◆ ◆ ◆
赤黒い光線の先を辿ると、1機のナイトメアフレームが存在することに気付く。
何故その機体がそこにあるのかと言えば、理由自体はとても簡単だ。
単純に、護衛が自分の武器を置いて護衛につくはずが無いというだけだ。
皇宮ペンドラゴンのラボからオートパイロットで飛来するシステムがあり、それで呼んだだけだ。
何しろ道路は追撃者のおかげで封鎖されていたし、そしてカーチェイスを演じたりで進行も遅かった。
グロースター並みの速度でも十分に速い、距離も十数キロ離れているわけでも無い。
だからこそ、「彼女」の介入が間に合った。
「うふふふ……ダメよぉ、おいたは。ナナリーとあの子……えーと、シャルルは何て言ってたっけ? アーニャの記憶だと、せ、せい……ブルー、うん、
頭の後ろで結い上げた桃色の髪に、小柄な体躯を覆うレオタードのような、肌の露出の多いパイロットスーツ。
アーニャ・アールトレイム、そして彼女の愛機『モルドレッド』。
赤黒い装甲に覆われた重量級KMFのメインモニターには、モルドレッドの砲撃で撃墜されたヘリの様子が映し出されていた。
「筋書きは、そうねぇ。勝手に原隊を離れた部隊に停止を勧告するも、無視されたため皇女誘拐犯の仲間とみなし撃滅。そんな所かしら? うふふ、またシャルルに苦労させちゃうわね」
だが先程までの無表情な少女はそこにはいない、容姿は同じだが、別人のように明るい口調でどんどん喋っている。
あまりにも性格が違いすぎて双子の姉妹かと疑ってしまうが、正真正銘アーニャ本人である。
ナイトメアに乗ると性格が変わる、などと特異な性質を持っているわけでは無い。
「性格」が変わったと言うより、「人格」が変わったかのようだ。
そして以前のアーニャと明らかに違う点がある、性格以外の明確な違い。
それは、彼女の両眼だ。
細く鋭く、三日月の形に歪む唇と共に笑みの形になっていく瞳。
「……おいたはダメよ、V.V.。勝手なことばかりされたら、私達の計画が狂っちゃうんだから」
その瞳は、真紅の輝きに満ちていた。
さらに、リムジンの追撃を諦めたらしい男を見て、その瞳はますます猫のように細められた。
「うふふ、うふふふふふ……ふふ、あっはははははははははははははははははははははは!」
空から下界を見下ろす女の声が、コックピットの中で高らかに響く。
年端もいかぬ少女の身に余りにも不釣合いなその笑い声は、その後、現場に別のブリタニア軍部隊が到着するまで続いたと言う。
まるで、玩具を見つけた童女のように。
――――そしてその後、ナナリー達を連れたカレンは空港まで辿り着いた。
検問や書類など突破すべき項目が多かったが、シュタットフェルト家の令嬢の行動を妨げる者はいない。
そして彼女達は、空港から一路ハワイへと向かい――――。
◆ ◆ ◆
「そして、今に至ると言うわけだ」
時と場所を戻し、航空戦艦ヴィヴィアンの一室。
ナナリーとの感動の再会を一通り行った後、ルルーシュの口から直接「ナナリー奪還作戦」の概要について説明を受けたのは青鸞だ。
まぁ、彼女は何故か疲れたような表情を浮かべていたが。
「いや、ルルーシュくんがギアスで相当の無茶をしたのはわかるけど……」
ルルーシュの話した作戦は、普通ならば作戦と呼べるようなものでは無い。
単純なように見えて、いくつもの偶発的な要素が重なり合う複雑な作戦だ。
それを形にしてしまうのがルルーシュの才とも言えるが、無論、ルルーシュとてそこまで楽観的では無い。
「そうだな、少なくとも皇帝は俺がゼロであると確認しただろう。このタイミングでナナリーが連れ去られ、かつヴィヴィアンが黒の騎士団の襲撃を受ければな」
「でも、ルルーシュくんがゼロだって証拠も無いよね」
「証拠なんていくらでも用意できるさ。例えば俺の部屋にゼロの仮面を放り込むとかな……まぁ、それも今はどうでも良いさ。今はブリタニアの中にも味方がいることだし、な」
左眼のコンタクトを外しながら、そう言う。
その左眼には赤い翼の刻印がある、絶対遵守の力が。
ルルーシュはナナリーと青鸞の救出のためにブリタニアに舞い戻ったのだが、もちろんそれだけではなく、皇帝の足元に毒を仕込むことに余念が無かったのだ。
「まぁ、仮にゼロだと断定できる材料が無くとも……テロリストの虜囚になった皇子とラウンズに居場所は無い。ブリタニアはそう言う国だ」
「そこだけボクを含めるんだ……」
「まぁ、せいぜいルルーシュ皇子は華々しく自決したことにでもしようか。幸い、ギアスで団員の何人かに目撃者をでっちあげることも出来た。セイラン・ブルーバードについてはどうするか……まぁ、それもおいおい考えるとしよう」
「…………はぁ」
青鸞が溜息を吐いたのは、ルルーシュがいつになく饒舌だったからだ。
これはルルーシュの癖というか、昔から自分の策が嵌まった時ほど饒舌になる所があった。
つまり、今である。
ペンドラゴンにカレンを連れて行ったのはナナリー救出のため、皇子として活動したのはブリタニア国内に味方を増やすため、ハワイでヴィヴィアンの出航を遅らせたのはナナリーと合流するため。
ナナリー救出と言う情の行動に、対皇帝と言う理の行動を折り重ねている。
それも、相当の無茶をして。
「お前達もご苦労だった、咲世子、ノエル。お前達のおかげでナナリーを取り戻すことが出来た」
ルルーシュの言葉に頭を下げるのは、隅で控えている2人のメイドだ。
ブリタニアと日本、それぞれの地でナナリーに仕えたメイド。
そして彼が優しい目でベッドの――気疲れだろう、ひとしきり泣いて眠ってしまった――ナナリーを見つめているのを見ると、結局はナナリーのためなのだなと実感する。
(……良いなぁ)
その気持ちがどういう意味なのか、実は本人にもわかっていない。
幼い頃のように、兄に構って貰えることへの羨望のままなのか。
それとも兄を憎む今となっては、別の何かなのか。
この時点では、誰にもわからない。
(……と言うか、アレだよね。あんなこと言っておいて結局は妹って、それはそれで何だか癪だよね、いや良いこと何だけどね。一応、まぁ、いろいろと……)
「青鸞?」
「へ、な、何?」
いろいろ考えている時に声をかけられて、青鸞は思わず変な声を上げてしまった。
それを恥ずかしく思っていると、ルルーシュは優しい笑みを浮かべた。
しかしそれもすぐに真剣なものに変わった。
その視線は、真っ直ぐに青鸞の胸元に注がれている。
……言葉だけ聞くと、非常に危ない感じだった。
「…………何?」
「あ、いや……違う! そういう意味で見ていたわけでは無くて!」
胸元を庇うようにすると、ルルーシュは慌てたように首を横に振った。
まさかもう一度触りたいとか言うつもりだろうか、まさかではあるが。
「じゃあ、何?」
「あ、いや……青鸞、お前の胸のことなんだが」
「……何で、ルルーシュくんにボクの胸のことを心配されなくちゃいけないのかな?」
「いや、だから違う! 俺はただ真剣に、お前の胸のことを心配というか……気にしているんだ!」
「ナナリーちゃんの前で何てことを!」
「違う!! 俺はただ本気でお前の胸のことを!」
何故か無性に、ルルーシュを殴りたくなった青鸞だった。
なお、2人のメイドは沈黙している――主の醜聞に口を出す気は無かったらしい。
「よ、余計なお世話だよ! ちゃんとこの半年で成長したもん!」
「お前はいったい、何の話をしているんだ!?」
「まったくだ、こんな時に何の話をしている」
もはや収拾のつけようも無いかと思われたが、そこへ横槍を入れてきた者がいた。
それはナナリーの寝ているベッドの上で足をパタパタさせていた緑の髪の魔女、C.C.だった。
彼女は実に冷ややかな視線をルルーシュに向けた後、ついと青鸞へと視線を向けてきた。
その視線に、青鸞は表情を翳らせる。
――――わかっている。
ルルーシュが言っていることの意味は、本当はわかっている。
わかっていて、かわすしか無かった。
まだ、今は。
『ゼロ!』
その時、机の上の端末からカレンの声が響いた。
彼女の顔を見てルルーシュが僅かに眉を顰める、彼女は今ヴィヴィアンの艦橋で艦のシステム掌握の指揮を執っているはずだが。
しかしカレンは、やや緊迫した空気を纏っていた。
『ヴィヴィアン後方に未確認のナイトメア反応があった、すぐに艦橋に来て!』
「……敵か? まさかスザクが……」
『違う、そうじゃない。でも相手は1機だけで……』
敵は1機、しかもスザクでは無い。
その情報に困惑しつつも、ルルーシュは仮面を手に立ち上がった。
彼が救い上げた2人の少女と、彼を救った魔女へと視線を向ける。
――――そして、彼は再び仮面を被った。
◆ ◆ ◆
――――そのナイトメアの名は、『ヴィンセント』と言う。
騎士甲冑を彷彿とさせるその姿はかのランスロットに極めて良く似ている、それはこのナイトメアがランスロットの実働データを元に開発された量産型試作機だからだ。
金を基調にカラーリングされたその機体の背には、ランスロット同様フロートユニットが装備されている。
脚部と両肩先端部のランドスピナーによる高度な三次元運動能力、両肩に装備された新型ファクトスフィアによる光学測距能力、そして新型兵装を多数備える特殊攻撃能力。
あらゆる点で従来の量産期を凌ぐ第七世代相当KMF、ヴィンセント。
たった1機で太平洋の上を飛翔するそのナイトメアのコックピット・ブロックには、1人の少年が座っている。
「……やっぱり、思い出していたんだね、『姉さん』」
色素の薄い髪、儚げで繊細そうな容貌、細身の身体。
左手の小指を撫でながら、少年はメインモニターに映る航空戦艦を見つめていた。
海面近くを光学迷彩で偽装しつつ飛ぶそれを、ただ静かに。
「だったら」
ギリ、左手の小指を強く掴んで、しかし冷淡な眼差しで、呟くように言葉を紡ぐ。
「――――もう一度、殺さないといけないね」
飛翔する赤き翼を右眼に宿しながら、少年は……。
偽物の弟、ロロ・ブルーバードは、「姉」のいる
登場キャラクター:
ATSWさま(小説家になろう)提案:ファリン・ムーンウォーカー(名前のみ)。
グニルさま(小説家になろう)提案:ジェラルド・アデス。
車椅子ニートさま(ハーメルン)提案:アルフレッド。
ありがとうございます。
オリジナルギアス:
車椅子ニートさま(ハーメルン)提案:ザ・シャッフル。
ありがとうございます。
最後までお読み頂きありがとうございます、竜華零です。
今回は「ナナリーをどうやって救ったか」についての説明回でした。
ルルーシュが鼻高々に青鸞に策を説明している様子をイメージして頂ければ、もうそれで全部が説明できるような気がします。
そして募集です、今度は「中華連邦のキャラクター」についてです。
投稿はメッセージのみで受け付けます、よろしくお願い致します。
・募集条件
1:生粋の中華連邦人であること(他人種はダメです)。
つまり中国人、インド人、中央・東南アジア人、韓国人、モンゴル人、ペルシア・アラブ系などです。
*どうしても他人種を推したい方は、投稿前にご相談くださいませ。
2:名前・性別・年齢・容姿は最低限記載してください。
*その他、技能や性格、社会的地位や思想などがあれば完璧です。
3:1ユーザーにつき2人までとさせて頂きます。
*採用されないこともありますので、ご了承くださいませ。
以上になります、締切は7月7日正午きっかりです。
投稿・相談は全てメッセージにて受け付け致します、それ以外は受け付けませんのでご了承くださいませ。
それでは、失礼致します。
そして次回予告。
『ロロ、神根島でボクを撃った子。
そしてこの半年間、ボクの弟役だった子。
ボクの力を覚醒させた子。
そしてこの半年間、ボクの家族だった子。
恨めば良いのか、愛せば良いのか。
ボクの家族って、こんなのばかりだね……』
――――TURN6:「偽物 の 家族」