ー昭和七年ーサクラ次元12
ーコクリコの世界ー
ー巴里ーアパートー
ー8時00分ー
『まずは……俺はエリカ君を探すぞ、心配だ、コクリコ達はシャノワールに向かってくれ。』
『わかった、エリカの事任せたよ。』大神は教会にコクリコやジロー達はシャノワールへと向かった。
ー水辺の橋ー
『また…時間が……いったい……誰が死んだんでしょう…これからどうやって生きていけば……未来がない……明日がない……エリカが原因……エリカが静かに……一人ぼっちで…どこかに行けば…』エリカは船の乗り場へと足を運ばせた。
『ふふ、作戦成功、さああと何回時間は繰り返されるんでしょうねえ、ブレスレットを使い。なんとしてもあの次元に行き、あいつを殺さなければ。』
ー教会ー
『そうですか……エリカ君は…』
『はい…ここには…いませんです。』大神はルノ神父にまた話を聞いていた
(エリカ君、どうしたんだいったい、どこにどこにいるんだ…俺はどうすればいいんだ)大神はテルトル広場に向かった。
ーテルトル広場ー
『おい、隊長!』噴水の側からロベリアが現れた。
『ロベリア、どうしたんだ。』
『あんた…今のあんたじゃエリカを見つける事は出来ない。』
『どういう事だ、ロベリア』
『あんたは5号を倒すため蛮野を倒すための戦力としてしかエリカを見ていないだろ。』
『そんな事はない!俺はエリカ君を戦力として考えてるわけではない!巴里華撃団の大事な仲間として俺は見ている!』
『ちっ……』ロベリアは暗黒へと走っていった。
なんて未練がましい。
なんて情けない。
アタシは本当にダメになっちまったなあ…あのバカ……どこまで…バカ……なんだよ……まだ気づけないとは…
『ロベリア……』(わかっている!わかっているんだ!そんな事は!)
『大神君。』声を掛けたのは北斗であった。
『北斗さん、見つかりましたか。』
『まだだ、大神君…彼女達は強がっている、その意味がわかるだろ。』
『……………はい………』その言葉の重さは大神が一番わかっていた。
『君の優しさは長所であり短所だ…エリカ君は君にとってのなんなのかをよく考えてほしい、それが彼女を強くする鍵だ。さっき、5号が現れた場所は何故下水道だったのかよく考えろ。』大神は水辺の橋へと向かった。
ー水辺の橋ー
『あの場所から下水道に……皆さんの幸せのために………うっ………な……なんで……足が……怖い……そんな事は……』水辺の橋からエリカは下水道へと入ろうとしていた、実はエリカは大神達の戦いをこっそり見ていて、下水道に5号が現れたのは側にマシンがあるからと考え、マシンを壊すだけならなんとか出来ると考え、蛮野の隠れ家に潜入しようとしていた。
『やめろ!エリカ君!』大神は彼女に飛びかかり下水道に入るのを止めた。
『私、さっき見てました、5号が現れたの下水道だって、だから私思ったんです、なんとか蛮野の隠れ家を見つけてこっそりマシンを壊すだけなら、私だけでも出来るって!』
『やめろ!そんな事をすれば君は死んでしまうぞ!命を大切にするんだ!』
『じゃあ、私以外の知らない誰かが死ぬばいいんですか……』
『‼︎』
『5号や蛮野の被害によって必ず誰かが死んでいます!私一人死んで、皆さんを幸せに出来るなら私喜んで死にます!』
『ふざけるな!巴里華撃団は世界の人々全てを守るのが使命だ!君もその人々の中の一人なんだ!誰も死んでいいわけないだろう!』
『巴里華撃団か……そうですよね……大神さんは隊長で……私は隊員………上司と部下なんですよね…そうなんですよね……あなたには……』
『エリカ君!』大神はエリカに抱きついた。
『お、大神さん!あなたにはコクリコが!』
『俺は馬鹿だったよ、何が巴里華撃団だ!何が隊長だ!俺は男大神一郎として君を愛さなければならなかったんだ!すまない…エリカ君』
『うっ……うえええん!うえっ…うえええええん』泣きじゃくるエリカを大神は強く抱きしめる。
『イ、イチロー……』なんと建物の影からコクリコが覗いていた。すぐさまコクリコはその場から逃げ去った。