並行世界シリーズ”ウルトラ10勇士編”現れた怪人
昭和ニ年
ーマリアの世界ー
大帝国劇場
『フゥ。やっと眠ったわね、あんなにはしゃいだ後だからかしら。』マリア・タチバナは2歳になる息子イチロー・タチバナが遊び疲れていたのを寝かしつけ終わったところだ。ちなみに大神一郎が死んだすぐに太正天皇が死に、昭和になった。
『マリア、ちょっといい?』
『かえでさん、何でしょうか?』
『私の部屋に来てくれない、ちょっと重要な話があるから。ここだとイチロー君起きちゃうし。』
『はい。』マリアはかえでの部屋に向かった。
『実はね、ここ数日前から帝都に正体不明の怪人が現れているらしいの。』
『怪人?パリシィの生き残りですかねえ?』
『確かにそう考えるのが妥当よね、でもさっきレニと話をしたら、パリシィの怪人はもう存在しないと言っていて、何か別の敵が来たんじゃないかって、レーダーに反応しなかったし。』
『レーダーに反応しなかった?それは相手がこちらの情報をかく乱させるために行なっているのでは。』
『その考えかたもあり得るけどね…何故今頃になって、現れたのかも不思議よね。常に警戒はしておいてね。』マリアは絶対に帝都を守りたかった、それが死んだ大神一郎の願いであったから。
(隊長…帝都は私が必ず守ります!)
下町
『さーってと、足りなくなった食料はもう買ったし、アイリス帰りましょう。』
『さくら…あっちに嫌な物がいる…』アイリスは裏道を指差した。
『アイリス、何もないじゃない、気のせいじゃないの。』
『前、お兄ちゃんと一緒に能を見に行った時に長安の影を見たんだ、その時と同じ様な嫌な感じがしたんだ。』
『…ちゃんと、確認はしておいた方がいいのかもしれないわね。アイリスあなたは先に劇場に戻っていて、私はちょっと見てくるわ。』さくらはアイリスが指差したほうへ向かった。
『さくら、無事でいてね…』
『…確かに怪しい雰囲気があるわね、でも、姿は確認できないわ、長安はもう3年前に倒したし、降魔でもないわね。』さくらは裏道へと足を進めて行ったすると。
『おいつめたぜ!ピエール!』男と怪人が睨みあっているのを、見てさくらは姿を消した。
『お、おのれえ!せっかく生き返ったんだ、そう簡単に倒させてたまるか。逃げます!』ピエールは姿を消した。
『ちっ!だが、あいつはこの世界からはでられない。バスコがこの事に気付く前にケリつけなきゃな。』振り向いた男の顔を見てさくらは固まった。
『大神さん…』さくらは男へとかけよった。
『大神さん!大神さん何でしょ!』
『ち、違う俺は釋原 真弘(すはら まさひろ)大神ってやつは知らないぜ。』
『すみません。私、勘違いをしてしまいました、あまりに似ていたので…』さくらは彼から僅かだが霊力を感じた。が、大神の霊力よりも遥かに弱かった。
『ところで、お嬢さん、俺はあの怪人について帝国華撃団に教えなきゃならない。どこに行けばいいんですか?』
『わ、私が帝国華撃団の隊員です、ではついてきてください。連絡をしておきます。』
支配人室
『どうもこんにちは米田支配人私は釋原真弘と申します。』
『おめえ、本当に大神じゃないんだな、今更…生きてるわけないのにな…ところで、お前さんが何故帝国劇場に来たんだ。怪人と関係あるみたいだな。』
『はい、ここ数日帝都に現れている怪人はピエールといって死者を復活させる能力を持っています、多分帝都で死んだ降魔を復活させるのが目的だと思われます。』
『な、なんだと!降魔の復活だと!そんな事になってみろ、今までの苦労が全て水の泡だ!かえで君!至急花組、月組に連絡を!』
司令室
『いい、聞いた通りピエールを全員で地区を分断して探し出すのよ!手掛かりは僅かながら邪悪な霊力を出してるわ、それをこの霊力探知機を使って探し出して、これはシャノワールで使っていたのを紅蘭が小型化したものよ。』
『もう…こんなもん使う事ないって思うとったんやけど…』
『やっと平和になったんだ、すぐにとっ捕まえてやる。』
『ですが、やつはとても危険です、見つけても深追いはせずすぐに応援を呼んでください。二人ペアで行動してください。』
『わかったわね、イチローちゃんいい子でいてね、帝国華撃団出撃せよ!』マリアはイチローをかえでに託した。
『了解!』