ー平成二十九年ー
ー仮面ライダー次元ードライブの世界ー
ー特状課前ー
僕は紫藤直哉…今…ある人と二人きりで特状課という組織の扉の前で話しをしていた。
田中『それはですね、大神一郎が作ったスーパー戦隊のようになりたいからですよ。』この人は田中さん…別次元から来た僕の仲間である人だ。
紫藤『スーパー戦隊?名前は知っているんですがよくは知らないんですよ。たしかー大神さんが作ったっていう。』
田中『そうでしたね、詳しく話をしましょう。スーパー戦隊とは並行世界の大神一郎さんが作った秘密戦隊ゴレンジャーと呼ばれる特殊スーツを身に纏い巨大なマシンに乗り戦う戦士達のことです。彼らはあなた達と同じように霊力とは違う不思議な力を持っていたりスーツで力をつけてその力を駆使して悪…つまり罪のない生物を苦しめる存在と戦う戦士達のことなんです。彼らは自分達の正体を隠すこともなく、ときには人間と協力して戦い、彼らはヒーローとなった、迫害は少しは受けたり、正体を隠す人達もいましたよ。でも最終的に正体を晒しても別に咎められたりもしませんでした。』
紫藤『そのスーパー戦隊にどうして直哉君はなりたいんですか?』
田中『彼はその過酷な運命を…真田鵜の死を見て思ったんです。なぜ自分達がこんなにも不幸にならなければならないのか…なぜ命を賭けて守った人間に殺されなければならないのか…なぜ僕は死ぬのか…どうして大神一郎はスーパー戦隊を作った英雄とされるのに…そして彼はこう考えました。スーパー戦隊のような存在になればいい…スーパー戦隊は人々の命を脅かす敵から人々を救うことにより人々から崇められた…だから、自分達のうち数人が人々を殺し、別の数人が残った人々を救うことにより…絶対的状況に立たされた人々は自分達を英雄としてくれる…そう考えた真宮寺直哉はノバショッカーの次元大戦計画に賛同したんですよ。』
紫藤『あんまりじゃないですか!僕らと真田鵜さんは同じように頑張った!だからこの作戦を行っている直哉君の気持ちもすごくわかる!でも僕は資金面では頑張ったのに…』
田中『あなた達では最終的な決定力はないんですよ。どんなにあなた達のやっている事は立派でも最終的にそれを決めるのは政府です。権力の前にはあなた達はあまりに非力だ。例え米田中将だろうがあなたの死んだ両親だらうが…上には敵わないんですよ。それにあなたの世界や佐谷直哉、米田健二の世界の人間は全滅しているんです。ノバショッカー…いやデズモゾーリャによって…バーミヤ兵と呼ばれる怪物に姿を変えられてしまったんですよ!そしてそのバーミヤ兵はファイアバグという傭兵組織に処分されましたよ。』
紫藤『そ、そんな、それじゃあ…僕達のいない隙を狙って…く…くっ!なんでですかどうしてこんな事態に…』私は思わずかっとなって田中さんを掴んだ。
田中『もしかしたらあなた達は試されているかもしれません…無限力を持つイデと呼ばれる意思生命体によって…』私は冷静になり田中さんから手を離した。
紫藤『さっきの話にあったイデですね…異星人との接触による戦争…それを仕組んだのがイデだった…つまり今度は僕達と異世界人を試されているというのですか?』
田中『そうかもしれません…イデが私達を試しているのかもしれません…』
紫藤『でも今更もう遅いですよ…イデの代わりに直哉君の仲間のデズモゾーリャが僕達の世界の人間をバーミヤ兵にしてしまった以上どうしようもないじゃないですか…』僕は思わず涙を流し悲しみに浸り、床に崩れ落ちた。
田中『そんなことはありませんよ。まだあなた達の世界は助けられる…復活させることが出来るんですよ…』田中さんは笑いながら僕に近づき勇気づけた。
紫藤『復活!じゃあもしかして僕の両親も復活させることが出来るんですか!』
田中『残念ながらそれは不可能です……』
は…
ふざけるな
ふざけるな
ふざけるな
紫藤『ふざけるな!なんで!なんでですか!なんで僕の両親は助からないんですか!』教えてくれ!頼む!あなたの両親は生き返るといってくれ!
田中『いくらあなたが叫ぼうが助からないものは助からないんですよ。歴史には必ず起こらなければならない行動などがあるんですよ。その行動をしなければ世界は崩壊して、あはたも消えるかもしれないんですよ。あなたの両親の死はその起こらなければならない行動となっているんです。』
ボカッ!
私は思わず田中さんを殴ろうと田中さんに飛びかかった。だがその拳は田中さんではない別の青年を殴った。
紫藤『あなたは…泊進ノ介…』
泊『はじめましてかな…紫藤君…君の気持ちや虚しさはわかる…俺の父親の死も起こらなければならない行動ということになり復活出来ないんだよ…でも父さんが死んだから俺はここにいるのかもしれない。君がここにいるのは君の両親が死んだからなんだよ。今の君の全ては君の両親が死んだからなのかもしれない。両親を復活させるということは今の自分の存在意義を否定することなんだよ。』
紫藤『じゃあ、あなたは肉親の死を割り切れっていうんですか!そんな簡単に割り切れるわけないでしょう!』口が止まった進ノ介さんの側に追田という先輩刑事が僕に向かって大声で叫びながら来た。
追田『そんなわけねぇ!進ノ介だってそんな方法があったならやってたさ、でもそんな風に考えなきゃだめだったんだよ!だからお前も…割り切ってくれよ…そうでもしなければ生きていけないだろ…』追田さんの言葉を僕は僕は…
りんな『今、あなたにそれは…割り切ることは無理かもねーでも、今あなたに出来ることは割り切れないあなたを支えてくれる仲間を助けること…それなら出来るんじゃない。』後ろを振り向くとそこにはりんなと呼ばれる白衣の女性がいた。
紫藤『救う!どういうことですか!僕の仲間ってまさか!』
早瀬『そう、君の仲間は今捕らえらている…闇忍者ランドにて全員…そこには敵がいっぱいいる、皇帝ズール、シャドウライン、闇の皇帝、そして剛がいる。俺達は操られている剛を助ける、その間君には敵を引きつけていてほしい。』横には全員集まった特状課がいつの間にか全員ここにいたのだ。
紫藤『僕は…』
本願寺『あなたは割り切れないんですね、まだ両親のことを…だったら割り切らなくていいんですよ。そういうことは仲間と考えればいいんですよ。そのためにもまだ救えるあなたの仲間や剛君…いっしょに戦いましょう。』
紫藤『いや…僕は…』
チェイス『その弱さのままで構わん。協力してくれなくてもいい…だが、あくまで俺達はお前の味方だ…それだけは忘れるな。』私は彼が差し出した手を握り、彼らの作戦に耳を貸した。この戦いがイデに仕組まれたのだろがなんだろうが今は特状課の人を信じてみよう。別次元の人とも信じられるとイデに示すためにも。