海に散りし命   作:リバーサクラモード本格的だよ

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並行世界シリーズ”望まれぬ戦い編”37父親と母親

 

ー昭和七年ー

ーサクラ次元ー由里の世界ー

ー大帝国劇場ー

ー格納庫ー

ここでは、大神一郎とシー・カプリスと杉野と闘武に乗った斜大が牙王と戦っていた。

 

『よくも!はあっ!』闘武は右肩につけていたブーメランを取り外し、牙王に投げつけた。

 

『折角見逃してやってもよかったのに…苦しみたいようだな…だったら付き合ってやるよ…変身!』【牙王FORM!】牙王は腰にベルトを使い茶色の姿をした仮面ライダー牙王へと変身した。

 

『今更!遅い!いけぇえ!』ブーメランは牙王の目の前まできていた。これは決まる!斜大はそう確信した!だが!

 

『甘いんだよ…お前!』【FULLCHARGE!】

『あ〜あ、とうとうお前も仲間入りか、食い続けてやる。んっ!』牙王を自分の武器のデンガッシャーの先端部分を飛ばし、斜大が投げつけたブーメランを弾きかえした。

 

『お、俺のブーメランが!ま、まだだあ!』斜大は弾きかえされたブーメランを手に取り刃を展開させ、牙王に突っ込んでいった。

 

『それじゃあ勝てやしない。』牙王は腰を下げ、走り向かってきた闘武のブーメランの刃を避けて、戻していたデンガッシャーの先端の剣先で闘武の左足首を刺し抜いた!

 

『あ、足が!足があああ!』斜大はパニックになり、闘武は左足のパーツの一部を外され、左足からは蒸気が噴き出していた。

 

『く、くそっ!このままじゃあ…』闘武は左足の傷を隠すため、一旦距離を置いた。すると、側にいた大神が話しかけた。

 

『し、斜大!斜大!聞こえるか、こっちだ!こっちだ!』大神は闘武の肩を借り、立ち上がった。ハアハア息遣い荒くして疲れきっていた。

 

『あ、あんたは…と、父ちゃん…俺の父ちゃん!』斜大は涙を流し、闘武のハッチを開けて父親の姿をよく見た。

 

父ちゃん

会いたかった

会いたかった

側にいたかった

キャッチボールしたかった

おんぶしてほしかった

だっこしてほしかった

叱ってほしかった

怒ってほしかった

ただ、息子と父親が会っているだけなのに

こんなにも涙が出るなんて…

 

『ああ…会うのはお前が産まれた時ぶりだ。こんな場面で言うべきではないんだが、ありがとう…産まれてきてくれて…俺の息子として産まれてきてくれてありがとう。』

 

『父ちゃん…でも…俺は父ちゃんの仲間をたくさん殺した……こんな俺…恥ずかしいだろう…』斜大はハッチから頭を下げていた。その様子を見た大神は拳を握りしめ、くちびるを噛み締めて、床を殴りつけた。

 

『馬鹿なことを言うな!あれは俺の責任だ!斜大のせいじゃない!俺の行動のせいだ!斜大は何も悪くない!由里君が死んだのも!花組の皆が死んだのも!俺のせいなんだ!俺は花組みんなから愛されていた。でも、そのみんなの気持ちを裏切り、メル君を選びその後メル君の気持ちを裏切り、シー君を選んだ。その責任をとる覚悟はあった。だが…俺がこんな状況になってしまったとはいえ、自分の息子にその責任を負わせてしまった。すまない!俺こそ父親なんて呼ばれる筋合いはない!』

 

『だからといって、メルはなんだよ!自分を捨てた父ちゃんの息子の俺を最初は育てるとかいったくせして結局捨てやがった!そして挙句には俺を殺そうとしたんだ!』

 

『それは違うぞ、斜大!』杉野はなんとか立ち上がり、斜大の闘武に近づいた。

 

『す、杉野兄ちゃん!大丈夫なのか!』

 

『大丈夫ではないがな…いいかよく聞け、メルさんはな、ずっと戦っていたんだよ。お前がが産まれた日からこの八年間、大神さんやシーさんをまもるためにクリエ家に嫁いだんだよ!』杉野が闘武に向かって叫んだ!

 

『ど、どういう意味だよ!杉野兄ちゃん!』斜大は杉野に尋ねた。

 

『お前が産まれた日、大神さんとシーさんは帝都にいた。そして、帝国華撃団が負けた後に牙王襲われたシーさんはお前を産み、青い球体に閉じ込められる瞬間にメルさんに預けてもらった。実はな、この時不思議なことがあったんだよ。』

 

『謎?』

 

『メルさんはその日ノルウェーにいた。そして牙王に襲われ、帝都に連れてこられた。メルさんがノルウェーにいたのは、結婚しないかといわれていたんだ。有名な貴族クリエ家とな。だが、メルさんは断り続けていたが、帝都にある青い球体を排除しようと日本政府がなんとかしようとした。だが、この中にいる大神さん達を救うためにクリエ家に嫁ぎ、クリエ家の財力を使い、青い球体を運び、今までこの大帝国劇場に隠していたんだ。』

 

『じゃあ!なんで、俺を…』

 

『多分、クリエ家に嫁ぐと、お前に迷惑がかかると思っていたんだろう。そしてお前を殺そうとしたのは鷹岡が心の奥底にある欲望を刺激したからだろうよ。』

 

『そ、そうだったのか…なら、俺は牙王に勝ち、一緒にいよう!』

 

『でも、あいつは…牙王は倒せない、倒したとしても俺やシー、杉野君は斜大とは一緒にいられない。』

 

『な、なんでだよ!』

 

『この場所では、斜大の妹が産まれないように時間が進まない。つまり、死なないし、産まれない。そして、牙王により俺とシーと杉野君は何回も殺された。だが、時間が進まないから死なない。もし、牙王を倒したらこの空間は消えるが、時間は進み、俺とシーと杉野君は死ぬが、斜大の妹が…俺の娘が産まれる!だから、頼む…俺と杉野君と協力して、牙王を倒そう!』大神の発言を聞いて、闘武のハッチから出て、大神に強く抱きついた。

 

『いやだ!折角会えたのに…折角会えたのに!寂しかったんだよ!ずっとずっとずっとずっとずっと会いたかったんだよ!憧れていたんだよ!家族に!今まで今まで母ちゃんが由里母ちゃんがいたんだよ!いてくれたのは嬉しかった!でも、みんなには父ちゃんがいた…大好きな野球をしていた時にもキャッチボールしてくれたり、審判をしてくれたり、監督をしていたりして羨ましかった。由里母ちゃんによくわがまま言ったんだよ…だからいくら父ちゃんの頼みでもこれだけは聞けない…もし、父ちゃんや母ちゃん、杉野兄ちゃんを殺して、妹だけを助けだしたとしても…寂しいんだよ…辛いんだよ。俺や妹には…父ちゃんや母ちゃんが必要なんだよ!俺の大事な兄ちゃんとして杉野兄ちゃんが必要なんだよ!理由はどうあれ必要なんだよ!頼むよ…頼むよう…パパ…』

 

『…』大神は動かなかった。




ー告知ー
キッド『どーも、みなさん、J9の一人!キッドだ。明後日からついに始まる新章!コラボ編始まり〜まーす!』
お町『暴走する仮面ライダーマッハ!』
ボウィー『散り散りになる花組!』
アイザック『迫り来る圧力!』
キッド『絶対見逃すなよー、それじゃあ、おたのしみに。それじゃあお楽しみに、あとある5人集団とあるブレーカーの一人が来るんだぜ!次回は予告もあるぜ!待ってな!』

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