海に散りし命   作:リバーサクラモード本格的だよ

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並行世界シリーズ”望まれぬ戦い編”26過去と明日の戦い

ー昭和七年ー

ーサクラ次元ー由里の世界ー

ー大帝国劇場ー

ー中庭ー

ここでは、闘武に乗った斜大と光武二式に乗った織姫が光武二式に乗ったマリアが戦っていた。

 

『終わらせてやるわ…全ての力をこの技にかける…スネグーラチカ!』マリアは斜大達に向けて女神の氷像を模した弾丸を放った!

 

『させるか!ブーメラン!霊力注入!はあっ!』斜大はブーメランに霊力を込め、マリアの向かってきた弾丸に対して投げつけた!どんどんと距離が狭まり弾丸とブーメラン互いがぶつかり合った!

 

『負けんな!俺のブーメラン!』斜大が叫び、更に斜大は霊力をブーメランに送り込み、ぶつかり合っていたブーメランはマリアの氷の弾丸をガリガリと削っていった。

 

『な、なんで!何で私がこんな子供に……こんな子供に…!幾つもの修羅場を潜り抜けた私に!』マリアは怒り口調で荒く叫びながら斜大と同じく霊力を弾丸に送り込んでいたが、氷は削られ続けていた。

 

『マリアさーん…あなたじゃ…あなた達じゃ…私達に勝つことは出来ませーん!』織姫はマリアに通信をした。

 

『勝つことが出来ない…織姫…あなたに!あなたに!あなたに!あなたに何がわかるの!』

 

『わ、わかりまーす…斜大は明日のために友のために未来のために…そして私のために戦ってくれていまーす。ところがマリアさーんやあなた達は…過去の…過去の呪いに…中尉さーんへの叶わなかった愛の呪いに…取り憑かれた亡霊なんでーす…だから…亡霊は…亡霊らしく消えるべきでーす。』

 

『織姫…あなたなんかに…』

 

『マ、マリアさーん…』

 

『私はね、あなたみたいに家族に恵まれていないのよ!あなたは父親と離れていきていたとはいえ生きていたじゃない!でもね!私には父親や母親がもういないの!そして…好きだった…ユーリーも死んだ…だから、あの人に…隊長に愛して欲しかったのよ…家族になりたかった…あの人の妻に…なりたかった…でも、でも…あの人は…私の気持ちを……』

 

『私だって!私だって!中尉さーんの妻になりたかった!でも、負けたんでーす!潔く負けを認めまーしょう!』

 

『マリアさん!俺はあんたらに負けない!絶対にママを守る!あんたらに嫌われようがなんだろうが、俺は生きてやるさ!友達にまた会いたいから!ママと暮らしたいから!負けやしない!はあああっ!』斜大は更にブーメランに霊力を送り込んだ!ブーメランのパワーはまし!ついに!マリアの氷の弾丸を完全に削りおとした。

 

『……私の技を……ふっ…はあーっはっはっ!もう…勝てないわ…あなた達にも寂しさにも…』マリアは涙を流し、操縦席にあった銃を取り出し、眉間に銃口を向けた。

 

『マリアさーん…まさか!だめでーす!マリアさーん!』織姫は光武二式から出て、マリアの元に向かった!

 

『織姫…私は家族の所に行くわ。』だが、織姫の声はマリアには届かなかった。

 

パン!

一発の弾丸がある女性の一生を終えさせた。


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