ー昭和七年ー
ーサクラ次元ー由里の世界ー
ー街ー
そこでは、傷ついた由里を庇う杉野と斜大が、さくらを睨みつけていた。
『母ちゃんを……よくも!許さねぇっ!』
『やめて……斜大……さくら…どうしてこんな…事を…』
『…黙りなさい…その子を殺すわ!』さくらは剣を構えて向かってきた!
『し、仕方ない!えいっ!』杉野は側にあった石をさくらの手に当て、さくらの霊剣荒鷹を奪った。
『返しなさい!』さくらは霊力を解放し、杉野を吹き飛ばした。
『相手の戦力を奪った!次はえーと、そうだ!』杉野は剣を遠くに投げとばし、飛び上がり、さくらの背後をとった。
『甘いわ!』さくらは背後にきた杉野に気づき、エルボーを食らわせた。
『ぐわっ!はっ……捕まえました。』なんと杉野はあえてさくらのエルボーを食らい、さくらの隙をついて右肘を掴み動きを止めたのだ。
『何のつもり、あなたは一体誰なの?私はあなたなんかにようはないわ!荒鷹!』さくらは荒鷹を近くに呼び、剣をとった。
『な、そんな武器ありかよ!』杉野はさくらの右肘を離し、距離をとった。
『お前は見逃してやる、失せなさい!覚悟しなさい!斜大!あなたを殺す!あなたは生まれてきてはいけなかったのよ!』さくらは霊力のバリアを張り、杉野を入れないようにした。
『な…何で、何で!』斜大は泣いた!自分の存在意義を否定され!泣いた!
『おい、さくらさん!ふざけんなよ!あんたこの子は何もやってないだろう!なのに、生まれてきてはいけなかっただって、かわいそうじゃないか!』杉野は何とかバリアを破ろうとバリアを殴るが一向にバリアは破れなかった。
『生まれてきた事自体がだめなのよ…ねぇ、由里さん、あなたもそうは思わない?』さくらは由里に剣を構える。
『…母ちゃん……ひっ…おれは…』斜大は自分の存在意義を否定され、由里に泣きついた。
『安心しなさい…あなたは生まれてくるべきだった…生まれてくる事がだめなわけが…ない。』由里は斜大の頭を撫でた。
『黙りなさい!そんな綺麗事!聞きたくないわ!そうだ…斜大、あなた2歳の時の事を覚えているかしら…』
『え、お、覚えてない!』斜大はさくらの質問に対して首を振る。
『そうか…知らないのね、由里さん!あなた、霊力でこの子の記憶を封印しているようね…なら、私の力で封印を解いてあげるわ…』さくらは斜大に近づいた。
『…やめなさい!そんなことをしたら!』
『はあっ!閉ざされし記憶の封印よ、解き放たれよ!破邪剣征…霊憶解放』さくらは斜大の頭を掴んだ。
『うわああああっ!』(記憶…2歳の記憶……) 斜大は苦しみながら頭に何かイメージが浮かんできた。
『斜だーーい!』杉野は強く叫んだ!
ー??の世界ー
ー街ー
『陸軍内部の不正の証拠……こんなもんかな……』剛はバイクにまたがり走り去った。