海に散りし命   作:リバーサクラモード本格的だよ

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今回は本編より、後の作品の前日談のほうが多めです。どうぞ、


並行世界シリーズ”望まれぬ戦い編”2霊子水晶

ー昭和七年ー

ーサクラ次元ー由里の世界ー

ー由里家ー

ー寝室ー

ここでは、斜大が杉野にこの世界の歴史を教えてくれていた。

 

『俺が生まれる数年前…この東京にはー化け物がいたんだよー。』

 

『化け物?それってオーク巨樹の事か?』

 

『違うよ、兄ちゃん。オーク巨樹は巴里に現れただけでこの東京には現れてないんだよ。この東京には降魔って呼ばれる化け物とかが現れてなーーそれに対抗するために作られたのが、帝国華撃団でな、母ちゃんがその部隊のサポートとして、頑張ってたらしいんだよ。』

 

『へーーそうだったのか。』(俺や皆が来た世界とやはり違う……由里さんはいなかった……別世界か……)

 

『太正十六年に、現れた謎の茶色の敵の事件が終わり、東京は守られたんだー。』

 

『謎の茶色の敵?なんだそいつは?』

 

『なんでも、人間サイズの体で茶色の姿をしていて、不思議な剣を使って、帝都をめちゃくちゃにしたようなんだ。だけど、その時、帝国華撃団の光武二式っていう霊子甲冑の一体のうち、白いのが敵と取っ組み合いになって、どこかへ消えちまってさ、それから街は平和になったんだ。』

 

『し、白い⁉︎』(白い霊子甲冑って……大神さんのか?あの人、この世界でも死んでんのか。)

 

『あとさー俺はこの白い霊子甲冑が消えた日に生まれたらしいんだー。』

 

『そ、そうなんだ。』(あれ…でも…この顔…どこかで見たような…)

 

『じゃあ、兄ちゃん、そろそろ寝ようぜ、明日はピッチャーの特訓つけてくれよな!』

 

『わかった。』二人は眠った。

 

ー由里の部屋ー

ここは由里の部屋で、一人斜大が持ってきていた霊子水晶をキネマトロンを使って調べていた。

 

『うーーん…全然だめね、霊子水晶は光武二式、光武F2改、スター、問題なくあるわ。となると、新たな霊子水晶を誰かが作ったか…最悪、あの人のかも…大神さん…あなた、今、どこにいるんですか?』由里はキネマトロンの片付け、布団に入り、睡眠をとった。

 

(斜大……私は…)

 

ーバスコが来た世界ー

ー殺戮革命連合基地ー

『よおーハムエッグさん!準備は万端かい?』

 

『あったりまえだぜ!こんなに金が儲けられる機会はそうそうねぇ!』

 

(ふふ…計画は順調だな…まあ、勝っても負けても、俺達殺戮革命連合の目的は達成されるのだからな。)バスコは不気味に笑う。

 

ー??世界ー

ー集落ー

『な、なんだよ…』剛はある異世界の集落にて飢饉に倒れた大量の人間がいた。道のいたる所に人々の体は痩せこけて、体が冷たくなっているものすらいた。

 

『華撃団問題………被害者は貧乏人…帝都…巴里…防衛のための…犠牲……仕方ないのか…仕方ないのか!』剛は怒りを現していた。

 

(こんなにも人が死んでいるのか!貧乏人は死ぬ定めなのか!”何かを得るには何かを捨てなきゃ”バスコの言葉通りじゃないか!帝都や巴里を守る理由なんて…所詮、華撃団がいる理由なんて!お偉い様が自分の身を守るため、そして、華撃団を帝都や巴里を脅かす魔と戦わせ、霊子甲冑の技術を進歩させ、武力を高め、戦争をして、領土を手に入れ、この世界を支配し、日本を強くするため!畜生!畜生!)剛は涙を出し、嘆いていた。敵を倒すために死んでいる人がいる事を、何故人を救う華撃団が人を殺しているのかを!

 

『だ…だれ…か…た…助けて…』一人、女の子の声が聞こえきた、剛はすぐさま抱き抱え、体を揺さぶった。

 

『わかった!すぐに治してやる………マッドドクター!』剛はマッドドクターを出し、女の子を見せた。マッドドクターとは医療用のシフトカーで、たちまちにどんな病気も治せる優れたシフトカーなのだ。

 

『はあ…はあ…はあっ…』女の子は、なんとか一命は取り留めたが、苦しそうにしていた。

 

『なんだよこれは!なんなんだよこれは一体何があった!』

 

『お兄ちゃん…私達は……平和に暮らしていたの…でも………華撃団の運営資金を払うのが…限界に…なって……そうしたら……陸軍の人が…変な……ウイルスを撒いて……皆が……』

 

『この世界の華撃団…のせいか……』

 

『ゲホッ!ゲホッ!』女の子が咳こみ、血反吐を吐いた。

 

『ちっ…大丈夫だ!絶対大丈夫だからな!絶対に救ってやるからな!』(どうすれば……どうすれば………)剛が頭を抱え嘆いていた!瞬間!

 

フォーン!突如、次元の穴が開き、ゼロライナーが現れた!ゼロライナーとは仮面ライダーゼロノスが乗る、時間移動を楽に行う電車であった。

 

『剛!これを使え!』ゼロライナーから櫻井侑斗は剛に向けて、USBを投げた。

 

『ゆ、侑斗!なんだよこれは?』

 

『そこにいる人々を救うにはそのUSBをお前が持っている鵜の赤いバイラルコアに差し込め!そうすれば時間はかかるが助かる!そして、お前は帝国劇場に行け、ここはこいつに任せときな!』侑斗の背後から女性が現れ、ゼロライナーから飛び降りた。

 

『はっ!久しぶりね、剛。』女性は綺麗に着地した。彼女の名は酒井玲子かつて集団意識不明事件をロイミュード051と融合をし、引き起こした犯人であったが、剛と心を通わせ、今は構成したようだ。

 

『玲子!どうしてここに。』

 

『あなたの力になりたくて、ここは私に任せて、なんとかしてみせる。』

 

『わかった!大丈夫だからな!ひとまずはここで待っててくれ、そんな女の人の言う事聞いててくれ。』

 

『わかった。あと、私の名前は崋 はな子、いい子にして待っているから。』

 

『わかった!行くか!』剛はバイクに乗り帝国劇場に向かった。

 

(本当はやりたかねぇけど……仕方ないか…).


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