レミリアに威厳(カリスマ)はありません!   作:和心どん兵衛

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番外編でショートな構成になっております、おまけ程度で読んで頂けたら幸いです。


おまけ
ex1・憂鬱フラン


 

 

 私、フランドール・スカーレットは生れて初めて悩み事で頭を抱えていた。……別に能力とかいったそういった類での悩みではない、という事だけは前もって言わせてもらうわ。

 

 話せば長くなる……というより、私自身この悩みをどう説明したらいいのか分からない。でも、言うね。決めてた事だし。

 

 気付いたら姉の胸が大きなっていた。

 

 

 

「私も何を言っているのかさっぱり分からないわ。ただ、ありのままに起こった事を話すとこうなったわ」

 

「へぇ……世の中には不思議なこともあるもんだね。胸の成長ってのは一夜にして起こりうるのか?」

 

「いやいや、そんな事はない。私だってかれこれ地下室で400年以上過ごしていたけど、胸が一夜にしてちっぱいのからおっきくなるなんて事はなかったよ? むしろ、ミリ単位で成長していないという事実」

 

「おっと、これには驚きを隠せないな」

 

 

 

 本当に驚きを隠せないでいたのであろう。魔理沙は口元にまで運びかけていた紅茶の入ったコップを落としかける。

 

 

 

「乙女にとってこの件は革命的である事に間違いないと、私はお姉様のアレを見て思ったわ」

 

「確かに、アタシも他人事には思えないな。アタシがフランの立場だったら発狂せずにはいられなかっただろうな」

 

「まぁ、私はとっくに狂ってるって言われているけれどね」

 

「いや、そんなことはないぞ? 少なくともアタシにはフランがまともに見えているからな」

 

「400年以上の地下室暮らしで発狂しない人はいないと思うけど?」

 

「しれっと言うなよ。あながち間違いじゃないけどさ」

 

 

 

 複雑な表情になる魔理沙。残りの紅茶を全て飲み干すと、腕を組み唸るのであった。

 

 わずかに訪れる静寂の間、魔理沙が色々な事に頭を悩ませ唸る声が響く。

 

 泥沼にハマったかのように、悩めば悩むほど底の見えない底へ沈んでいく。これだと正直埒があかない。てか、考えるだけ無駄な気がしてきた。足下にはこの事実を限界まで悩ませ、考え抜いた屍(まだ息はしている)が転がっているし。

 

 

 

「まぁ、そこまで悩んでても仕方ないよね。もう受け入れる事がベストかも」

 

「フラン、お前それで良いのか? 一応、お前の姉だぞ?」

 

「いいの。本音は羨ましくて妬ましいのもあるけど、何ていうか……まぁ、下に転がってるヤツみたいに悩むほどでもないかなって」

 

 

 

 息絶え絶えとなっている屍もどきを軽く蹴る。ぐぇっ!? と、悲鳴が上がる。辛うじてまだ生命線を保てている事をここで再確認。ちなみに、鳩尾に軽く入った程度の衝撃でこの様である。重く入れば確実に冥土まで意識が飛ぶでしょうね、メイドだけに……。

 

 

 

「あぁ、咲夜か」

 

 

 

 踏まないように咲夜という名の屍を超えて、私の淹れ足した紅茶を取る。そしてまた踏まないよう注意しつつ、元の席へと戻った。

 

 

 

「コイツはまぁ、なんか知らないけど重症みたいだな。パチェに診てもらったか?」

 

「竹林のお医者さんの方にも念の為診てもらったけど、どちらもお手上げ状態みたいだったよ。『ここまで浸透しきった忠誠心は芸術品』とかなんとか言って、逆に賞賛していたくらい」

 

「あー……まぁ、うん、そうなるよねぇ」

 

 

 

 それ以降、特に会話が続く事もなく静けさ漂う中で二人紅茶を飲み干した。

 

 先に飲み干した魔理沙は席を立つと、

 

 

 

「おっし! そんじゃ、気分転換といきますっか!」

 

 

 

 拳を鳴らし、鼻息荒くそう言った。

 

 

 

「んな事で悩んだってしょうがない。こんな時はアレに限る!」

 

「なんか、今日はいつも以上に熱くない?」

 

「アタシは年がら年中真夏日な奴ってくらい、お前も知ってんだろ? これくらいいつもの事だって!」

 

「……だよね、そう言うと思った。それじゃ、恒例のアレからやっちゃおう!」

 

 

 

 魔理沙の言う通り悩んでても仕方がない。こんな事で頭を悩ませてしまっては埒があかないもの。ってな訳で、私は魔理沙と2人で良くやるアレをする事にした。

 

 

 

「……所で、ゴムは要るか?」

 

「まぁ、それが無いと話にならないからね」

 

「じゃあ、切れた場合はどうする? 弾幕?」

 

「それやっちゃうと本格的にヤバイ方に向かってくから、やめよう。色々と収集がつかなくなるから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近ハマった射的である。


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