ワンパンマン ー My only partner ー 〜更新一時停止〜   作:シドー@カス虫

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文字数は2500文字がデフォルトっぽいね

長いと思ったのは気のせいだった




05 蚊の女王とサイボーグとの邂逅

「蚊の異常発生か〜、Z市もいるみたいだし気を付けないとね」

 

「だな」

 

サイタマとチバはゴロゴロしながらテレビを見てた。チバは執筆と睡眠以外は基本隣のサイタマの部屋に来てる。

どうやら新種の蚊の大量繁殖が世間で問題になってるらしい。Z市の家畜もミイラ化してしまったようだ。

 

「サイタマ、蚊取り線香ある?」

 

「ない」

 

「ウヘェ、じゃあ買ってくるよ」

 

「サンキュな」

 

 

 

 

* * *

 

「ありゃりゃ、みんなシェルターに入っちゃったのか」

 

A〜Z市の住民はヒーロー協会の呼びかけで近場のシェルターに逃げることがある。

シェルターに逃げるということはそれだけ外が危険ということ。今回の蚊の大量発生もそれだけ深刻というわけだ。

 

「どうしよう、店みんな閉まっちゃってるしな〜……ん?」

 

ーー遠くから爆発音。誰かが戦闘をしている。

 

「……せっかく外に出たしヒーローに取材でもするか」

 

チバは常に携帯してるメモ帳を取り出し、爆発音がした場所に向かった。

 

 

 

 

 

 

* * *

 

3分ほど前

後に爆発音が聞こえる場所には、一体の女型の怪人ーーモスキート娘がいた。

 

「ぷはぁ~なによアンタ達。こんだけじゃ全然足んないわよ。もっと吸ってらっしゃい」

 

 

 

 

 

 

「――なるほど。蚊の大群に血を吸わせてそれをお前が独り占めしていたのか」

 

そこに1人の青年が加わった。

 

「あはっ♪ 食事が来たわ。吸いつくしてあげなさい!」

 

「焼却」

 

蚊の大群が青年の体を埋め尽くすが彼の体はサイボーグ、吸う血がない以上蚊は何もできず『焼却』によって灰燼に帰す。

 

 

「お前を排除する。――そのまま動くな」

 

「――ッ! やってみなさい‼︎」

 

 

青年の放つ火球を全て回避しながら接近するモスキート娘。

やがてモスキート娘はすれ違いざま機械仕掛けの左腕をもいだ。

 

 

「ふふ、次は足かしら?」

 

口端を吊り上げたモスキート娘だったがすぐに自身の体の違和感に気付く。

 

 

「――あ、あれ? 私の足……」

 

青年もまた、すれ違いざまモスキート娘の両脚を引きちぎっていたのだ。

 

 

「逃がすか」

 

 

距離を取るモスキート娘に火球を放つ青年。だが大量の蚊によって防がれる。

 

やがて何千何万、億はいるであろう蚊はモスキート娘を中心に集まった。

 

 

「奴にとって血は単なる食糧ではないのか。これは早急に方をつけるべきか」

 

 

青年が再び火球を放とうとしたが、それは1人の闖入者によって妨げられる。

チバだ。

 

「うおぉおおおおおおおおお‼︎サイボーグだ‼︎」

 

「っ!何だお前は?」

 

「俺?俺はチバ。君は?」

 

「俺の名はジェノスだ。いや違う!お前は逃げろ。巻き込まれたいのか?」

 

「へっ?あの黒い雲ってまさか……蚊?」

 

「そうだ」

 

「ヤ、ヤバイじゃん!逃げないと!あっ、これ俺の住所書いた紙だから今度取材させてね」

 

「あ、あぁ…」

 

 

だが、チバが逃げる間もなく億の蚊は道路を埋め尽くす。

 

『焼却』

 

青年ーージェノスは街ごと蚊を焼却した。

 

 

「言葉を話すから人間程度の知能は持っていると思ったが……所詮は虫か。わざわざ焼却しやすく蚊をまとめて俺に向けるとは」

 

周囲の建物は延焼してる。街の住民は皆シェルターに避難してるが。

 

「お前を発見時に周囲500メートル内に生体反応がないことは確認済みだった。ここなら遠慮なく吹っ飛ばすことが……しまった!一人巻き添えに…」

 

「ああ⁈俺のメモ帳が灰に⁈」

 

チバの服やメモ帳は灰になったが、キズ一つ負ってない。

 

 

 

 

 「ほほほほほほほほっ。その子たちは必要なくなったのよ、バカねぇ」

 

空には先程のモスキート娘が。いや、姿が少し違う。引きちぎられた脚は再生し、全身がまさに血の色をしている。

 

「こーんなにぃ 強くなったんだもの‼︎」

 

腕を薙ぐと、その先の建物が粉砕した。

 

 

モスキート娘はジェノスの背後に一瞬で回り込み、脇腹を切り裂く。

ジェノスは拳を叩き込もうとしたが宙に吹き飛ばされる。

 

「そんなパンチじゃ蚊も殺せないわよ」

 

モスキート娘の圧倒的な力の前にジェノスはなす術もなく蹂躙される。

 

「(ーーそうか。血液を吸収するほど、身体機能が進化する仕組みだったのか……)」

 

「次はぁ 頭獲ったげる‼︎」

 

「(ーー完全に油断した。もう、勝機はない……)」

 

ジェノスの胸部にあるコアが発光する。

 

「(こうなったら 自爆するしか……)」

 

 

 

 

「すまない 博士……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死にさらせぇええええええ‼︎」

 

結果から言うと ジェノスは自爆しなかった。

モスキート娘がトドメを刺す前に、地面に叩きつけられたからだ。

 

「ガバァッ⁈……な、なんなのよあんたは‼︎」

 

「うるさいんだよババァ‼︎よくも!よくも俺の大切なメモ帳を!!!!」

 

殴り飛ばしたのはチバだ。メモ帳が灰になった腹いせに全裸で挑むつもりだ。

 

「ハァ⁈このあたり燃やしたのはあのサイボー『ガスンッ‼︎』

 

「だからうるさい‼︎お前が!『ドゴンッ‼︎』いなきゃ!『バキッ‼︎』彼が燃やす必要も!『ズガンッ‼︎』なかったじゃないか‼︎『ボガァンッ‼︎』」

 

 

殴る 殴る ただただ殴る。

強化したモスキート娘を圧倒する。その余波によってあたりの建物も崩壊していく。

人はいなく相手は怪人。圧倒的な暴力による解決を取り締まる人もいなければ法もない。

 

だが、それでも怪人に同情してしまうほど一方的にねじ伏せられていた。

 

 

「(し、信じられない!あそこまで圧倒的な力があの男にあったなんて‼︎)」

 

ジェノスもこの光景を信じられない風だ。

 

 

「ぐっ!このままじゃ殺される‼︎」

 

モスキート娘は満身創痍でありながら何とかチバの暴虐から逃れた。

 

「あっ!こら待て逃げるなぁああああああ‼︎」

 

 

 

「(このままじゃ追いつかれる‼︎せめて人間1匹分の血さえ吸えれば‼︎)」

 

 

「うわー、マジでここら辺燃えてるじゃん。チバじゃん奴どこだろ?」

 

逃げるモスキート娘の前方にハゲ頭の男ーーサイタマが通りかかった。

 

「血を 寄越しなさい‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「蚊 うぜぇ」

 

一撃だった。

サイタマの右平手によってモスキート娘は、跡形も無く消し飛んだ。

完全に肉片も残らず、建物がモスキート娘の血で染まった。

その一撃は、チバの叩き込んだ拳数十発分を超えていた。

 

 

 

「おっチバじゃんやっと見つけた。サイフ忘れて……なんで裸? しかもロボ持って」

 

「俺のメモ帳の仇がぁあああああ‼︎」

 

「メモ帳?朝俺の部屋でパソコンにまとめてなかったか?」

 

「………あ〜忘れてたよ〜。なんだ全然大丈夫だったじゃん怒って損した〜」

 

「ん?まぁいいか。チバ全裸だし俺が線香買いに行くよ」

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待った!是非、名前を教えてほしい!」

 

「サイタマだけど」

 

「あなた方の弟子にしていただきたい‼︎」

 

「あ、うん…………えっ?」

 

 

 





チバのアウトローっぷりが……

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