ワンパンマン ー My only partner ー 〜更新一時停止〜   作:シドー@カス虫

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グロリバースの技名のセンスは割と好き


23 VS グロリバース

「でっか!宇宙人か⁉︎」

 

「☆ウォーズに出そうな船だね」

 

 

A市崩壊

 

町を覆うほど巨大な宇宙船が、一瞬にして町を瓦礫へと変えた。残っているのはメタルナイトが建設した、波のシェルターより固い協会本部だけだ。

住民の生存は絶望的、宇宙船を野放しにしたら、この惨劇は更に広がるだろう。

 

 

「行くか、インベイダーを倒しに」

 

「……ヤバい、高くて届かなそう」

 

「えっ、じゃあどうすんの?」

 

 

「………投げて」

 

 

2人は、宇宙船を堕としに向かった。

 

 

 

 

 

 

* * *

 

「というわけで、船にいんで中から破壊してみます」

 

『む、無茶だ‼︎どうやって侵入したかは分からんがB級の君じゃ犬死にするだ……』

 

 

プーッ プーッ プーッ

 

 

無事?に人間ダーツから生還した俺ことチバは、サイタマと二手に分かれて宇宙船を回ってる。

そこそこの頻度で宇宙人が襲ってきたが、下っ端らしく俺でも余裕だ。まぁ、サイタマなら棟梁もワンパンだと思うけど……。

 

それでも、俺にだってできることはあるはずだ。操縦室とか動力源壊したり。それなら分かれた方が少しは早く決着はつくと思う。

地上の竜クラスのバケモノはS級4人が相手してる、俺は俺の役目を全うしよう。

 

 

 

…雑魚捕まえて吐かせればよかった。

 

 

A市を覆うほど馬鹿でかい船を回ること10分弱、高台から高笑いが聞こえる。

見上げると、体長8mほどの顔と両手が強靭そうな口の怪人がいた。

 

 

「ふははははは!よくぞここまで来たな侵入者!だがここまでだ!最上位戦闘員であるこのグロリバースが相手をしてやる‼︎」

 

 

最上位戦闘員……ということは、災害レベルで言えば竜はあるはずだ。地上のは最上位かは知らんけど、棟梁ではないはず。

 

 

「最上位か。なら、動力源の場所は知ってるね。

じゃあ、やろうか」

 

 

数ヶ月前、災害レベル竜の阿修羅カブトに負けた。

あれから俺はさらに研鑽を重ねた。強い怪人とも戦った。

 

深海王のときと違って、周りを気にする必要もない。

 

 

 

 

こいつを倒せば 俺は一歩サイタマに近づける。

 

 

 

 

 

 

 

 

グロリバースは上から緑色の液体を吐き出す。

『アシッドブレス』と叫びながらぶっかけてきたゲロを咄嗟に避けると、さっきまでいた床が見事に溶けた。

アシッドってなだけあって触れてたら間違いなく致命傷になっていた。

 

 

「遅えんだよ‼︎『ダブルバイト』‼︎』

 

いつの間に目の前に迫ったグロリバースは、両手の顎で左右から俺を噛みちぎろうとする。片手だけで上半身ぐらいなら一口のサイズだ。

 

俺は歯茎のあたりを受け止めて噛まれずに対処する。

 

パワーは桁違いだけど、似たような見た目の怪人とは何度か戦ったこともある。経験が俺を後方に下がらせる。

 

直後目の前の地面が消えて無くなった。グロリバースの顔顎が飲み込んだのだ。経験がなかったら俺は間違いなく胃袋に直行していたな。

 

 

「ふははは、それでこそ戦い甲斐がある‼︎『煉獄トゲ絞め』‼︎」

 

いちいち技名を言わないと死ぬ病気なのか?割と対処法考えやすいから好都合だけど。

トゲの生えた尻尾で俺を穴だらけにしようとするので、跳躍し回避かつグロリバースの眼前に接近する。目はないけど。

 

大きな頭をブン殴ると、僅かに凹む程度で致命傷には程遠い。阿修羅カブトの時と同じだ、鱗が硬くて攻撃が効かない。

 

「痛えんだよ‼︎『天空くびり裂き』‼︎」

 

空中にいる間に俺をくびり殺すよりヤバく殺そうと両手の顎が迫る。

くびり裂くってことは首を絞めてそのまま裂き殺すはずだけど、サイズ的に無理がする。

僅かに上体を反らし避けるが、空中で無防備なだけあって胸に引っかき傷を付けられる。傷は浅いけど血が流れる。

……あっ 無防備ってことは。

 

 

ふとイヤな想像をすると、案の定上から再び両手が迫る。真上からきてて避けるのは無理そうだ。

咄嗟に両手で防御すると、俺は思い切り床に叩きつけられる。

 

 

 

「ーーっ‼︎ガフッ!オェッ‼︎」

 

思い切り叩きつけられ、血反吐を吐く。

よく見ると背中に瓦礫が刺さってて、血が流れてる。致命傷ではないけど、人間だから普通に痛い。

てかたった一撃で身体中が痛い。流石は竜クラス、クリーンヒットはだいぶ効く。

 

 

「ふはははは‼︎さっきのは多少効いたが、これでは20種の技を見せる前に決着がつきそうだな!」

 

 

技、か。

パワーはかなりあって、鱗は硬くてブチ破る前に明らかに俺は保たない。

 

まさに逆境。

 

 

 

だからこそ 乗り越えられれば 強くなれる‼︎

 

 

 

「ーー20種なんて必要ねぇよ。

 

全部見せられる前にテメェを潰すからなぁ‼︎」

 

 

「言ってくれるじゃぁねぇか‼︎テメェのようなチビの原住民が大きく出るんじゃあねえよ‼︎」

 

 

俺の挑発に乗り声を荒げるグロリバース。

……狙うならあの一点。一発で決められなかったら、間違いなく勝機がなくなる。

だから、

 

だからこそもっと挑発する!

 

 

「あんたのチンケな技じゃ俺は倒せないんだよ!欠片も残さねぇ気概を見せてみろよ‼︎

 

 

ーー俺を 欠片も残さず消しにこいってんだよ‼︎」

 

 

 

 

「だったら 望み通り消えてなくなれぇえええええ‼︎」

 

 

グロリバースは大口を開く。

アシッドブレスで俺を欠片も残さず消すつもりだ。

 

弱者が強者を倒すには、最高の一撃を敵の弱点に決めるしかない。

 

 

 

俺は叩きつけられたときにできた大きい瓦礫を、グロリバースの口の中に全力で放り込む。

 

瓦礫を押し込まれたグロリバースは、大口を開いたまま僅かに怯む。

 

「フゴッ!ゴジャグガ(小癪な)‼︎」

 

俺は僅かに生まれた隙にグロリバースの口の中に侵入する。

 

奴は頭をぶん殴ったとき、『多少は効いた』と言っていた。てことは、グロリバースだって頭を吹き飛ばせば死なない事はない。

どんな生物だって目や口の中は絶対に脆い。

 

少し遅れたらアシッドブレスの餌食だ。

 

それでも 勝つにはこれしかない

 

 

 

狙うは頭の中心、内部からコイツの頭をぶち壊す‼︎

 

 

 

「やめろ!

 

やめろ‼︎

 

 

やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

絶対的な急所に放つ全力の拳。

 

グロリバースの鱗は砕かれることなく、頭は体内からグチャグチャに壊される。

 

 

 

頭の中を壊され、意識を その命を絶たれたグロリバースは膝をつき、前のめりに倒れる。

 

 

 

 

 

 

 

10分にも満たない殺しあい。

 

 

災害レベル竜を相手に

 

ーー俺は 初めて単独で勝利した

 




予定より早いけどゴッドイーターの二次創作始めました。
気が向いたら読んでみてくださいm(_ _)m


そろそろ一時更新停止になりそう(原作の進み的に)


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