ワンパンマン ー My only partner ー 〜更新一時停止〜   作:シドー@カス虫

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ボロス編終わったらガロウ編進むまで更新一時停止のつもりですが、すぐにボロス編にするのも個人的にもったいないので…

あと今日5月22日 日刊ランキング17位入りました‼︎
やったぜ(((o(*゚▽゚*)o)))


21 凡人に映る世界

ヒーローになりたい

 

 

 

 

ヒーローになりたい

 

 

 

ヒーローに なりたかった

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

「……今日は、野菜が安かったな」

 

食費を切り詰めて生活していた会社員時代

 

ボクはウダツが上がりそうもない将来に怯えて生きていた

 

財布には大した額は入っていない。

溜息をつきながら今日のスーパーのセールの事を考えてると…

 

ふと ヒーロー協会の広告が目に入った

 

 

 

毎日地道に人助け、と言っても老人の荷物を運ぶ程度のレベル、それを積み重ねてたら運よくB級に昇格できた。

 

 

ヒーロー協会の中にも派閥がある。

B級を主に仕切るのがフブキ組であり、人数だけで云えば業界最大の組織である。

 

B級に昇格後、ほどなくして僕はフブキ組に加入した。

 

 

いや……… 正確には拾われたというべきか…

 

 

そこでは数十人ものメンバーで、一匹の怪人と戦うのが基本的なスタイルだ。

数の暴力で、僕1人ではどうにもならない相手と戦っているのだ。

 

地道な努力も、数の前には到底及ばなかった。

 

 

 

 

 

「バネロを捕まえた手柄は20人で山分けでいいのか?」

 

「…ちょっと待ってくれ。この新入り全然動き悪いし陽動にもならない。

コイツにも分配されるのは納得いかないな」

 

 

「あっ……じゃあ僕の名前は報告しなくてもいいです……」

 

 

山分けでもC級の時より報酬は増えたけど、先輩には逆らえなかったりと人間関係に悩んだりもする。

 

 

これじゃ会社と何も変わらない。

 

 

正直もう遣り甲斐なんて

 

 

 

どうでもよくなっていた……

 

 

 

 

* * *

 

 

災害レベル 『鬼』 扇風鬼

 

 

巨大な扇風機の起こす突風で僕やメンバー達が近づけないでいると、1人の女性が不思議な力で突風を逸らし近づく。

 

フブキ様だ

 

「あなた達 邪魔だからどきなさい」

 

彼女との出会いが僕を変えてしまった。

 

彼女は生まれ持った超能力で怪人を倒すのだ。

 

 

ヒーローの素質は

 

 

才能は

 

 

 

………平等ではなかった

 

 

 

努力なんかじゃ 才能には敵わないと思い知った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭の整理がつかなかった

 

懸命に努力を続けてきたつもりだった僕の自信を数と才能でへし折ったフブキ組が、たった一匹の怪人の手により全滅した

 

 

もう僕しか残っていない

 

戦うしか……?

 

 

…………無理だ

 

 

 

 

 

突如、背後の壁が砕け、1人の女性が現れた。

 

S級2位 フブキ様の姉

 

戦慄のタツマキ

 

「……あんた、妹の友達?」

 

「えっ…あっえ〜と手下みたいな……」

 

「情けないわね!弱い上に根性もなし!

ヒーローやめれば⁈」

 

そ………そんなハッキリ………

 

 

 

 

タツマキは、フブキ様以上の超能力で扇風鬼のプロペラを外し、胴体を粉々にした。

 

 

僕より強い

フブキ様より強い

怪人より強い

タツマキは一瞬で決着を付けた後、フブキ様を連れて姿を消した。

 

 

 

『情けないわね!』

 

タツマキの言葉がいまだ心に深く突き刺さっている。

 

 

 

くそっ‼︎

 

あんたらみたいな特殊能力もないのにあんな怪人と戦えるわけないだろ‼︎

 

努力したって超えられない……

 

才能や出自がこうも深く影響する世界か……!

 

 

僕は才能がなかった!

 

それだけなのに‼︎

 

 

理不尽じゃないか…‼︎

 

努力はしたんだ!誰よりも‼︎

 

 

「あの〜…、なんかフブキに呼ばれてきたんだけど」

 

「ケガしてますけど大丈夫?」

 

「だ……大丈夫。

アンタらは新入りか…?もう終わったよ」

 

「え?でもあれ……なんか動いてんぞ」

 

……は?

 

ハゲ頭の新入りが指差す方を見ると、プロペラに繋がるようにバラバラの破片が元の形に集まってきている。

 

まさか……プロペラが本体だったとでも…

 

 

嘘だ

 

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!

 

奴が 復活する!

 

「お?復活すんのか」

 

「来た甲斐があったね」

 

「よせ!逃げるんだ!アンタらみたいな新入りが勝てる相手じゃないんだ‼︎」

 

「いや俺ら強いし大丈夫…」

 

「ダメだ!僕だって自信を裏付けるだけの鍛え方をしたつもりだ‼︎

B級にも昇格した!それでもこのザマだったんだ!

 

凡人の限界があるんだ…!

 

才能ある者と僕らでは根本的に限界値が違うんだ‼︎」

 

「…そんなの 誰が決めたんだ?」

 

 

 

「 ヒーローという憧れに現を抜かして

 

死ぬような無様な真似はするなッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

「憧れに現抜かして、何が悪いの?」

 

青年は扇風鬼の突風を意に介さず突進し、胴体部を蹴り壊した。

 

呼吸もままならない突風が、全く効いていない!

 

「あれ?また復活した」

 

「風が寒い!」

 

プロペラを軸に再び再生した扇風鬼

そいつにハゲ頭の新入りは、パンチを一発放った。

 

扇風鬼は何十mも先の空に吹き飛ばされ、プロペラごと爆散した。

 

何百kgもある怪人を吹き飛ばして、アッサリ倒した!

 

目の前で起きた出来事なのに、まるで信じられない‼︎

 

 

「限界は何をもって誰が決める?

お前は努力したつもりだと言ったな…

 

じゃあ答えは単純に強くなるまで努力してないだけじゃねーの?

 

お前の強さ…本当にそれが限界か?

 

今日のお前に明日以降のお前は一生勝てないのか?

挫折してる暇に進んだ方がいいぜ」

 

「そっそんな事……!

 

お前らっ……努力で……⁉︎」

 

 

遺伝⁉︎突然変異⁉︎それとも薬⁉︎

 

きっと特別な生まれに違いない!

 

そっそうさ!きっと資産家の息子で待遇のいい環境で肉体を弄ったとかで…

 

 

 

「俺は行く

 

 

今日は特売日なんでな」

 

「今日は野菜が安いんだよね」

 

 

 

 

 

 

 

僕と

 

 

 

 

 

……同じ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立てる?」

 

ふと気づくと、ハゲじゃない方の青年が手を差し伸べてくれてた。

 

頭の中で色々駆け巡って、いつの間にハゲ頭の新入りはいなくなっていた。

 

「あ、ああ……ありがとう」

 

彼も信じられないくらい強かった。呼吸もままならない突風も効いてなかった。

 

彼も、努力であそこまで強くなったのだろうか。

 

 

「君は、どうしてあそこまで強くなれたんだ…?」

 

気付いたら僕は、彼につい質問をしていた。

 

彼は少し考える素振りをすると答えてくれた。

 

 

 

 

「…確かあなたは、凡人の限界があるって言ってたよね。

 

絶対に超えられない壁

 

あなたにもあったのかな?

俺には……さっきのハゲの親友がいた。

 

 

あいつとは今も圧倒的な差がある。

 

 

 

 

……俺は そんな現実を受け入れられるほど賢くない

 

……それだけなんだ 」

 

 

 

 

僕にはそれが

 

泣くほど羨ましかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも

だからこそ感じたんだ

 

 

僕でも 強くなれると……

 

 

 

 

* * *

 

 

 

あの日に僕はフブキ組を抜けた。

でも、プロヒーローは今も続けている。

 

 

今日も僕は地道にトレーニングをしている。

 

 

今はまだ何の取り得もないけど、昨日の僕を超え続けて、いつか必ず強くなってみせる。

 

 

ヒーローになりたい

 

 

僕は ヒーローになりたい!

 

 

 

 

あの2人のような

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒーローになるんだ‼︎

 

 

 

 

 




ツイッターでは言いましたが
来週あたりは試験でガチで忙しいので
来週は更新を休みます

本当にスミマセンm(_ _)m

一応受験生なので勉強おろそかにするわけにもいかないので……
私事で本当にスミマセン




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