ワンパンマン ー My only partner ー 〜更新一時停止〜   作:シドー@カス虫

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勉強って大変だね

センター試験同日体験模試をして…
丸つけして…
復習して…

んで終わったんで第2話です


02 3年前 始まりの日

3年前

 

「何かキモい変なのが出たぞ‼︎」

 

「逃げろぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 

街に現れたのはカニだった。だが、ただのカニではない。

下半身はブリーフ一丁の人間、上半身がカニなのだ。

その姿に、恐ろしさよりもキモさだが、通りがかった人々は逃げる。

 

「あれれ〜?キミたちは逃げなくてもいいのかな〜、プクプクプクプク(笑)」

 

だが、カニの怪人の前には逃げ出さない男が二人いた。二人ともリクルートスーツを着ていて「はぁ…」と溜息をつく。この二人が3年前のサイタマとチバだ。

 

「プクプク、会社疲れの新人サラリーマンってところか。カニを食いすぎて突然変態を起こしたこの俺、カニランテ様を前にして逃げないとは…プクプク」

 

二人は未だ無言で話を聞いている。

 

「死にたいんだね、そうだろう」

 

「一つ……違うな」

 

「俺たちはサラリーマンじゃなくて無職、んで今は就活中なんだよ。今日の面接も見事に落ちちゃってね」

 

チバは自嘲気味に笑う。

 

「なんか全部どーでもよくなってさぁ、カニランテ様が出たところで逃げる気分じゃねーや。で 逃げなきゃどうなんだ」

 

サイタマは、カニランテ並の死んだ目で言う。

 

「……プクプクプクプク(笑)キミたちは俺様と同じで目が死んでいる。死んだ目のよしみだ、特別に見逃してあげましょう」

 

カニランテは二人を横切る。本当に二人を見逃すようだ。

 

「…それに、今は別の獲物を探していてね」

 

「「?」」

 

「アゴの割れたガキを探しているのだよ。見つけたら八つ裂きの刑だ。プークックックックック(笑)」

 

そしてカニランテは何処かに進んでいった……

 

 

 

* * *

 

 

カニランテに会った場所からほど近い公園

 

「「あ!」」

 

そこには、アゴの割れた子供がいた。もう見事なケツアゴの子供だ。

 

「ん?なに見てんだよ」

 

ーーアゴの割れたガキ

ーー見つけたら八つ裂き

 

「…おいガキ。お前カニの怪物に何かしてないよな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「公園で寝てたからマジックで乳首かいたよ」

 

「「(コイツだ)」」

 

「どうするサイタマ。この子自分がやったことわかってないよ」

 

「隠すか?今ならまだ何処かに隠すこともできるが……コイツかわいくないな」

 

「…まあね。俺たちには関係ないし放っとく?」

 

「……そうだよな」

 

ーー俺たちにゃどうでもいい事じゃねーか

 

 

 

 

 

 

 

 

「見〜っけたァッ‼︎」

 

ドゴッ‼︎

 

カニランテの拳(ハサミ)は子供に当たらなかった。サイタマが咄嗟に抱えて避けたのだ。

 

「(な、何やってんだ俺は‼︎?)」

 

「大丈夫かサイタマ‼︎?」

 

「あ〜?」

 

「ガキ‼︎狙いはお前だ‼︎早く逃げろ‼︎」

 

「で…でも……」

 

「俺たちに構うな早く行け‼︎」

 

「サイタマ、俺数に入れてね?」

 

「……サッカーボールが」

 

「ボールかよ、いいから早く行けって‼︎ぶっ殺すぞ‼︎」

 

チバが転がったボールを投げ渡し子供は逃げる

 

「キミたち〜何のつもりだい。まさかあの糞ガキを庇う気かい?」

 

「カニランテさんさ〜、イタズラぐらいで殺すとかもう少し頭冷やしましょうよ、ね?」

 

「プク(笑)もう何人も切り裂いてきたよ。この姿を馬鹿にした奴はもれなくね プクク(笑)」

 

「(まぁキモいけどね)」

 

 

「あのガキャア俺様のボディに乳首を描きやがったんだ‼︎しかも油性だぞ‼︎この手ではタオルで拭く事もできん!」

 

カニランテは己の怒りを吐き散らす。その胸には黒い乳首がある。

 

「許すまじ‼︎邪魔をするならキミたちも一生就活できない体にしてやる‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

「くく…くくくくくくく。あーっはっはっはっはっはっはっはっ」

 

「! おい、何を笑ってる」

 

「なんか思い出した。お前 昔見たアニメの悪役そっくりだわ(笑)」

 

バシィッ‼︎

 

サイタマの体がその大きな腕(ハサミ)で吹き飛ばされる。

 

「サイタマァァァァァァァッ!!!」

 

カニランテは子供を追おうとする。

 

「チッ!俺が消すから子供は見逃しグボァッ‼︎」

 

立ち塞がったチバも吹き飛ばされる。

 

 

 

「待てコラ。この少子化の時代にガキを殺すなんて見過ごせん」

 

頭から血を流しながら、それでもサイタマは立ち上がる。

 

 

 

 

「また思い出した。俺 小さい頃ヒーローになりたかったんだよ」

 

「サラリーマンじゃなくて テメーみたいなあからさまな悪役を一撃でぶっ飛ばすヒーローに なりたかったんだよ‼︎」

 

「就活はやめだ」

 

「えっマジで⁈」

 

 

「かかって来いコラ‼︎」

 

 

サイタマは戦う。

その目はもう死んでいない。覚悟を決めた男の目をしている。

 

 

「なぁにがヒーローだ‼︎キミに勝機なんてねーよ‼︎」

 

ドゴッ‼︎ バキッ‼︎ ガンッ‼︎

 

サイタマは一方的に殴られる。普通の青年が怪人に挑んでるのだ。これが当然だ。

だが、サイタマは諦めない。

 

「サイタマァッ‼︎」

 

「くっ‼︎何とかヤツに近づければ‼︎」

 

「……策はあるんだな」

 

「…まぁな」

 

「わかった。俺が隙を作る」

 

「なっ、何言ってんだチバ⁈」

 

「サイタマだけ戦って俺が見守る訳にはいかないだろ。それに、漫画だったら二人で立ち向かう所じゃん」

 

「…ホントお前物語好きだな。そんな好きなら小説でも書けよ、ヒーロー物の」

 

「いいねそれ。コイツに勝ったらガチでやるよ」

 

「……死ぬなよ相棒」

 

「……決めてくれよ相棒」

 

 

走るチバ。カニランテへと向かう足には躊躇いはない。

 

「死ねぇ‼︎」

 

ガゴンッ‼︎

 

チバはギリギリで躱し、

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ‼︎」

 

カニランテの足を引っ掛け、転ばす。

 

「なっうおぉっ⁈」

 

バランスを崩したカニランテは、腕(ハサミ)の重さもあり派手に倒れる。

決定的な隙ができた。

 

「いけぇぇぇっ‼︎サイタマァァァァァッ‼︎」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ‼︎」

 

サイタマはカニランテの目にネクタイを結び、全力で引っ張る!

 

「ぐっぐああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

カニランテの内臓が目から飛び出し、鮮血が地面を染める。

 

 

 

 

普通の青年二人が、怪人を倒したのだ。

 

 

「……やったなサイタマ」

 

「あぁ。………あのさぁ、チバ」

 

「何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺 ヒーロー目指すわ」

 

 

* * *

 

 

サイタマは 強くなった。

ハゲるぐらい死に物狂いで特訓して、誰にも負けないぐらい強くなった。

どんな怪人も一瞬で倒してしまい、つまらなく感じるほど。

 

チバは 有名になった

カニランテを倒した後ヒーロー物の小説を執筆、同時期ヒーロー協会が設立されたこともあり『時代を先読みした作家』として大ヒット。だいぶ稼ぐぐらい有名になった。

サイタマと同じ特訓を執筆の合間にし、並みの怪人に負けないぐらいは強くなった。

 

 

 

 

二人は、今日も怪人と戦う。

 

3年前の始まりの日のように……

 




長めだったね

次は巨人だよ

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