ワンパンマン ー My only partner ー 〜更新一時停止〜   作:シドー@カス虫

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17 謁見 そして襲来

地下深くに存在するとある空間

 

ここに一人の人間と、一体の怪人がいた。

 

「25年物のロングヴィル・バロン、王への

土産としては地味だったかな?」

 

「土産の時点で気が利きすぎだ。それに友人相手に王を名乗るつもりはない」

 

人間の方はチバ。

そして怪人の方は地底王だ。

初対面では戦ったが、今では人同士のと変わらない交友関係になりたまにこうして顔をあわせる。

 

「んで、王は最近どう?」

 

「地底族の方は国土も増やせて安泰だが……」

 

どうも地底王は言いづらそうな顔をするが、隠くすわけにもいかないと口を動かす。

 

「…もしかしたら、地上は荒れるかもしれん」

 

「……地底人の一部が反逆とか?」

 

「いや、民は我も寄り付けぬと地上を恐れているが……海人族の王が出るかもしれん」

 

「海人族………それって確か」

 

「うむ。一昨日の新聞にも出てたタコ共の一族だ」

 

ちなみに地底王は毎日新聞で地上のニュースを確認している。

新聞はチバが移動用の穴から送ってる。

 

「確かおぬしの友人が倒したんだったな」

 

「そうですけど……その一族の王ですか」

 

「どうやってか我が人間に倒されたと知り、地上に出るつもりだろう。タコはおそらく先遣隊だろう」

 

「……スミマセンねあの時は」

 

「構わんよ。あの時は我が賽を投げたわけだし。

とにかく、海人族の王が出るかもという事を覚えてほしい」

 

「…了解です」

 

「あ、あと奴らの王とは一度拳を交えたが……気をつけるんだぞ。単純な戦闘力は我より上だ」

 

「地底王より、強い………」

 

「……今、戦いたいって思っただろ」

 

若干不安になった地底王だが、自身をあっさり倒した人間がいるからと気にしないことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

* * *

 

「先生の順位がC級2位になっています。もうすぐB級に昇格できます」

 

「チバと同じB級か……じゃあ週一のノルマはなくなるんだな」

 

「まぁ、一応1位のままC級に残れるけどね」

 

実際、現在C級1位、B級1位のヒーローは長いことその座に止まっている。

 

『ピリリリ』

 

「失礼……もしもし」

 

「忙しい奴だな」

 

「S級だしね」

 

ジェノスは少し会話を交わしてから電話を切る。

 

「……先日、先生が通りすがりに倒した怪人は『海人族』と名乗っていたんですよね?」

 

「覚えてねえ」

 

「哀れタコ助」

 

倒した人間に忘れられてタコ助も解せないだろうなとチバは思った。

 

「その海人族の仲間らしき連中が数匹J市に出現し暴れているようです。たまたま居合わせたA級ヒーローが一人で戦いを挑むも苦戦中との事です」

 

「苦戦……強いのか」

 

強敵に飢えているサイタマは苦戦と聞きテレビをつける。

そこには槍を持った件のA級ヒーローが群れと戦っている様子が映し出されていた。

誰の目から見てもヒーローの体力は限界といった状況だ。

 

「災害レベルは……虎か」

 

「……行くか。こりゃあダッシュで行くしかねぇな」

 

あまり出さないマジ顔で出動を決めるサイタマ。その顔は正にヒーローのものだ。

 

「……今、海産物フェアのチラシ見たよね?昨日行き忘れた」

 

「…………」

 

……前言撤回。やはりサイタマはいつも通りだ。

 

 

 

 

 

 

その後C級ヒーローたちの乗る車を追い越すサイタマ、チバ、ジェノスの姿があった。

 

 

 

 

 

 

* * *

 

「くそ……ったれ‼︎」

 

J市のとあるビル

ここでA級20位のイナズマックスが、一体の怪人と戦っていた。

倍近くある背、強靭な肉体、無駄に豪華ではないが威厳ある王冠。

そいつこそ件の怪人 『深海王』

海人族を統べる王だ。

 

 

「嫌な野郎だ!ぶっ飛ばしてやる‼︎」

 

「うふふ。ぶっ殺してあげる」

 

イナズマックスはすでに深海王の一撃を喰らい息も絶え絶え。それでも衰えぬ眼光はヒーローゆえ。

 

「稲妻飛び後ろ回し蹴り‼︎」

 

火薬仕込みのシューズで威力を高めたイナズマックスの蹴り。

だが、深海王はビクともしない。あっさりイナズマックスをビルの外に吹き飛ばした。

 

「ちく………しょ……」

 

イナズマックスの上に崩れ落ちようとする、さっきまで自分がいたビル。

 

 

あわやこれまでか……と思われたが、イナズマックスを救助する大男。

別のヒーローが助けに来たのだ。

 

 

 

「S級ヒーローぷりぷりプリズナー。あなたに会いに脱獄成功!」

 

 

彼のヒーロー名はぷりぷりプリズナー。

臭蓋獄と呼ばれる監獄に居座るヒーロー。けして犯罪者ではない。……一応。

 

彼は報道で好みの男(犯罪者)を見つけては脱獄し…とっ捕まえて自分だけのハーレムを作る、男好きのヒーローだ。

 

 

 

今回は好みのヒーローがやられそうと脱獄してきたのだ。

 

 

 

 

「まさか刑務所にヒーローが服役してたとはな。脱獄してまで怪物を退治しにいくとは恐れ入ったが、おかげで脱獄できた」

 

 

プリズナーの側にいたのは関節のパニッ……

失礼、音速のソニックだ。

彼もまた臭蓋獄にいたが便乗して脱獄、S級ヒーローの力を測るためついてきたのだ。

 

 

「囚人番号4188番のソニックちゃんだな」

 

「⁈」

 

「驚いたか?気に入った男子は全部チェック済みだ。いつも男子を襲っちゃうせいで万年服役中だからな」

 

「……貴様は牢屋にいた方がいいな」

 

全くである。

 

 

 

なんて会話をしていると、また新たにやってきた者が1人。

 

「なんか騒がしいけど………怪人っている?」

 

チバだ。

ちなみに1人。靴紐を結んでる間に逸れてしまい1人で騒ぎのある場所にきたのだ。

 

「あなたは……B級新人のチバね。実物で見ると写真以上にいい子だな」

 

「よく分からないけど、S級に覚えられてるとは光栄………なんでソニック君いるの?」

 

「こっちのセリフだ」

 

 

 

性格のまるで違う3人が集まった戦場。

土埃から顔を出す深海王。

 

 

 

これから、強者3人と怪人による死闘が始まる……

 




僕のヒーローアカデミア
やっぱアニメにはアニメの良さがあるね。
めちゃくちゃオモロイね。


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