ワンパンマン ー My only partner ー 〜更新一時停止〜 作:シドー@カス虫
チバの原点だし
「ここがZ市ですねぇ」
「早速調査を始めるか」
Z市
ここに2人のヒーローがやってきた。
A級33位 バネヒゲ
A級29位 黄金ボール
2人はサイタマ&チバのようにいつも共にヒーローとして活動をしている。
以前記したようにZ市の東のはずれには無人街があるが、
2人はヒーロー協会の指令の元、その無人街の『ある噂』を確かめにやってきた。
「バネヒゲよぉ。確かZ市の無人街にはスゲぇ化け物が住んでるっつー噂だぜ。アンタも聞いた事くらいあるだろ」
「勿論。だからここの調査はワタクシ達が任されたんでしょうねぇ。最近はピーク時に比べ災害警報も少なくなっているらしいですが、油断は禁物という事で…」
「ゴーストタウン地帯まで踏み込んだらいつでも戦えるようにしないとな…」
そう言って黄金ボールは、懐から金色の玉を取り出す。これが彼の武器だ。
「噂の怪物とエンカウントしても退く気はねぇぜ俺ぁ」
2人は無人街に向かって帆を進める。
『その後、彼らを見たものはいなかった』とならなければならいいのだが……
* * *
Z市の怪人の大量発生の要因は諸説ある。
そのなかで特に濃厚なのは……
【怪人同士で通じ合って集結してる】
【怪人が自然発生する構造のコロニーがある】
【多種の怪人を産む女王がいる】
この3つだ。
2人はこの3つの可能性を元に今無人街を探索している。
街には一切人気は無い。
さらにいたるところにナニカが暴れた形跡があり、真昼だというのに異様な恐ろしさを醸し出している。
「ゴーストタウンの謎を掴めば……俺たちもトップランカーの仲間入りだな」
「そうですねぇ。いつまでもアマイマスクさんに一位の座を……」
ヒタヒタヒタ…
「「(気配⁈)」」
振り返った時には、気配の元は消えていた。
「怪人か⁈今のは……」
「いえ…確認までは…。しかしこんな危険区域に未だ人がいるとは考えにくい。追いましょう!」
「…こっちに関心はなさそうだな」
生体反応をキャッチしたジェノスは、自身に無関心と判断し、サイタマの部屋の掃除を再開した。
「ここか?噂の場所は…」
2人の追った先には、怪人がいた。
全身真っ黒で、頭には髪のように昆布が生えている。
「無駄足かよ…気配がない。チッ…憂さ晴らしに街の中央で暴れてやるか」
「黄金ボールさん やりますよ‼︎」
「おうッ‼︎」
黄金ボールは懐からパチンコを取り出した。
ただのパチンコではない。レーザーポインタ等射撃の威力やコントロールを極限まで高めるよう改造されついる。
「先手必勝よぉ‼︎厚さ20ミリの鉄板をもブチ抜く俺の形状記憶弾金を喰らえッ‼︎」
黄金ボールはパチンコで弾を撃ち出す。
弾は軌道上でサイズや形を変え、並の銃を凌駕する威力の一撃になる。
だが…
「あ、人間だ(ベシッ)」
昆布の怪人はあっさり弾いた。
「んなッ…軽々と弾かれた⁈」
黄金ボールが動揺した隙を突き、死角から怪人の昆布は脚を掴み、引き摺りビルに叩きつける。
「ぬあああああああああああああ‼︎」
「黄金…‼︎ とッ!」
バネヒゲはしなる昆布を避け、白いハンカチを出す。
『パチン!』
指を鳴らすと、ハンカチは細剣に変わった。
怪人の連撃を全て刀剣1本でさばく。
「へぇ、やるじゃん」
怪人は素直に感心する。
その隙をバネヒゲは逃さない。
自身の最強の一撃で決めにかかる。
細剣の突く前に行う剣を引く動作で、形状記憶合金でできた刀身は、限界まで収縮されバネの様な形状になる。
そしてバネヒゲは、渾身の突きを放つ!
「ぴょッ!!!」
『踏無暴威』
真っ直ぐ何十mにまで伸びた刀身は超スピードで射線上の物体を容赦なく貫く。
昆布の怪人も……
「おっとっと…危ねぇ」
「ワ、ワタクシの踏無暴威を見切った⁈」
怪人は紙一重で避けた。昆布1本に穴が空いたが、バネヒゲ渾身の一撃もダメージを与えるには至らなかった。
「あの触手…手応えからして鋼鉄並の強度…!それを鞭のようにしならせ無数に繰り出す怪人ですか…強い‼︎」
バネヒゲは1人では勝てないと悟り、バレないようヒーロー協会に応援要請をする。
「一つ聞きますが…あなたはこのゴーストタウンで発生した怪人ですか?」
「……ん?俺は外からここに来たんだ。メチャクチャ強い怪人どもが集まってるって噂を聞いたからよ」
怪人は本気で残念そうに溜息をつく。
「ま……噂は噂に過ぎなかったみたいだな」
「だけどさ その風評を俺が体現するってのも悪くない気がしてきたぜ!」
ーーゴーストタウンの化物 いい響きじゃんか‼︎
* * *
バネヒゲは倒された。細剣は砕け満身創痍だ。
「……ん?誰か来たな。またヒーローか」
戦場に、2つの影が近づく。
「……うわ。昆布だし買い忘れた」
「えっマジで?」
無人街に住むサイタマとチバだ。買い物帰りのようだ。
「なんだ…まだ住人がいたのかよ。噂通りなら人間が住めるわけねぇ…やっぱデマだったんだ」
「どうすんのサイタマ」
「えぇ〜、買いに戻んのも面倒だし……」
目の前の怪人のことを気にも留めない。
「…暴れたりないし、こいつら殺すか」
怪人の強靭な昆布が2人に迫る。
「「あっそうだ」」
だが……
「「こいつの昆布貰おう」」
無数の昆布を全て2人は掴む。
「……え?」
「「せーーのっ‼︎」」
ビリッ‼︎
「ああああああああああああああ‼︎」
大体半分の昆布が毟り取られる。
「ちょっと静かにしてね」
「へっ?ホガッ‼︎」
チバは怪人を地面に叩きつけ、押さえつける。
そこをサイタマが……
「よっこら……」
ビリッ‼︎
「ああああああああああああああああ‼︎」
残りの昆布を全部毟る。
こうしてA級ヒーロー2人を倒した怪人は、アッサリと文字どおり丸裸にされた。
「昆布も手に入ったし帰るか」
「あっ!俺は倒れてる2人病院に連れてくよ」
「そか。じゃあ先帰ってるわ」
* * *
とある怪人たちの溜まり場
「おい 知ってるか?Z市のゴーストタウンの化物の話」
「あぁ、エリート怪人たちが集まって何かコソコソやってんだっけ」
「あー違う違う。そっちじゃなくて、もっとヤバイ化物の話。今じゃ人間も怪人も恐れるスポットになってるってよ」
「なんだそれ?」
* * *
「先生、ドアの前に昆布がたくさん置いてありましたが」
「あぁ あれはたまたま……えーと、安く手に入ってだな」
………
「確かに髪に良いと聞きますが、実は医学的根拠はなく発毛作用などは確認されてないようです」
「……………」
「一通り調べたので間違いありません。例えばこのサイトによると……」
「何も言ってねーだろ‼︎」
「サイタマ……頑張って腕のいい医師探すから、待っててくれ‼︎」
「お前までやめろよ‼︎」
無人街……
…いや、サイタマ宅は今日も平和だ
ーー全部毟られた(涙)
次回は多分オリジナル
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