テイルズオブゼスティリアでやってみた   作:609

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toz 第六十六話 決戦

奥まで進み、巨大な扉の前に出た。

ライフィセットが扉を見つめ、

 

「感じる……カノヌシはこの奥だよ。」

「とうとう恩返しができそうだな。」

 

ロクロウが腰に手を当てていう。

ベルベットは呆れたように、

 

「……あんた、恩返し≪それ≫言いたいだけでしょ?」

「お、とうとうバレたか!」

 

ロクロウは笑い出す。

マギルゥもニヤッと笑い、

 

「わからいでか。どいつもこいつも、他人の都合で動く奴じゃあるまい。」

「否定はしません。」

 

エレノアが腰に手を当てて言った。

アイゼンも腰に手を当てて、

 

「自分の舵は自分でとる。」

「それが僕たちの“流儀”だ。」

 

ライフィセットが扉を力強い瞳で見る。

そして彼らは全員で扉を開ける。

その先には長い長い階段がある。

彼らは想いに、各々の答えを持って階段を登り始める。

 

「……お前達の答えを見せて貰おう。」

「さて、どんな結果が待っているか。」

 

裁判者と審判者は階段を上がる彼らの背を見て、呟く。

そして二人も階段を上がっていく。

 

上まで上がりきると、聖主カノヌシと導師アルトリウスが立っていた。

ベルベットは二人を見据える。

マギルゥが聖主カノヌシと導師アルトリウスを見て、

 

「待たせたの~、導師殿!災禍の顕主御一行プラス番人の到着じゃ~!」

「見させて貰う。お前達の選んだ答えを。」

「俺は裁定を下すために。」

 

裁判者と審判者は赤く光る瞳で全員を見据えた。

ロクロウは腰に手を当てて、

 

「はは、裁きを下す者ってか。だが、引けないな。最強の剣士……斬るのが楽しみだ。」

「ああ。俺は俺の選んだ答えに突き進む。アイフリード海賊≪おれたち≫にケンカを売った落とし前、つけさせてもらうぞ。」

 

ロクロウとアイゼンが導師アルトリウスを睨む。

エレノアも導師アルトリウスを見て、

 

「私もです。私もこの答えを信じます!……アルトリウス様、私は自分の意志に従って、あなたをとめます!」

 

導師アルトリウスは彼らを見据え、

 

「……導師≪わたし≫の剣には、人々の“理想”と“希望”が宿っている。」

 

導師アルトリウスは剣鞘を床に叩く。

剣風が彼らを襲う。

 

「“理”からはずれた意志で砕けるものか。」

 

それは勢いを増す。

だが、彼はそこに踏みとどまる。

ライフィセットは導師アルトリウスを見て、

 

「あなたの剣は強いよ。」

 

導師アルトリウスはライフィセットを見つめる。

ライフィセットは力強い瞳で、彼を見て、

 

「けど、僕たちと同じ“ただの剣”だ。」

「試してみるがいい。お前自身の体で。」

 

導師アルトリウスはライフィセットを見据えた。

聖主カノヌシも、ライフィセットを見た。

そして以前ライフィセットに殴られた頬を触り、

 

「君に殴られて以来、胸の奥がモヤモヤするんだ。これって、なんなのかな。」

「わからないなら、また殴ってあげるよ。」

「ふぅん……きっと君を食べたらすっきりするね。」

 

聖主カノヌシがニッと笑う。

ベルベットがライフィセットを守るように前に立ち、

 

「……アーサー義兄さん。『なぜ鳥が空を飛ぶのか』、答えがわかったわ。」

 

導師アルトリウスはベルベットを見る。

ベルベットは宙を見上げ、

 

「鳥はね、飛びたいから空を飛ぶの。」

 

そして二人を見て、

 

「理由なんてなくても。翼が折れて死ぬかもしれなくても。他人≪ひと≫のためなんかじゃない。誰かに命令されたからでもない。鳥はただ、自分が飛びたいから空を飛ぶんだ‼」

 

彼女は力強い瞳で彼を見つめる。

裁判者は小声で、

 

「それがお前が見つけ出した想いであり、答えの先か……ベルベット・クラウ。」

 

裁判者は小さく笑った。

審判者はそれを驚いて見た。

彼が何かを言う前に、導師アルトリウスがベルベットを見据え、

 

「……そんなものが、お前の答えか。」

「そう、それが“あたし”よ。」

「お前は昔からそうだった……。その愚かさこそが業魔≪ごうま≫を生み、世界に悲劇をもたらす元凶なのだ。」

「だったら退治してみせろ!導師アルトリウスッ‼」

 

ベルベットが構える。

導師アルトリウスも剣を鞘から出し、

 

「元よりそのつもりだ。今、縁を断ち切る!」

「この前のお返しをするからね!」

 

二人はベルベット達に襲い掛かる。

 

「行くわよ、フィー!」

「うん、僕も飛ぶよ。ベルベットと一緒に!」

 

導師アルトリウスの剣をベルベットが受け止め、聖主カノヌシの剣をライフィセットが結界術で受け止める。

ロクロウが短剣を握り、剣を交えているベルベットと導師アルトリウスの元に駆けだし、導師アルトリウスに短剣を振るう。

だが、導師アルトリウスはそれを裁き、ロクロウを蹴り飛ばす。

そこに、ベルベットが刃を振り下ろす。

ロクロウも起き上がり、再び短剣を振るう。

 

聖主カノヌシの剣を防いだライフィセットの後ろからエレノアが槍を振るう。

聖主カノヌシはそれを簡単に避け、攻撃を仕掛ける。

エレノアはそれを避け、後ろに下がる。

そこに、アイゼンとマギルゥの術が飛び、エレノアは槍を振るう。

だが、聖主カノヌシの姿はない。

彼はアイゼンとマギルゥの後ろに現れ、剣を振るう。

が、それをライフィセットが結界術で防ぐ。

 

ベルベットが導師アルトリウスを睨み、

 

「殺すなら、しっかり殺せ!さもないと……」

 

ベルベットは思いっきり剣を振るう。

彼はそれを受け止め弾く。

 

「あたしが、あんたを喰らう‼」

 

が、そこにベルベットの蹴りがヒットする。

導師アルトリウスは後ろによろめく。

そこにロクロウの剣が襲い掛かる。

しかし、体勢を立て直した彼はそれを交わす。

 

聖主カノヌシとの戦いも、エレノアとアイゼンが攻める。

エレノアの槍を聖主カノヌシは結界術で防ぐ。

そこにアイゼンが殴り込む。

だが、聖主カノヌシはそれを避ける。

そこにエレノアの槍が再び襲い掛かる。

それを防ぐ聖主カノヌシの元に、アイゼンの拳がヒットし、聖主カノヌシは吹き飛ばされる。

が、体勢を整え、振り下ろされるエレノアの槍を交わす。

さらに、ライフィセットとマギルゥの術が飛び交う。

それを避け、聖主カノヌシは剣を交えている導師アルトリウスの元に行く。

 

裁判者と審判者は戦いを見続ける。

 

「……必死に喰らいついているね。」

「そうだな。あいつらの心が折れない限り、これは続く。」

 

審判者と裁判者は手を出さず、ずっと見つめる。

 

聖主カノヌシと導師アルトリウスから距離を置き、呼吸を整えるベルベット達。

そしてライフィセットが治癒術をかける。

導師アルトリウスは彼らを見て、

 

「しぶといな、業魔≪ごうま≫ども。」

「原因はあいつだ。」

 

聖主カノヌシは治癒術をかけるライフィセットを睨み、剣を作って襲い掛かる。

 

「お前が邪魔なんだ!」

 

そこに、ベルベットが立ちふさがる。

聖主カノヌシはベルベットを見て、止まり、

 

「どいてよ、お姉ちゃん!」

「いやよ!」

 

ベルベットは剣を振り下ろす。

聖主カノヌシはそれを避け、ベルベットと剣を交える。

ベルベットと数回剣を交え、聖主カノヌシがベルベットに剣を突き立てる。

だが、ベルベットは櫛を取り出す。

それに彼の剣を突き刺さり、櫛は折れる。

聖主カノヌシはそれを見て、眉を寄せる。

そこにベルベットの剣が振り下ろされる。

聖主カノヌシは剣でそれを防ぎ、吹き飛ばされる。

体勢を整え、

 

「あ……れ……お姉ちゃん?なんで……僕の櫛を……」

「それは“ラフィ”がくれた櫛よ。聖主カノヌシ。」

「そっか……僕は“聖主カノヌシ”で、あなたは“災禍の顕主”だったね。ああ……お腹が空いたよ、アルトリウス。」

 

そこに導師アルトリウスが近付く。

裁判者は聖主カノヌシを見据える。

彼の瞳から光が消え、自身を抱える。

 

「お腹が空っぽで……胸が空っぽで……体が空っぽで……僕は……苦しい……苦しいよ……」

「どうやら、お前から“絶望”を喰らうことはできないようだな。ならば……鳥は飛ばなければならない。強き翼をもつゆえに。人は鎮めなければならない。深き業をもつゆえに。」

 

導師アルトリウスは瞳を閉じる。

 

「自らを喰わせるか……」

 

裁判者は目を細める。

そして導師アルトリウスは目を開く。

その導師アルトリウスからは穢れが満ち始める。

 

「穢れも、悲劇も、争いも、怒りも、涙も、愛さえも。今すべてを鎮めよう。我が羽ばたきで、人に相応しい静寂を……。カノヌシよ、私の“絶望”を喰らうがいい。」

 

聖主カノヌシは導師アルトリウスの穢れを喰らう。

アイゼンは眉を寄せ、

 

「こいつ、これほどの絶望を!」

「ずっと抑え込んでたっていうのか!」

 

ロクロウは目を見張った。

マギルゥは真剣な顔で、

 

「ひとつ間違えれば一瞬で業魔≪ごうま≫化じゃぞ。」

「これがアルトリウス様の意志の力……!」

 

エレノアが拳を握りしめる。

ベルベットはも拳を握りしめ、

 

「同時に本性よ!」

「なら、なおさら負けたくない。こんな絶望になんかに‼」

 

ライフィセットも眉を寄せて叫ぶ。

そして、導師アルトリウスは剣を掲げ、

 

「『ネブ=ヒイ=エジャム(理想のための翼)』!」

 

彼に、光が降り注ぎ、カノヌシの紋章が覆い尽くす。

導師アルトリウスと聖主カノヌシの神依≪カムイ≫が行われる。

彼の背には羽が、剣は大きくなり、使えない右手は聖主カノヌシの力で使えるようになる。

ライフィセットが眉を寄せ、

 

「カノヌシの神依≪カムイ≫‼」

「さあ、すべてを鎮めよう。我が完全なる神依≪カムイ≫の力で。」

 

導師アルトリウスは剣を振るう。

それを避け、ベルベット達は攻撃を仕掛ける。

だが、圧倒的にベルベット達が不利だ。

それでも、彼らは負けずに立ち上がり、立ち向かう。

導師アルトリウスはベルベットを見て、

 

「……成長したな。決着をつけよう、災禍の顕主。」

「導師ぃぃぃッッ‼」

 

ベルベットは駆ける。

二人の剣が互いに交じりあう。

ベルベットはそれを弾き、

 

「あたしは、あんたをっ!」

 

再び導師アルトリウスの剣を受け止め、受け流し、

 

「この憎しみを喰らうっ‼」

 

だが、ベルベットの剣は折られた。

それでも、ベルベットは止まらない。

導師アルトリウスに拳を叩きこむ。

 

「まだだ!」

「無駄だっ!」

 

彼はそれを受け止める。

ベルベットは左手を開き、彼と押し合いになる。

 

「あきらめろっ‼私は世界の痛みを!とめねばならんのだっ‼」

「戦訓その零っ‼」

 

ベルベットは彼に思いっきり頭突きした。

裁判者と審判者は一瞬驚いた。

そしてベルベットは導師アルトリウスに噛みついた。

そして神依≪カムイ≫していた聖主カノヌシを彼から引き剥がした。

聖主カノヌシが吹き飛び、神依≪カムイ≫が解けた導師アルトリウスにベルベットが蹴りを入れ、殴り飛ばす。

導師アルトリウスは床に叩き付けられる。

ベルベットは宙で導師アルトリウスの剣を取り、

 

「『絶対にあきらめるな』。」

 

彼に剣を突き刺した。

導師アルトリウスはベルベットを見て、

 

「まるで……英雄のセリフだな……」

「あの日、義兄さんがかけてくれた言葉よ。」

 

ベルベットは導師アルトリウスを見る。

彼は思い出すように、

 

「開門の日の……か。」

 

彼からは血が流れでる。

だが、その表情は昔の彼のように、優しく、後悔の滲み出た義兄の顔。

 

「ベルベット……あの日からのアーサーは嘘なんだよ。俺は、ずっと思っていたんだ。死んだのがセリカたちではなく……『お前達だったらよかったのに』……と……」

 

そして剣に下げている亡き妻との約束のお守りを見つめる。

ベルベットも義妹の顔で、涙を溜め、

 

「……あたしもそう思う。もしそうだったら、きっと義兄さんは、あたしたちのために世界を救ってくれたもの。」

「ああ……救いたかっ……た……」

 

彼の頬にベルベットの涙が落ちる。

彼は瞳を閉じ、

 

「くやしい……なぁ……」

 

そして、彼は息絶えた。

ライフィセットは彼を見つめ、

 

「さようなら……」

「終わったな。」

 

ロクロウもそれを見て、少しほっとする。

神依≪カムイ≫が解けた聖主カノヌシは虚ろな瞳で、

 

「お腹空いた。お腹空いた。お腹空いた……。お腹空いた。お腹空いた。お腹空いた……。」

 

同じ事を繰り返し、座り込んでいた。

マギルゥが聖主カノヌシを見て、

 

「いいや、まだじゃぞ!」

「お腹が空いたよおおお〰ッッ‼うわあぁあぁぁんッッ‼」

 

聖主カノヌシが立ち上がり、叫ぶ。

そして力が暴走し始め、辺りを力の波が彼らを吹き飛ばそうとする。

 

「ぐぅ……っ!鎮めの力の暴走⁉」

 

エレノアが必死に踏みとどまる。

他者も達も必死に踏みとどまる。

 

「制御するやつがいない!やばいぞ、こりゃあ。」

 

ロクロウが目を見張る。

アイゼンが聖主カノヌシに向かって走り出し、

 

「今ならまだ殺せる。」

 

そこに、裁判者と審判者が彼らとの間に立つ。

アイゼンが立ち止まり、

 

「そこを退け!」

「ダメだ。お前達の答えは見せて貰った。」

「だから、俺たちは裁定を下した。君たちを生かす。」

 

裁判者と審判者は赤く光る瞳で彼らを見据える。

そして裁判者はベルベットの元に歩いて行き、

 

「災禍の顕主ベルベット・クラウ。お前の答えを見せて貰う。」

「君に対する裁定を今から下す。それによって、聖主カノヌシをどうするか決めるといい。」

 

審判者も彼女に近付く。

ベルベットは導師アルトリウスの剣を放し、裁判者と審判者を見据える。

裁判者はベルベットを見て、

 

「我ら二人の心臓を扉に捧げろ。」

「そうすれば、扉が開く。それが本来の開け方の一つ。」

 

審判者は聖主カノヌシの後ろの扉を見る。

裁判者は目を細め、

 

「だが、お前の場合は最奥の扉まで開く必要がある。だから、我らの心臓を喰らえ、喰魔。」

「できるかい?」

 

審判者は微笑む。

ベルベットは瞳を閉じ、開く。

 

「ええ、あたしはあたしの答えの為に、アンタたちを喰らう!」

 

そう言って、ベルベットは左手開き、裁判者と審判者の心臓を貫き、喰らう。

二人は数歩下がった後、傷口が消え、

 

「「さぁ、裁定を下す。」」

「ええ。見てなさい!私の答えを!」

 

ベルベットは聖主カノヌシに歩み寄っていく。

聖主カノヌシの力が収まり、

 

「僕は我慢したんだ……!怖いのも、痛いのも……!」

「知ってるわ。」

 

ベルベットは彼を抱き寄せる。

彼もベルベットを抱きしめ、

 

「苦い薬だって……飲んだし……!したいことも、食べたい物も我慢したっ‼なのに……なんで邪魔するのっ⁉嫌いだぁ……お姉ちゃんなんて……っ‼」

「うん……頑張ったね。もう我慢しなくていいよ。」

 

二人は姉と弟の顔だった。

そしてベルベットは彼の頭を撫で、自分に引き寄せる。

聖主カノヌシはベルベットに噛みつく。

そしてベルベットは瞳を閉じ、

 

「一緒に眠ろう……ラフィ。」

 

瞳を開け、左手を開いて聖主カノヌシを喰らい出す。

ライフィセットが眉を寄せ、

 

「ベルベット、なにを⁉」

「そうか……ベルベットは、永遠に己を喰わせ、カノヌシを喰らい続けるつもりなんじゃ。互いに喰らい合う“∞≪むげん≫の矛盾”と化せば、生きたままカノヌシを封印できると考えたんじゃな。」

 

マギルゥも眉を寄せて言う。

ライフィセットはさらに眉を寄せて、

 

「だめだよ!そんなの!」

「カノヌシを殺せば、その一部のあたしもフィーも死ぬ。あたしは自業自得。でもフィーは……」

 

ベルベットは横目でライフィセットを見る。

ライフィセットは駆け出し、

 

「僕もいいよ!ベルベットと一緒なら、死ぬのなんか怖く――」

 

そこにリンゴが投げられる。

ライフィセットは立ち止まり、それをキャッチする。

ベルベットは優しく微笑み、

 

「ええ、死になさい。食べて、生きて――したいことを全部やった後に。本当に勝手よね。あたしは、わがままで醜い人間。けど、あんたは、そんなあたしを救ってくれた。真っ直ぐな優しい力で。」

「違うよ……ベルベットこそ僕を……」

「ね、あんたも見てきたよね?人間は、いつも必死で……だから間違ってしまう生き物なの。あの義兄さんでさえ……だから、お願い……あんたは生きて。あたしが滅茶苦茶にした世界を……あたしみたいな弱い人間を……どうか助けてあげて。これが……あたしの最後のわがままよ。」

「そんなの……ずるいよっ!」

「ほんとに……ごめん……ね……」

 

ベルベットは哀しく微笑む。

ライフィセットはリンゴにかぶりつき、一口食べる。

そして涙を溜め、叫ぶ。

 

「……いいよ、許してあげるっ!僕は、ベルベットが好きだから‼」

「ありがとう……あたしも……大好きだよ、フィー……」

 

そう言って、ベルベットと聖主カノヌシの足元に魔法陣が浮かぶ。

それが彼らを扉へと運ぶ。

裁判者はベルベットを見る。

 

「お前と盟約を結ぶ。お前のその願いを私が盟約として叶え、見届けよう。」

「ええ。私はそれで構わないわ。お願い……」

 

ベルベットが小さく微笑んだ。

扉が開き、光が彼らを包み込む。

そして引き込む。

ライフィセット達はそれを見つめる。

二人は中に入って行き、扉が閉まる。

それと同時に、赤、黄、青、緑の四つの柱が立つ。

 

「独力で聖主を封じるか。とんでもない人間がいるものだ。だろ、裁判者。」

「ああ。その答えを選んだとんでもない人間だ。そうだろ、四聖主。」

 

裁判者はその光の柱を見据える。

マギルゥが眉を寄せ、

 

「今頃お出ましとは、他人事のようじゃのう。珍しく、裁判者は手を出した、と言うのに。」

「そうでもない。カノヌシが欠けてしまっては我らの力の均衡は崩れる。裁判者が動くのは当然だがな。」

「ああ。仕方なく、お前達の盟約に従ったまでの事。それに、心ある者達には強すぎる力だと言うのも、実験できた。」

 

裁判者は四聖主の柱を睨みつける。

 

「変わりませんね、裁判者。ですが、地水火風が激しくぶつかりあい、世界は数万年をかけて再構築されることになろう。」

「そんな!」

 

エレノアが眉を寄せる。

 

「破滅を防ぐには、代わりの聖主が必要だ。力と意志を兼ね備えた聖隷がな。」

「なるよ。僕が代わりに。」

 

ライフィセットが四聖主の柱を見つめる。

エレノアがライフィセットを見て、

 

「待って、ライフィセット!そんな簡単に――」

「聞いてやろうぜ。」

 

ロクロウが腕を組み、ライフィセットを見据える。

四聖主はライフィセットに、

 

「貴様はカノヌシの一部だ。“力”に不足はない。」

「だが、問題は“意志”だ。」

「汝は、この世界になにを望み、なにをもたらす?」

 

裁判者はライフィセットを見つめる。

彼はかじったリンゴを掲げ、

 

「僕は、この世界にもたらしたい!心を溢れさせてしまった人が、やり直せる明日を!どこまでも飛ぼうとする人たちが、翼を休められる時を!強くて弱い人間が……!怖くて優しい人間たちが……!いつか空の彼方に辿り着けるように‼」

「それがお前の答えにして、想いだな。聖隷ライフィセット。」

 

裁判者は彼に近付く。

ライフィセットは大きく頷く。

 

「ならば、裁判者の名を持って、お前に裁定を下す。お前が諦めない限り、我ら二人はお前の意志に協力しよう。その明日を得る手段を。」

「仕方ないね。けど、俺らは君と言う存在を教える事は出来なくなるけどね。だから君に扉の鍵を与えよう。」

 

審判者は笑う。

そして四聖主の柱をを見て、

 

「彼はやり遂げる。俺たちは、そう思うことにするよ。」

「うん‼」

 

ライフィセットは力強い瞳で彼らを見る。

四聖主の柱は光を発し、

 

「「「「ならば、やってみるがいい。新たな聖主よ。」」」」

 

その光と、裁判者と審判者の出した魔法陣がライフィセットを包み込む。

ライフィセットは掲げていたリンゴを両手で持ち、

 

「世界に“白銀の炎”をッ‼!」

 

ライフィセットが叫ぶ。

空に巨大な魔法陣が浮かぶ。

そしてライフィセットの“白銀の炎”が業魔≪ごうま≫を、世界を包み込む。

業魔≪ごうま≫と化していた人々は人の姿へと戻る。

人々は喜びの声を上げる。

聖隷達は空を見上げる。

聖主カノヌシの創りだした神殿が崩れ落ちて行く。

 

裁判者と審判者は彼らを魔法陣で包み、聖主の御座に転移する。

エレノアが目の前の景色を見て、

 

「地上に戻った……?」

 

そして彼らは後ろに振り返る。

そこには光り輝くドラゴンが姿を現す。

エレノアが目を見開き、

 

「光のドラゴン!」

「……やれやれ、ベルベット譲りの無茶じゃのう。ライフィセットや。」

 

マギルゥは苦笑する。

エレノアはジッとドラゴンを見つめ、

 

「ライフィセット……なのですか?でもなぜ……?」

「それが聖主の姿――そして、お前の覚悟の証なんだな。」

 

アイゼンが真剣な眼差しで彼を見る。

エレノアはハッとして、

 

「誓約!」

「うん……怖い?エレノア。」

 

ドラゴンは首を傾げる。

エレノアは首を振り、笑顔でドラゴンを見上げ、

 

「いいえ、男ぶりがあがりましたよ。」

「さっきの炎が、お前の聖主としての力か。」

「あれで無くなったのかや?業魔≪ごうま≫も穢れも全部。」

 

アイゼンとマギルゥが腕を組む。

後ろから、

 

「……いや、俺は業魔≪ごうま≫のままだ。」

 

ロクロウが笑みを浮かべる。

彼らはロクロウを見る。

確かに彼は業魔≪ごうま≫のままだ。

ライフィセットは彼らを見て、

 

「“白銀の炎”は、あふれた穢れを祓って、業魔≪ごうま≫を人間に戻すことができる。でも、心を変える力じゃないから。」

「やり直す可能性を与えるだけなのですね。」

 

エレノアは考え込む。

ロクロウは頭掻き、

 

「すまん。俺の業は深すぎるんだな。」

「いいんだよ。それがロクロウなんだから。」

「優しいな。お前は……」

 

ロクロウは笑みを浮かべた。

マギルゥは呆れたように、

 

「やれやれ、対魔士はほとんど消え、人の業は混沌のままということか。先はなかなか困難そうじゃなー。」

 

と、肩を落とした。

ライフィセットは空を見上げ、

 

「そうだね。でも……未来を願い想う……人の“祈り”も消えないよ。」

「言うのう~♪」

「聖隷に意思が戻った。お前の“理想”に力を貸す者たちも出るだろう。」

「私も人々に伝えます。世界に“聖主ライフィセット”の加護があることを。」

 

皆笑うが、ライフィセットが彼らを見て、

 

「えっと……その名前は、ちょっと。この姿には似合わないと思うから。」

「……ベルベットがくれた名前ですものね。」

「じゃあ、なんて呼べばいい?」

 

彼らはライフィセットを見上げる。

ライフィセットは彼らを見て、

 

「エレノアがつけてくれた“真名”で呼んで。『生きる者』――“ライフィセット”を古代語にした僕の真名は……“マオテラス”。」

 

聖主マオテラスの領域が世界を包み込む。

裁判者は彼らに歩み寄り、

 

「話は済んだな。聖主。」

「もう、名では呼んでくれないんだね。」

「今のお前は聖主としてのお前だからな。」

 

裁判者は聖主マオテラスを見上げる。

マギルゥが裁判者を見て、

 

「で、お主らは儂らのが落ち着くまで待っていた理由はなんじゃ?」

 

審判者も彼らの元に歩いて来て、

 

「ここを封じさせて貰う。聖主マオテラスの誓約に応じて、扉を開いた。そこから君は大地を器にし、領域はもう展開できたからね。」

「ですが、ここを封じるとは?」

 

エレノアが首を傾げる。

審判者は笑顔で、

 

「ここは元々、俺らの力で封じられた場所なんだよ。でも、導師アルトリウスと聖主カノヌシの件でこの場所が必要でね。ここを彼らに提供した。だけど、もうその必要もなくなり、俺らはここを守らねばならない。と、いう訳で封じさせて貰うね。」

 

裁判者は審判者を睨んだ後、彼らを見る。

 

「さて、世界中に居た業魔≪ごうま≫達はほぼ全員が人間の姿に戻ったと言っていい。だが、喰魔は業魔≪ごうま≫にして業魔≪ごうま≫に非ず。だからまだ、喰魔のままだ。」

「そんな!」

 

エレノアが眉を寄せる。

裁判者は片手を胸のところまで上げる。

 

「なので、聖主マオテラス。私の力……喰魔の力、返してもらおう。」

「それじゃあ、ライフィセットが……いや、マオテラスが聖主の力を使えなくなるって事か?」

「なぬ⁉どうなってしまうんじゃ⁉」

 

ロクロウとマギルゥが裁判者を見る。

エレノアはさらに寄せ、

 

「ですが、マオテラスは聖主の力です。あー、でも喰魔も聖主の一部でしたね……」

 

アイゼンが眉を寄せ、

 

「何をする気だ。」

「とりあえず、見てれば解るよ。」

 

審判者が笑みを浮かべる。

裁判者は瞳閉じる。

裁判者の周りに小さな魔法陣が六つ、浮かび上がる。

手のひらの上に浮いていた魔法陣から黒い炎が灯り、

 

「まず、空白だった愛欲の喰魔の力。」

 

それが左に回り、魔法陣が入れ替わる。

 

「利己の喰魔の力。」

 

魔法陣に黒い炎が灯る。

ライフィセットの元から虫の喰魔が現れ、黒き炎に燃える。

炎が消えると、虫は元のクワガタのようなカブトムシのような昆虫に戻る。

魔法陣が再び左に回って変わり、

 

「逃避の喰魔の力。」

 

魔法陣に黒い炎が灯る。

バンエルティア号の上を飛んでいたグリフォンが黒い炎で燃え上がる。

炎が消え、昔の鷹へと戻る。

鷹は王子の元へと飛んでいく。

魔法陣が左に回り、

 

「執着の喰魔の力。」

 

魔法陣に黒い炎が灯る。

バンエルティア号に乗っていた犬の喰魔二体≪オルとトロス≫が黒い炎で燃え上がる。

炎が消え、昔の犬二体へと戻る。

魔法陣が左に回り、

 

「貪婪の喰魔の力。」

 

魔法陣に黒い炎が灯る。

バンエルティア号に乗っていた喰魔の小さな少女≪モアナ≫が黒い炎で燃え上がる。

炎が消え、人の姿へと戻る。

魔法陣が左に回り、

 

「傲慢の喰魔の力。」

 

魔法陣に黒い炎が灯る。

バンエルティア号に乗っていた喰魔の女性≪メディサ≫が黒い炎で燃え上がる。

炎が消え、人の姿へと戻る。

そして小さな少女≪モアナ≫と抱き合う。

 

裁判者は瞳を開ける。

六つ全ての魔法陣に黒き炎が灯っている。

 

「憎悪の喰魔である災禍の顕主ベルベット・クラウの力は取らない。そして絶望は取る必要がない。」

「なぜじゃ。」

「それは常にお前達、生きるものが持っているのもだからだ。」

「なるほどのう。八つ目の覚醒のカギは常に自らの内にあったと言うワケか。」

 

マギルゥは目を細めた。

裁判者の中に魔法陣が入って行く。

 

「喰魔達も元に戻った。それに、四聖主との盟約が切れたわけではない。が、聖主マオテラスの新たな盟約もある。その為にはこの力はもう、お前達には必要のないものだ。」

 

裁判者はライフィセットを見て、

 

「お前は、仲間にたくさんのモノを貰った。ベルベットからお前≪名前≫を、エレノアから器≪世界みる供≫を、アイゼンとロクロウには生き様≪生きる意味≫を、マギルゥからは感情を≪正と負≫を、他にも色々教わった。だからお前は聖主カノヌシと違った聖主になれる。結果的にお前がやりきれば、の話だがな。」

「うん。僕はみんなからたくさん貰った。これからも大事にする。忘れないよ、絶対。」

 

聖主マオテラスは裁判者を見つめる。

裁判者はマギルゥを見て、

 

「お前の先代との盟約を破棄させて貰うぞ、メーヴィン。」

「ほえ?」

 

裁判者はマギルゥに手をかざす。

マギルゥの中から魔法陣が現れ、壊れる。

そして掌に一つも魔法陣を浮かび上がらせ、

 

「今を持って、メーヴィンの盟約を新たに紡ぐ。お前は全と悪、双方を見て、感じ、語り継がせろ。一人刻≪とき≫に残され、中立の立場を持つこととなる。」

「つまり、中立を破った時点で儂の命は一気にすり減ると言うワケじゃな。」

「ああ。」

「いいじゃろ。どーせ、暇な儂じゃ。坊が頑張るんじゃ、儂もち~とだけがやり遂げるかのう。」

 

そう言って、魔法陣に近付いた。

その魔法陣がマギルゥの中に入って行く。

裁判者は彼らを見て、

 

「災禍の顕主の盟約に従い、お前達に関してはある程度配慮してやろう。いずれは、お前達の中で願いを叶えるかもしれんからな。」

 

そう言って、彼らを見る。

彼らはライフィセット≪聖主マオテラス≫に言葉を交わし、各々自分の道を歩み出す。

裁判者は歩く彼らの背を見て、彼らには聞こえない声で、

 

「お前達の最後まで見届けよう。それが、災禍の顕主の想いだからな。」

 

裁判者は見つめる先には商人達がいた。

彼らは険しい崖を、助け合いながら歩いて行く。

それを見下ろす業魔≪ごうま≫の山賊。

その背後で、仲間が斬り殺される。

一人の剣士業魔≪ごうま≫が業魔≪ごうま≫を斬り裂いて行く。

白き大剣と黒い大剣で業魔≪ごうま≫を次々薙ぎ払っていく。

 

裁判者は風に身を包み、港にやって来る。

そこには死神を乗せた海賊団。

彼らは旅路の支度をする。

それを見守り、見つめる死神。

彼は持っていたコインを弾き、キャッチする。

コインは自分と同じ死神の絵。

だが、彼は笑みを浮かべる。

彼らは航海に出る。

果てしない海を渡り、冒険に。

 

裁判者は身を翻し、歩く。

その先には復興を懸命に尽くす人々の姿。

助け合い、共に苦楽を共にする人間の姿。

その指揮を行うは、一人の少女。

彼女は自分にできる精いっぱいの事を全力で行っていた。

彼女は共に旅し、想いを共にしたもう一つの仲間と約束を共に人々と苦楽を共にする。

一歩でも前へと。

それを見守り、記し、後世に語り継ぐ魔女の姿。

相棒と共に、世界を渡り歩く。

その先に、荒れた晴れた大地、瓦礫の下でも咲く強き花を見る。

そこに想うは亡き師との想い、自身の想い。

過去の自分、今の自分、たくさんの自分を元に、魔女は笑い歩く。

 

裁判者は柱の上に降り立つ。

そこには光のドラゴンが空を見上げている。

少年は思いにふける。

彼らとの思い出に……

――それは……終わりではなく混沌の始まり。

人は、果てなく戦い続ける。

“あの人たち”のように。

彼方を目指して羽ばたき続ける。

“あの人たち”のように。

笑顔と同じだけ涙を流し、憎しみと同じだけの愛を抱きしめながら……

世界はとても残酷で、未来はどうなるかは、神様にだってわからない。

だけど……僕は信じるよ、ベルベット。

強くて弱い人間たちを、怖くて優しい人間たちを。

だから……いつか“あなた”が願いが叶う、その日まで。

心に強く強く炎を燃やして。

僕は、今を生きる‼

 

彼は眠る彼女を想い、力強い瞳で世界を見る。

心優しき、人も、聖隷も、世界も守る聖主の姿。

 

 

災禍の顕主は夢を見る。

それはもしかしたらあったかもしれい暖かい思い出……

 

弟が笑顔で将来したいことを語る。

病気に打ち勝ち、元気になった弟は旅をしたいと。

弟と共に世界を回る。

洞窟に行き、宝箱を捜す。

海に出れば、羅針盤を片手に気の言い海賊団に船に乗せて貰う。

ある酒場で食事を取る。

弟はマーボーカレーを美味しそうに食べる。

後ろでは仲の良い剣士の兄弟が酒を飲み交わす。

二手道、姉弟で進路の言い争い。

森では弟が珍しいクワガタのようなカブトムシような昆虫を見つけ出す。

氷の大地に行けば、遺跡を見つけて走り出す。

夜になれば、氷の大地で夜空に輝くカーテンのようなオーロラを見上げ、輝く星を見上げる。

旅が終わり、故郷に帰る。

大好きで、大切な姉さんと義兄さん、それに姉さんの子が出迎える。

森で、弟と義兄さん姉さんの子とウリボア狩りをする。

そんな大好きで大切な家族と過ごす暖かい時間……

 

そんな暖かい夢を、もしかしたら弟と共に見ていたのかもしれない。

だが、それは自分が勝手に思う都合のいい夢なのかもしれない。

それでも願う、想う、会って欲しかった未来だと……

 

裁判者は見た気がする。

本来あったかもしれない想いを互いに思いやり、彼らの故郷の岬で遥かに続く海を見つめる二人の姉弟。

それをいつまでも見つめ、想いにふける少年。

彼らの強い想いが混じり合い、具現したかのような光景を……

 

小さな少女が目を開ける。

隣に座っていた少年が、

 

「随分と長いこと寝てたね、レイ。」

「ん~、長い夢を見てた。昔の夢を……」

 

少女レイは伸びをする。

そして少年を見て、

 

「ゼロ、私ね……今なら色々わかる気がする。心ある者達は変わらない。けど、きっと変わる生き物なんだって。それを繰り返して、繰り返して、今を生きてるんだって。」

 

少年ゼロは何か思い当たり、

 

「夢ってもしかして……」

「そ。裁判者がお兄ちゃん達以外に旅を共にした彼ら。裁判者は彼らとの出会いも、旅も嫌いじゃなった。けど、それを理解するのに、こんなに時間が経っちゃった。今度、聖主マオテラスに会ったら、昔話でもしようかな。語れる相手は彼しかいないし。でも、諦めなかったから、今がある。懸命に生きたから、今がある。人も、天族も……」

 

レイは立ち上がる。

空を見上げ、小さく笑って、

 

「クローディン、あなたの想いは受け継がれている。ベルベット、今もライフィセットは頑張ってるよ。今を懸命に生きて、ね。」

 

レイはクルッと回り、始まりの村カムランを見つめ、

 

「ミケル、今のこの世界を見たら、貴方はなにを想うのかな。」

「そうだね。それに、今の俺らを見たら、どういう反応をするか気になる。」

 

審判者ゼロも立ち上がり、かつて村があった場所を見る。

まだ、穢れが満ちるこの村の跡地を……

 

レイは歩き出し、

 

「人と天族、それに私たちの関わりも変わったよ、ジイジ……」

 

レイは身を包み、仮面をつけた少女へと変わる。

仮面を外し、

 

「世界は変わった。時期に理も変わる。呪いを恐れず、立ち向かう彼らは共に協力し合い、共存する。時に挫折し、絶望するが、それでも立ち上がり、懸命に前へと進み、生き続ける。それは果てしない道のり。だが、それが生きると言うことであり、心を持つと言うことだ。」

 

裁判者は再び仮面を着け、審判者と共に歩いて行く。

世界を見続ける為に、この世界に生きる彼らの歴史を紡ぐために……


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