テイルズオブゼスティリアでやってみた   作:609

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toz 第四十六話 導師と災禍の顕主

奥に進むと、災禍の顕主ヘルダルフが立っていた。

 

「来たか、導師!ならば、マオテラス!」

 

そう言うと、穢れが膨れ上がる。

そして、それが災禍の顕主ヘルダルフを包むと、彼はドラゴンへと姿を変える。

スレイ達は武器を構えて戦闘を始める。

 

「決意、覚悟、全て無駄。この力の前ではな!」

「もうお互い退けない……退いたらこれまでの事を否定することになる。そうだろ?ヘルダルフ。」

「小童がワシを語るか……片腹痛い!」

 

災禍の顕主ヘルダルフとスレイは互いに爪と剣をぶつけ、交えながら言う。

ミクリオが後ろに一度下がったスレイに、

 

「スレイ、僕らの策は性質上、4回きりだ!」

「神依≪カムイ≫による最大の攻撃で撃ち込んでください!」

 

ライラが天響術を繰り出して言う。

そしてザビーダも天響術を繰り出し、

 

「外さねぇよう、ひるんだ時に撃て。いいな!」

「慎重かつ大胆、できる?」

 

エドナが天響術を詠唱しながら言う。

ロゼが災禍の顕主ヘルダルフの攻撃を避けながら、

 

「サポートまかせて!やってやろ!スレイ!」

「ああ!」

 

そして一斉に攻撃を仕掛ける。

一瞬で来た隙に、

 

「んじゃ、最初はお兄さんがいってやろう!わかってんなスレイ‼」

 

ザビーダがスレイと神依≪カムイ≫をする。

そしてスレイは、銃≪ジークフリード≫をヘルダルフに向けて放つ。

それは直撃する。

災禍の顕主ヘルダルフは笑いながら、

 

「残酷にして無謀極まりない。仲間と称するものを犠牲にしながら、何の功も奏しておらん。犬死によ。」

「オレは……オレたちは……信じた答え、信じてくれた道を貫く!」

 

スレイは再び剣を構える。

そして再び一斉攻撃をしかける。

ライラとミクリオが天響術を繰り出し、災禍の顕主ヘルダルフに直撃する。

その合間を縫って、

 

「さぁ、スレイ‼」

 

エドナがスレイと神依≪カムイ≫をする。

そしてスレイは、銃≪ジークフリード≫をヘルダルフに向けて放つ。

それは直撃する。

災禍の顕主ヘルダルフはなおも笑う。

 

「無駄だ!」

「まだみんな戦ってる!」

 

スレイは剣技を繰り出しながら言う。

ロゼは災禍の顕主ヘルダルフを睨みながら、

 

「そうだよ!あんた、わかんないの?」

「現実を受け入れられんのか……愚か者ども!」

 

そこにミクリオと神依≪カムイ≫したロゼが矢を放つ。

ライラがスレイを見て、

 

「スレイさん、今です!」

 

そう言って、神依≪カムイ≫をする。

そしてスレイは銃≪ジークフリード≫を構えて放つ。

それは直撃する。

災禍の顕主ヘルダルフは攻撃を繰り出す。

 

「従士はもう神依≪カムイ≫もできん。終わりだな。」

「決めつけんなっての!」

 

ロゼはその攻撃を防ぐ。

そして突っ込んで行く。

 

「命が惜しくないと見える。」

「今更でしょ!覚悟なんてとっくに完了!」

 

そして攻撃を仕掛ける。

そこにミクリオが、

 

「今だスレイ‼」

 

ミクリオがスレイに神依≪カムイ≫をする。

そしてスレイは銃≪ジークフリード≫を構える。

だが、そこに災禍の顕主ヘルダルフの爪が襲い掛かる。

 

「っ⁉」

 

スレイは対処できない。

そこにロゼが回転をしながらそれを弾く。

そして災禍の顕主ヘルダルフを見て、突っ込んで行く。

 

「はあああっ!」

 

災禍の顕主ヘルダルフの爪を防ぎ、スレイを見る。

スレイは災禍の顕主ヘルダルフに銃口を向け、頷く。

 

「ヘルダルフ‼」

 

そして最後の引き金を引く。

それはヘルダルフに当たり、光り出す。

ロゼは息切れをしながら、

 

「はぁ、はぁ……終わったよ、みんな!」

 

そう言ってその場に崩れ落ちる。

スレイも銃≪ジークフリード≫を握りしめ、

 

「はぁ、はぁ……これで、すべて!」

 

そして災禍の顕主ヘルダルフを見る。

彼と天族マオテラスの繋がりが切れ、いつもの獅子の姿に戻っていた。

辺りは戦闘の反動で、辺りは崩れ始めている。

災禍の顕主ヘルダルフは立ち上がり、

 

「万策尽きたか……?」

 

ロゼも立ち上がるが、限界がきていた。

倒れそうになるロゼをスレイが支える。

災禍の顕主ヘルダルフを見つめた後、スレイはロゼを見る。

ロゼは眉を寄せて、スレイを見た。

 

「スレイ?」

 

そしてスレイはロゼを着き飛ばした。

ロゼは尻餅を着く。

 

「きゃっ!」

 

スレイは地面を叩き付け、地面にヒビが入る。

スレイ達の場所が下に降下していく。

ロゼはそれを見下ろし、

 

「スレイ!なんで!」

 

見下ろす先のスレイは、ロゼを見上げて口パクで「ごめん」と言った。

そしてスレイは災禍の顕主ヘルダルフと共に、落ちていく。

ロゼはスレイにおもいっきり大声で、

 

「バッカやろ〰‼」

 

スレイはそれを見つめた後、決意を決めて災禍の顕主ヘルダルフの方に振り返る。

 

 

ロゼは下を見つめたまま手を握りしめていた。

そこに足音が響く。

そして自分の後ろで止まると、

 

「なるほど。導師はお前を置いて行くという選択肢を取ったか。当然の選択だな。」

「アンタの方は変わってないんだね。」

「私は元に戻っただけだ。器が変わったことで、私は私という裁判者のあり方を貫くだけだ。さて、従士。お前には二つの選択肢がある。ここでずっとそうしているか、来た道を戻るか。」

 

裁判者はロゼの背を見つめる。

ロゼは眉を寄せて、叫ぶ。

 

「ふざけんな!あたしは――」

「でも、私はロゼに戻ってほしい。」

「え?」

 

ロゼが後ろを見ると、白いコートのようなワンピース服を着た小さな少女、レイが居た。

レイはロゼを見て小さく笑う。

そしてロゼの横までくると、同じように下を見下ろし影から一本の剣を取り出し、下に投げる。

そしてロゼを見て、

 

「私はロゼに繋げて欲しい。導師スレイが繋げた縁を、繋がりを、未来を。導師と共に同じように世界を見て、感じ、聞いた……そして誰よりも導師と言う運命を背負った者を近くで見てきたロゼだからこそ、次に繋げることができる。お兄ちゃんの繋げた想いを次につなげて、ロゼ。」

 

そう言って、レイはロゼを見つめ、背中から下に向かたまま降りる。

 

「今はまだ時間がかかるけど、私もまた一緒に繋げるから。」

 

そう言って、レイは見えなくなる。

ロゼは頬を叩き、立ち上がる。


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