テイルズオブゼスティリアでやってみた   作:609

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toz 第四十三話 災厄の村カムラン

スレイ達は奥を突き進む。

スレイ達は歩いていると石碑を見つけた。

ミクリオはそれを見て、

 

「この石碑は新しいな。」

「なんか書いてある……『この村から始めよう』。」

 

ロゼが文字を読み上がる。

ライラは手を握りしめ、ハッとする。

ミクリオがそれを見つめ、

 

「カムラン開拓の記念碑か。」

「導師がやめたミケルさんは、なにを始めるつもりだったんだろうな。」

 

スレイが石碑を悲しそうに見つめて言う。

ロゼは腕を組み、

 

「普通の生活……家族との暮らし……」

「穢れのない世界への第一歩という意味かもしれない。」

 

ミクリオも続けて言う。

スレイはミクリオを見て、

 

「始めりの村カムラン――『災厄の時代が始まった』って意味じゃなかったんだな。」

「希望がこもった名前だったんだね。」

 

ロゼも二人を見て言う。

ライラは遠くを見て、

 

「ミケル様……」

「取り戻そう、ライラ。希望の名前を。」

 

スレイはライラを見る。

ロゼもライラを見て、

 

「災厄の時代を終わらせて。」

「はい。」

 

ライラは頷く。

そして再び歩き出す。

奥に歩くに連れて、穢れが強くなっていく。

ザビーダは辺りを改めて見て、

 

「おっそろしい量の穢れだな。スレイがいなけりゃドラゴンになってるぜ。」

「マオテラスが発してるのか……マオテラスに流れ込んでいるのか……。とにかく、この穢れがマオテラスを憑魔≪ひょうま≫にしている原因なんだ。」

 

ミクリオが腕を組む。

エドナが奥を見て、

 

「穢れの中心は村の奥のようね。おそらくそこに……」

「ヘルダルフとマオテラスがいる。」

「行こう!大丈夫!導師一行だって並じゃないから。」

 

そう言ってロゼが歩いて行った。

スレイ達も頷き、歩き出す。

 

しばらく歩いた先に、先代導師ミケルの家を見つけた。

と言っても、それは焼け焦げていた。

ミクリオはそれを見て、思い出す。

 

「ここは……大地の記憶で見た……」

「ミケルさんの家だ。」

 

スレイも驚きながらそれを見る。

ライラは無言でそれを見つめる。

スレイはミクリオを見て、

 

「ミューズさんも一緒に住んでいたんだよな?」

「ああ。つまり人間の赤ん坊だった僕も、住んでいたんだろうね。」

「カムランは、ミクリオの故郷だったんだよな。それに裁判者と審判者の……」

「スレイにとってもだろ?」

 

ミクリオはスレイを見て小さく笑う。

だが、スレイは腕を組み、

 

「そう……なんだよな。実感ないけど。」

「歴史的事情だね。僕たちの。」

「けど、オレの故郷はイズチだ。」

「ああ。もちろん僕も同じだ。それにレイも。」

 

ミクリオは頷く。

そしてスレイは腰に手を当てて、

 

「そしてこれからも。」

「言うまでもないさ。」

 

ミクリオも同じように言う。

それを見たライラは嬉しそうに微笑む。

 

そしてスレイ達は、神殿アルトリウスの玉座の入り口にやって来た。

空は赤く燃え上り、月のような球体は黒く浮いていた。

そして雷や竜巻、落石などが起きていた。

ロゼが怒りだす。

 

「っとに何ここ!」

「すごいところだよ。」

 

そしてスレイも眉を寄せた。

ミクリオも拳をつくり、

 

「何もかもが非常識すぎる。」

「膨大すぎる穢れが、こんな異常な光景を生んでいるんでしょう。」

 

ライラが辺りを見て言う。

ザビーダはニッと笑う。

 

「この世のならざる景色ってところか。」

「こんな感じなんだ。あの世って?」

 

ロゼが怒りからコロッと変わって言う。

エドナは遠くを見るように、

 

「あの世を見たことのある人がそう言ってるしね。」

「見たらちゃんと教えてやるって、嬢ちゃんたち。それもすぐかもしれねぇぜ?」

 

と、腰に手を当てて言うザビーダ。

ライラは口元に手を当て、

 

「ふふふ、大丈夫ですわね。冗談が言えるのなら。」

「ホント、いつもの調子だよね。」

 

ロゼが笑う。

エドナも悪戯顔で、

 

「あなた達も人のこと言えないと思うわ。」

「どうよ?こういうの?」

 

ザビーダは笑い出す。

ミクリオは苦笑した後、

 

「頼もしい限りだ。」

「ああ。本当に。」

 

スレイも頷く。

そして進む。

 

と、ミクリオは扉越しに、穢れの気配を感じ、

 

「以前ヘルダルフと戦った時よりも酷い穢れだ……」

「着実に近付いているってことだね。」

 

ロゼはジッと扉を見つめる。

ミクリオもそこを見つめ、

 

「ああ。気は抜けない。」

「行くぞ!」

 

スレイ達は中に入る。

中に入り、奥に進んで行くとある紋章を見つけた。

近付くと、『カノヌシの紋章』と隅の方に書かれていた。

だが、スレイ達はそれに気付かない。

ミクリオがそれを見て、

 

「マオテラスの紋章か。」

「いや……ちょっと違くないか?これ……」

 

スレイも腕を組んでその紋章を見る。

ライラは静かに、

 

「これはカノヌシ様の紋章ですわ。」

「カノヌシ……?どんな天族≪ひと≫?」

 

ロゼがライラを見る。

答えたのはライラではなく、ミクリオだった。

 

「かなり古い伝承だけに出てくる謎の天族だな。」

「一応五大神だ。マオテラスの前のな。」

 

ザビーダが腰に手を当て、その紋章を見て言う。

スレイはそれを聞き、驚きながら、

 

「マオテラスの先代⁉五大神って入れ替わるものなのか?」

「流行廃りはなんにだってあるわ。現に、今はマオテラス信仰だけが盛んじゃない。他の四神をおしのけて。」

 

エドナが淡々と言う。

スレイは首を傾げ、

 

「そういうもの……かもな。」

「つまり、ここはカノヌシの神殿だったのか。と言うことは、裁判者と審判者はそれに関わっていたのかもしれないな。なぜならこの地は、彼らの生まれ故郷だ。」

「かもしれないな……行こう。」

「ああ。」

 

スレイとミクリオは互いに見合って、歩いて行った。

ロゼがそれを見て、

 

「……スイッチ、無理矢理切っちゃったね。」

「ライラ、あの二人の――」

 

エドナがライラを見る。

ライラは無言で俯く。

そしてザビーダも何かを察して黙り込む。

ロゼも何かを感じ、

 

「あれ?」

「行くわよ。」

「あ、うん。行くよ、二人とも。」

 

エドナがロゼを連れて行った。

ザビーダが手を上げる。

 

「ああ。」

「はい。」

 

そしてライラも頷き、歩き出す。

 

 

レイは戦っていた。

目の前にいる審判者は短剣を投げてくる。

それを影が握っている剣や槍で防ぐ。

そして雷が審判者を襲う。

だが、彼はそれを交わし、短剣を雷を出した老人天族に投げる。

レイが老人天族の前に行き、影を操る。

 

「ジイジ!今からでも遅くない!イズチに戻って!」

「何を言うか!お前さんを残して戻れんわ!」

「私は大丈夫だから!」

 

レイは後ろを振り返り、老人天族ゼンライ≪ジイジ≫を見る。

だが、すぐそこに審判者は短剣を投げて来た。

レイはそれを防ぐ。

だが、彼は笑みを受けべ、

 

「やっぱり、今の君は弱いね。」

 

そう言うと、レイの背後から槍が突き刺さる。

 

「レイ!」

 

レイは後ろに視線を向けると、影から槍が尽き出ていた。

ジイジが雷を審判者に向けて放つが、

 

「俺ばかりに注意が行きすぎだよ、雷神。」

 

彼は槍を回して、それを打ち消した。

そしてレイは抜かれた槍の傷を抑え、

 

「ジイジ!」

 

影でジイジを引っ張る。

そこには災禍の顕主ヘルダルフが攻撃を仕掛けていた。

 

「すまんのぉ!」

「だ、大丈夫……!」

 

だが、災禍の顕主ヘルダルフがレイの側まで来て、レイを壁に打ち付けた。

レイはそのままずれ落ち、そこを見る。

ジイジが彼に首を絞められていた。

 

「ジイジ!……ヘル、ダルフ――‼」

 

レイの叫び声が響き渡る。

 

 

スレイ達は奥へと奥へと進んで行く。

ザビーダが辺りを警戒しながら、

 

「……まだ仕掛けてこねぇのか。焦らされるのは好きじゃなねえんだがな。」

「嫌な予感がぬぐえません……」

 

ライラが手を握りしめる。

ザビーダはライラを見て、

 

「言ったろ?楽に行こうぜ。考えたってしょうがねぇ。」

「ええ……」

 

ライラは俯く。

と、前を歩いていたスレイとミクリオは大量の儀礼剣を見付けた。

ミクリオはスレイを見て、

 

「スレイ、儀礼剣があるぞ。」

「ああ。やっぱりここは、導師と関係がある場所なんだな。」

 

スレイも頷く。

ミクリオは腕を組み、

 

「以前は大勢の導師がいたんだよな。せめて何人か残ってくれていれば……」

「そうだよなぁ。けど、そういう歴史の先に生きてるんだ。オレもミクリオも、みんな。」

「わかってるさ。今この瞬間が歴史であることもね。」

「はは、未来のオレたちにガッカリされないようにしないとな。」

「僕みたいな厳しいのもいるからね。」

「そういうこと!」

 

二人は頷き合う。

そして歩いて行った。

ザビーダは笑いながら、

 

「いやー、若いっていいねえー。」

「本当に。」

 

ライラも微笑みながら歩いて行く。

そして神殿の最奥の前の階段にやって来た。

スレイはザビーダを見て、

 

「ザビーダ、決着つけなきゃいけない相手だって言ってたよな。」

「ああ。何だかんだで、殺らずに済みそうだ。」

 

ザビーダは腰に手を当てる。

ライラもザビーダを見て、

 

「スレイさんとの出会いで、新たな可能性が生まれたのですわね。」

「そうそ!まさに運命の出会いってな!野郎なのが唯一の問題だ。」

 

ザビーダは笑いながら言う。

エドナは半眼で彼を見る。

 

「ばかなの?」

「まったくだ。五大神の一人を殺す……いや、殺せるつもりだったなんて。」

 

ミクリオも半眼で彼を見た。

ザビーダはニット笑い、

 

「やってみねえと結果はわからんだろうが、よ。」

「ザビーダ、答えを最初から持ってて、全くブレないんだ。意外とすごいやつ?」

 

ロゼが腕を組んで驚く。

ザビーダは手を広げて、

 

「お、ロゼちゃん、俺と契約して器になってみる?」

「調子のりすぎ。」

 

エドナが彼の横腹に傘を突き出した。

彼は横腹を抑え、

 

「痛い!」

「ザビーダ、ありがとう。」

「あん?」

 

ザビーダはスレイを見る。

スレイは銃≪ジークフリード≫を取り出し、

 

「オレ達の出会いが救う方法を、生んだってのがすげーうれしくてさ。」

「おまえ……」

 

そしてザビーダは帽子を下げ、

 

「ったく。この甘ちゃん導師め。甘ったるすぎだぜ。こっからが正念場だろ?」

 

そしてスレイの肩に腕を乗せる。

スレイは彼を見て、

 

「だな。」

 

ザビーダは肩を押す。

スレイは頷き、長い階段を登り出す。


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