テイルズオブゼスティリアでやってみた   作:609

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toz 第二十話 イズチの里

スレイ達は宿屋から出ると、

 

「そう言えば、結局のところ……アリーシャの疑いは晴れたんだよな?」

 

スレイが腕を組んで悩み出す。

ライラがスレイを見て、

 

「アリーシャさんがローランスに通じているという?」

「ああ。そのせいで捕まったって。」

「疑いもなにも、スレイを戦場に行かせるための冤罪でしょ。」

 

エドナが傘を回しながら言う。

ミクリオも、スレイを見て、

 

「そう。こっちは約束は守った。捕まえておく理由はないさ。」

「だよな。よかった。」

 

スレイは嬉しそうに言う。

その後ろで、レイが小さい声で、

 

「……もし仮に、そうであったとしても、私がそれを裁くがな。あのようなもの、我が盟約に反するからな。」

 

エドナが真剣な表情で、

 

「もっとも、前と同じじゃないでしょうけど。」

「え?」

 

スレイはキョトンとして、エドナを見る。

 

「そうでしょ。実際にローランスとの衝突は起こってしまったのよ。それが審判者のせいでも。」

「ええ。結果はどうあれ、アリーシャさんの事は解っても、審判者のような存在を彼らは知らない。」

 

ライラが悲しそうに俯く。

レイはスレイを見上げ、

 

「人は自分の目の前に起きている事しか信じられない者と、他者からの偽りを信じて行動する者がいる。そして、人は戦争を望む者と、拒む者がいる。だから……」

「ああ、だからそんな状況で和平なんて唱えたら……か。」

「微妙な立場が、さらに悪くなるだろうな。」

 

スレイとミクリオは各々、辛そうにする。

レイは笑顔をつくり、

 

「でも、アリーシャなら大丈夫。」

「ええ。おチビちゃんの言う通り、それで大人しくしてくれる子だったらいいんだけどね。」

 

エドナも、スレイとミクリオをまっすぐ見て言う。

ライラは手を握りしめ、

 

「そうですわね、アリーシャさんも王族。大臣たちも無茶はできないはずですが……。」

「アリーシャ……」

 

スレイは視線を落とす。

だが、視線を上げ、

 

「今はアリーシャを信じる。きっと、アリーシャなら次に進むはずだ。それでも、落ち込んでいたら、その時は……」

「僕らが力になればいい。」

「ああ!」

 

スレイとミクリオは互いに見合って頷き合う。

それを見守っていたロゼは二人の背を叩き、

 

「んじゃ、あたしたちはあたしたちのできることをしようか。まずは、導師としての力を上げる、でしょ?」

「ああ!遺跡に向かう!」

「けど、その前に家に帰ろ?」

「え⁉」

 

いき込んだ彼らに、レイが真顔で言った。

レイはスレイを見上げ、

 

「確かに、導師としての力を上げるのも大切。だけど、それを行う前にお兄ちゃんたちは振り返る事も必要だよ。」

「……レイさんの言う通りですわね。スレイさんたちの故郷が近いんです。先にそちらに行きましょう。」

 

と、ライラとレイが率先して歩き出す。

その後ろに、傘をクルクル回しながら付いて行くエドナと無言で歩き出すデゼル。

スレイ、ロゼ、ミクリオは慌てて付いて行った。

途中の森で野営をする。

そして翌朝、一行はスレイ、ミクリオ、レイの故郷であるイズチへと向かった。

森を抜け、レイが嬉しそうに駆けて行く。

岩の門を抜け、レイは一目散にジイジの家の方へ走って行く。

スレイはそれを見て、

 

「レイ、嬉しそうだな。」

「ああ。感情がわかってきて、嬉しいんだろう。ふふ。今のレイを見たら、ジイジだけじゃなくて、みんなびっくりするだろうな。」

「だな。」

 

スレイとミクリオは嬉しそうに言い合う。

と、スレイは走るレイの姿を見ながら、

 

「でもいるかな、ジイジ?このキセル、ジイジに返してあげないとだし。」

「すごく良い品だもん、そのキセル。絶対スレイのお爺ちゃんのお気に入りだったはずだよ。届けるなら、早くしてあげたら?」

 

ロゼがスレイの取り出したキセルを見て言う。

スレイはキセルを握りしめ、

 

「よし!オレらも行くぞ、ミクリオ!」

「仕方ないな。」

 

二人は駆けだした。

その姿を見たエドナが傘をクルクル回しながら、

 

「子供ね。」

「ふふ、嬉しいのでしょう。久々の故郷ですもの。」

「さて、あたしらも行きますか。」

「たく……」

 

ライラ達も三人の後を追う。

と言っても、歩いてだが。

 

ジイジの所に行きながら、スレイは里のみんなと話す。

スレイ達の帰りを嬉しそうに迎えてくれた。

そしてレイを見て驚いていた。

レイはそれには目もくれず、ジイジの家に急ぐ。

家の前に来て、レイは勢いよく入って行く。

 

「ただいま、ジイジ!」

「おかえり、レイ。」

 

そして、ジイジに抱き付いた。

その後ろからスレイが笑顔で、

 

「ジイジ!元気だった?」

 

と、ジイジはスレイを見て、

 

「バッカも――ん!」

「なんだよ⁉いきなり。」

 

スレイは驚いて目を見開く。

ジイジはスレイを見上げ、

 

「まずは挨拶じゃろう!そんな無礼者に育てた覚えはないぞ。」

「黙って出て行ってごめんなさい。」

 

スレイは頭を下げる。

その横で、ミクリオも頭を下げ、

 

「ただいま戻りました。」

「初めましてロゼです!お邪魔します。」

 

と、ロゼも声を上げる。

ジイジは納得し、

 

「うむ、無事でなによりじゃ。レイも随分と変わったの。従士の娘御も歓迎しよう。」

 

ジイジはロゼを見て言う。

ロゼは驚きながら、

 

「わかるの?あたしが従士って。」

「わからいでか。スレイを導師としてミクリオは陪神≪ばいしん≫になったのじゃろう。」

 

ジイジはスレイに視線を向ける。

 

「そして主神は……湖の乙女か。」

 

そう言うと、ライラがスレイの中から出て来た。

 

「お久しぶりです、ゼンライ様。私は――」

「何も言わずともよい。因縁は巡る。避けられぬ世の理じゃ。」

「はい。それでも私は信じたいと思います。必ず正しい未来に至れると。」

 

ライラはまっすぐと、ジイジを見る。

それを見たレイはそっとジイジから離れる。

そしてジイジはレイの頭を撫で、

 

「スレイたちは、いい主神を持ったようじゃの。それに大方、裁判者や審判者についても知ったのだろ。」

 

レイは身を固くし、スレイ達は眉を寄せる。

ライラに至っては静かに一回瞳を閉じ、開ける。

その反応を見たジイジは、

 

「うむ。ところでキセルは役に立ったか?」

「あ……うん。」

「キセルのことはいいんじゃ。お前たちの役に立ったなら。」

 

スレイはそんなジイジに、キセルを取り出す。

 

「でも返すよ。もう大丈夫だから。」

「遠慮せずにもっておれ。」

「本当に大丈夫なんだよ。オレも、ちょっとは成長したからさ。」

「……生意気を言いおって。」

 

ジイジはスレイからキセルを受け取る。

その言葉はどこか嬉しそうだ。

そしてキセルをしまい、代わりにスレイの手に、

 

「なら、代わりにこれをもっていけ。」

「ありがとう、ジイジ。」

「なんの。礼を言うのはこっちじゃ。」

 

スレイは贈り物をしまう。

そしてロゼを見て、

 

「オレは一回自分の家に向かうよ。ロゼはどうする?」

「あたしはちょいと周りを散歩するよ。」

「僕もみんなに話があるからね。外に行くよ。」

「じゃ、後でみんな集合な。レイはどうする?」

「ん?寝てる。」

「はは。そっか。」

 

と、奥の方へ歩いて行った。

スレイ達も外へ出て行く。

ジイジは扉の方を見て、

 

「ふふ……本当に生意気を言うようになりおって……」

 

それを聞いてからレイは床に入った。

 

 

外に出て、レイ以外のみんなが一度集まる。

ライラがスレイを見て、

 

「スレイさん。今回は、ちょっとゆっくりしませんか?」

「疲れてるの、ライラ?」

 

スレイはキョトンとした顔で言う。

ライラは優しく微笑み、

 

「そうではありませんが、たまにはまとまった休養も必要かと。」

「賛成。いいんじゃない?レイもまだ寝てるだろうし。」

 

ロゼも腰に手を当て、笑う。

スレイは嬉しそうに、

 

「そうだな。オレももう少し、イズチのみんなとも話したいし。」

「じゃ、もう一回自由行動ということで。」

 

各々歩いて行った。

スレイはゆっくり歩きながら、故郷を見て回る。

と、イズチのみんなと話をしていたエドナを見つけ、

 

「エドナ。」

「スレイ……ふふ。」

 

エドナはスレイを見て笑った。

スレイは不思議そうな顔をして、

 

「なに?急に。」

「いいえ、わかったのよ。スレイが天然に育った理由が。」

「は?」

「いいからどっか行きなさい。ワタシはまだ話してるんだから。」

「ちぇ。」

 

スレイはその場から離れる。

スレイは、二人の天族が笑いながらロゼに話しているのを見た。

 

「なぜミクリオが杖を武器に選んだか知ってるかい?それはな……スレイとのリーチ差を埋めようとしたからなんだ。」

「ホント、涙なしには聞けない話よね。」

 

と、ロゼがミクリオの話をしていた二人の天族の話を聞き、

 

「気にしてたんだ、ミクリオ……」

 

ロゼは頭を掻きながら言う。

スレイはそれを横目で見てから、その場を離れた。

スレイはジイジとライラが遺跡の方へ行ったと聞いたので、そちらの方へ行ってみる。

と、壮大な景色を見ながら、一人立っていたデゼルの所に行った。

 

「デゼル。」

「スレイか。たく、ここはぬるい村だ。……だが風は、いい風が吹いているな。」

「そっか。」

 

スレイは笑いながら、デゼルから離れた。

スレイは歩きながら、

 

「にっしても、ミクリオどこに行ったんだ?」

 

と、その本人を見つけた。

彼は物陰に隠れて、何かを見聞きしている。

スレイは彼に声を掛ける。

 

「なにしてんだ、ミクリオ?」

「静かに。」

 

と、ミクリオはスレイに振り返らずに言う。

スレイもそっと物陰からミクリオの見るものを見る。

そこにはライラとジイジが何やら悲しく重たい空気で話していた。

 

「そうですか。あの方が私の前に現れた時にはもしやと思いましたが……やはり二人は……」

 

その悲しそうなライラの声に、スレイは回れ右して、

 

「……行こう。」

「スレイ……」

 

ミクリオも振り返りながら言う。

そして二人はその場から離れた。

 

 

ライラは手を握り、悲しそうに言う。

 

「申し訳ありません。そうとも知らず勝手に契約を。」

「いや。契約を結んだのは、あの子らの意志じゃ。この先のことを決めるのも、のう。」

「命にかえて支えます。同じ過ちは、もう二度と。」

 

ライラが俯く。

ジイジは優しくライラに言う。

 

「そう自分を責めるな。先代のことは、どうしようもなかったのじゃ。」

 

と、彼らの後ろに声が響く。

 

「ゼンライの言う通りだ、主神。」

 

ライラ≪主神≫とジイジ≪ゼンライ≫が声の方へ振り返る。

そこには崩れた遺跡の柱に腰を掛けていた黒いコートのようなワンピース服を着た小さな少女がいた。

小さな少女は頬杖をつきながら、

 

「あいつの事は、お前だけのせいではない。色々な因果が混じり合って起きた悲劇だ。」

 

ライラ≪主神≫は目を見開いた後、再び俯いた。

 

「そうかもしれません。それでも、考えてしまうのです。私はもっとできることがあったのではないかと……」

 

小さな少女は目を細めてライラ≪主神≫を見た後、視線をジイジ≪ゼンライ≫に向ける。

ジイジ≪ゼンライ≫は空を見つめ、

 

「すべては縁じゃ。そして縁は、まだつながっておる。」

 

ライラ≪主神≫は顔を上げ、

 

「はい。ゼンライ様のおかげです。」

「いいや、つなげたのはお主とあの子たちじゃよ。そしてお前さんのおかげだ。」

 

ジイジ≪ゼンライ≫は小さな少女を見上げる。

小さな少女は彼らの前に降り立ち、

 

「なぜそうなる。」

「お前さんがレイをつくり、育み、そしてお前さん自身が導きの一手を担っておる。だからこそ、今のワシができることは、あの子らを心配することくらいじゃて。」

「ふふ。危なっかしいところもありますが、あの純粋さは、行く先を照らす光ですわ。」

「……だが、それ故に染まりやすい。その光を失いたくなければ、精々頑張る事だ。」

 

ライラ≪主神≫はジッと小さな少女を見つめ、

 

「……そろそろ、貴方がそうなった理由を教えてくださいませんか?」

 

小さな少女は顎に手を当て、

 

「……簡単な事だ。私が本当の意味で、感情という概念を理解していなかっただろうな。私は感情というものは理解していていた。しかし、私自身が感情を持っていないが故に、気付かず、理解できていなかった。あの者が私達に名を与え、人間へと変えた。そしてそれが大きく小さな歪みを生み出した。だからあいつは狂った。人と言う生を与えた始まりの人間、人と言う感情を教えた呪われた人間。そして、狂いに狂ったアイツの感情すらも気付いてやれなかった。それを気付かせてくれたのは、お前も知る二人だ。」

「…………。」

 

小さな少女は赤く光る瞳をライラ≪主神≫とジイジ≪ライゼン≫に向け、

 

「世界はもう狂いに狂っている。私達が動く事はないが、動かざる得ない事もあるだろうな。世界の狂いを一度、正しく戻すためにも。……だが、そのためには私はいつまでも、この姿でいる事は出来ない。」

 

小さな少女は胸に手を当て、

 

「これが体を明け渡すか、私がこいつを消すか……」

「貴女はまた!」

「まぁ、待て。」

「ゼンライ様!」

 

ライラ≪主神≫は眉を寄せ怒るが、ジイジ≪ゼンライ≫は髭をさすりながら止める。

だが、そのジイジ≪ゼンライ≫の表情は厳しい。

小さな少女は赤く光る瞳を細め、

 

「もしくは、私たち自身が裁判者と審判者として、人として生まれたこいつらを受け入れ……いや、人として生まれたこいつらが、私達を受けいれるか、だ。」

「……貴女は、レイさんを受け入れていると?」

 

小さな少女は無表情のまま、瞳を一度閉じた後、

 

「……さあな。だが、どの選択肢を取るにしても、これを消したくないのであれば……こいつに選ばせることだ。」

 

小さな少女は風に包まれ消えた。

しばらくした後、ライラは空を見上げ、

 

「……ゼンライ様、私は決めました。私は共に歩いていこうと思います。今度こそ後悔しないように。」

「そうじゃの。それこそが人と天族……あわよくば彼らとの在るべき姿かもしれん。」

「お話しできてよかったですわ。」

「ワシもじゃ。あの子らを頼んだぞ。」

 

二人は空を見上げ、微笑む。

 

 

ライラとジイジの居た所から離れたスレイとミクリオ。

ミクリオはスレイを見て、

 

「今の、僕たちの話じゃないか?」

「みたいだな。」

 

スレイは腰に手を当て、自分もミクリオを見て言う。

ミクリオは意外そうな顔で、

 

「いいのか、聞かなくて?」

「ミクリオ。」

 

スレイはジッとミクリオを見る。

ミクリオをスレイから視線を外し、

 

「……すまない。盗み聞きすることじゃないよな。」

「大事なことは、ちゃんと教えてくれてる。ジイジは。」

「ああ。それはライラもだ。さっきのこと、今更だったな。忘れてくれ。」

 

ミクリオは顔を上げ、二人は嬉しそうに微笑む。

そこに風が吹き荒れる。

スレイとミクリオは目を隠し、風が収まって目を開けると、

 

「レイ?」

 

そこにはレイが立っていた。

いや、寝ぼけて空を見上げていた。

ミクリオがそっと近づき、

 

「レイ、大丈夫か?」

「……扉……」

「扉?」

 

ミクリオはスレイを見る。

スレイは首を振る。

と、レイは空を見つめたまま、

 

「……近付けさせない。」

「「?」」

 

スレイとミクリオは眉を寄せて、レイを見た。

レイは目を瞑り、歌い出す。

歌い終わると、

 

「……あれ?お兄ちゃんにミク兄、どうしたの?」

「え?い、いや何でもない。」

「そう…なの?」

「ああ。」

 

レイは二人と手をつないで家に戻る。

その日はイズチで一夜を過ごした。

 

翌朝、スレイ達は社前で、スレイはライラに聞いた。

 

「そういえば、ライラってジイジと知り合いだったのか?」

「ゼンライってジイジの本名なの?」

 

ロゼが首を傾げて聞いた。

レイが手を合わせて、

 

「そうだよ。ジイジの雷は凄いんだよ!」

「ああ。凄いよな。ま、イズチじゃ誰も呼ばないけど。」

 

スレイは腕を組んで悩んだ。

ライラは遠い目で、

 

「以前、お会いしたことがあるんです。一度だけ。」

「な~んか意味深な会話してたよね?」

 

ロゼが首をかしげると、スレイがロゼを見て、

 

「あれ?ロゼも居たのか?」

「え?あー……木の上とか?でも、遠くて聞こえずらかっ……じゃなかった。スレイ達と同じタイミングで離れたけどね!」

 

ロゼは明後日の方向を見ていた。

後ろの方で、ミクリオとエドナは半眼でデゼルを見る。

 

「ウソだな。」「ウソね。」

「なぜ、俺を見る!」

 

ロゼは勢いで、

 

「あれなに?」

「カカオチョコチョコみチョコチョコ!あわせてチョコチョコむチョコチョコ!」

 

ライラは手を合わせて、ロゼの視線から逃げた。

スレイは頬を掻きながら、

 

「また、このパターンか。」

 

エドナは傘をクルクル回しながら、

 

「で、いつから知ってたの?スレイ達がゼンライの家族だって。」

「赤折り紙、青折り紙、黄折り紙!赤折り紙、青折り紙、黄折り紙!」

 

ライラは背を向け、一心不乱に連呼する。

その姿に、ロゼが手を握りしめ、叫ぶ。

 

「もー!逆に気になるってー!」

 

レイはスレイとミクリオを見上げる。

スレイは頷き、

 

「俺は別に。オレたちが困ることをジイジがするわけないし。」

「こっちがおかしなことをしたら、どれだけ雷を落とされるかわからないけどね。」

 

ミクリオは苦笑いする。

レイも微笑み、

 

「安心していいよ、ロゼ。少なくとも私は、ジイジが二人を無下にしたのは見たことない。逆に、お兄ちゃんたちがジイジをいっぱい困らせてた!」

「そっか。信じてるんだね。」

 

ロゼは嬉しそうに言う。

そしてスレイは大きく頷き、

 

「ああ。ライラと同じくらいね。」

 

ライラは嬉しそうに微笑む。

レイは彼らに背を向け、嬉しそうに微笑んだ。

彼らはみんなに別れを言って、次の目的地に向かう。


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