久しぶりに書いたけど、これで大きなミスとかが会った時にゃあもう、アレですよ、アレ!(なんも思いつかない)
とにかく、ほんとごめんなさい。
字数も多くないので本当に暇つぶしに読んで、たまに思い出してはちらっと見に来てください……。
その後、僕たちはいろんな話をした。
緑髪の少女――古明地こいしと名乗った少女は飽きることなく、僕に話をした。
まずは簡単な自己紹介を。
次に、最近の趣味や面白かったこと、楽しかったこと、そして悲しかったこと。
いろんなことを僕に、それは楽しそうに聞かせてくれた。それはもう、聞いているこちらも楽しくなってくるほどに。
「――ねえ、聞いてるの?」
「ああ、ごめんごめん、聞いてるよ」
なぜか不安げに僕の顔を覗くこいしに、心配いらないと笑い返す。
しかしこいしは未だ浮かない表情を続ける。どうしたのだろうか、僕は疑問に思ってこいしの顔を伺う。
ぽつりと、こいしは言った。
「私は……ずっと一人だったの」
さっきまでの笑顔がウソだったかのように、今のこいしの表情は悲しそうだった。
「一人だった?」
僕は聞き返す。
こいしの話にはよく姉の存在が出てきていた。
仲が悪いのだろうか? そう聞いてみたが、こいしは静かに首を横に振った。
「お姉ちゃんとは仲がいい、と思う……」
「思うって、それはまた曖昧な」
「お姉ちゃんはいつも地底で忙しそうにしてるの……。私は覚り妖怪だから人間からも妖怪からも避けられ続けて、でもお姉ちゃんに心配かけたくなかったから……」
うまくまとまらない思いを、ゆっくりとこいしは溶かしていく。
でも、とこいしは言葉を続けた。
「楓お兄ちゃんだけは違った……こうやって話を聞いてくれるし、会った時だって怖くないって思ってくれた。本当に嬉しかった」
そう言って、こいしは少し苦しそうに笑顔を浮かべた。
「だから、ありがとう!」
その感謝は、何に対する感謝だったのだろうか。
自分の話を聞いてくれたことか。
自分を怖がらなかったことか。
いや、もしかしたらこれは僕に対してなんかじゃなかったのかもしれない。
そして、そんな考えもこいしはお見通しなのだろう。
でも、こいしは何も言わなかった。
その第三の目で、全てを知ったはずのこいしは、しかし依然として作られた笑顔を貼り付けたまま。
「なんだろう……似た者同士だったのかな?」
僕は笑いながら言った。
こいしはこれから話すことも、すでにわかっている。
でも、僕は言葉を止めなかった。
「こいしならもうわかっていると思うけど、僕は元々人間だったんだよ」
こいしは肩をぴくりと動かす。僕は話を続ける。
「妖怪になって、人里に帰れなくなった。家族にも友達にも会えなくなってさ、当然妖怪の中に友達は一人もいない。こいしとはちょっと経緯が違うけど、僕も一人になっちゃったんだ」
言っていて凄く辛くなる。家族のこと、妹のことや仲のよかった友達のこと。思い出しては消えて、それを繰り返す僕の頭の中。
そんな僕にこいしが手を伸ばす。
僕はその手を、震える両手で包んだ。
目の前の少女は先天的なもの。
そして僕は後天的なもの。
僕たちには、何もない。
「だからこいしが来てくれて本当によかった。こいしが来てくれていなかったら、僕は死ぬことも生きることもできずに彷徨っていたと思う……」
今では妖怪だが、元は人間だ。
そんな存在が、そう簡単に死を受け入れるはずがないのだ。
とは言っても、元人間が妖怪として生きていくことなんてできるわけがない。
だから、ひと呼吸おいて僕は笑みを作って言った。
「ありがとね」
僕のその感謝の声に、こいしは笑顔で応えてくれた。
「うん! ありがとう、お兄ちゃん!」
会話はこのあとも続いた。先ほどよりも距離が縮まった僕たちは自然と寄り添うような形になり、何もない二人は時が経つのも忘れ、楽しく語り合った。
今は会えない妹の姿を、少女に幻視しながら。
いやー、この作品はしっかりと完結させたいなぁ……。
早くて年内に終わる……。というか、実は内容的にはもうすでに折り返しにまで進んでます。
コツコツ頑張っていきますよ、ほんと……。
ちなみに全話に加筆、誤字修正をしました。あと見やすくもしました。
吸血鬼のくだりは本当に、自分で読んでも何書いてるんだこれ……? ってなりました。マジでごめんちゃい。